商品市況展望 割愛版

平成14年7月7日記

 

 おそらくフルコミ営業マンの情報力は、この業界の中でトップクラスであると思われます。どうしてそうなのか?ヒントは今までのコメントしてきた中にあり、結局は人と人とのつながりでしょう。

 フルコミ営業マンには様々な経歴を持った人が居り、変り種では元々顧客であった人が『業界の中に入った方が情報が入るだろう』となった人などもいます。相場好きが高じて、ミイラ取りがミイラになる…あれ?ちょっと違うか!

 しかし多くは組織営業になじめなかった営業マンや、場立ち出身者などです。組織営業になじめなかったと言っても、仕事が出来ないんじゃフルコミも続くわけは無い。大概の人はある程度の地位にまでなって、その後フルコミに転進した人が多いのです。場立ち出身者にしても、仕手機関店からそのままその仕手筋や大手客を持って転進するとか…

 さてこのコーナーにおいて、当業界の転職率の高さや軍隊式教育の営業マン育成方法を述べましたが、例えば当方の同期・部下だった人間も同業他社で課長、部長クラスにはなっています。昔のよしみで『お前のところの○○の買いは、どんな筋の手だ?』なんて事を聞くのは簡単な話し。向こうだって聞きたいのは同様であり、情報のバーター取引が行われて行くという事であります。

 もちろん相場の情報とは何ぞや?との大命題はあることでしょうし、チャーチストにとっては人との会話など何の役にも立たぬでしょうし、表面的な材料ならばネット上に氾濫している状態です。チャートを細かく分析している顧客には、当方なんぞも到底太刀打ちできません。ストキャスがどうだ、一目がどうだなどと言われても、当方はいつも見ているわけじゃありませんしねえ…

 ただし相場と言うものは面白いもので、天井付近になれば日頃新規があまり出ない営業マンがたくさん新規が出たり…『おい、あいつが新規出たぞ!もう天井だなあ…』なんて情報の方が、ものすごい確率だったりする。(笑)

 もちろんそんな事は当人にも言えませんし、解説して書くことも出来ませんけどねえ…

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月1日

\18,360

50

\17,400

40

7月2日

\18,480

120

\17,500

100

7月3日

\18,620

140

\17,610

110

7月4日

\18,590

-30

\17,650

40

7月5日

\18,420

-170

\17,440

-210

 

 まずは原油から…米国独立記念日による4連休前の相場は、まさに動意を欠くものであった。根源的には米国株安からの景気後退懸念〜需要の低下が弱材料としてあるはずであるが、今週のAPI在庫の増加にもかかわらず下げ渋った姿は、独立記念日に向けたテロ発生懸念が下支えしていたのであろう。それが何もなかった判った時に、果たして相場は失望売りを誘うか?

 NY原油は7月1日27.15ドルの高値を記録した後、狭いレンジでのもみ合いである。6月11日の23.80ドルから6月17日26.50ドルへの一段上げが2.7ドル幅の上昇。その後の反落の後、20日25.10ドルから27.15ドル2.05ドル幅の上昇である。もうちょっと上がるのか?それとも団子天井となるのか?は来週の動き次第であるが、大きな流れでは5月15日の29.54ドルをトップにして、左肩4月4日の28.35ドルに呼応する右肩のヘッド・アンド・ショルダーを形成中の場面である。

 ここからの場面は、再度28ドル台が出現しても良いつもりで売るべきであり、逆に下げ始めてもすかさず躊躇なく売る場面ではないだろうか。

 東京市場はジワジワと上昇した後、週末は若干反落しての終了である。17,000円台でのもみ合い状態に、相場人気はすべて穀物商品やプラチナに取られており、出来高は超閑散な状況となっている。しかし東京中東産原油相場は素直にNY市場を写す市場であるゆえ、NY市場を弱いと見る当方にとってはここは売り場との見方である。

 チャートでは7月4日の17,650円が目先のトップと考えられ、6月27日の17,280円を割り込んだら下落のトリガーが引かれ、さらに5月31日の17,050円を割り込んだら奈落の底に落ちると見る。目標値はズバリ16,000円台前半

 週末現在の自己玉は売り7,768枚、買い8,448枚となっており、こちらは相変わらずの若干の買い越し状態である。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、商社筋がずらっと買い方に並ぶ姿に売るのが怖いのは事実であるが、今回は内部要因ではなくチャートとファンダメンタルズで売り方針としたい。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月1日

