商品市況展望 割愛版

平成14年2月9日記

 

 先週号において商品先物市場の出来高急増のコメントを載せたが、その勢いは止まるところを知らぬ状態となって来ている。

 東京工業品取引所は今週5日に何と出来高を1日で100万枚突破を果たし、金に至っては52万枚の大出来高を記録した。翌日のストップ安の急落はまあご愛嬌であるが、かなりの投機資金が流入している事は確実である。

 貴金属・石油の出来高・変動ともに凄まじく、流動性の高まりとともに大量のファンド玉などがすっぽりとはまってしまうため、翌日どころか前場と後場では内部要因が全く変わってしまうケースも多々ある。

 現在の相場変動の主因は、動いた後の後付けの理屈はともかくとしておいて、実質は内部要因の変化が相場に大きく影響を与えているために、場に張り付いている方以外はその対応に非常に苦慮しているのではないかと思われる。もっとも中長期的に見れば、必ずトレンドは発生しているのだから、目先の変動など無視して対応するという腰の据わった投資方法を続ける人もいるではあろうが…

 皆がじっとして居れない状況となってきつつある相場への対応は、それこそ皆さんの投資スタイルを確実に守ってゆくしかないだろう。

 例えば日バカリをそのトレードスタイルの主とする向きは、このような相場展開の時はニュースも材料もすべて無視!理屈なんて知った事じゃないと、5分足チャートを眺めつつ買ったり売ったりの博打打ちに徹するしかないだろう。

 長期トレンドを見定める向きは、日中の出来事などすべて無視!幾ら日中のボラティリティが大きかろうが、日バカリディラーの行動など買おうが売ろうがその日のうちに手仕舞いしてしまうのだから、翌日に影響を与えるなんて事はまず無い…彼は彼、我は我で突き進むしかなかろう。

 この理屈があって理屈が無いような相場状態は、おそらく今月いっぱいは続くであろう。イラク情勢がクライマックスを迎えるその日までは…

 当方のイラク情勢への見方は、3月3日(月)の新月の日に開戦!そこでほぼ全商品がクライマックスを迎えて大暴落に転ずるとの見方…当たるも八卦、当たらぬも八卦、結末は神のみぞ知るではあるが。さて?

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

2月3日

\22,130

-50

\20,200

200

2月4日

\22,000

-130

\20,180

-20

2月5日

\22,330

330

\20,410

230

2月6日

\22,490

160

\20,320

-90

2月7日

\22,600

110

\20,500

180

 

 まずは原油から…週末のNY市場において、原油3月限価格は高値35.25ドルと再び35ドル台を回復してきている。2月限が1月21日に記録した35.20ドルを突破する新高値更新である。いよいよ戦争相場の懸念が高まってきたようである。

 さらにNY市場においては灯油を中心に製品価格も急騰しており、あくまでも米国内の需給逼迫が背景とはいえ、ひょっとしたら空爆のためのジェット燃料使用への思惑でもあるのでは?と勘繰ってしまう…

 本来の需給関係などから見れば、このような高値がずっと続くはずは無かろうが、当方の開戦予測の3月3日まではまだだいぶ間があることでもあり、今以上に開戦ムードが高まれば、40ドルを目指す更なる上昇の可能性は十分にあるだろう。

 週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い96,640枚(前回発表時より15,452枚増)、売り92,487枚(同13,353枚増)となっており、ネットで4,153枚の僅かな買い越しである。買い越し幅は少ないとは言え、建て玉自体のボリュームはかつて無いほどの高水準なものとなって来ている。いわゆる売り方・買い方がっぷりよつの展開であるが、ファンドも様々な見方・思惑があるのだろうと考えられる。どっちが曲がって手仕舞いするかで、相場変動に弾みが付きそうである。

 国内市場においては、昨年9月24日の20,250円の高値を完全にクリアし、6日には20,530円を記録。その後調整場面を迎えているものの、明確に天井打ち〜トレンド転換をした保証は何もない。

