商品市況展望 割愛版

平成14年4月28日記

 

 先週号において『新聞奨学生』の話を書いたところ、

私もそうだった!とのメールを会員に頂きました。

やっぱりこれって、皆さん大変だった様で…

大新聞のエリート?の方々も、半年くらい現場でやって見てもらいたいもんだ。

新人研修とか称してね。

あっと、家の弟も三大新聞社の社員か…

日本の政治がどうだこうだなどと訳の判らん事を言ってないで、

どうやって新聞を売っているか、どうやって配達しているのかを知れよ!(笑)

 さて私が大学卒業後に商品取引業界に入ったのは、

ズバリ相場をやって見たかったから…

証券会社に行こうか、商品にしようか迷ったが、

株じゃみんなやっているが、

商品相場の世界だけはよそからじゃ皆目見当のつかない世界だったから…

今でもほとんどの世間の人達は、胡散臭いどころか詐欺師の集団と見ているかもしれないが(笑)

 リクルート活動も面接すればすぐに入れる業界だけに

(来るものは拒まず、去るものは追わずの業界だ。

人事担当者にとっては来たくない者も入れ、去ろうとする者は追いかける業界だが…)

どこに行こうが内定は出るので、各商品会社を廻らさせてもらいました。

 米国じゃ先物取引はメジャーだ!とか、うちも国際化を図るだとか云々…

どこへ行っても同じセリフで、今も似たような事を言っているだろうが、

20年前もほとんど同じ事を言っていたのね。

うちは給料が良いよ!ってのもお決まりのパターンである。

最も最近はちゃんと?上場会社になっているところもあり、

○○証券という名前になってしまったところや商社系取引員も多数あるが…

でもやってる事は、ほぼ以前と変わらぬテレコールに飛びこみ訪問なんだけどねえ(笑)

 そんな中で○○物産という老舗の取引員に入社したのは、

うちは仕手筋の機関店ですと言うのが面白かったから。

相場を勉強するにはこれだ!と思った次第。

沢木耕太郎の商品相場の世界を題材にしたルポルタージュで、

確か『鼠達の祭り』だったと思うが、その中にもその会社が出て来ていたし…

 そんな夢を抱いて入ったが、相場を勉強する時間など全く無く、

すぐにテレコール・飛び込み訪問に駆り出される毎日に、

騙された!と思ったが運のつき…

今ならどこでもそんなものだと判るが、

社会を知らぬ学生には就業規則で8時半〜5時、土曜は半ドン

(かつては土曜日は前場だけ立会いがあったので)

日曜は休みとなっていても、

実際は7時半までに出社、夜は8時・9時は当たり前で遅けりゃ10時・11時まで、

土曜も同じで、日曜は新規客が取れなきゃまた出社。

若くて体力があるから休みが無いのはまあ良いが、

何時独身寮で洗濯すりゃいいんだ?って言う状態である。

 『相場の勉強をさせてくれ!』って上司に言おうものなら、

『相場するには金が要るだろう?お前はあるのか?お客はいるのか?』

とどやされる始末である。

しかし今頃もし普通のサラリーマンをしていたら、

おそらく給料をすべて注ぎ込んで相場で破産しているかもしれん(笑)

この時期はこれで良かったのかもしれない…

同期入社の社員は毎年恒例の事であるが、1年間で半減しましたけれどもね。

 次回にまた続きを…

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月22日

\20,440

500

\19,570

370

4月23日

\20,310

-130

\19,750

180

4月24日

\20,350

40

\19,200

-550

 

5月限(先限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月25日

\20,090

110

\19,170

*-30

4月26日

\19,990

-100

\19,110

-60

 

 まずは原油から…

NY原油相場は週末には引け値で27ドル台を回復しており、

相変らず言い古された感のある中東情勢の緊迫化の材料に堅調を保っている。

今週はAPI在庫の減少が予想外に少ない事によって一時は急落したのであるが、

すぐに回復を見せるところは意外にしぶとい印象である。

 しかしイラクの禁輸問題に対しても、他のOPEC諸国の増産で需給逼迫の可能性はなく、

増産してしまった後にイラクが輸出再開となれば、

当方は潜在的には今後弱材料として台頭してくるとの考え方をしている。

結論として当方の相場観は、2番天井を取りに行っている動きとの判断である。

もちろんNY市場において新高値更新となってしまえば、

とりあえずは売り玉撤退か、目先の両建てで逃げる以外にはないだろうが…

 東京市場の先物チャートは、

API在庫の発表で急落した今週水曜日以降の頭の重い動きの中で、

NY市場以上に戻り売り基調を鮮明にしてきたのではないか?

