商品市況展望 割愛版

平成15年4月20日記

 

 イラク戦争開始前のコメントで、所詮は国連に戦争を止める力など無いとの話しを書いたことがある…結果はご存知の通りの展開であった。

 多くの日本人の中には、日本国憲法第9条の戦争放棄条項とともに、国連至上主義を信奉する人が多いようであるが、そもそも国連にはその成り立ちや大きな矛盾点が幾つもあるのでは?と言うのが当方の考え方である。

 国連が生まれたのは1945年6月であり、第1次世界大戦後に成立した国際連盟が第2次世界大戦を防ぐ事が出来なかった事を反省して、平和目的のために作ったと言えば聞こえは良いが、米・英の連合国(戦勝国)が作ったものである事には違いない。

 第2次世界大戦は日・独・伊の三国同盟側が敗戦に終わったわけであるが、1945年6月と言えばドイツは前月の5月に降伏しているが、日本はまだ連合国と戦争中である。8月6日・8日に広島・長崎に原爆を落とされ、無条件降伏したのは8月15日なのだから…

 大体がこの戦争でもし米国が参加していなければ、仏はドイツに降伏しており、英もやばそうな状況であったわけで、中国は日本にやられていたかもしれないし、ソ連も漁夫の利を得るために敗戦間近の日本に(満州には)攻め込んだが、連合国(=国連)といえばアメリカなのだと言う事に間違いは無い。そのアメリカ様の言う事に、何で国連が異を唱えられる?

 そして常任理事国である米・英・露(本来はソ連)・仏・中(これもまだ共産主義国家になる前の中国)の戦勝国が、戦後の新たな世界体制を構築するために作ったものである国連は、現在は参加191国を数える大組織ではあるが、国連憲章第53条の規定によって、未だに日本は敵国扱いとなっているのだ…一国で国連予算の2割以上出していると言うのにである。

 日本は敵だと言われているのに、大金を出す大馬鹿者かお人好しである…(笑)例えばスイスが国連参加したのは、つい去年の事だって知ってました?

 また191国の参加と言えば聞こえは良いが、要は人口が10万人足らずの国や地域も1国であると言う事…金も出せない、人もいない国と、大国が同じ1票であると言う考え方は、ある意味妙な話である。このようなものは、悪しき平等でしかないとも言えないか?

 だったら日本は県ごとに独立国になり、47票を確保するか。いっそ昔の藩に戻ったら、200票くらいになるか? そうなったら中国は人数が多いだけに、もっと細分化して1,000票くらいにになっちゃうかもねえ…(笑)

 さて戦後のイラク情勢は、予測どおりの宗教・民族の分裂が見られる情勢である。その点は多民族国家でも、アメリカ様の表面上はうまくいっている。もっとも米国も妙な殺人事件が多くて、安全そうには全く見えない変な国だけれども…(最近は日本もいきなり人を刺す奴が多くて、困ったちゃんだが)

 ここで提案です!国連がうまく機能しないようであれば、いっその事全世界がアメリカ合衆国になってしまったらどうだろう。シリアもついでに脅すブッシュの姿勢は、まさにそのような事を考えているかのようなものなのだし…もっともそれで大統領選挙になったら、人数の多い中国人がアメリカ大統領になってしまうだろうが…(笑)

 

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月14日

\18,220

260

\17,340

90

4月15日

\18,070

-150

\17,170

-170

4月16日

\18,350

280

\17,440

270

4月17日

\18,330

-20

\17,350

-90

4月18日

\18,720

390

\17,840

490

 

 まずは原油から…先週号においては、以下の通りコメントした。

 しばらくの間は、この26ドル台〜30ドル手前辺りでもみ合い局面に入ったのではないだろうか?多分にテクニカルな相場変動パターンであり、春の天気と同じで晴れは3日と続かないし、急変するので事前予測もほとんど外れる事となろう。

 ただ一つだけ言えるのは、所詮は天井を確認した相場であり、仮に一時的に30ドル台を回復したとしても一過性のもの…40ドルを目指す上昇など有り得ないし、この中断もみ合いはいずれ20ドルへと向かって底抜けするだろう。要はその時期への日柄稼ぎである。

