商品市況展望 割愛版

平成14年12月22日記

 

 今年の大納会まで、残すところ後3日と半日…大納会は前場で立会い終了のために。

 さて先週号に引き続き、今回は穀物商品等の今年一年を振り返って見ます。

 コーン相場は、年前半は14,000円台でのもみ合いが長く続いた。夏場からの生産高低下懸念〜在庫率の低下懸念(多分に小麦に連れ高の面もあるが)を受けて急騰。9月に17,000円台を記録するものの、その後は作柄回復を映して15,000円台割れまで低下。現在15,000円台でのもみ合いである。来年の天候相場はどうなるだろうか?

 東京一般大豆は、春先に一度ちょっとした相場が出て下落。その後コーン相場とともに夏場から再上昇。その後コーンと比べれば下がっていないが、出来高は低迷のまま終わってしまうようである。手数料抜けに時間がかかる事、大豆はミールを含めて3品もあることが、分散化を招いてこうなってしまったか。

 NON-G大豆は、秋までは概ね一般大豆と同様の動きであったが、今回12月限納会を見て判るとおり、久々に…と言うよりも上々以来初めて一般大豆よりも大きく上ザヤに買われる事となった。納会特殊要因での上下は、かつての大豆相場には良くあったが…今回はNON-Gであったか!と言うこと。

 シカゴ市場を見れば、コーンはファンドが買い込んで〜手仕舞いで無くなったが、大豆はファンドの買いが高水準であり、上がるか下がるかは別にして波乱要因は結構残ったまま新春へと向かいそうである。

 大豆ミールは、東穀取のキャッチフレーズが『隠れた大型商品』としてスタートしたが、その名の通りそのまま隠れてしまったようで…取組高がないのだから、当方も全く見なくなってしまった。机上の市場設計が幾ら良くても、大衆人気を掴む事ができなければ、上場はうまくいかないという実例となろう。

 小豆相場は、夏場の北海道の低温で仕手戦と化し急騰したが、結果的には売り仕手の勝ちで暴落。中国産小豆市場となってしまったようであった。仕手戦とは言え、大衆参加者は少ないために、コップの中での仕手戦のようであった。『赤いダイヤ』を懐かしむオールドファンにとっては、寂しい限りであったか?もっとも、先物の天井が12,000円台で底値が9,000円どころならば、ここ数年と変わってはいないとも言えるが…

 アラビカコーヒー相場は、春〜5月頃まではブラジルの振霜懸念で急騰相場。その後は大豊作で『往って来い』の大暴落。現在は来年の生産高低下予想で、大衆買い人気のトップ商品である。来年も夏場にかけて相場の波乱はあるであろうし、当分東穀取のドル箱商品となるのでは?

 ロブスタコーヒー相場は、アラビカと比べると市場規模が小さいのが難点であったが、この秋からだんだん元気になってきた。今後も独自の動きを見せられれば、もうちょっと人気が出るかも知れぬが…

 粗糖相場は、今年前半は下げ続け、後半は大きく戻してその後上下波乱に。価格変動は結構あるのだが、取組高は減り続けてかつて50万枚以上あったことなど夢のようである。

 ブロイラー相場は、悪夢のような仕手相場がずっと続いており、その筋にとってはまるで打ち出の小槌を持っているかのようである。もっとも大衆参加者は限られてしまっており、かつて10万枚以上の取組高があったが、いまは10分の1程度になってしまった…そりゃそうなるのも当然で、チャートで張れる銘柄じゃないゆえにねえ。

 これは横浜市場に上場されている生糸・ジャガイモ相場も同様の話。限月と内部要因が違えば、値段は倍違っていても不思議じゃないのだから…

 そう考えると、やっぱり来年もガソリン・灯油などのザラバ銘柄が主力となるのでしょうねえ。後は、天候相場期の打ち上げ花火が大きいのか?小さいのか?でしょう。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

12月16日

\19,650

50

\18,540

80

12月17日

\20,450

800

\19,010

470

12月18日

\20,420

-30

\18,960

-50

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月19日

\20,750

670

\19,130

 

12月20日

\20,090

-660

\18,440

-690

 

 まずは原油から…週末のNY市場は週末である事、クリスマス休暇を控えている事などから利益確定の売りが先行し、一事は30ドル台を割り込んだが、

依然としてベネズエラのストが続いている事とイラク攻撃が懸念が解消する可能性が低い事を受けて、再び30ドル台に乗せて終了している。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は売り40,624枚(前回発表時より14,276枚減)、買い52,859枚(同3,059枚増)となっており、ネットで12,235枚の買い越しである。ファンドは前週の5,130枚の売り越しから、今週は一気に12,235枚の買い越しへと変化!