4月3日高値21,150円から4月15日18,020円の安値まで3,130円幅の急落を入れたが、

これはそれまでの急騰時の上げ幅の約半値押しであった。

その後の戻りが今週23日の19,750円までの1,730円幅となり、55%の戻りとなっている。

フィボナッチ指数の0.618の戻りで19,950円であり、

これに近い水準までの反発でほぼ戻りは終了しているのではないだろうか。

 相場は上昇速度よりも下落速度の方が一般的に速いものであり、

どこかでまたドッカーンと下がる場面があると予測している。

NY市場が頭打ちを鮮明にしてくれば、

今度の下値目標は3分の2押しのズバリ17,290円辺りと考えている。

 4月26日現在の自己玉は売り12,448枚、買い5,384枚となっており、

連休前のポジション調整が若干あったが、ほぼ変動の無いところ。

限月別では5月〜7月限が買い越し、8月限〜10月限が売り越しとなっている。

これは三井物産・M・住商・伊藤忠の各商社の売り玉が自己勘定であり、

それが8月限・9月限に集中しているためである。

4社合計で5,468枚の売り越しであり、

それを差っ引けば自己玉の売りは7,000枚程度、買いは5,000枚程度となるのである。

 主な取引員の片建ては

売り方三井物産2,379枚、M2,291枚、ひまわり1,394枚、住商658枚、岡藤657枚、伊藤忠140枚など。

一方買い方は岡地8,405枚、太陽ゼネ748枚、豊123枚など。

商社売り対岡地・U筋買いの図式は変わらない。

 U筋の買い玉が仮に岡地の片建ての7割だったとしても、枚数は5,000枚以上となる。

ストップ一発の変動で約5億円の値洗いが変わるのである。

まさに大したおっさんである。

 商社玉はおそらく海外市場等との鞘取りであり、

当方の売り方針はこれに提灯を付ける訳ではなく

(鞘取り商いは、相場の先行きには何ら影響力はない)

あくまでもチャート要因である事は断っておく。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

4月22日

\31,480

530

\27,030

*170

4月23日

\31,740

260

\26,940

-90

4月24日

\31,150

-590

\26,240

L700

4月25日

\31,390

240

\25,930

-310

4月26日

\30,900

-490

\25,930

0

 

 続いてガソリンです…

今週末は元売りが人為的にガソリン価格を上昇させてきた反動が、

期近の急落という形で出た。

だがそうは言っても、

11月限発会時・22日の終値での当先の逆サヤ4,450円幅から25日までで

一気に1,000円以上逆鞘が拡大したわけであるから、

まだ完全に終ったのかどうかは定かではないが。

 現在すでにGW休みに入っているわけであり、

行楽需要のGW、8月の夏休み・盆休みの時期、マイカーでの帰省シーズンの年末という

ガソリンの最大需要期の一つにすでに突入している。

ガソリンを買ってる人はどんどん出かけなさい!

売ってる人は家でじっとしてなさい!

もっとも、このレポートを見た人だけがそうしても需給にほとんど変化はないだろうが…(笑)

それにGWとは言っても、大企業か公務員などの方にとってはちゃんと休みだろうが、

仕事している人もいっぱいいるし…当方も現在、レポート作成中ですし。

 期近に需要期限月と先物に不需要期限月を抱えたガソリン相場は、

サヤの拡大・縮小は別にして、

逆鞘に売り無し』のサヤ出世の相場展開にはならぬと当方は見ている。

当方のこの逆鞘相場に対する見方は、先行き悲観の逆鞘であり、

相場格言もその時に応じての判断が良し!との柔軟な見方をしている。

 4月26日現在の自己玉は売り27,769枚、買い11,697枚となっており、

前日と比較すれば売りが3,504枚、買いが870枚減っての連休前の調整ポジションが顕著。

取組み高も2,500枚ほど減っている。

 主な取引員の片建ては

売り方岡地6,869枚、豊4,661枚、M192枚、小林洋行184枚など。

一方買い方は岡藤1,882枚、ひまわり1,813枚、東ゼネ1,288枚、ユニコム1,250枚、三菱F1,123枚、太陽ゼネ734枚、住商456枚など多数。

岡地・豊のU筋機関店で1万1000枚以上の売り越しである。

 業転価格は海上が25日現在で31,700円

陸上が31,000円で相変らず逆鞘状態である。

値上げを目論む元売りであるが、系列物の値上げが進まぬどころか

水面下では特価玉が依然散見される状況であるという。

元売りの買い上げで需給はタイトである業転玉であるが、

果たしてそれが幾らで売れるのか?

