商品市況展望 割愛版

平成14年10月20日記

 

 前回号で『同じ商品でも限月が違えば、別な商品と思った方が良い』として終了したが、今回から具体的にそれを考えてみたい。

 まずは石油製品の限月の違いであるが、ガソリンは夏場が最大の需要期と言われるために、総じて春〜夏場の限月が高いのである。具体的には4月限〜8月限は高く、10月限〜2月限は相対的に安い傾向となるのである。

 現在の10月の相場であれば、11月限〜4月限までが取引されているわけであるが、今後順次8月限辺りまで発会するたびに、理論的には順ザヤが拡大してゆくと考えられる。

 逆に夏場の限月が期近に廻っている場合には、その時点の先物相場は逆ザヤになっていると考えられるわけである。8月限が頭に廻っていれば、先物は6ヵ月先の1月限が先物にあるのだから…

 逆に灯油の場合であれば、その特徴がガソリンとは正反対になるのである。9月限〜2月限は需要期で高く(9月限はまだ需要期ではないが、在庫の積み増しが行われ始める時期である)4月限〜8月限は安いのである。

 当然11月限〜4月限が取引されている今の時期であれば、先物は逆ザヤになっていて当然。今後逆ザヤが更に進んでも不自然ではないのである。

 つまり今後全体的に相場が上がるか下がるかは別にして、灯油を取引するなら買いは基本的に2月限より前、売りは4月限以降で考えてゆく事となる。週明け生まれる先物5月限は、あとおよそ120日営業日後に納会を迎えるわけであるが、もしこの相場を売りで利が乗ってきた状態になったとしたらば、期近に廻った時は5月限〜10月限が生まれており、先物2本は次の需要期入りで順ザヤであろう…とか考えておくべきである。

 当然5月限の売り玉をそのままに、9月限辺りに買い玉を入れておく、との戦略をとっているべきであろう。

 限月にはそれぞれの顔があり、それにスタート時の値位置やその後の動きによる内部要因が絡まって、納会までの間の動きを決定付けるのである。

 明日のガソリン相場・灯油相場がどうなるかなど、神様でもなければ判るはずもなかろうし、高い・安いを当て物ゲームするならば、山ごもりでもして第六感を鍛えるのが良かろう…(笑)

 相場の良いところは、うねりがずっと続き、仕掛けた後でも限月によっての特徴を捉えて、次々と継続する次の手を打てるから面白いのである。

 利が乗った玉はずっと持て!損切りは早くしろ!限月のサヤと納会を見据えた取引を考えよ!という事であり、仕掛けは次の手を打てるような資金配分でやるべきなのである。

 買った!1,000円利が乗った!利食いした!次ぎ仕掛けたら損した!…楽しいだろうが、そりゃ博打だよ。博打は楽しいが、楽しんだ上に儲けようなど、そりゃ太い根性だ…(笑)

 もっとも『相場とは紳士が参加して、ちょっと負けて終わるのがよろしいゲームである』と言った人もいるようですが…(笑)

 すべて言うのは簡単だが、なかなか実践できないのは当方も同じだ。皆さん、頑張りましょうね。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月15日

\21,200

500

\19,390

140

10月16日

\21,100

-100

\19,390

0

10月17日

\20,870

-230

\19,160

-230

10月18日

\21,000

230

\19,410

250

 

 まずは原油から…NY原油相場は、30ドルを挟んだもみ合い相場から抜け出せそうも無い。

 実際の需給関係から見れば、おそらく今の水準は高すぎる事は間違いない。OPECバスケット価格が22ドル〜28ドルに設定されている中で、イラク問題のプレミアムは4ドル程度は付いているはずである。

 しかしバリ島でもアルカイダによると見られるテロ事件が発生するなど、国際世論は米国のイラク攻撃支持を打ち出してきそうな雲行きであるゆえ、現状では簡単に崩れるとは考えづらい。仮に大規模な開戦ともなれば、原油価格は一時的には40ドルに接近する急騰場面も考えられるのだ。