主力は売り玉の手仕舞いである。

 今週の高値は18日の31.25ドルであり、今年の最高値である9月24日の31.39ドルまであと僅か…イラク攻撃があった場合は、一時的には30ドルでも35ドルでも、はたまた40ドルでも仕方が無しとは言って来たが、ベネズエラのストがこれだけ長期化して強材料が重なってはどうにもならぬ。このまま行ったら2,000年9月の37ドル台も有り得る。上記の高値から11月13日の安値24.82ドルまでの下げ幅の倍返しは、ズバリ37.96ドルなのであるから…

 もっとも需給関係から判断するに、そんな高値は長期間続くはずも無く、イラク情勢の変化は来年まで持ち越さざるを得ないとは言え、ベネズエラのストさえ解決すれば、その分のプレミアム分だけでもかなりの調整安が出ると思われるのだが…

チャぺス大統領、何とかせいや!(笑)

 国内原油市場はあと3日と半日の立会いを残すのみであり、今回は3連休でもう1日分の外電が入ってくるため、週明けの予測は困難。このままNY市場が上がり続ければ、年内の2万円台乗せもあるかもしれんし、逆に下がるようなら18,000円割れもあるかもしれない。

しかし週末に暴落したとは言え未だトレンドは上向きであり、崩れたと思って売るのは危険そうではある。

 それでも自己玉はこの相場を売り上がりの姿勢であり、商社筋も大量売りである。何で?と疑問に思うほどの量であるが、本来高騰相場でもずっと売り上がるのが彼らの常套手段。資力があれば、永遠に売り続けていられるだろうし、

商社は海外で確りヘッジで買っているであろうし。

 週末現在の自己玉は売り18,435枚、買い6,675枚となっており、差し引き11,760枚の大量売り越し。前日に21,779枚まで売り玉を増加させていたが、

さすがに週末の暴落で利入れはした模様。

引かされても引かされても売り乗せては、調整安局面で利食いを入れる…

お大尽の相場の張り方である。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、12月に入って以来取組高急増中のこの相場は、年末相場特有の乱高下をするにしても材料・チャートともにまだ売れる相場ではない。

もっとも17日の高値19,240円記録時のように、爆発的な大出来高をすればやはり急激な調整安も出る。

押し目買い、吹き値売りを基本として、基本スタンスは買いの方がまだ無難か…

 当方は売り屋につき、天井での売りを模索しているが、この相場の勢いは天井確認まではまだ時間が掛かるものと見る。

 

 

 

今週のガソリンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月16日

\27,440

360

\29,040

380

12月17日

\27,990

550

\29,740

H700

12月18日

\28,300

310

\29,750

10

12月19日

\29,020

720

\30,450

H700

12月20日

\28,500

-520

\29,800

-650

 

 続いてガソリンです…週末納会した1月限は28,500円で納会。前日比で見れば520円安の急落納会であるが、12月限の納会値25,750円から見れば2,750円も高く、スポット価格を2,000円ほども上回る高納会で合ったと言える。

受け渡し高の308枚は、まあそこそこの水準であった。

 先物相場は週末には暴落であるが、今週はその前に2回もストップ高を記録するなど暴騰を演じ、今年の高値並びに一代の高値を19日に更新している。

更には今週大出来高を記録したゆえにの下げであり、いくら売り屋の当方でもこの下げで確実に天井を打ったとまでは言えず、単なる調整安の可能性も十分ある。

 採算以上に急激に買われた相場であるゆえ、内部要因の変化によっては28,000円台までの下げも期待できなくはないが、原油価格が下がらねば現在の先物限月は需要期限月ゆえに、32,000円台まで駆け上がることも無しとはしない。現在の灯油相場の需要期限月である期近相場がその水準である事を考えれば、決して夢物語とは言えないだろう。(もっとも、その価格がずっと続くとは全く思わないが…)

