商品市況展望 割愛版
平成14年10月27日記
前回号で『同じ商品でも限月が違えば、別な商品と思った方が良い』として、まずは石油製品の限月ごとの特徴を述べた。今週スタートした5月限発会は、ガソリンが順ザヤに買われ、逆に灯油は逆ザヤに売られており、先週号にて解説したとおりの展開である。
通常セールスは、『買いましょう、売りましょう』と言えば一番長く持てる先物を…と勧めるが、先物は出来高が一番多いゆえに市場への参加・離脱が容易であるメリットはあるが、動きの特徴は限月別の特徴を把握しておく必要性はある。
今回は穀物商品のサヤ、限月別の特徴についてコメントしたい…
通常暦の上では1月〜12月が1年であるが、例えば学校は4月がスタートで3月が年度末である。企業の会計年度も、ほとんどがそうなっているはず。しかし米国では、学校は9月が新学期で、8月が終わりのはずである。それぞれが、スタートと終わりが違うと言う事である。
大豆・コーン・小豆などの穀物商品は、当然ながら北半球では春に作付けをし、秋に収穫を迎える。南半球のブラジル・アルゼンチンなどでは、当然逆になるのだが…
さて判り易く小豆で解説するならば、北海道で秋に収穫される前までの10月限までは、今年の小豆ではなく昨年収穫されたものが受け渡しされる事となる。11月からは、新年度産のものが受け渡しの対象に入ってくるわけである。
ここで一つのパターンが生まれる。天候相場やその他の要因に左右される事は別にして、旧穀の渡される10月限は新穀の11月限よりも安く、11月限は旧穀の最後の捨て場となる12月限より高く、12月限は新穀のみの1月限よりも安い、というサヤ関係になるのである。
10月安・11月高・12月安・1月高となるのだが、図にでもしなければちょっと判りにくいか…このぐちゃぐちゃに見えるサヤ状態が、通常あるべき姿なのである。
もっともこのところの小豆相場は、北海道産はすべて直接ユーザーに売却され、取引所で受け渡しされるのはすべて中国産小豆であるため、輸入数量やその時期などの関係の方が重要で、本来持っているサヤ関係など全く通用しないが…東京小豆を、東京輸入小豆と名前を変えてもらえばすっきりすると考える次第。
またコーン相場にこの図式を当てはめるならば、米国からの輸入に頼っているコーンは、春〜夏にかけての天候相場期に先物が一番高く、天井打ちするの通常のパターンである。しかし万が一凶作だった場合には、需給相場期に当限に廻る11月限・1月限の納会時点が一番高いという逆ザヤのパターンとなる。大豆なら10月限・12月限である。
これは新穀の売り惜しみで旧穀に買いが殺到すると言う事であり、しかし値段が高くなってくれば南米での増産や渡し物がどこからか出てくる事を意味している。過去の大相場のパターンは、ほとんどがそうなっているはずだ。
相場が安値にいる時には、コーンの11月限・1月限を買ってみる、大豆の10月限・12月限を買ってみるのが、経験上面白い事が起きるケースが多い。今年はあまり大した事がなかった様?だが、天候相場は毎年あるゆえにそのうち…
〔石油製品〕
今週の原油の動き |
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10月限(当限) |
前日比 |
3月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\21,010 |
-90 |
\19,350 |
-60 |
10月22日 |
\20,150 |
-860 |
\18,760 |
-590 |
10月23日 |
\20,070 |
-80 |
\18,660 |
-100 |
10月24日 |
\20,200 |
130 |
\18,810 |
150 |
10月25日 |
\20,230 |
30 |
\18,750 |
-60 |
まずは原油から…週末のNY市場において、原油価格が前日比1.15ドル安の27.05ドルと暴落している。安値は26.90ドルとなっており、8月以来の安値水準である。国内外ともに教科書通りの三尊天井型チャートは、イラク情勢への米国の姿勢の軟化とOPECの抜け駆け増産の話題により、完全に下放れした格好である。
米国の対イラク対応次第においてはどうなるかわからぬとしてきた原油相場であるが、振り返ってみればチャートパターン通りに素直に動いたと見ることが出来る。色々考えすぎて売り推奨が全く出来なかった当方は、反省する事しきりである。チャートパターン通りであれば、第一目標は8月2日の26.00ドルであり、そこを仮に下抜いた場合は6月11日の23.80ドルという事になろう。元々、原油価格の需給面から見れば、その辺が適正水準であると言って全く差し支えは無いのであるから…
国内価格の目標値は9月7日の17,850円。それすら下抜いたら、7月9日の16,910円という事になる。週末終値の18,750円からは、900円〜1,800円程度の下げ予測となるが、週明けはどうせ安いのは目に見えており、そこから売っても如何ほども無い…19,000円台半ばで売っていたならば別にしてである。作戦的には、今度は底値確認パターンのチャート出現を待たざるを得ないか?あるいは反発を待って、新規に売るかである。