またシンガポール市況をベースとした輸入採算は28,800円とかなりの下ザヤである。

 それでも民族系元売りは系列向け仕切値を3,000円アップし、

外資系元売りも追随の構えとされるが、

実際のSS店頭販売価格がこの経済情勢下の中で

イコール値上げとなれば顧客離れを演ずる事にもなりかねず、

おいしい思いは元売りだけで小売店はいじめられる状況では、先々とがめも出よう。

 チャートはストップ高・ストップ安を演じた

4月3日で大天井を確認している形であり、

元売りが無理を通せば道理が引っ込む期近はともかくとして、

相場は戻りの後の2段下げ目に突入している形である。

 当方の見方は、戻り売り一貫!

『天井打った物は底するまで下がる』の格言通りの展開を考えている。

連休の谷間の来週は判らんが、GW明けの5月7日には支えが無くなるかも…

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

4月22日

\25,970

60

\30,050

*1270

4月23日

\25,870

-100

\30,320

270

4月24日

\25,350

-520

\29,640

-680

4月25日

\25,290

-60

\29,820

180

4月26日

\25,170

-120

\29,210

-610

 

 最後に灯油です…

原油・ガソリンに関しては4月3日を天井とし、基本的に売り一貫を唱えてきているが、

灯油相場に関しては大幅順ザヤにも関らず需要期限月の発会が続くために、

基本的には買いに比重を置いたポジションを推奨してきた。

(あくまでも先物に関しての話であり、

原油・ガソリンの売りポジションに対するヘッジの意味合いもあった。)

 10月限の高値は4月3日30,120円であったが、

11月限は10月限に比べ800円以上の順ザヤを形成してスタートし、

23日30,330円と先物引継ぎ足では高値を更新している。

 しかしその後に3万円台を割り込んできた状況を見ると、

チャート線形も悪化し始めており、

いよいよ大天井を打った可能性も出てきたのではないか。

当方は灯油の大天井を形成する日はガソリンから1ヶ月遅れの5月3日頃、

当日は休日につき、実際はGW後半突入前の2日に天井を打つのでは?と考えていた。

昨年の年末年始の動きを見ても判る通り、連休前は危険日な事が多い。

 原油・ガソリン・灯油の3品ともに売り方針では、

何か突発的な事態(例えばいきなり米軍がイラクを攻撃するなど)が起こった場合に非常に危険なため、

何かを売ったら何かを買う(限月別の売り買いの仕掛けも良しだが)作戦は建てねばならないが、

ぼちぼち売りたい考えである。

 4月25日現在の自己玉は売り9,696枚、買い17,683枚となっており、

相変わらず圧倒的な買い越し状態である。

逆に言えば、それだけ大衆筋は売り玉を保有していると言う事である。

 主な取引員の片建ては

売り方ひまわり2,354枚、三井F970枚、岡藤896枚、三井物産645枚、伊藤忠F642枚、GLB546枚など多数。

一方買い方は岡地6,253枚、三菱F2,634枚、小林洋行157枚、日商F142枚など。

買い方は言わずと知れたU筋とファンドである。

 岡地プラス豊の石油3品のポジションは

原油約8,500枚買い、ガソリン11,400枚売り、そして灯油は6,200枚の買いである。

差っ引き3,300枚の買い越しですか…

 なお灯油の海上パージ価格は25,500円

陸上は25,000円とこれもまたガソリン同様に逆鞘である。

輸入採算は26,700円と高いが…

 自己玉・U筋には逆らいたくは無いが、当方の方針は売りである。

できれば連休の谷間は、戻ってもらいたいものである。

10月限ベースでの前回押し目の安値27,780円を割り込んでくれば、

暴落へのトリガーが引かれるとの考えである。

その際は先物11月限ベースでも、

27,000円そこそこまでの下落を演じる事となるのではないか。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月22日

\2,340

22

\2,172

20

4月23日

\2,331

-9

\2,168

-4

4月24日

\2,346

15

\2,180

12

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

4月25日

\2,269

-34

\2,146

*-34

4月26日

\2,263

-6

\2,142

-4

 

 金相場は

週末のNY市場において311ドル台と今年の高値を更新してきた。

NY市場では取組み高も増加中であり、相場は勢いづいて来たように感じられる。

中東情勢への懸念と日本の現物買い需要への期待は、海外市場で高まっている様である。

 しかし一方で国内市場においては、

為替が円高調整局面を迎えているため、海外高と円高での相殺となりそうな気配である。

NY市場と違い、取組み高・出来高ともに増加は見られない。

 1,300円は未だ大きな壁と見られ、NY市場高だけでは大きな上昇に発展するかは疑問である。

ポジションを取る事は推奨しない。

 