 ただし年内は、その軍事行動も無いと考えられているため、買うに買えない!売るに売れない!相場が続くであろう。困ったもんだ…

 週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り49,392枚(前回発表時より2,506枚増)、買い67,638枚(同4,608枚減)となっており、ネットで18,246枚の買い越しである。買い越しはどんどん減少しており、ファンドはじれて手仕舞いを進めているようである。ほとんど買い越しがなくなったらば、そこは良い買い場になりそうではある。もうちょっと時間と、下げが必要であろうが…

 東京市場においては、9月24日の20,250円をトップとする教科書に出てきそうな三尊天井型のチャートとなっているが、かと言って18,000円台の後半は下値抵抗もある姿である。相変わらず出来高・取組高ともに低迷を続けており、商社間の売買以外は無い状態である。

 週末現在の自己玉は売り6,030枚、買い6,554枚となっており、若干の買い越し状態は変化無いところ。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、不確定要因だらけの現在の状況では、手出し無用と考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月15日

\27,770

10

\28,530

230

10月16日

\27,690

-80

\28,380

-150

10月17日

\27,430

-260

\28,030

-350

10月18日

\26,990

-400

\28,170

140

 

 続いてガソリンです…10月1日の29,820円から2,000円ほど下げた11日の27,730円からの反発局面は、ガソリン相場のパターンの2,000円一相場を考えればある程度判り易かった。相場はその後15日の28,880円まで、2日間で1,000円以上の上昇を演じ、下げ幅の半値戻しとなった。

 しかしその後はまた下落に転じ、所詮は戻り売り相場であるのか?それとももう一度安値を探ってから上昇に転じるのか?原油相場の先行き不透明感とも併せて、この場面の予測は難しいところである。順当ならば、もうしばらくは逆張りとの見方となるのであろうが…

 週末納会した11月限は、事前予想でも買いハナではないかと言われてはいたが、前回10月限納会の28,510円から大きく値を削り、26,990円の安納会はちょっと意外であった。スポット価格から見てもかなり割安であり、そんなに川下の需給は悪いのであろうか?正直言うと当方は、買いハナ予測といってもさほどは下がらず、27,000円台半ば程度はキープするかと考えていたのであるが…

 …中略…

 週末現在の自己玉は売り19,251枚、買い24,846枚となっており、週末は3,000枚ほど自己玉の買い越しは増加。

 …中略…

 17日現在のスポット価格は海上で28,900円(京浜)〜27,600円(阪神)となっており、陸上では28,200円である。海上では先週と変わっていないが、陸上ではまた500円安と逆ザヤ化が進んでいる。輸入採算価格は29,600円となっている。結局一番安い東工取価格であるが、物はダブついているいう事を裏付けた形なのであろう。

 結論として当方の相場観は、需給関係から行けばこの相場の上昇は困難であるとの見方をせざるを得ないが、かと言ってここからの下落もまた限定的であろうと考える。多少は上ザヤに買われるのではないかと思われる、週明け発会の5月限の動きも、チャートの下落パターンに歯止めをかけるのではないか?

 それとともに何を考え、何を策動しようとしているのか?の丸紅の大量買いの動きを注視する事は必要であろう。27,700円にストップロスをおいた押し目買い方針を提唱する。

 

 

今週の灯油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月15日

\30,580

140

\27,300

70

10月16日

\30,570

-10

\27,250

-50

10月17日

\30,400

-170

\26,820

-430

10月18日

\30,690

290

\26,500

-320

 

 最後に灯油です…ガソリンが納会で下落したのと反対に、灯油は30,690円と堅調な納会であった。京浜地区の海上パージ価格とほぼ同程度の納会であり、その意味では普通であったと思われるが、受渡高は746枚にものぼり、申告受け渡しの163枚と合わせると909枚にも及ぶ。

 28,300円と東京市場に比べるとかなり割安で納会した中部市場も、受渡高は1,021枚を数える。本来ならば陸上ローリー渡しの中部市場の方が高くて普通であるが、この逆ザヤはスポット市場通りの動きである。