 この見方は今回も揺るがない。

 さて3連休前のNY原油相場は30.55ドルと、大暴落後の反騰であった4月1日の31.32ドルに近づく上昇となった。これを抜けるかどうかは来週の相場を見なければ判らないが、仮に抜けずに反落したとしたら(当方は抜けないと思っているが…)3月21日の26.30ドル、4月11日の27.02ドルと下値も切り上がり、また高値も切り下がる、いわゆる三角持ち合いに入る事になろう。

 今回反騰している要因は、24日に開かれるOPEC総会での減産予測がその柱である。一体どの程度の減産となるか?もっとも、現在の30ドル乗せの価格は、100万バレル程度までの減産はすでに織り込んだと考えられるが…

 OPECが減産しなければならないのは、逆に言えば需給が緩和している事の現れであろう。イラク国民には大変だった今回の戦争であるが、そのような大きな材料で40ドル近くまで上昇し大天井を打った相場が、OPECの減産如きでそれ以上の相場になるはずは無い。ましてや元々十数ドルの価格では困ると言って、何とか20ドル台半ばまで持って行こうとしていたことも忘れ、30ドル以上の価格が3ヶ月以上も続いて大儲けしたはずの産油国が再び高値維持に出ようなどとしても、そうはうまく事は運ばないだろう。それに高ければ、抜け駆け増産と言うのは常にあるのだし…

 今回イラク戦争の勝利で支持率を伸ばしたブッシュ大統領であるが、かつて湾岸戦争の大勝で支持率を伸ばしたが、経済政策の失敗で再選を逃した親父ブッシュの轍を踏まぬためには、米国経済の建て直しに精力を注ぐしかあるまい。その際に原油価格が高いようならば、一体それで景気が回復するか?それはノーであろう。

 当方の所詮は一過性の上昇であるとの見方は、上記の事が柱である。

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い31,363枚(前回発表時より537枚増)、売り80,283枚(同788枚減)となっており、ネットで48,920枚の大幅売り越しである。ただし売り越しは2週連続の減少であり、この反騰の真実はファンドの買戻しと想定される。

 さて国内市場であるが、先週号においては『結論として当方の相場観は、18,000円台があっても良いとの考え方で17,000円台後半を売り上がり作戦。』とした。この通りにもしやっているならば、週末の17,800円どころで売り玉第一弾が成立しているはずである。

 同日の高値は17,840円であるが、これは3月31日の17,980円に迫る水準である。21,000円台から16,000円台まで約4,000円幅の暴落を演じた相場が、1,500円ほどの戻りを演じたわけであるが、ズバリ2,000円幅戻しても18,400円である。おおよそその辺が、戻りの限界ではなかろうかと見る。

 週末現在の自己玉は売り7,075枚、買い10,305枚となっており、相場が高くなれば徐々に売ってきそうな雲行きとなって来ている。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、OPEC総会で驚くような減産が示されれば別であるが、今回のこの戻りは絶好の売り場であるとの見方。この水準は持って24日のOPEC総会までだろう。その後に『材料出尽くし』の下げがあるとの見方である。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月14日

\29,100

460

\24,520

130

4月15日

\29,340

240

\24,330

-190

4月16日

\29,390

50

\24,480

150

4月17日

\29,090

-300

\24,580

100

4月18日

\28,200

-890

\25,050

470

 

 続いてガソリンです…原油相場の急騰により、ガソリン相場も週末高値は25,100円と反発する事になった。もっともこの上昇も、本来強い相場であればストップ高の暴騰となったのであろうが、大した上げでは無い状況であった。

 しかしこの上げも最安値である4月7日の23,730円から、1,560円幅の上昇を見せた10日の高値25,290円までも届いておらず、更にそれを突破したとしても3月28日の26,530円にかなり強い上値抵抗線が存在しているため、所詮は戻り売りの範疇との見方を当方は採っている。

 現在の大幅逆ザヤの状況下では、週明け発会する11月限はさらに下ザヤで生まれる事が想定され、チャートは更に悪化する事が予想される。

 さて注目していた5月限納会は、28,200円の急落納会であった。3月限納会が32,550円、4月限納会が30,970円というところから見れば、需要期限月ではあるが完全に峠は越している。昨年の12月限納会が25,750円であり、現在の輸入採算が26,000円台(後述するが、週末には急騰したが)である事を考えれば、現在の需給とも考え合わせてそれでもまだ高かったと言う印象はあるが