 このところの相場を振り返ってみるならば、11月14日の安値16,140円から12月17日の高値19,240円までの上昇幅3,100円幅に対し、1月8日18,100円までの押しは1,140円36.7%の調整。そこから今週高値までの上昇幅は2430円幅下げ幅の倍返しはすでに達成しているが、一段上げ目の3,100円幅の上昇にはまだワン・ストップ高分の上昇余地は残しているとも言える。

 あくまでもNY市場次第ではあるが、一ヶ月で約3,000円幅の上昇を二度記録してきた相場だけに、このまま突っ走れば23,000円台があっても当方は別段驚かない。

 週末現在の自己玉は売り16,617枚、買い6,440枚となっており、自己玉は基本的に売り上がり方針の様である。大手商社の売りが多いためにこのようになっているのだが(大手商社の玉は自己玉扱いである)他市場で買っているのか?それとも何か根拠があるのかは、当方には判らぬ。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、商社・自己玉の売りは気になるところであるが、基本的に天井はまだ先との見方で押し目買いを推奨する。このところずっと同じコメントをし続けているが…

 

 

今週のガソリンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

2月3日

\30,820

620

\30,250

690

2月4日

\30,700

-120

\30,520

270

2月5日

\31,100

400

\30,600

80

2月6日

\30,950

-150

\30,130

-470

2月7日

\31,020

70

\30,240

110

 

 続いてガソリンです…先週号においては応分の戻りが出た後として、8月限の戻り売りを推奨した。しかし相場は2月5日31,150円と新高値更新であり、その後は1,000円以上の急落となったものの、その前に1,500円以上も上がっているのだから、予測は大きく外れたといっても良いかもしれない…

 なぜこれほどの上昇と乱高下を見せたのかを検証すれば、まさにファンドの動向が相場を左右したとしか言いようがない。ミスターマリックのハンドパワーもすごいが、今回のファンドパワーには驚いた!

 先週号でも詳しく解説したが、株式市場から大量の資金がヘッジファンドへ流れ込んでおり、その豊富な資金量を背景にして国内商品先物市場にもロットの大きい注文がドカンと入る…今のところ国内市場の豆鉄砲みたいな玉は、ファンドの大型ミサイルのような玉に席巻されてしまっている状態である。

 ファンドへの向かい戦法もあるものの、今回のようなパターンでは安易には向かえない。己の玉の重みで潰れてくれるまでは、むしろ提灯を付けた方が得策のようだ。

 6日現在のスポット価格は海上で28,800円(京浜)〜27,500円(阪神)と京浜は900円高、阪神も200円高となっており、陸上では28,700円700円〜800円高である。輸入採算価格は33,200円と、先々週2,400円高となる大暴騰を演じた後の調整か900円安となっている。

 エクソン・モービル系の仕切り価格が8日より1,000円引き上げられるなど強い基調ではあるが、小売り市況がそのまま付いて行くかが焦点であろう。

 イラク情勢からの原油価格の上昇が世間に浸透している今、元売りとしては当然値上げして儲けたいに決まっているし、どうもすぐに現物・先物ともに下げてくるとは考えづらい展開になってきたかもしれない。

 週末現在の自己玉は売り30,878枚、買い23,650枚となっており、7,000枚強の売り越しである。31,150円の高値を記録した時点では売り3.8万枚、買い2.4万枚と大きく売りに傾いての週末までの調整安であるが、このところは自己玉の大幅転換もすぐに起きるので注意が必要。

 限月別では3月限〜6月限は買い越しであり、7・8月限は売り越しである状態に変化は無い。特に5月限は大量に買い越し、8月限は大量に売り越しであり、サヤ関係をそのまま映し出している。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、昨年末の5,000円強の上昇の再現となるようであれば、ズバリ33,000円近くまでの急騰も有り得るとの見方。もっとも内部要因の変化がどうなるかによって、全く違った結果となる事も有り得るので、臨機応変に対処しなければならないだろう。もっともイラク問題に決着が付くまでは、幾ら下げても28,000円割れまで突っ込む事はまず考えられないと思う。