 プラチナ相場は

連休明けからロシアの売却再開が予想されており、若干上値つかえの展開になりつつある。

円高傾向と米景気への先行き懸念も弱い材料であり、調整安への要因となるかもしれない。

 しかし取組み内部要因は、自己玉は未だ買い越し状態であり、

かつてはあった大衆筋の大量の買いポジションが見受けられないため、

また取組み高もかなり落ち込んでいるため下落しても大きな投げ物は出ないであろう。

 ここは突っ込みを待っての買い狙いがベターと考えているが、

ストップ安2発分の160円程度の押し目があれば良いのだが…

いずれにしろ、目先は様子見が良いのでは?

 

 それ以上に円ドル相場の行方が気に懸かる

チャートはすべて円高への転換を示唆し始めており、

円高になる材料は特に見当たらない中でのこのような状況は、

原因不明なだけにかえって不気味である。

(もちろん原因不明は一般人にとっての話であり、

判っている人には判っているのかもしれないが…)

 仮に3月8日の127円25銭を突破する円高局面が到来となれば、

万人が思わぬ方向へ相場が走る可能性もある。

中略

 為替相場がFX取引程度の要因で上下するとも思えぬが、

どんな相場でも相場は相場である。

皆が儲かる時は、長くは続かないと思うべきかも知れない。

 ドル売りは逆に金利を取られるのでやりにくいだろうが、

当方は目先はドル売り・ユーロ買いを推奨する。

底堅い動きを続けるユーロを組み合わせる事によって、

金利は入り勘となるためドル売りの金利ハンデは消えるからである。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

4月22日

\13,300

-40

\14,640

30

4月23日

\13,220

-80

\14,540

-100

4月24日

\13,310

90

\14,650

110

4月25日

\13,210

-100

\14,570

-80

4月26日

\13,200

-10

\14,510

-60

 

 天候相場期に入ったコーン相場は、今のところ米国中西部の作付けは順調な様である。

作付け進捗率は平年同期を上回っている。

エルニーニョ、エルニーニョと騒いで見ても、

中国も過去10年間で最良のコンディションと言われ、

USDA予想の400万トンを大幅に上回る700万トンの生産高になるとの予測も出されている。

 そのためシカゴ市場は2ドルを割り込んだまま浮上できず

さらにここからファンド売りが噂される始末である。

 国内市場においては全く動意がない展開が続いているが、

自己玉の大幅売り越しや取組み内部要因を見る限り、

最近の円高傾向も加味して軟調な展開が予測される。

よくもまあズルッと下がらないもんだ、と思える底堅さが不思議なほどである。

 他商品に人気を奪われて取組み高が減り続け、

出来高も低迷する市場ゆえ下がらんのか?

下がらんから投げ物も出ないのか?

 長期的に見れば天候相場は始まったばかりであり、

年間を通してシカゴが2ドル以下をずっと続けるとは考えられないが、

ここは一つ出来高・取組み高を増加させるためにも、

大衆筋が買い易い安値の出現を望みたい。

13,000円台への突入となれば、ちょっとは刺激が入るのではないか?

 

以下略

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月22日

88.3

0.8

94.0

0.5

4月23日

84.9

-3.4

91.8

-2.2

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月24日

87.7

0.8

92.9

*1.1

4月25日

87.9

0.2

93.9

1.0

4月26日

88.2

0.3

93.0

-0.9

 

 3月12日に103.8円を記録した後、4月1日に91.1円まで下落。

その後の戻り場面では4月8日の101.3円を記録するものの、

当方はその戻り道中にMが買って戻っているうちが華で、

買い玉逃げるべし!とコメントしてきた。

 この相場は100円台への復帰は、当分難しくなったと当方は見ている。

もし91円どころまで下げればファンドの買い玉の投げが出るものと想定され、

一時はそこで下げ止るか、

あるいは長期上げ波動の41.8円幅の3分の1押しラインである89.8円辺りには抵抗があるだろう。

そこでは一時的にまた戻すかもしれない。

それでも最終的には、半値押しの82.9円どころまでの下げを予測する。

中略

 上記は先週号のコメントである。

23日の安納会も予測通りの展開である。

自己玉が買い越し〜売り越しへ転じた以外は、大きな動きはない。

引き続き先週号のコメントを引き継いだ方針を提唱する。

 新たに付け加える情勢は、3月12日の高値から4月1日の下落まで要した時間は14営業日。

4月9日の戻り高値からの下落場面では、その日数はすでに消化していると言う事。

ただし取組み高は高水準のままであり、投げものが大量に出たような大出来高の日もない。

 当面は戻り売り一貫を推奨する。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

5月限(当限)