 …中略…

 17日現在のスポット価格は海上で28,500円(京浜)〜29,300円(阪神)となっており1,000円安〜200円安となっており、陸上では30,500円〜30,200円変わらずとなっている。輸入採算価格は27,600円なっており、1,600円高である

 スポット価格はまださほど下がっていないが、元売りは下げたくないため売りたくない、買い手はこの価格では買いたくない状況で取引が少ないため下がっていないようであり、川下の販売不振のためと今夏の電力需要向け重油の販売でガソリン需給が更に緩む事を考え合わせれば、いずれ売り手が価格引下げに動かざるを得ない情勢のようである。

 また輸入採算価格の高騰は、韓国で日本向けの大口成約があったためと言われており、決して強材料一辺倒に受け取る事は出来ないようだ。

 週末現在の自己玉は売り24,659枚、買い16,449枚となっており、売り越しは若干であるが増加ぎみである。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、戻り売り一貫に変化は無し。岡地が未だ大幅に買い越す7月限も、当方はこの相場が崩れるとしたら逆ザヤ潰しの期近からとの見方をしているので、敢えて向かってみたい方針である。 

 

 

今週の灯油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月14日

\26,610

110

\25,940

120

4月15日

\27,020

410

\25,700

-240

4月16日

\26,950

-70

\25,960

260

4月17日

\26,890

-60

\26,070

110

4月18日

\27,500

610

\26,730

660

 

 最後に灯油です…需給がだぶ付くガソリンに対し需給逼迫状態が続く灯油は、東京では桜の季節も終わったと言うのに、相変わらずサヤ状態は不自然である。

 注目の5月限納会は27,500円と高納会であり、ガソリンとのサヤも僅か700円で終了してしまった。前回4月限納会の32,400円、3月限納会の31,700円から見れば峠は越しているものの、ガソリンが需要期・灯油が不需要期の納会としては、異例のサヤで終了してしまったとだけは言えよう。

 そのため先物10月限は、週末には660円高とストップ高寸前まで買われる展開となった。不需要期の5月限がこの値段で正しいのならば、10月限は現状でもっと買われても全く不思議ではない。週末終値で9月限はガソリンより10円高く、10月限は1,680円高いが、ガソリンが下げるのか灯油が上げるのかは別として、10月限ベースで3,000円まで開いても当方は不自然だとは思わない。

 週明け発会する11月限は更に順ザヤに買われると想定されるため、ガソリン−灯油のサヤは−2,500円程度のサヤからスタートする事も有り得る。この限月が最終的に、−5,000円近くまで行く事も有り得ると見ている。

 17日現在のスポット価格は海上で30,700円(京浜)〜30,300円(阪神)となっており800円安〜1,200円安陸上では32,300円〜32,000円となっており変わらずである。また輸入採算価格は27,100円200円安となっている

 スポット価格は下落してきたものの、相変わらずガソリンよりも高いのでは不需要期って何?って感じである。今は不必要な灯油であるが、必要な時まで東電問題から在庫が増加しなければ、現在2,000円ほど高い灯油が5,000円高くなっても、何の不思議もないところ…

 現在の需給逼迫の根源は、昨年は暖冬で灯油が大量に余って投げ売りを強いられたため、元売りが意識的に在庫を持たなかったことが大きな要因である。先の話だが、来年の5月限は今年の反省でまた大量に余ったりして、逆のことが起きたりしてねえ…(笑)

 週末現在の自己玉は売り12,898枚、買い18,367枚となっており、買い越し状態がまた増加中である。限月別では6月限売り、7月限買い、8・9月限売り、10月限買いとバラバラであるが、11月限はどうなる?