 

 

今週の灯油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

2月3日

\29,120

230

\28,060

H700

2月4日

\29,320

200

\28,520

460

2月5日

\29,540

220

\28,750

230

2月6日

\29,410

-130

\28,200

-550

2月7日

\29,640

230

\28,620

420

 

 最後に灯油です…基本的にこのところずっと原油は強気(買い方針)、ガソリンは強気になったり弱き(売り方針)になったりであるが、灯油は弱気で通してきている。しかし待てど暮らせど、灯油相場が崩れてくる気配が無いのが現実のところである。

 昨年12月24日の高値27,660円は簡単にクリアし、更には不需要期限月である現在の先物が、需要期限月で記録した昨年9月12日の高値29,850円に迫ろうかと言う勢いである。

 今週5日の高値29,200円は、1月15日の25,140円から4,060円幅の上昇であり、昨年末に23,250円から27,660円まで上昇した4,410円幅にほぼ並ぶような凄まじい上昇である。

 全くもって困ったちゃんの相場展開ではあるが、この相場展開は三菱Fと岡地から出ているファンド買いの凄まじさ以外には理由を付けられそうも無い。

 一体何時になったら天井を打つのか?であるが、理屈の通用しない相場展開は、イラク情勢の解決があるまでは仕方の無い展開なのであろうか?うかうかしてると更に順ザヤで発会すると思われる9月限が出ることによって、もっと上がる可能性だって出てくる…とは言っても明らかに買われ過ぎである以上、原油価格が天井を打てば雪崩をうって暴落とはなるだろうが。今のところは、まだその時期は先かもしれないと言うところ。

 6日現在のスポット価格は海上で31,000円(京浜)〜30,500円(阪神)となっており前週からまた1,000円安陸上では31,800円となっており500円安である。輸入採算価格は32,900円と、前週から900円高となっているが…

 現在平年並みの寒波となってしまった今冬の気候のせいで、在庫はかなりはけてしまったと言われているが、もうすぐ需要期明けとなるためスポット価格の上昇は見られていない。

 もっともファンドはそんな事はお構い無しで、チャートが上を向いていれば買うのがその行動パターンであり、ある程度価格が下落し始めてからでなければ、手仕舞いには動いてこない。

 週末現在の自己玉は売り27,539枚、買い17,366枚となっており、圧倒的な売り越し状態には変化は無い。5日の高値出現時点では売り3.3万枚、買い1.5万枚と極端な売り越しとなったところから見れば、減少はしているが…

 …中略…

 結論として当方の相場観は、ファンドの大量買いは恐るべしで安易には逆らえないが、それでもこの灯油を単独で買うのは反対である。岡地の建て玉に向かう事とはなるが、むしろ中長期的に見れば7月限辺りのガソリン買い・灯油売りが妙味があるのでは?との見方をとりたい。いずれにしろ、単独での売り買いや、ガソ・灯油両方とも同じポジションになるなどは、極めて危険と言わざるを得ない。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

2月3日

\2,634

83

\2,437

H80

2月4日

\2,681

47

\2,474

37

2月5日

\2,659

-22

\2,453

-21

2月6日

\2,597

-62

\2,405

-48

2月7日

\2,657

60

\2,458

53

 

 金相場は、2月5日1,489円の高値を記録した時点で、何と52万枚と言う気の違ったような大出来高を記録。新聞・テレビで金の上昇を騒ぎ、その日の昼に近所の定食屋のおばさんまでが『今、金って上がってるんだってねえ。昔6,000円以上したことがあったけど、今度は幾らまで上がるのかねえ…』とまでおっしゃる始末。これじゃ、翌日のストップ安はある意味当然か?