\26,360

-170

\23,750

-30

7月2日

\26,630

270

\23,770

200

7月3日

\26,870

240

\23,780

10

7月4日

\26,910

40

\23,780

0

7月5日

\26,820

-90

\23,630

-150

 

 続いてガソリンです…先物は24,000円台半ばでは上げもだえ、逆に23,500円以下は下げ渋っている。原油相場に関しては弱気の当方であるが、取り組み内部要因は更に悪いと見えるガソリン相場に関しては逆に売るのは危険との見方である。3,000円幅の大幅逆ザヤ相場ゆえ、安値売りはそのうちにサヤ出世で掴まるのではないかと言うのがその根拠である。もっとも買い玉仕込むには、やはり一度下に叩き込まれて内部要因の好転が欲しいところではあるが…

 先限引継ぎ足チャートは5月31日の安値22,910円〜6月21日高値24,690円まで1,780円幅の戻りを演じた相場は、6月27日安値23,470円まで1,220円幅の下落の後もみ合い状態である。

 最悪の暴落を演じた場合には、戻り幅の倍返しである21,130円辺りが下値目

標値となろうが、それを期待して売って良いものなのかどうか?如何に実需の好転が見込めていないとは言え、そこまでの下落を元売りは指をくわえて見ているものなのかどうか?

 無責任な言い方になるかもしれないが、売りたい人は売ってくれ!買いたい人はチャンスを待つべし!としか言いようがない。どちらかと言えば、目先は下げ賛成であろうが…

 週末現在の自己玉は売り35,513枚、買い10,489枚となっており、売り越しは今週増加中である。

 …中略…

 4日現在の業転価格は海上で27,200円〜27,500円陸上では28,000円〜28,400円となっており、かなり下落してきている。エクソンモービルがSS向けの価格を2,000円引き下げた事が大きな影響を与えている模様である。夏場の需要期・商戦を控える中で、価格よりも販売量重視に踏み切りそうな構えである。同日の輸入採算価格は26,900円と、こちらは前回比100円高。

 結論として当方の相場観は、目先張りなら売りだが長期的には買い場探しとする。

 

 

今週の灯油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月1日

\24,290

0

\26,690

100

7月2日

\24,530

240

\26,860

170

7月3日

\24,960

430

\27,050

190

7月4日

\25,020

60

\26,960

-90

7月5日

\24,920

-100

\26,740

-220

 

 最後に灯油です…原油・ガソリンに明確なトレンドの発生がない以上、灯油はさらに出来高低迷と価格の硬直化が進んでいる。一般にはガソリンがカレーライスとすれば、どうしても灯油は福神漬けのようなもので注目度は低い…(笑)

 ガソリンとのサヤも当限がサヤ縮小中であるが、大きな変動は見られない。唯一気に懸かるのは12月限よりも1月限が割安な逆ザヤであるが、これが下げトレンド発生の前ぶれなのか?それもまだ当方には断言できる状況ではない。

 週末現在の自己玉は売り12,955枚、買い16,422枚となっており、相変わらず若干の買い越し状態は続いている。

 …中略…

 4日現在の業転価格は海上で23,500円〜24,500円陸上では24,300円〜25,200円となっており、前回と変わっていない。輸入採算価格は24,400円と前回比300円高である。暖房用需要がない時期だけに、値動きに影響を与える取引もまたないという事か。ただしガソリン価格を引き下げたエクソンモービルの動きから、他の油種にも価格軟化の波が押し寄せないとは言えず、ガソリンに連れた動きになることも考えられる。

 結論として当方の相場観は、原油・ガソリン次第での値動きを予測。両商品が下がるのなら下がる、上がるのなら上がるで独自の動きはないであろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月1日

\2,031

L80

\1,908

L80

7月2日

\2,019

-12

\1,894

-14

7月3日

\2,026

7

\1,900

6

7月4日

\2,003

-23

\1,864

-36

7月5日

\2,012

9

\1,869

5

 

 金相場は、内外市場ともに天井打ちからの下落局面であり、相応の下げを演じた後だけに戻りもあるかもしれないが、しばらくの間は上昇相場に転じる事はなさそうである。戻り場面では高値因果玉の整理売りが出るものと思われ、1,300円どころか1,250円奪還も困難ではないか?1,230円どころまでの反発場面があれば、売り方針で良しと見る。

 NY市場の株式暴落により、株式市場から金への資金流入ではなく、逆に株式の損失を金の利食い売りで穴埋めする動きも見られるようであり、株安=金安に繋がることが多いとの当方の見方通りの展開である。