 …中略…

 結論として当方の相場観は、灯油単品で考えるならば以前からの指摘どおり原油・ガソリンに準じた動きを想定している。しかし先週号でも指摘したが対ガソリンで考えて、先物10月限は明らかに割安であるとの見方である。ファンド売りに向かって、ガソリン売り・灯油買いの鞘取り参入の好機と見る。11月限も9月限・10月限に続いて当然同様の戦略である。

 …以下略…

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月14日

\2,438

22

\2,216

17

4月15日

\2,425

-13

\2,195

-21

4月16日

\2,430

5

\2,198

3

4月17日

\2,423

-7

\2,184

-14

4月18日

\2,468

45

\2,232

48

 

 金相場は、未だ下降トレンドを継続中であるが、下値も硬直化し始めており、4月14日の1,268円をクリアできるようであれば底入れの可能性も多少出てくるか…もっとも、1,300円台に乗せて大きく上昇するような材料も何もないわけであり、戻しきれなければ再度安値更新の可能性も残っている。

 つまりは現状では様子見に徹するしかなく、当方はこの相場に参加する意思は無しである。

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い47,667枚(前回発表時より2,171枚増)、売り26,362枚(同6,563枚増)となっており、ネットで21,305枚の買い越しである。ファンドの売りが買い以上に増加しているが、中途半端な水準であるとしか言いようがない。ネットでゼロまで整理が進めば、思い切って買っては見たいが…先の話だろう。

 

 銀相場は、所詮は金相場に連れた展開になるものと想定されるが、NY市場ではすでに応分の下げと内部要因の改善が進んだため、このところ170円割れは小すくいの買いを推奨してきている。

 相場は4月3日に166.5円の安値を記録した後、15日には175.8円の高値を記録。その後また171.1円まで下落しているが、170円割れは拾っておいても構わないだろう。

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い26,854枚(前回発表時より658枚減)、売り27,201枚(同991枚減)となっており、ネットで347枚の売り越しである。5万枚あった買い越しが若干の売り越しまで減少したのだから、整理は終わっていると言う事である。

 

 プラチナ相場は、悩ましい展開となっている。基本的に逆ザヤ相場でありゆえ、長期保有はサヤ出世が起こり得るために買いが有利である事は変わりは無いが、何でも逆ザヤ相場=買いで良いのかと言えばそうでもない…

 例えば大暴落をした石油は逆ザヤのまま暴落したわけであり、現在下落中のゴムもそうだ。かつてパラジウムの暴落とともに下げたプラチナ相場も、やっぱり逆ザヤ下で大暴落を引き起こした。

 限月別では、もうすぐ納会を迎える4月限〜8月限の期近3本は2,000円以下の安値を出してから大きく上昇しているゆえ、高値からは大分下げたとはいえ買い方の勢力範囲に居るとは言える。ちなみに4月限の一代足では、安値1,842円、高値2,654円であり、週末終値は2,468円である。高低差は812円にも及び、高値から186円下の水準では、逆に言えば安値からは626円高い水準だ。

 しかし10月限はともかくとして、12月限・2月限の先物2本のチャートパターンは、完全に天井打ち〜下落のトレンドを明白にしているような姿である。特に先物引継ぎ足では、普通に考えれば2月4日の2,517円で天井を打ち、3月11日の2,450円で2番天井確認の相場と見える。現在高値に居る4月限も、一時は1,800円台を記録するまで下げた事はあるのだから、その水準まで一度下げても不思議ではない。

 週末現在の自己玉は売り30,971枚、買い37,466枚となっており、若干の買い越し状態である。限月別では4月限〜10月限の買い越し、特に6・8月限の大幅買い越しに対して12月限・2月限の売りである状態は変わらない。限月別のチャートを見れば、さも有りなんといったところではあるが…

 …中略…

 さて注目の4月限納会であるが、リースレートはさほどの上昇は見せておらず、当限を買い越す岡藤・ニチメン・ユニコム・三井F・住商・エンゲルの動向と、逆に売り越す三菱F・豊・三菱商事・物産に注目

 高納会となってしまうようなら売り玉維持は危険だが、逆に安納会となれば一気に下に放れる可能性もある。

 結論として当方の相場観は、先物ベースでは規定路線通り2,251円オーバーをストップロスとして売り玉維持。今週中にそれが正解であるか、あるいは間違いであったかがハッキリするだろう。仮に間違いだったならば、四の五の言わずさっさと損切りするべきだ。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

4月14日

\15,680

310

\15,820

90

4月15日

\15,990

310

\15,800

-20

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

4月16日

\15,670

130

\16,080

 

4月17日

\15,480

-190

\15,970

-110

4月18日

\15,650

170

\16,050

80

 