 先週号でもコメントしたが、『しかし基本的にイラク情勢が開戦必至と見られる中で、気の狂ったような買い注文殺到のパターンとならねば、このような相場は容易に天井を打つものではない。バブル崩壊前には、万人が強気とならねばならぬ。株・不動産を買わないリスクなどと言う、訳の判らん話も出たことを記憶されているだろうか?』これのミニ版が出たものと考えれば良し。

 しかし週末の動きを見る限り、寄り付き前は前日のストップ安での売り注文を消化しきれていなかったため気配値はストップ安であったが、取引所は恣意的に?寄り付きの暴落を回避させるかのように値付けを遅らせ、その後は価格を回復する事となった。『さあ、この相場はまだまだ高いよ!お客さん、もっと金持っていらっしゃい』ってなもんかも知れない。

 当方は前々から言っている通りこの相場に参加する気は無いのだが、この相場が天井を打ったとはまだ考えていない。内外ともに上げ過ぎの訂正場面であり、イラク情勢が目の前に横たわっている限り、天井はまだ先との見方である。

 なおNY市場のファンドの動きであるが、週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い105,154枚(前回発表時より13,242枚増)、売り38,340枚(同3,295枚増)となっており、ネットで66,814枚の大幅買い越しである。またファンドは買って記録を更新!

 

 銀相場は、金同様に上昇をしてきたものが(金よりは上昇は鈍かったが)下げる時は金以上に大きく下げる展開となっている。しかし完全にトレンドが崩れたとは思えないため、国内市場の180円割れ、出来れば175円どころがあればもっと良いが、その辺で一度買ってみたい気分である。2月5日の190.4円は天井かもしれぬが、リバウンドはあろうとの見方を採りたい。

 週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い49,110枚(前回発表時より1,971枚増)、売り6,582枚(同585枚減)となっており、ネットで42,528枚の大幅買い越しである。5万枚超からは、かなり危険な水域に突入する事は確かであるが…

 

 プラチナ相場は、金より一日早い2月4日2,517円の高値を記録した後、6日には金相場がストップ安に沈み込み売り注文が入らないことを受けて同じく急落。一時はストップ安に沈み込む限月が続出したが、週末には華麗に回復する事となった。

 当方の見方は、この相場はそう簡単には天井は打たないとの見方であり、押し目買い方針には何の変化もない。先物の2,517円から翌日の2,377円までの下げ幅は140円幅であり、下げ始めた時点から100円〜200円程度の押しが限界であろうとの見方を発信している。

 その見方の根幹となるものは、チャートパターンで今まで何度も記録している調整局面は、すべてその範囲の中に納まっているからである。

 また強気方針の根幹は、大幅に売り越す渡し物を持たない大衆筋の空売り玉に対し、実需系商社は常に買い一貫のポジションとなっている事である。

 …中略…

 週末現在の自己玉は売り35,907枚、買い43,334枚となっており、4日・5日には大分詰まったが売り越しには転じていない。

 あまり早く仕上がってしまうより、先物の2,400円どころでの再度の売込み相場が出てぐちゃぐちゃしてくれれば良いのだがなあ…と考えるところ。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

2月3日

\15,110

70

\15,300

140

2月4日

\15,040

-70

\15,310

10

2月5日

\15,000

-40

\15,230

-80

2月6日

\14,960

-40

\15,260

30

2月7日

\15,030

70

\15,320

60

 

 つまらん相場展開が続くコーン相場は、僅かながら上昇して15,300円台を回復。もうちょっと上がってくれば、そろそろチャートパターンで見ても2点底を記録しての上昇相場の開始か?との人気が出始まるかもしれない…

 しかし当方は、天候相場までにはまだだいぶ間があり、そう簡単に上昇相場には移れないとの見方を採りたい。ピーク時4,000枚超の売り越しを15,000円割れの時点で持っていた三井Fのポジションが