 もっとも週末のNY株式市場は、今年最大の上げ幅を演じる戻りに入っており、(テロ懸念の払拭が材料か?)その後の動き次第では貴金属のみならず全商品に影響を与えるであろうが…また為替相場にも、如何なる影響を与えるかを考えなければならないだろう。

 

 銀相場は、金と比較すれば内外ともに下げ渋っており、下落からの反発も勢いが良い。なぜに銀が崩れないのかは、当方も理由が判らぬ。

 それでも所詮は200円で天井を打っている相場ゆえ、190円まで戻ればせいぜいと考えての売り方針が良しと見る。

 

 プラチナ相場は、『戻り待ちに戻りなし』の状況で下げ止まらない。NY市場の7月3日安値は518.2ドルとなっており、5月1日の安値513ドルから6月19日天井の572ドルまで34営業日かけて上昇したものが、僅か10営業日で『往って来い』の暴落である。下げスピードは、上げスピードの3倍の速度であったと言う事。

 東京市場の下落は円高の影響もあって更に激しく、6月20日の戻り天井である2,183円から週末安値の1,853円までは、僅か12営業日で330円もの大暴落である。道中の戻りは、6月28日(金)の僅か1日だけであった。

 6月20日の高値2,183円までの上昇の起点であった5月2日の1,955円をはるかに下回った状態であるが、その上昇波動228円の倍返しであれば1,727円となり、今年1月の安値が1,700円台である事を考えても可能性はないとは言えない。

 しかし取り組み内部要因は、自己玉は売り37,690枚、買い43,339枚と買い越し状態となっており、大きくファンド売り・商社買いに傾いている現状では、残り100円ちょっとの下げを狙って売るのは危険か。ここは冷静に応分の戻りを待っての売り直しが良いのでは?

 戻りがあるとすれば、前回安値の5月2日1,955円がとりあえずの大きな抵抗ラインであり、330円幅の下げの3分の1戻しにも呼応する。

 …以下略…

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月1日

\13,920

H400

\15,490

260

7月2日

\13,920

0

\15,570

80

7月3日

\13,520

L400

\15,170

L400

7月4日

\13,460

-60

\15,170

0

7月5日

\13,290

-170

\14,900

-270

 

 まずは先週号のコメントから…

 結論として当方の相場観は、急激に水準を切り上げてしまった今から買うのは避け、既存の買い玉は今しばらく維持して様子を見るにしても(万が一の青天井もあるので)、乗り遅れた向きは天井を探して売る方が良かろう。16,000円まで行こうが、17,000円まで行こうが、はたまた2万円になろうが、相場が天井を打ったら大きく下がるのだから…

 先週末に15,000円台に乗せた相場は、その2日後の7月2日15,720円まで大きく変われた後にストップ安を含む急反落である。週末には15,000円台を再び割り込んでしまった。

 ハッキリ言って天候相場期佳境の穀物相場は、雨が降るといえばストップ安になり、雨が降らんとなればストップ高になりで、相場の後講釈なら誰にでも言えるがどうなるかなどは予測はできない。このまま雨が降らなければ凶作となり大暴騰も有り得るし、雨が降って作柄良好となれば一転暴落も有り得る。

 天気予報は米国の気象会社ですらあるところは雨と言い、またあるところは晴れと言う。同じ日の同じ場所の天気すら、その見方が分かれる。

 この状況で相場がどっちに行く?と聞かれても、当方には答えようがない。仕手筋だろうが商社だろうが、誰が売ろうが買おうが天気には勝てません!

 雨が降らない=凶作と思う人は買いなさい!雨が降る=豊作と思う人は売りなさい!あなたの勘と運に任せます。やるなと言ってもこのダイナミックな動きを見ればやりたくなるのは人情であり、それはよーく判りますので…

 なお週末のシカゴ穀物市場は大豆・コーンともに上昇しており、東京市場の週末は夜間取引安を映しての下落ゆえ、急騰で始まるのは必至の情勢。コーンの夜間が3セント以上安かったのが、5セント高いのだからねえ…

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月1日

101.9

L6.0

109.5

L5.0

7月2日

103.5

1.6

111.4

1.9

7月3日

108.1

4.6

116.4

H5.0

7月4日

109.8

1.7

114.3

-2.1

7月5日

110.4

0.6

115.7

1.4

 

 今週のゴム相場は大波乱。ストップ高ありのストップ安ありの週であり、売り方・買い方ともに勢力拮抗の図が良く判る。先週号でコメントしたとおり、

 この相場は125.6円が大天井で下げて行く相場なのか?それとも調整後にまた上昇して行く相場なのか?予感としては後者を取りたいが、それも今は断定出来ない。

 大体が売り方・買い方双方に相場師、商社筋が入り乱れて参入しており、出来高が多いという事は買いだと思う人も、売りだと思う人もたくさんいるという事。面白い相場であるが儲けはまた別な話であり、力関係が拮抗している相場はどう転ぶか判らん。

 人間としては弱いものいじめはしたらイカンが、相場は強いものが弱いものから金をむしりとるゲームである。力関係が崩れた時に徹底的に叩くのが常道!