内部要因で見ても、いくら売り屋の当方でも、このガソリン相場はあまり売りたくない気がする。

 週末現在の自己玉は売り25,586枚、買い23,251枚となっており、差し引き2,335枚と僅かな売り越し状態となっている。

先週まで買い越しであった自己玉は、高値を出した19日からは売り越しに転じてはいるが、一瞬で変わっても不思議の無い程度である。

 …中略…

 19日現在のスポット価格は、海上で26,100円(京浜)〜25,200円(阪神)となっており前週と変わらずである。陸上では26,700円〜26,200円と500円安の展開である。逆に輸入採算価格は32,600円となっており、原油価格の急騰を受けてまた2,900円高の大暴騰。このところずっと書いているが、国内需給の悪さを映してスポット市場の下落と、逆に原油高からの輸入採算の急騰と、まさに2重価格が顕著になってきている。

全く同じ銘柄とは思えない相場展開であるが、下げる時にはスポット価格に比べた割高感を、上げる時には輸入採算価格の上昇を材料視するのであろう。

 結論として当方の相場観は、年末の玉調整の波乱が終わっても、ガソリンを売り持ちするのは未だ危険と見る。内部要因主導か、もしくは原油高期待での上昇はまだ続く可能性は大。

もしもガソリンを売り持ちしている向きは、32,000円台でも良いとの覚悟が無ければ、一度手仕舞いするか両建てするのが良かろう。

 このところずっと言っているが、当方は5月限以降の灯油売り・ガソリン買いのポジションを推奨している。よって、ガソリン売りと言う考えは頭には無い。相場ゆえ必ず天井は打つので、その時はまた話は別であるが…

 

 

 

今週の灯油の値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月16日

\32,800

0

\26,200

350

12月17日

\33,040

240

\26,790

590

12月18日

\33,010

-30

\26,740

-50

12月19日

\32,250

-460

\27,410

670

12月20日

\32,000

-520

\26,710

L700

 

 最後に灯油です…週末納会した1月限は32,000円で納会。前日比で見れば550円安の急落納会であるが、12月限の納会値31,150円から見れば850円高であり、ほぼ平穏納会とも言えるだろう。受け渡し高の735枚は、11月に続いての大受け渡しとなった。先物市場が、当業者に完全に認知されたと考えてよかろう。

 納会でのガソリンとのサヤは3,500円の上ザヤとなっており、一時は6,000円以上あったところからは大幅に詰まって終了ではあった。サヤの動きも、片張り相場に劣らず動きは激しいものだ…特に当限に廻れば。

 原油高・ガソリン高への連れ高と、現在需要期であり在庫が無い?との観測で取組高は急増中であり、大衆買いパワーによって急騰急騰の相場展開となっているが、次に当限に廻る2月限はともかくとして、先物限月は戻り売り一貫を唱えて今日に至っている。現在の5月限・6月限が当限に廻る頃には、如何に現在緊迫しているイラク情勢であろうが目処は付いているだろうし、不需要期限月の急騰の後には、必ずや往って来いの暴落があると信じるゆえにである。

 トレンドは未だ上昇基調を維持しているものの、高値取組みとなり下げ始めたならば、上昇スピード以上の速いペースでの下落も有り得るだろうし。

 週末現在の自己玉は売り28,560枚、買い10,200枚となっており、差し引き18,360枚の大幅売り越しである。前日の30,442枚の売りからは、週末の暴落で自己玉も利食いには動いたが、それでもまだ圧倒的な売り越しである。裏を返せば、それだけ大きく大衆筋が買っているという事である。市場の売り買いの枚数は、常に一致しているわけだから…