 …中略…

 天候相場期期待はまずシカゴ相場が動意付いてからのものとし、それに対する詳しい解説なども、もうちょっと他商品が落ち着いてからの事としたい。コーン専科の投機家には申し訳ないが、ただ今当方はこの相場は眼中に無しである。

 週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い78,635枚(前回発表時より874枚減)、売り100,372枚(同1,231枚増)となっており、ネットで21,737枚の売り越しである。この時期ファンドが買わない商品を買ったってねえ…って感じである。

 ちなみに大豆のファンドの建て玉は買い55,789枚(前回発表時より2,623枚増)、売り12,604枚(同3,135枚増)となっており、ネットで43,185枚の大幅買い越しである。先週からはちょっと減ってきた。シカゴのチャートは強気になれる状況ではないがねえ…

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

2月3日

113.1

1.7

125.2

2.7

2月4日

113.4

0.3

125.1

-0.1

2月5日

115.3

1.9

126.2

1.1

2月6日

115.1

-0.2

127.1

0.9

2月7日

113.5

-1.6

125.0

-2.1

 

 今週のゴム相場は、1月21日の116.5円からの上昇の流れに乗って、2月5日には127.2円まで急上昇。昨年6月20日の125.6円をオーバーしてしまった。

 中国が旧正月入りになって買い付けが望めない週なのに、他商品高に影響を受けてしまったのだろうか?

 そんな中で迎えた週末の市場は、前場から徐々に売られた相場が一時はストップ安か?と思えるほどの急落場面を記録した。かなり高水準のところまで相場がすでに上昇していた事が背景にあるとは言え、実際のところはブリジストン、ミシュランと並んで世界3大タイヤメーカーの一角である米グッドイヤー社の経営危機説が流れたものである。

 同社は銀行に対しての債務繰り越しを申請していたが、その延長期間は僅か1ヶ月しか認められなかったと言う事であり、万が一このような巨大メーカーの倒産ともなれば、世界のゴムの20%ほどを消費すると言われる同社の買い付けがなくなるわけであり、如何に中国が買い付けようとも影響は甚大。

 問題は産地シッパーがこの問題をどう捉えるかであり、同社の買い付けキャンセルでも起これば、高水準にいる産地価格も雪崩をうって下げかねない。商売上手の中国も、わざわざ高値で買うよりは下げてから買うであろうし…

 本来売り方の当方は、この材料で売り方針へと完全転換であるが、さて旧正月明けの来週の相場を見ねば、それが正しかったのか?間違いだったのか?は判らない。これで天井を打っていた場合は、100円割れまで下がると思っているのだが…買い方には、何をバカな事を言ってるんだと言われるかもしれないが。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

3月限(当限)

前日比 

1月限(先限)

前日比 

2月3日

\6,300

-190

\10,230

40

2月4日

\6,300

0

\10,310

80

2月5日

\6,220

-80

\10,060

-250

2月6日

\6,330

110

\10,180

120

2月7日

\6,400

70

\10,350

170

 

 アラビカコーヒー相場を買う人は、きっとロマンチストなのかもしれない。長期チャートを見れば、NY市場も国内市場もかつて無いほどの低水準まで下がった後に、徐々に回復してきている姿には見える。

 数年に一度信じられないほどの急騰相場を見せることのあるコーヒー相場は、NY市場で現在60セント台の価格であるが、86年には276セント、94年には263セント、そして97年には318セントという高値を記録している。そこまで行かなくても、せめて120セントくらいにはなっても良いのじゃないか?と思っても何の不思議も無い。

 しかしNY市場はどちらかと言えば底入れ〜上昇のチャートパターンとなっていても、国内コーヒー市場には4,000円と言う大幅な順ザヤが存在する。納会で何らかの作為が働かなければ、仮に先物で4,000円上がっていたとしても期近に廻れば元の木阿弥である。1万円で買った玉だって、12,000円で見事売り抜けられれば儲けであるが、1年間ずっと持っていたら結局6,000円では笑えない状況となってしまう。