 寒波が襲来すれば需要期限月は上昇する可能性もあるが、納会後の取引では先物は早速大きく売られた。完全に不需要期相場をにらんだ、逆ザヤ幅の拡大である。

 需要期限月のガソリンとのサヤは、ガソリン−灯油で−3,000円以上あるが、最終的に先物は逆に+3,000円ほどになってもよろしいと考える。5月限の発会で幾らぐらい付くか?最終的に+3,000円はあるのだとの考えで、幾らなら仕掛ける妙味があるかは各自考えられたし…

 先週号において『一時的に1,000円以下のサヤまで行った4月限ガソリン−灯油のサヤは、またガソリン買い・灯油売りに回帰する事とはなろう。』とコメントしたが、週末1,670円幅まで拡大したサヤを、皆さんは今週寄り付きでうまく仕掛けられたであろうか?

 週末現在の自己玉は売り11,847枚、買い13,600枚となっており、若干の買い越し状態に変化はなし。

 …中略…

 10日現在のスポット価格は海上で30,500円(京浜)〜29,500円(阪神)となっており、陸上では29,500円となっている。先週と全く変わらずで、逆ザヤ状態である。輸入採算価格は30,200円となっており、先週から100円安で現状では不足しても輸入も出来ないとされたほどのサヤは解消している。

 結論として当方の相場観は、先物引継ぎ足で完全に崩れを見せてきたこの相場は、7月23日の25,000円を目指して下落を続けるだろうと予測する。更には当限に廻った12月限・1月限においても、『大受け渡しの後の相場は悪い!』の格言通り、今回の納会で高値は出尽くしたとの見方。岡地・U筋の大量の買い玉が12月限・1月限に残っており、それの手仕舞い売りが上値を抑えてしまうであろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月15日

\2,353

48

\2,227

40

10月16日

\2,354

1

\2,212

-15

10月17日

\2,413

59

\2,257

45

10月18日

\2,400

-13

\2,243

-14

 

 金相場は、9月25日1,291円と10月8日1,287円で、Wトップの天井打ちからの下落を鮮明にしてきている。ポイントの9月30日の1,254円を割り込んだ相場は、これから投げが出始めるであろう

 ここ何週間か指摘したとおり、金相場は期待すると下げる。あるかないかは判らぬが、1,200円を割れるまでは新規買いは考えずである。

 週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り24,916枚(前回発表時より596枚増)、買い40,830枚(同21,162枚減)となっており、ネットで15,914枚の買い越しである。ファンドの買い越し縮小はいよいよ鮮明になってきており、ネットでゼロまで行くのではないだろうか?

 

 銀相場は金とは逆にほぼ底入れしたという見方である。先々週まで売り売りで来たが、先週号において利容れの指示〜今週より押し目買いに転換である。理由は単純で、NY市場におけるファンドの投げがすべて完了したからである。

 週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り29,002枚(前回発表時より8,120枚増)、買い28,629枚(同623枚減)となっており、ネットで373枚の売り越しである。ピーク時5万枚あった買い越しは、ついに売り越しへと変化。

 400セントから520セントまで上がった相場が、今はまた420セント台まで落ちた。ただになるわけじゃあるまいし、ここからは押し目買いでゆったりとである。

 

 プラチナ相場は28日(月)に10月限納会を迎える。当方主張は、内部要因から判断して納会までは高い!現物を持たない大衆筋の空売りの積み増しは非常に危険であり、やるかどうかは判らぬが当限を商社筋のスクイズで締め上げられたら、相場は青天井で舞い上がる!との指摘を行ってきている。

 かつて狂騰相場となったパラジウム相場の時、これは解け合いまで行くと指摘した当方の予測は現実のものとなった。今回もそこまで行くかどうかなどまだ判らぬが、商社筋が時間のまだある先物を何枚売った、買ったなどはどうでも良い事であり、問題は逆ザヤ相場の10月限・12月限の動きである。

 相場なのだから逆にここから暴落して、『ああ、あの時売っておけば良かった!』とならぬとは断言しないが、当方は今は絶対売りたくない。

 なお、当方のHPのリンク先に、貴金属のリースレートのサイトを載せてある。リースレートが上がると相場も上がるが、それは商社筋などの機関投資家は現物を借り入れて売りをするのであるが、金利が高ければ借りられない…つまりは、売りが少なくなるから上昇するのである。ご参考にどうぞ!…