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り46,876枚(前回発表時より2,516枚減)、買い46,140枚(同21,498枚減)となっており、ネットで736枚の売り越しである。ファンドは、あっという間に途転売りへと転換してしまった。週末の長大陰線では、更に売っている事は間違いないだろう。
週末現在の東京市場の自己玉は売り6,415枚、買い6,383枚となっており、取組高・出来高ともに閑散な市場はポジションが余り無い。ただし前日までの若干の買い越しから、週末は若干の売り越しに変化していた。
…中略…
結論として当方の相場観は、イラク情勢に変化の無い限りは戻り売りとする。
今週のガソリンの値動き |
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12月限(当限) |
前日比 |
5月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\26,350 |
-240 |
\28,100 |
|
10月22日 |
\25,650 |
L700 |
\27,400 |
L700 |
10月23日 |
\25,890 |
240 |
\27,250 |
-150 |
10月24日 |
\26,210 |
320 |
\27,450 |
200 |
10月25日 |
\26,130 |
-80 |
\27,480 |
30 |
続いてガソリンです…先週号において、27,700円にストップロスを置いた押し目買いを推奨したが、今週週明けの5月限発会は、灯油とのサヤがいきなり目標値となる3,000円幅以上でのスタートとなり、その影響でガソリン先物は陰線に売られる事となった。そして翌日はNY原油の大幅下落により、一気にストップ安まで叩き込まれ、あっさりとストップロスラインを割り込んでしまった。
その後23日には、安値27,190円を記録するもののそこから反発。もみ合いに転じて終了している。あと400円ほどの下値は覚悟すべし!と言ってきたが、その後の反発で23日の安値は底となったのかとも考えた。しかし、どうやら週明けはまたしてもNY原油の急落によって、一つの節目である26,000円台の示現は間違いなさそうである。
チャートは29,820円の天井から、結局は最終的に23,000円台の今回の上昇相場の起点まで下げてもおかしくない格好となってしまっているが、そこまで単純に下げ続けるのかどうかは判らない。幾ら川下の需給に好転が見られないとはいえ、スポット価格などと比較して余りに大きく乖離して売られるのはどうか?と考えるためである。それでも順当に考えるならば、やはり戻り売りを主体に考えざるを得ない相場になってしまったと言えるだろう。
週末現在の自己玉は売り23,937枚、買い24,569枚となっており、若干の買い越しである。限月別では12月限・5月限の買い越しが目立ち、4月限の売り越しが目立っている。
…中略…
24日現在のスポット価格は海上で27,900円(京浜)〜26,800円(阪神)となっており、陸上では28,200円〜27,700円である。海上での下落が顕著となってきており、前回時よりも1,000円ほど安くなってきている。輸入採算価格は29,100円となっており、これも500円ほど安くなってきている展開。26,000円そこそこの東京定期市場当限が一番安いのであるが、これを上昇に転じさせる力がスポット市場にあるかどうかである。
結論として当方の相場観は、チャートパターンで3段下げ目に入りそうな情勢と、原油価格の下落により、戻り売り有利と考える。
今週の灯油の値動き |
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12月限(当限) |
前日比 |
5月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\30,460 |
20 |
\25,610 |
|
10月22日 |
\29,940 |
-520 |
\24,910 |
L700 |
10月23日 |
\29,910 |
-30 |
\24,890 |
-20 |
10月24日 |
\29,810 |
-100 |
\24,970 |
80 |
10月25日 |
\29,680 |
-130 |
\24,890 |
-80 |
最後に灯油です…各限月別の一代足チャートを見ても、完全に天井打ち〜下落の傾向が顕著となってきている。前回11月限納会時において、3万円台の高納会と大受け渡しを演じた時点で、この相場はすでに終わっていると考えられる。先物引継ぎ足チャートでは、不需要期の4月限・5月限が先導してチャート線形を悪化させたが、需要期の12月限〜2月限も3万円台は遠くなりにけり!となったのではないか。
気象庁によると今冬は暖冬予測であり、前回の大受け渡しでの東京高・中部安は川下の実需の不振と、在庫積み上げの終了を意味しているのではないかと考える。売られ過ぎればもちろん反発はあるだろうが、大型の寒波襲来でもない限り上昇は困難か?