 …中略…

 前述のガソリンは強気(買い方針)なのに、灯油は弱気(売り方針)とは変じゃないか?と言われそうであるが、ガソリンが仮に32,000円となったとしても、灯油が26,000円だったらばサヤは6,000円幅。12月限はその程度の反対のサヤを一時記録しており、逆の目があったって良いじゃないか!と言うのが当方の見方。

 19日現在のスポット価格は海上で32,100円(京浜)〜31,500円(阪神)と先週と変わらず、陸上でも32,000円〜31,800円と変わらずの展開である。輸入採算価格は33,200円となっており、原油価格の急騰を映して先週から1,900円高となっている。

 結論として当方の相場観は、上記に記したので割愛する。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

12月16日

\2,372

-15

\2,250

-29

12月17日

\2,369

-3

\2,257

-7

12月18日

\2,357

-12

\2,212

-45

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

12月19日

\2,341

41

\2,234

 

12月20日

\2,277

-64

\2,169

-65

 

 金相場は、今週19日の2003年12月限発会日に既存の限月が全限40円高と、ストップ高を記録する暴騰となった。買い注文が入らぬために、先限は一時1,375円の順ザヤにまで買われる大暴騰。しかしパニック的な買いを集めて大出来高を記録したために、翌日には急反落となって週末を終えている。

 指標のNY市場は19日に355.7ドルまでの急騰を演じたものの、結局長い上ひげを付ける目先天井確認型のチャートとなった事も、翌20日の東京市場に響いた模様である。

 なお週末のNY市場は、クリスマス休暇前のファンド筋の利食い売りに反落。341.0ドルと前日比5.5ドル安で終了している。金相場が熱狂で急騰し、その後下げてしまうのはよくあるパターンである。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は

売り31,749枚(前回発表時より9,892枚増)、買い86,949枚(同13,733枚増)となっており、ネットで55,200枚の大幅買い越しである。ここ数年で、最大規模の買い越し枚数である。

 先週もコメントしたが金相場の上昇は、業界のためには新たな顧客層の参入に繋がるため、当方も大歓迎である。しかしデフレ時代には、当方は金は買わない…(笑)空売りしていなければ損する事も無いので、どこで売れるかを常に考えているだけである。

 金相場と言うものはパニックで急騰するが、どんなに大相場でも上昇期間は短期間であると当方は考えているゆえに…

 

 銀相場は、先週13日までは金相場に連れ高していたが、今週は金が上げても上がらず、下げると一緒に下げる悪質なパターンとなった。金が買われる要因が経済不安であるとすれば、銀はそれがマイナス作用に働いた模様である。

 NY市場の480セントは大きな壁であり、東京市場の190円手前も大きな壁となった模様である。もっとも値位置は金よりも低いため、下げてもNY市場で450セント割れ前後、東京市場で170円前後と見て、年明けに落ち着いたところからは押し目買いを考えたいところである。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は売り6,138枚(前回発表時より4,011枚減)、買い33,764枚(同2,476枚増)となっており、ネットで27,626枚の買い越しである。10月10日の428セントで底は打っている相場ではあろう。

 

 プラチナ相場は、目先は天井を打ってしまった相場であろう。納会前後の急騰相場を期待してはいたが結局急騰したのは金相場であり、ニチメンは大量に買い玉を受けたものの、住商が1,000枚以上の現物を渡したために、18日の納会は2,357円の前日比12円安の軟調な納会となってしまった。

 それを見て当方は、買い玉の撤退を決意。後場からは急落模様となり、あらま途転売りが良かったのか?と考えたでいたら、翌日は金相場の急騰に連れて一気の急反発。しかし週末に金相場が下げ始めると、プラチナ相場はそれ以上に暴落をし終了している。

 今までの上昇相場の道中においても、調整安は約200円ほどの下げを記録しているため、今回も大勢は上昇基調を維持するにしても、同程度の下げは十分に考えられるところであろう。下げ幅が深い場合は、NY市場での550ドル辺り、東京市場での2,000円台そこそこまでの下落も有り得る。もっとも下げるべき時は下げでくれた方が、また上がる時がやって来るというものである。