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

10月15日

\16,530

30

\15,990

-130

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

10月16日

\16,050

110

\16,160

*170

10月17日

\15,950

-100

\15,990

-170

10月18日

\16,010

60

\16,030

40

 

 9月に天井を打った事は無い!とずっと強気できたコーン相場であるが、先週号において敗北宣言。今週は買い玉をすべて手仕舞いした。

 以前より中物限月の買いに対し、先物の売りヘッジを推奨してきたゆえ、中物買いの先売りになっているポジションは、売り玉だけ残しての手仕舞いか、あるいはトータルプラスならばすべて手仕舞いがよろしかろうと考える。

 逆ザヤ相場から、天狗ザヤへと変化したサヤ状態は、明らかに売りを示唆している。9月限辺りを、売り仕掛けても面白いかもしれない。

 『敗軍の将、兵を語らず』で今回はこれまで…

 

 ちなみに週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り47,244枚(前回発表時より9,955枚増)、買い105,966枚(同103枚増)となっており、ネットで58,722枚の買い越しである。ピーク時12万枚ほどの買い越しから減少中であるが、まだまだ投げが出るのかこれからか…

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月15日

99.6

-0.8

108.6

0.5

10月16日

99.5

-0.1

107.4

-1.2

10月17日

98.2

-1.3

106.5

-0.9

10月18日

98.7

0.5

107.8

1.3

 

 相場というものは、底値圏では材料は売り一色、天井圏では買い一色である。当たり前だがそれでピークを打つのである。現在何ら強い材料がないように見えるこの相場の、唯一の底入れ期待は日柄のみである。

 33営業日上げて26営業日下げるパターンの、柳の下にどじょうが2匹いるのかどうか?このパターンが生きていれば、10月17日の106.1円は底となるのだが…

 17日現在の自己玉は売り16,458枚、買い18,657枚となっており、週末は968枚の売りだったので、差し引き1,231枚の買い越しである。僅かながらの買い越し状態での推移が続いている。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、投げ踏みする玉も無くなった状態での現状は、一度戻るのではないか?との見方。日柄的にもズバリであり、週明けは満月、この週末は東京日本橋人形町のべったら市ゆえ…相場界では、べったら市を境に相場が転換すると言われている。もちろん単なる迷信みたいなものだが…(笑)

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

11月限(当限)

前日比 

9月限(先限)

前日比 

10月15日

\8,100

H600

\11,170

H600

10月16日

\8,750

650

\12,070

H900

10月17日

\7,980

-770

\11,990

-80

10月18日

\7,570

-410

\11,840

-150

 

 先週号のコメントにおいて『結論として当方の相場観は、戻れば戻っただけ後の下げが大きくなるとの見方であり、戻り売りには変化なし。しかし上述の通り、大衆筋の人気が沸騰した場合は、上値を少し大きく見ておく必要はあろうが…』とした。

 いやいや何とびっくり、まさにアラビカコーヒーならぬ『あらびっくりコーヒー』の如く、週明けから2日連続のストップ高の急騰を演じ、そこからは若干軟化しての終了である。(日中の変動幅も結構大きかったが…)

 NY市場が、間違って60セント台に乗ったら売りだと前にコメントした事があると思うが、70セント台に乗せるとは思わなかった…東京市場の価格では、8月28日の9,000円から9月10日の11,330円までの上昇、そしてその後の下落とズバリ的中であったが、今回は9,500円以下を売っても妙味無しとはしていたが、ここまで上がるとは思わなんだ…

 結局1万円台の売り玉を最初のストップ高で仕切り(当然翌日も高いと予測されるようなNY市場の上げ幅だったゆえに)後は見てるだけ!であった。ホームとレーダーは、最初のストップ高では切れなかったかもしれないが…安い手数料なのだから、それは仕方ない事とあきらめる事が肝要。

 当方は買いもしなければ、売りも3連発来ればと考えていたのが、17日は安かったゆえに、まさに見てるだけ…こういう時は、相場なんてまたあるさ!と考えておけば良いだけの話。