週末現在の自己玉は売り16,009枚、買い13,908枚となっており、完全に売り越しへと転換してしまった。未だ需要期限月の12月限〜2月限は買い越し、不需要期限月の3月限〜5月限は売り越しであるが、大幅に下ザヤに売られている限月が売り越しでは、前述の通り需要期限月も上昇とは行かぬ可能性は高い。
…中略…
24日現在のスポット価格は海上で30,000円(京浜)〜29,300円(阪神)となっており、陸上では29,500円〜29,000円となっている。若干の下落状態である。輸入採算価格は29,200円となっており、先週から1,000円安の大幅下落である。
結論として当方の相場観は、戻り売り一貫の推奨である。特に内部要因とサヤ関係から見て、1月限・2月限・3月限の売りに妙味があるのでは?
〔貴金属〕
今週の白金の値動き |
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10月限(当限) |
前日比 |
8月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\2,381 |
-19 |
\2,209 |
-34 |
10月22日 |
\2,392 |
11 |
\2,236 |
27 |
10月23日 |
\2,389 |
-9 |
\2,207 |
-29 |
10月24日 |
\2,393 |
10 |
\2,216 |
9 |
10月25日 |
\2,460 |
67 |
\2,222 |
6 |
金相場は、9月25日1,291円と10月8日1,287円で、Wトップの天井打ちからの下落を鮮明にしてきていると、このところコメント済みである。1,200円そこそこまでは下落が続くであろう。1,250円どころに戻る場面があれば、売っておくのが宜しいか…
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り25,376枚(前回発表時より460枚増)、買い34,838枚(同5,992枚減)となっており、ネットで9,462枚の買い越しである。ファンドの買い越しは更に減少しており、先週号でも指摘の通りネットで買い越しゼロまでは行くであろう。
銀相場は、金相場とは逆に売り推奨〜170円割れ利入れ推奨〜押し目買いへの転換を推奨している。理由は単純であり、NY市場においてファンドの買い越しは無くなっており、430セント割れまで叩き込まれた相場の下げ余地は、さほど無いとの見方である。
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り30,917枚枚(前回発表時より1,915枚増)、買い30,128枚(同1,499枚増)となっており、ネットで789枚の売り越しである。500セント以上の値位置で5万枚超の大幅買い越しであったものが、ついに売り越しに転じてしまった。
東京市場は再度の170円割れ、弱い場合は160円そこそこまでの下落が無いと言えず、慌てて高値を買い仕込む必要は無いが、売りの時代は終了でどこで買うかを探すのが良いとの見方である。
プラチナ相場は、週明けに10月限納会を迎える。先物は10月17日の2,259円を高値とし、安値は22日の2,185円の間のもみ合い局面入りとなっているが、上昇トレンドは全く崩れていない。
特に週明け納会を迎える当限の動きは、週末急騰である。納会だけはふたを開けて見なければ判らないので、その動きは前場の概況等でまたお伝えする。
しかし次に当限に廻る12月限も、取組状態は10月限の急騰以前の形に酷似しており、一度は納会後に調整が入るかもしれないとしても、年末の相場は更に恐ろしい事となるやも知れぬ…年末は相場が一方づくケースが多く、上げ始めれば歯止めが利かないのは昨年の石油相場を見れば分かるというもの。
週末現在の自己玉は売り24,540枚、買い54,836枚と相変わらず大幅買い越しであり、日々何千枚か買い越しが増えたの減ったのと言っても、流れには変化は出ていない。限月別では、納会を迎える10月限のみ売り越しに転換したため、順当ならば金曜日に納会値を織り込んだとも考えられるが、その他の限月は先物まですべて買い越し転換である。
おそらく納会後に2003年12月限が発会すれば自己は売り越しからスタートすると思われるが、もしもその分8月限が買い越しになるようならば、この相場はかなり強いと見るのが妥当であろう。先物1本だけ売りで、後はすべて買いの取組パターンが一番強いのである。大衆筋は先物売りの自己玉ポジションを見て、売り玉を踏めないゆえに…