 週末現在の自己玉は売り41,994枚、買い50,607枚となっており、自己玉の買い越しも大幅に減ってきた。

 …中略…

 今回は踏み上げ相場に繋がらずで終わってしまい、自己玉は先物2本は大幅売り越しであるが、2月限〜8月限は買い越し。特に6月限の買い越しは異常なほどであり、来春にまた期待して応分の下げを待ち仕掛け直す事としたい。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

12月16日

\15,660

-60

\15,220

 

12月17日

\15,680

20

\15,220

0

12月18日

\15,700

20

\15,210

-10

12月19日

\15,790

90

\15,310

100

12月20日

\15,720

-70

\15,230

-80

 

 指標となるシカゴコーン相場は、240セント辺りをずっとうろうろしている状態である。ファンドもこの相場は手出し無用と考えているのか、全く持って平穏な日々が続いている。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は、売り75,701枚(前回発表時より74枚増)、買い74,504枚(同2,351枚減)となっており、ネットで1,197枚の売り越しである。10万枚超の買い越しから減少してきたファンドの買いは、そして誰もいなくなって若干の売り越しである。

 東京市場は、期近は商社筋の動向に提灯を付ける玄人筋の動きが値動きを増幅させるケースがあるが、先物は肝心のシカゴ市場が動かぬために、為替相場の変動による値動きのみに終始している。

15,000円台でもみ合いを続ける相場は、まかり間違っても16,000円など有りそうもないし、逆に大きく下がるのも難しそう…

来春の天候相場期入りとなる3月までは、相場は出ないのかもしれない。

 しかし内部要因に目を向けると自己玉は大幅売り越し、岡地は8,000枚超の大幅売り越しであり、逆に買い方大衆筋の投げはシカゴのファンドの様には出尽くしていない。痺れを切らしてそのうちに、買い方の投げによる下げが出るだろうと考えている。

 大分以前に指摘をしたが、委託証拠金が10万円と言う状態では、コーン相場に上昇は無い。同程度の証拠金であれば、値動きの荒い石油製品に資金は向かうであろうし、同じような東穀銘柄であれば6万円のコーヒーに行ってしまう。

 結論として当方の相場観は、15,000円台半ばで売り玉を持っていれば、多少は取れる相場ではなかろうか?と言うもの。

 

 なお通常解説を行っていない大豆相場であるが、…以下略…

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

12月16日

106.4

-0.2

113.3

0.4

12月17日

106.5

0.1

113.8

0.5

12月18日

106.4

-0.1

113.2

-0.6

12月19日

107.5

1.1

115.0

1.8

12月20日

106.4

-1.1

114.3

-0.7

 

 まずは週末行われた、12月限納会受渡明細について…

…中略…、

 今週のゴム相場は19日に115.0円を記録するものの、一気に上に抜けるには材料不足のようで、また逆に下値も徐々に切り上がっており、相場は硬直化傾向を強めている。

取組高の減少が顕著になっており、人気の盛り上がりが一向に無い状況である。

東工取銘柄は貴金属・石油製品と商いが盛り上がっているため、それらに投機資金を奪われているのであろう。

 市場人気は来春に向けて産地が減産期入りする事、中国の買い付け期待が出来る事などを踏まえ、どちらかと言えば新春高への期待が高まってきているようではある。

しかし中国も未だ買い付け出動には出ておらず、慌てて買うほどの必要は無かろうとの冷静なムードが市場にはあるようだ。

 週明け発会する6月限が順ザヤに買われて一気にレンジを突き破るようであれば、面白い相場になるかも知れぬが、逆にあまり買われない様であれば、若干のサヤ滑り相場となる可能性もある。

 内部要因では自己玉は若干の買い越し、…中略…

 材料的には強材料が多く、『閑散に売り無し』の格言どおり110円どころは一度買ってみたい気がするところであるが、一気に上に放れるかと言えば現状では、採算ラインのヘッジ売りがシッパーから出る価格帯であり、また投機資金の流入が貴金属・石油から入って来なければ難しいであろう。

意外と金相場辺りが落ち着いたら、ゴムに大衆投機資金が流入し上昇を始める事となるかもしれない。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

1月限(当限)

前日比 

11月限(先限)