 さて肝心のNY市場は、週末62.60セント3.70セント安の暴落である。(安値は61.30セントまであった)あの急騰では、売り方も一時撤退を余儀なくされたようであるが、今度ははしゃいで買った買い方が撤退を余儀なくされる事であろう。所詮は余り物のコーヒー相場であり、大幅順ザヤは買い方にとっては『重き荷物を背負って、坂を上がる如し』である。

 週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り8,911枚(前回発表時より733枚増)、買い21,744枚(同3,620枚増)となっており、ネットで12,833枚の買い越しである。71セント台を記録した日の取り組みであるが、買い越しは微増…買い過ぎ状態には変わりは無いが、その後の下落でどのような変化になっているものやら。

 週末現在の自己玉は売り28,396枚、買い13,169枚となっており、若干買いは増えたものの、何事も無かったかのように売り越し状態に変化は無い。ストップ高だの何だのと騒ぐのは、大衆筋だけであったと言う事。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、前回9月10日11,330円の後に17日11,310円と2番天井をつけたパターンも無しとはしないが、いずれにしろ戻り売りには変化無く、どこで売ってどれだけのリスクを許容できるかのみの勝負となろう。逆に大量売り玉をファンドが買い戻してしまっただけに、下げに対しての歯止めがかからん事態も想定され、その際はまっさかさまに落ちる事もありえる。どちらになるかの判断は難しいが、新規買いをする銘柄ではない事だけは間違いないだろう。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

1月限(当限)

前日比 

11月限(先限)

前日比 

10月15日

\22,150

500

\20,050

600

10月16日

\22,020

-130

\19,910

-140

10月17日

\21,800

-220

\19,790

-120

10月18日

\22,160

360

\20,250

460

 

 かつてこの粗糖相場が全盛だった事は、総取組高が60万枚という時代もあったが、今は3万枚にすら届かない全く寂しい状態になってしまった。『関東砂糖1万枚売り!』のセリが懐かしいねえ…

 もっとも幾ら取組が減少しようが、国内商品とは違ってNY市場の変動があれば動く事は動くであろう。活況を取り戻していただきたいものである。

 さて現在のこの相場に対する当方の姿勢は、強気である。NY市場における8セント台、東京市場における順ザヤ化への変化による先物ベースでの22,000円〜23,000円どころの達成の可能性大との読みである。

 先週号においても指摘したが、

 逆ザヤ下においても暴落してきた6月相場の時点においては、期近の高値は一時的なタイの現物逼迫による(ロシアに洗いざらい持っていかれたため)プレミアム高が、渡し物不足を東京市場にもたらしたものである。それでもその時期さえ過ぎれば、いずれ供給過剰となるであろうと言う、『先安感の逆ザヤ相場』であったのだ。ゆえに当限は高くても、先物はこちらの思惑通り暴落したのである。

 しかし現在の状況は需給の逼迫感は全く無い中で、NY市場のファンドのよる買いが主力での上昇であるが、逆に来年は供給不足となる予測も出されるようになってきている。『来年の話をすれば、鬼が笑う!』とも言うが、ぼちぼち相場は逆ザヤ〜同ザヤ〜順ザヤへと向かってよい下地が出来つつあるのではないか?

 と考えるからである。

 週末発表されたCFTCによる10月15日現在のファンドの建て玉は売り9,117枚(前回発表時より671枚増)、買い69,315枚(同601枚増)となっており、ネットで60,198枚の大幅買い越しである。

 確かに明らかに買われ過ぎではあるが、中心限月は来年の3月限であり、ファンドも慌てて利食いに動く必要性は無い。(ちなみにコーヒーは12月限が中心限月であり、それとは違うのである。)粗糖相場は今回のコーヒー相場のように、燃え尽きるような急騰をしておらず、階段を踏みしめるように一歩一歩上昇して行く姿がまた良い。

 国内内部要因は、取組高の減少とともに見るべきものがたいしてない為、今回は割愛する。

 結論として当方の相場観は、文中にもあるとおり順ザヤ化〜22,000円オーバーの上昇は充分有り得るとの見方である。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス aag73520@pop02.odn.ne.jp

 

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