 現在の限月別の値動きでは3月限・週末値6,400円(高値13,900円、安値6,200円)、以下同じパターンで5月限7,180円(12,670円、6,940円)、7月限8,260円(11,590円、7,990円)、9月限9,210円(12,070円、8,890円)、11月限9,850円(12,040円、9,460円)、1月限10,350円(10,990円、9,950円)となっている。

 現在の先物1月限は1万円割れではかなりの抵抗がある姿であるが、うまく上がってくれたとしてもどの辺であるかは一目瞭然である。その後限月がづれて行くごとに、サヤ滑りするのも必定。現在のところ、11月限よりも手前の限月を買って儲かっている向きは、ほぼゼロに等しいのである。

 週末現在の自己玉は売り37,821枚、買い14,480枚となっており、大幅売り越しに変化は無い。ただし先物1月限だけは若干の買い越しである。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、買い方○○○が因果玉を持つ9月限を狙い撃ちで売り!先限の突っ込み場面は、ヘッジで買い方針とする作戦である。

 ちなみに週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い18,516枚(前回発表時より295枚増)、売り8,162枚(同2,837枚減)となっており、ネットで10,354枚の買い越しである。徐々に買い越し傾向となってきており、ひょっとしたら砂糖などの大幅買い越しのように、そのうちコーヒー市場でもファンドが大量に買いまくる日が接近しているかもしれない。

 コーヒー買うならNY市場で買いたい気分であるが、それはできぬ相談ゆえに東京市場の先物は売らない作戦である。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

5月限(当限)

前日比 

3月限(先限)

前日比 

2月3日

\24,500

450

\21,370

 

2月4日

\24,340

-160

\20,910

-460

2月5日

\23,860

-480

\20,570

-340

2月6日

\24,150

290

\20,880

310

2月7日

\24,340

190

\20,160

280

 

 週末のNY市場において砂糖相場はなお続伸し、一時は9.00セントジャストと9セント台を記録した。ファンド買いの勢いは止まるところを知らず、取組高も連日の記録更新状態である。東京市場は閑古鳥が鳴くが、NY市場ではまさにバブルの状況となっている。ヘッジファンドのもの凄さよ…

 週末発表されたCFTCによる2月4日現在のファンドの建て玉は買い77,706枚(前回発表時より7,535枚増)、売り6,889枚(同1,102枚増)となっており、ネットで70,817枚の大幅買い越しである。取組高は史上最高であり、ファンドの買いもまた史上最高である。ファンドは本気で10セントまで買い続けるのか?といった展開である。

 NY3月限納会は2月28日であり、同限月を策動するファンド筋は相場のピークをどこに持ってゆくのか?ファンドが手仕舞い売りに出れば暴落は必至であるが、まだ時間的な猶予はあるゆえ9.50セント辺りはクリアする可能性は大である。仮にそれ以上の相場となるならば、2000年に記録した11.40セントと言う事になるが…いずれにしろ、3月限納会前後には天井を付けると考えてはいるのであるが。

 東京市場は27,250円と暴騰納会で終了した3月限が落ちた後に生まれた2004年3月限が20,980円で発会スタートとなった後、すぐに21,370円まで買われたもののその後反落し20,510円と5日には発会値を下回った。とりあえずチャート上では2万円割れ程度までは一押し来るリズムだったのだが、NY市場が上がっては東京市場もどうにもならぬ。

 …中略…

 週末現在の自己玉は売り4,277枚、買い5,759枚となっており、28日から途転買いに転じたまま若干の増減を繰り返すのみ。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、いずれは天井を打つとしてもNY市場が完全に崩れて来なければ売るわけにはいかない相場となってしまったと見る。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス aag73520@pop02.odn.ne.jp

 

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