前日比 

12月16日

\7,010

-310

\10,450

-120

12月17日

\7,020

10

\10,500

50

12月18日

\7,040

20

\10,690

190

12月19日

\7,070

30

\10,580

-110

12月20日

\7,000

-70

\10,650

70

 

 ブラジル農務省による来年度のコーヒー生産高予測が、2973万袋と19日に発表された。3000万袋を大きく割り込めば急騰、大きく上回れば急落との事前予想であったが、何ともまた微妙な数字での発表となった。

相場を下げたくは無し、さりとてあまり信憑性の無い数字では…とのブラジル政府の思惑がこの数字に表れているようである。

 週末の東京市場は、この数字が前日のNY市場の取引には反映していない事を映してか、はたまた発表が出るぞ出るぞで待ちくたびれてしまいやる気をなくしたのか、ほとんど動かぬ展開であった。

 指標のNY市場の週末は、62.20セントと前日比0.65セント高の小幅反発。

ブラジルの生産高発表は、全く材料視されなかった模様である。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は、売り10,695枚(前回発表時より1,137枚増)、買い14,170枚(同7,732枚減)となっており、ネットで3,495枚の買い越しである。

19,000枚以上の大幅買い越しであったものが、僅か2週間でほとんどなくなってしまった。

 ファンドがこれだけ投げてしまったのであれば、次にどう動くかの傾向がハッキリするまでは、大きく上がりもせんし下がりもせんのが普通か。しばらくは60セント台でのもみ合いとなるかもしれない。

 さて肝心の東京市場の動向であるが、NY市場のクリスマス休暇入りでは大きく上げも下げも出来ないだろう。内部要因では自己玉の大幅売り越しが頭を抑えるが、一方では三菱Fのファンドの売り過ぎも目立つ。

1万円割れまで年内に叩けるとは思えないし、仮に三菱Fのファンドの踏みが出るにしても、年内は無さそうである。

 当方としては、現在の相場の値位置では売りづらいため、一度年明けに上昇して欲しいと考えている。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

3月限(当限)

前日比 

1月限(先限)

前日比 

12月16日

\22,270

-110

\18,990

-150

12月17日

\22,230

-40

\19,920

-70

12月18日

\22,230

0

\18,910

-10

12月19日

\21,440

-790

\18,460

-370

12月20日

\21,980

540

\18,980

340

 

 NY砂糖相場は、コーヒーと同じNYコーヒー&シュガー取引所で立会いが行われている。シカゴ商品取引所で、コーンも大豆も上場されているようなものである。

シカゴでコーンはファンド買いが無くなったが、大豆は未だに高水準の買い越しを維持しているのと同様に、この取引所ではコーヒーはファンドの買い越しは無くなったが、砂糖は未だファンドの大幅な買い越しが目立っている。

 週末発表されたCFTCによる12月17日現在のファンドの建て玉は、売り5,111枚(前回発表時より404枚減)、買い51,831枚(同346枚増)となっており、ネットで46,720枚の大幅買い越しである。

クリスマス休暇が近いというのに、ポジション調整はほとんど行われていない。不気味な姿である。

 18日には7.27セントまで急落し、いよいよファンドの手仕舞いが加速されるかと思ったのもつかの間、翌日には一気に戻り、そして週末は7.51セントと前日比0.09セント安での終了である。このままこの辺のレベルで、越年してしまいそうである。

 一方で国内市場は、コーンと大豆では圧倒的にコーンの人気が高いように、コーヒーの人気が高く粗糖は蚊帳の外である。 買い越しだった自己玉は、また若干の売り越しに転じてはいるものの、別に大衆人気が買いに傾いたから…などと言う事は無い様である。

 各国際統計機関は来年の砂糖需給の供給過剰を予測しているが、17日のF・マン社のレポートでは、来年の第一4半期の需給逼迫を予測。多分にポジショントークではないかとの話もあるが、先だってのカーギルの予測とも呼応する形で怖いところ。

 いずれにしろ年内は大した相場は無いであろうが、新春からは激しい攻防戦が行われるのは必至か。年を越す時は、とりあえずポジションを消しておきたい。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

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