 よって当方の相場観は、この相場はしばし見(けん)に徹するのを良しとする。博打でも言うでしょ…この回は見だって!

 現状は上記の通りなのである。大きく動きどっちに転ぶか判らん相場は面白いが、面白いと儲かるは別の話であり、売ったり買ったりがズバリ的中すればそりゃ取れるだろうが、往々にしてこんな時の大衆筋は安くなると売りたくなり、高くなると買いたくなるものである。上昇・下降の波動が定まらんうちは、当方はあまりコメントしたくないのである。当たれば感謝されるだろうが、曲がれば会員に袋叩きにあいそうだもんねえ…(笑)

 さて相場は大きな流れで見ると4月24日の91.3円を底にして上昇を開始し、6月20日の高値125.6円で当面の天井打ち。(大天井であるかどうかは、未だ意見の分かれるところであるが)上昇幅は34.3円となり、その後の下落・調整局面では7月2日109.0円まで16.6円の下落となった。ほぼ半値押しで戻りに転じたわけであるが、4日の117.8円までの戻りは8.8円幅である。これもまた下げ幅のほぼ半値戻しである。そしてまた若干の下落となっての終わりであるが…

 相場の強材料は、何と言っても在庫が低水準であること。また産地価格が東京市場ほど下げて来ない事もあって、当限価格は割安な状態となっている事。更には中国の買い付けの動向や、国内タイヤメーカーがシッパーの契約不履行を嫌い産地で直接買い付けたことなども、今更シッパーがすぐに物がありました!と東京市場に売るのが困難ではないかとの見方がある。

 取り組み内部要因も自己玉の大幅買い越しに見られるとおり、相変わらず物を持たない大衆筋の売りポジションは解消されていない事も、先々の強材料と想定される。

 しかし一方では産地の減産期明けから、徐々に需給逼迫は解消される見通しである事が弱材料に上げられ、更にはチャート要因として6月20日の長大陰線が天井打ち決定と目される状況となっている。世界的な株価低迷からの景気後退懸念も、先々の需要低下を言われる状況である。

 さて売りなのか?買いなのか?結論として当方の見方は、4日の117.8円、6月25日の118.9円をクリアできれば再度高値へ!しかしそれも2番天井確認の動きと想定し、どちらかと言えば売りに比重を置いた戦略で望みたい。再度110円をあっさり割る暴落は、まだ簡単には来ない気はするが…

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

7月限(当限)

前日比 

5月限(先限)

前日比 

7月1日

\6,000

10

\10,190

70

7月2日

\6,060

60

\10,430

240

7月3日

\6,110

50

\10,760

330

7月4日

\5,980

-130

\10,390

-370

7月5日

\5,660

-320

\10,430

40

 

 今週は一時NY市場が産地ブラジルへの寒波団の襲来予報を受け急騰、しかしそれも降霜懸念はないとの続報ですぐに翌日反落してしまった。材料を言えばそういう事であるが、実際のところはNY市場4連休を前にしたファンドのテクニカルな取引であったのが本当のところであろう。

 先週号でも指摘した通りの展開が起きただけ…との見方であり、ここで再度先週号のコメントを記すと、

 さてNY市場は週末46.50セントと前日比0.35安で終了。このところの相場は6月19日の安値46.10セントから翌20日に48.25セントまで反発したものの、狭いレンジでのもみ合いとなってきている。安値の46.10セントを割り込んでゆく様であればまた下に走りそうだが、ここで底固めをすれば戻りもあるか?ファンドの売り込みがきつくなってきているため、買戻しによるテクニカルな上昇局面が近いような気はしている…

 である。

 ブラジルの生産高は何と6000万袋にも上るとの予測も出始めており、4000万袋でも多い、5000万袋ではどうにもならん状態が、6000万袋ではアンビリーバブルな展開である。需給に強材料が発生する余地はほとんどなく、あるとすればファンドが売り過ぎた場合の買戻しのみ…