 国内穀物相場もやっと取組高の減少に歯止めがかかり、天候相場期入りとともに市場に活気が戻りつつあるような形となって来ている。

 買い方針を明確にしつつある仕手筋もいれば、逆に売り玉維持方針の仕手筋もいる。大衆筋も買い方、売り方に分かれているためか、自己玉はポジションがほとんどなくなってしまった…

 基本図式は岡地の売り対三菱Fのファンドの買いの図式であるが、要は肝心のシカゴ市場がどっちへ向かうのかによって、大投げが出たり大踏みが出たりすることにはなるのだろう。

 基本的に売りが好きな当方は、天候プレミアムを買われて市場が沸騰した時に売り参入する予定であり、今のところはまだすぐの参入の食指は沸かないが、最近は農業技術の進歩で滅多に凶作になる事など有り得ないため、相場の高騰はあまり考えられないとの基本姿勢がそうさせるわけである。

 さてシカゴ市場であるが、大豆は久々の大型上昇相場の気運が高まり、もみ合いを上放れて6ドル台への急騰中。しかしコーンは、未だ下値もみ合いの範疇からは抜け出せずである。

 大豆に関しては当方は解説を行っていないが、うまく大豆相場を張っている方々は、中物を買って(6月・8月限辺り)先物を売るポジションを保有して儲かっているらしいですよ。ご参考に…

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のコーンファンドの建て玉は買い87,138枚(前回発表時より372枚増)、売り67,152枚(同10,206枚減)となっており、ネットで19,986枚の買い越しである。前回発表で一気に途転買いへと変化したものが、さらに買い越し増加中である。ファンドの力で、下値もみ合いを上放れる250セント台へと乗せられるかどうか?

 一方大豆の週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い89,426枚(前回発表時より4,238枚増)、売り19,360枚(同1,030枚増)となっており、ネットで70,066枚の大幅買い越しである。ファンドは相場が天まで上がるかのように買っている。

 東京市場・週末現在の自己玉は売り24,880枚、買い24,051枚となっており、今年ピーク時の売り4.9万枚、買い1.6万枚程度の大幅売り越しから、ほぼスクエアなところまで変化している。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、自己玉が踏んでスクエアになっている状態では、今すぐの売りはためらわれる。かと言って、ファンドが買い筆頭の市場で同じポジションは持ちたくない。よってしばし見送りとする。

 現在のところ大豆の方が面白そうだが、隣の芝生をうらやんでもしょうがないので、当方は解説は行わない。あまりに多銘柄に力が分散されると、すべてが中途半端になる恐れが有るので、その辺はご理解を頂きたい。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月14日

123.8

0.5

117.9

-1.4

4月15日

123.4

-0.4

118.3

0.4

4月16日

123.3

-0.1

119.3

1.0

4月17日

123.8

0.5

119.8

0.5

4月18日

123.9

0.1

118.4

-1.4

 

 先週号においては『結論として当方の相場観は、戻り売りに変化は無いものの、戻るとするならば次週ではなかろうか?との見方である。』として終了した。

 相場は4月15日117.0円まで下落した後(これは137.0円まで上昇する前のポイントである1月27日の117.0円と同値)週末には寄り付きで120.7円まで戻した。しかし120円台では戻り売りを浴び、引けには118.4円と再び値を消して終了している。

 大手商社・Mが期近を買い越し先物を売るオペを続行中のため、この相場は逆ザヤ相場のまま下落を続ける展開となってきているが、来週の4月限納会で同社はどのように動くのか?

 またしても現受けに出て買い上げ、先物の売りヘッジを外す行動に出れば、122円台〜125円台辺りまでの応分の戻りが出ることになろうし、逆に期近から投げて先物の売りを生かす作戦に出れば、相場は一気にまた崩れる可能性もある。

 ただし如何に大手商社とはいえ、逆ザヤ下での現受けは買占め行為と受け取られる恐れもあり、やり過ぎれば後々禍根を残す事になろう。大体が取引所は、逆ザヤでの現受けには取引員の処分等重い罰則を科すのが通例だが、仕手筋は受けたら駄目だが商社なら良いでは、行政のえこひいきと取られかねない。