前日比 

3月限(先限)

前日比 

4月22日

\8,810

-390

\12,820

-370

4月23日

\8,810

0

\12,670

-150

4月24日

\8,740

-70

\12,850

180

4月25日

\8,250

-490

\12,690

-160

4月26日

\7,910

-340

\12,440

-250

 

  東京市場においては、当方の先週号のコメントでまだ調整局面は続くとしたのが、

逆に週末は13,000円台回復の相場となり目先は曲がった形であるが、

これも2番天井確認の相場になったと考え、引き続き先週号の見方を踏襲したい。

つまりは13,900円は当面の天井であり、

12,250円はまだ調整の底ではないとの見方である。

 上記は先週号のコメントである。

今週は週明けより内外市場ともに下げ足を早め、NY市場は25日急落。

さらに週末は50セント台を割り込む動きを見せている。

東京市場の今週末が、円高・海外安のダブルパンチで

よくストップ安を付けなかったと不思議なくらいである。

 NY市場の急落は、おそらくはファンドの投げであろう。

毎週末に発表されるNY市場の大口投機玉などの建て玉状態は1週間遅れでの発表となるため、

真実はしばらく待たねば言えぬが…

本来コーヒー自体に何ら強材料が無いのであるから、

買い方は大底確認のチャートパターンでしか買い上げる事は出来ない。

そのような相場パターンの時は、結局は『踏んだら終い』となり、

逆に『投げたら終い』となるものではないか?

 東京市場の週末の動きは、円高・海外安でもストップ安を記録しなかったが、

これは裏を返せば買い方大衆筋の投げが出ていないと言う事である。

我慢すればするほど、その後に大きなとがめが来るのではないか?

当先の順ザヤ幅が週末現在で4,530円幅は、1枚当り22万6500円であり、

これを買い方針するのは商工ローンで借金をしているようなものでちょいと困難。

当限には品質のあまり良くない物が受け渡されるとの観測もあり、

当限が浮上しそうもないのであれば、サヤ滑りも念頭に置かねばならぬかも…

 4月26日現在の自己玉は売り24,107枚、買い11,584枚となっており、

相変わらずどころか売り越しは増加中。

 主な取引員の片建ては

売り方山前2,395枚、小林洋行1,941枚、セントラル1,229枚、三菱F1,222枚、フジ694枚、三井物産450枚など。

一方買い方はエース2,782枚、ひまわり2,110枚など。

中略

 当方の見方は、東京市場で12,250円を割り込んだ場合に

一気に下抜けての投げが始まるのではないか?との考え。

まずは先物で11,800円辺り

深ければ戻りの倍返しの11,500円辺りまでの下落を予測する。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

4月22日

\20,400

750

\19,470

510

4月23日

\20,120

-280

\19,400

-70

4月24日

\20,130

10

\19,700

300

4月25日

\19,910

-220

\19,400

-300

4月26日

\19,210

-700

\18,600

L800

 

  さてこれで先週号、先々週号で指摘した3ヶ月サイクルの天底は決まったのであろうか?

大幅に売り越す自己玉・商社筋・当業者・仕手筋の対応は如何に?

NY市場で6.50セント台乗せ、東京市場で2万円台乗せとならねば、

本当に大底を打ったと慌てては来ないだろうが…

 ・……中略・……

 当方の方針は、熱狂の後に2番底を付けに来ると考えるので、

高値飛び付き買いは避けて買うなら押し目を待つ作戦が良しと見る。

逆に2万円そこそこで上げもだえる様ならば、一度は売ってみて面白いと考える。

 上記が先週号のコメントである。

NY市場は6.30セントまでの戻りで再び6セント割れへの反落。

東京市場も2万円台回復ならずで、18,000円台へと逆さ落しの急落である。

まだ3ヶ月サイクルでの前回安値18,200円は割り込んでいないが、

風前の灯火の感も強くなってきたようである。

割り込んだら、16,000円台辺りまでの下落は覚悟しておいた方が良いだろうが…

 さて粗糖自体はブラジルの大幅増産などの弱材料はあっても、

今のところ何ら強材料はない。

買い方にとっての材料は、値位置が低いという値頃感だけであろう。

逆鞘相場と言っても『先安感の逆鞘』であり、需給逼迫ではない。

大した逆鞘幅でもないし…

 4月25日現在の自己玉は売り16,451枚、買い3,756枚となっており、

ストップ安を記録した週末にも売り越しは増加中。

大衆筋の投げが出ないために、投げろ!投げろ!の催促相場の様である。

以下略

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

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