ともかく現状では、大衆筋の売り玉で利が乗っているものなど、ほとんどない状態である。先物8月限をすっ高値の2,259円で売っていたとしても、僅か30円ほど利が乗っているだけの話である。2,100円台から大きく売った玉は、少なくとも100円以上は引かされている計算である。
とすれば仮に調整安が急落症状になったとしても、そこで大衆筋のやれやれの買戻しが入るため、2,100円台を大きく割り込む事は無いのではないか。
結論として当方の相場観は、渡し物を持たぬ大衆筋の売り玉の踏みが現状全く見られない以上、すべての限月が週末の当限・10月限のように舞い上がる可能性は高いのではないかと見る。目標値はズバリ第一目標で2,300円台半ば、それでも止まらぬ場合は2,600円台と見る。
〔コーン〕
今週のコーンの値動き |
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1月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\15,770 |
-240 |
\15,930 |
-100 |
10月22日 |
\15,560 |
-210 |
\15,840 |
-90 |
10月23日 |
\15,690 |
130 |
\15,890 |
50 |
10月24日 |
\15,760 |
70 |
\15,820 |
-70 |
10月25日 |
\15,910 |
150 |
\15,780 |
-40 |
今週のコーン相場は、先物11月限は五月雨の如くダラダラと値を消す展開であったが、期近3本は(特に当限・1月限は)M社の買いを手掛かりとして反発に転じた。しかしその買いも、9月限の売りへの見合いの買いであるゆえ、本格的に流れを変えるには至らず…であった。
現在は逆ザヤからの急騰を予感させるような状態ではなく、ましてや中物限月の高い『天狗ザヤ』状態であるゆえ、相場格言では『天狗に買い無し!』である。また値動きが少ない割には1枚=10万円という高額な証拠金では、同じ資金を使うなら石油製品でもとの考えや、ゴム・コーヒーならもっと買えるだろうとの見方から、大衆資金の流入は見られないと考えるのが妥当であろう。
ゆえに当方の相場観は、この相場はダラダラ安い展開が続くとの見方であり、仮に先物で16,100円どころに乗せて来たところは、売り場ではないかとの見方である。
週末現在の自己玉は売り54,505枚、買い29,269枚となっており、売り越しはまた増加傾向である。
…中略…
シカゴ市場は、南米の天候を手掛かりに250セントを挟んだところでのもみ合い局面となっているが、今のところは下値も硬いが、大きく上昇できそうな雰囲気ではない。後はファンドの動きであるが…
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り45,737枚(前回発表時より1,507枚減)、買い106,109枚(同143枚増)となっており、ネットで60,372枚の買い越しである。10万枚以上の買い越しから減ってきたファンドの買い越しは、ここに来て投げ止まりとなってしまった。当方はこれを、逆に弱い材料と見ている。
〔ゴム〕
今週のゴムの値動き |
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10月限(当限) |
前日比 |
3月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
99.1 |
0.4 |
108.2 |
0.4 |
10月22日 |
97.4 |
-1.7 |
107.8 |
-0.4 |
10月23日 |
99.6 |
2.2 |
110.9 |
3.1 |
10月24日 |
98.3 |
-1.3 |
110.0 |
-0.9 |
10月25日 |
102.0 |
3.7 |
113.9 |
3.9 |
まずは先週号のコメントから…
相場というものは、底値圏では材料は売り一色、天井圏では買い一色である。当たり前だがそれでピークを打つのである。現在何ら強い材料がないように見えるこの相場の、唯一の底入れ期待は日柄のみである。
33営業日上げて26営業日下げるパターンの、柳の下にどじょうが2匹いるのかどうか?このパターンが生きていれば、10月17日の106.1円は底となるのだが…