 そのファンドの建て玉状況であるが、今週はNY市場4連休のために月曜日の発表である。こちらで判るのは火曜日の朝という事になるため、他商品とも併せ9日(火)の前場の概況にてご連絡をする。

 さて東京市場であるが、3日にはNY高を受けて反発したが、4日にはすぐの反落はNY市場と同様の展開であるが、3日にはすでに降霜懸念はないとのコメントが出されていたために上げ幅は限定的であった。これも先週号コメント通りの展開である。

 結論として当方の相場観は、このまま下落を続け9,000円台に入って大衆筋の大投げコースと見るのが40%。NY市場でのファンドの買戻しから一度戻って、一度買い方に安心させるのが60%と見ている。出来れば後者のパターンになってもらえば、戻りはせいぜい11,000円どころまでの1,000円幅程度のものであろうから、そこは絶好の売り場となろう。

 今週高値は3日の10,760円であり、ほぼ想定通りの展開であった。

 なお当限7月限は17日の納会となるが、当限は受け手が見当たらない状況であり、幾らまで下落しても不思議ではない状況である。当先の順ザヤ幅は5,000円近くにも拡大してきており、相場ゆえ1,000円、2,000円程度の戻りがないとは言い切れないが、この相場を買うなど当方にはナンセンスとしか思えない。時間の経過とともに、確実に『鬼より怖いサヤ滑り!』が起こるのは確実なのだから…

 アラビカコーヒーに比べて本来は価格が安いはずのロブスタコーヒーの堅調が目立つが、品質の悪いアラビカよりは缶コーヒーに使えるロブスタの方が受け易いとの見方であろう。例えばプラチナが金より高いのが通常だとしても、ある時期には逆転現象を起した事もあるわけであり、そのような形が恒常化しないとは言い切れない。まあ、決め付けぬことが肝要か。

 週末現在の自己玉は売り26,699枚、買い8,712枚となっており、相変わらず大幅売り越しで変化はない。

 …以下略…

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月1日

\18,010

-510

\16,140

-430

7月2日

\18,720

710

\16,450

310

7月3日

\19,380

660

\17,000

550

7月4日

\19,450

70

\17,070

70

7月5日

\19,420

-30

\17,220

150

 

 まずは先週号のコメントから…

 問題は、今後もし戻るとすれば何の要因が考えられるかであるが、これも前述のコーヒー相場同様にテクニカルなファンドの買戻ししかないであろう。

 …中略…

 (NY市場で)売り越しが2万枚〜3万枚程度に進むと、かなりショートカバーの出る確率が高まるので注意を要する。もっとも納会直前での上昇で、ファンドのショートカバーはすでに出ている可能性もあり、今のところはまだ杞憂かもしれない。

 杞憂かな?と思っていたが、NY市場は連休を前にして2日連続の戻り場面となった。4連休前のファンドの買戻しを、もう少し厳しい見方をしておくべきであったか…

 東京市場に関しても週明け1日の安値16,140円から4日連続高で、4日の高値17,230円まで1,090円の戻りとなった。まさに相場は油断大敵!安心売りには天罰が下るようである…(笑)

 16,400円を割れた時点から、戻っては下がりで新安値更新を二度していたが、相体力指数は20ポイント割れから切り返しの3段逆行現象が出ていた。実はこの逆行現象は典型的なチャートの底入れパターンである。1日の安値はともかく、2日時点では利入れに動くべきであったか…と反省する次第。

 とは言っても、この相場の大勢観には全く変化無しである。世界的な需給の緩和観測とブラジルの豊作によって、NY市場は再び5セント割れに走ってくることであろう。東京市場の内部要因も全く変化なく、さてどこまで戻って売り場を提供するか?だけの話であると考える。

 さて最大限の戻りのライン想定であるが、4月12日の18,200円は大きな壁であり、前回18,000円台〜19,000円台のもみ合い時点の最大戻り幅1,500円を考えても、ズバリ17,600円から18,000円どころが戻りの限界と見ている。むろん4日の高値17,230円を抜いたら…の話であるが。

 逆に下げ始めた場合は16,140円が大底なのかどうかであるが、当方の見方はまだ大底確認には至っていないとの見解である。それについては下げ始めた時の動向を見て、追ってレポートする。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、根源的な強材料と内部要因の変化がない限りは、戻り売り方針に変化なしと見る。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス aag73520@pop02.odn.ne.jp

 

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