 もっとも、戻ろうが戻るまいが、現在の下落トレンドを転換させる事は困難であると思われ、最終的にはこの相場の上昇起点である11月20日107.4円を目指す展開には変化は無いだろう。結局130円台はバブルであったと言う事か…

 …以下略…

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

5月限(当限)

前日比 

3月限(先限)

前日比 

4月14日

\7,230

180

\10,230

40

4月15日

\7,100

-130

\9,920

-310

4月16日

\7,070

-30

\9,950

30

4月17日

\7,010

-60

\9,790

-160

4月18日

\7,160

150

\10,000

210

 

 先週号においては『結論として当方の相場観は、戻り売り一貫!4月8日の10,490円で、すでに戻り天井を打っている可能性も高いと見る。』として終了した。

 今週の相場は4月17日に9,780円の安値を記録。基本的には1万円どころでのもみ合い相場と言う事となった。

 NYベースにおいても、60セントどころを中心とした上下3セントあまりのもみ合いの状況であり、産地ブラジルの降霜期を目前にして売り方としても安値は叩ききれず、かと言って買い方も現実にあるかどうか判らん降霜を期待して買い切れずの状況が続いている。

 現在のところはファンド主導によるテクニカルな売買が続いている展開であり、売り方の当方としても一度くらい70セント辺りまで上げてくれても一向に構わぬが、あまり期待は出来そうもない展開である。

 何度もいうがコーヒーはそれこそ腐るほど在庫があり、降霜があったとしても産地が北に移動しているため被害もあまり出そうも無い状況である。つまりは一時的に買われたとしても、必ず下げて来る状況には変わりなく、大幅順ザヤの東京市場はなお悪いと言う事。裏作の今年の天候相場が終わったら、表作の来年はとんでもない収穫量が期待出来るため、今年の秋にはとんでもない安値が待ち構えているものと想定される。買い方が値頃ではしゃぐのは、せいぜいが後2ヶ月間であろう。

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い13,652枚(前回発表時より727枚減)、売り21,706枚(同1,703枚増)となっており、ネットで8,054枚の売り越しである。1万枚超の売り越しになるとファンドの買戻しが殺到する事があるので危険であるが、今は何事も起きていない姿である。

 東京市場の週末現在の自己玉は売り31,968枚、買い15,513枚となっており、先週とあまり変化は無い状況である。

 …以下略…

 結論として当方の相場観は、戻り売り一貫!上げれば上がるほど次の下げが大きくなるのだから、この方針はおそらくずっと変わる事は無いだろう。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

7月限(当限)

前日比 

5月限(先限)

前日比 

4月14日

\21,450

200

\20,050

440

4月15日

\21,010

-440

\19,780

-270

4月16日

\21,200

190

\19,940

160

4月17日

\21,480

280

\19,930

-10

4月18日

\21,680

200

\20,070

140

 

 2月21日に22,450円で天井を打った相場は、約3,000円幅下げた4月11日の19,480円から反発に転じ、20,190円まで戻る事となった。

 それ以前の3月28日の19,920円〜4月7日20,790円までの戻りは870円幅。今回の戻りも710円幅であり、おおよそ1,000円も戻せばまた下落のパターンは変わらないはずである。相場はいずれダラダラと18,000円台に向かって下落して行くと予測している。

 指標のNY市場は7セント台割れには現在抵抗を示している姿であるが、2月20日の9.13セントで三尊天井型の大天井を打った姿には変化は無く、ファンドの投げも続いている。

 大勢では昨年6月の5セント台から上昇を開始した相場が、6セント台から猛烈なファンド買いで9セント台まで舞い上がり、そこから下落中の相場である。いずれはファンドの買い玉が無くなるまで、価格帯では6セントそこそこまで下がる相場のはずなのだが…

 週末発表されたCFTCによる4月15日現在のファンドの建て玉は買い27,278枚(前回発表時より11,774枚減)、売り9,085枚(同3,934枚増)となっており、ネットで18,193枚の買い越しである。ピーク時の8万枚近い買い越しからはまさに大幅減であり、もう完全に終わっている相場である。

 東京市場週末現在の自己玉は売り5,932枚、買い3,980枚となっており、売り越し方針は明確な姿となってきた。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、いずれNY市場は6セント台へと突入する。そして東京市場も18,000円台へと突入すると見る。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

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