相場はまさに10月17日・106.1円を底として上昇を開始し、今週23日に3.1円高の急騰、続いて週末には一部4.0円高のストップ高を含む急騰で、先物は3.9円高の113.9円まで上昇した。僅かな期間で7.8円高の急騰である。
2匹目のどじょうを信じて買った方!おめでとうございます。しかし実を言うと当方は、この相場をあまり買っておりません。先週の前場の概況や日々雑感でも執筆の通り、あまり自信がなかったゆえに手が出なかった…情けなや。
反面教師として頂くために更なる恥をさらすと、急騰前日の24日には、翌日の10月限納会が買いハナ納会で安いだろうとの巷のささやきで(情報とも言う?)、買い玉を降りたものもある。サヤ滑りしたら、そこで買い直した方が得との考えでああったが、そういう行為を器用貧乏と言う…なんのこっちゃない、納会は急騰でサヤ滑りどころか、その後に急騰ですからねえ。ちょこまかとうまいふりをして動いても、あまり良い事はない。相場を頭で張るのはうまい奴だが、儲ける奴は腹で張ると言われるのが相場の世界である。
さて、本当にこの相場が上昇波動に完全に変わったとするならば、前回・前々回ともに33営業日の上昇波動を描いているだけに、ズバリ12月3日(火)までの上昇となるが…そこまでうまく行くとは、それこそ信じられないが。
もっとも不思議なもので、上昇を開始し始めると強材料と言うものは出てくるものである。インドネシアは旱魃傾向で、TSRが騰勢を強め始めてきているのが一つ。またタイ政府が、市場介入手法の改善検討を表明した事が二つ目。安値を待って買いを入れると見られていた中国の動向が、この反発で会には入って来るかどうかが三つ目。
…中略…
次の攻防戦は、9月30日の戻り高値・116.1円を抜くのか?それとも届かぬのか?の攻防戦となろう。
…以下略…
〔アラビカコーヒー〕
今週のアラビカコーヒーの動き |
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11月限(当限) |
前日比 |
9月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\7,010 |
-560 |
\11,410 |
-430 |
10月22日 |
\7,000 |
-10 |
\11,670 |
-260 |
10月23日 |
\6,910 |
-90 |
\11,420 |
-250 |
10月24日 |
\6,790 |
-120 |
\11,360 |
-60 |
10月25日 |
\6,740 |
-50 |
\11,770 |
410 |
週末25日現在の当先のサヤは、当限・11月限6,740円、先限・11,770円で順ザヤ幅は何と5,030円にも及ぶ。理論的には、今と全く同じ状態で納会を迎える事となったならば、先限もまた将来的に5,000円ものサヤ滑りをするという事であり、売り方は相場さえ動かなければ5,000円の利益が保証されると言う事。
逆に買い方は目先の1,000円、2,000円を取れれば良いが、サヤ滑りにあったらばそれだけのハンデを抱えていると言う事である。恒常的に売り商品であると言う根拠がこれである。
しかし、市場人気はそれがかなり浸透してきており、あまりにも売り人気が高過ぎるのではないか?と言う気がする。対NY市場との採算と言う目で見れば、期近は6,000円以上の逆ザヤ、先物でも3,000円以上の逆ザヤである事は忘れてはならない。
週末の高値は11,830円と10月16日の12,070円に迫るものではあったが、売るのはまだちょっと早いのでは?と問い合わせのあった方々に申し上げたのは、これが原因である。
さて週末のNY市場であるが、相場は前日比1.05セント高の68.55セントと急騰である。しかも高値は73.50セントと前回10月15日の高値71.25セントを更に大きく突破している。しかし長い上髭を引いた陰線での終了であり、やっとこれでエネルギーが出尽くしたとの見方である。
当方はこの線の出現で、待ちに待った売り場の到来と見る。前日比での急騰を評価して、東京市場が12,070円を突破してくれれば言う事無しである。週明けの相場は、絶好の売りポイントになるかも知れぬため、要注意である。
ブラジルの旱魃などと言っても、実際は一雨来れば終わるものであり過大評価は出来ない。問題はそれを囃して買い上がるファンド筋の動向である。
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り9,187枚(前回発表時より276枚増)、買い23,336枚(同1,592枚増)となっており、ネットで14,149枚の買い越しである。ファンドはまだしつこく買っているが、コーヒーの取引中心限月は12月限であり、これも時間との戦いであろう。買った玉を手仕舞い売りしなければならないのは、ファンドも同様である。
〔粗糖〕
今週の粗糖の動き |
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1月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
10月21日 |
\22,310 |
150 |
\20,020 |
-230 |
10月22日 |
\22,060 |
-250 |
\19,910 |
-110 |
10月23日 |
\21,970 |
-90 |
\19,800 |
-110 |
10月24日 |
\21,920 |
-50 |
\19,740 |
-60 |
10月25日 |
\21,460 |
-460 |
\19,640 |
-100 |
まずは先週号のコメントから…
さて現在のこの相場に対する当方の姿勢は、強気である。NY市場における8セント台、東京市場における順ザヤ化への変化による先物ベースでの22,000円〜23,000円どころの達成の可能性大との読みである。
これが先週号のコメントであるが、相場は週明けの21日寄り付きで20,500円と新高値更新をするものの、そこから大きく売られて前日の陽線を包み込む陰線引け…その後ダラダラと値段を下げて、5日連続安で1,000円ほど売られる事となった。かろうじて、上昇チャンネルの下限で止まっている状態であるが…
相変わらず出来高は大した伸びを見せず、取組高もかろうじて減少が止まった程度であり、相場が人気化する気配がない。NY市場のファンドの猛烈な買いに対して、国内市場は売り方・買い方ともに参加プレイヤーが少ない状況である。徐々に自己玉も、売り越しの度合いを強めてきているのも気に懸かる。
週末現在の自己玉は売り7,436枚、買い5,704枚となっており、10月16日時点では若干の買い越しだったものが、売り越し状態となってきている。
肝心のNY市場は、7セント台に乗せるたびに叩かれ、しかし7セントを割れるとまた戻る展開が続いている。今週23日も7.32セントの高値を記録するものの、その後は反落。週末の取引も高値7.08セント、安値6.92セント、終値6.99セントでの終了である。
チャートパターンで見るならば、上昇してきた相場が上値でボックス型のフラッグを作った場合は、もみ合い期間を終了すればまた上昇を開始する、と読めるのだが…
週末発表されたCFTCによる10月22日現在のファンドの建て玉は売り10,019枚(前回発表時より902枚増)、買い72,040枚(同2,725枚増)となっており、ネットで62,021枚の大幅買い越しである。ここ5週ほど買われ過ぎ状態であるのは間違いないが、更に買い越しが増加である。
過去最高水準となっているファンドの買い越しが、一体どのような影響を市場に与えるのか?言う事を聞くようであれば大暴騰もあろうし、逆に投げ始めれば大暴落も有り得る。コーヒーと違ってNY市場の中心限月は3月限であり、(コーヒーは12月限)ファンドの投げが出るにしてもまだ先の話であると当方は考えており、急騰の方に期待をしているのだが…
ただし、NY市場で6.81セント割れ〜更に下落して6.38セント割れともなれば、この相場はもう終わりと言う事になろう。国内市場では19,220円を割り込むようであれば、天井決定と言うパターンになろう。
来週の相場は正念場である。もみ合いが長く続いているだけに、上放れれば急騰もあろうし、前述のポイントを割り込めば逆の目もある。臨機応変に動くしかなかろう。
このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。
内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。
(当たり前ですが念のため)
岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー
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