商品市況展望 割愛版

平成16年7月25日記

 

 商品相場というものは、面白いものである。そして怖いものでもある。なんたって値動きが大きいため、それこそ本当にあっという間に資金が倍になったり無くなったり…

 特に値動きの荒いガソリン相場など、時と場合によっては僅か半日で1,000円幅も動いたりする事もある。1枚=10.5万円の証拠金で1,000円幅の動きは、あっという間に10万円の値動き!仮に10枚ほども投機すれば、100万円が半日で200万円になったり、無くなったりするという事である。

 この値動きの荒さに目をつけたネットとレーダーなどは、僅か数分間の間に売ったり買ったりして、5万円損が出たら反対売買で手仕舞い、10万円利益が上がったらその日は終了…何て取引を行なう人もいるようだ。

 そうやってリスク管理をしながら参加すれば、商品相場は儲かるものでもある。だからこそ魅力のある市場なのである。

 さてそんな国内商品市場のメインプレーヤーは、間違いなく個人投資家である事は議論の余地は無い。商社やファンドなどももちろん参加しているものの、売買高で圧倒的な比率を占めるのは個人投資家である。それが良い事であるか、あるいは良くない事であるのかの議論については、当方はするつもりは無い。我々が投機しようとしている市場は、そういう市場なのだとただ受け入れるのみである。

 ただし個人情報保護法電話セールス規制(まだ正式には決まっていないが)は、商品取引会社の個人投資家に対する勧誘活動に、かなりの影響を及ぼしそうな情勢になって来ている。

 相場を始めるきっかけになったほとんどは、商品取引会社からの電話セールスであろう事は多くの人に共通する事か…もちろん頼みもしないのに忙しい時に電話を掛けられてえらく迷惑した経験や、一体どこから電話番号やらの情報を入手したのかと不愉快になった経験もあるのではなかろうか?

 当方の場合は完全に『タバコ屋方式』の営業で、このHPを見て興味がある人、先物をやろうと思っている人以外に勧める事は無いゆえ、テレコールとは無縁である。もっとも若かりし頃は、一日200件以上ものテレコールを毎日行なった(行なわされた…笑)ものである。ズバリその名簿は、職業別電話帳から学卒者名簿などなど。

 職業別電話帳はNTTで購入できるし、学卒者名簿や通販購入者リストなど様々なデータは、いわゆる『名簿屋』と呼ばれる業者から購入できる。おおよそ全国すべての大学、高校の名簿はあるゆえ、当方の名前ももちろんあなたの名前もどこかに必ず載っているはず。また通販購入者リストにはかつらの購入者や、アダルトグッズの購入者名簿なんて笑えるような、でも当人にしては笑えないようなものも存在する。○○大学ご出身の方へ…と、当方も先物の営業を受けた事があるからねえ。それも会社に居て。会社の名前で同業者と判らなかったのかしらん…(笑)

 ただしこのような営業活動は、今後難しくなって行くのかもしれない。次回には個人情報保護法と電話セールス規制についてと、それを逆手にとって事件屋のようになっている弁護士事務所の話についてコメントしたい。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月20日

\23,930

-100

\23,040

40

7月21日

\23,690

-240

\22,710

-330

7月22日

\23,790

100

\22,860

150

7月23日

\23,910

120

\23,310

450

 

 まずは原油から…先週号においては、『押し目買い方針に変化なしNY原油が新高値更新場面では、一度は利食い売りの急落もあろうが、そこはまた絶好の買い場となる可能性も高いだろう…』とした。

 今週の相場展開は、21日に安値で22,400円まで押し目を入れるものの、週末にはまた大きく切り返してこのところの高値を更新。高値では23,400円まで記録する事となった。

 これで6月30日の安値20,600円からは都合2,800円幅の上昇であるが、逆ザヤ相場ゆえに実際はもうちょっと上がっている事になる。(11月限ベースでは3,040円幅の上げ)

 最高値である5月17日の24,430円にはまだ1,000円ほど残している相場展開であるが、3,830円下げたものが2,800円幅の上昇では73%の戻り率。内部要因ではだいぶ自己玉の大幅買い越しが減少するなど変化も見られるが、まだ明確にトレンド転換となったとは言えぬ状況であり、まずは6月2日の23,830円を第一目標としながら、最終的に24,430円の天井をもう一度トライする姿であろう。

 さて指標のNY市場においては、7月20日に42.30ドルと史上最高値である6月2日の42.45ドルまで急接近するものの、当日は8月限納会日であったため利食い売りに反落。もっとも次に当限に廻った9月限もその後順調に値を戻し、週末には高値で41.83ドル(引け値は前日比0.35ドル高の41.71ドル)まで上昇している。

 ここで上げもだえてWトップを打つという見方も出来ないではないが、やはり一度は42.45ドルを上抜いてからでなければ、目標値達成とはならぬのではなかろうか?順当ならこれをクリアしてから利食い売りを浴びて反落、その後にまた上げ始めた場合は最大で6月2日42.45ドルから6月30日35.52ドルまで6.93ドル下げた幅の倍返しである49.38ドルを目指して上昇する事になると読む。本当にそうなったら、東京原油価格は28,000円台と言うとんでもない事になるのだが…(自分で書いても、そんな馬鹿な!という気はするが)

 ただし明確に相場が大天井を打つ寸前というのは、昨年のイラク戦争時の急騰〜急落相場のように、猫も杓子も買いだと騒ぎ、マスコミでは50ドル相場も有り得るなどと危機感を煽るもの…その当時の価格を上抜いているにもかかわらず、なぜかこのところのムードはそこまでの過熱感は無い。NY株式市場は原油高を嫌気して1万ドルの大台割れまで下げているようではあるが、国内のマスコミでは古館も筑紫も田原も騒がん!さすがに50ドルに接近すれば騒ぐかな?と変な理屈も当方は考えている。

 さて現状の原油自体の材料としても、グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、議会証言で「石油輸出国機構(OPEC)はほぼ最大限の生産を行っているが、需要が供給よりも速いペースで増加している」と発言。今週の全米原油在庫は3億バレルを割り込む減少となっており、またロシア石油大手“ユコス”(日量生産170万バレル)が8月前半にも破産宣告を余儀なくされると見通しもある。ユコスの問題はロシアの政争が原因であり、最悪でも国有化になって生産に支障が出るとは思えない。しかし短期的には同国の輸出もある程度は減退する懸念があり、弱材料に働くわけではない事には留意すべきか…

 以上のようなことから考えると、どうしても弱材料は少なく、相場を押し下げるべきものが見られない。次の在庫発表で大幅増という事でもなければ、大きく下げに転じるのは困難かもしれない。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、押し目買い方針は変わらない。ただし注意点は上げもだえてWトップを打つとか、新高値更新後の利食い売りの急落である。また次の在庫発表で3億バレル台に回復するかどうかも注目である。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月20日

\40,650

960

\32,630

-90

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月21日

\37,000

20

\32,840

 

7月22日

\37,400

400

\33,190

350

7月23日

\38,100

H700

\33,890

H700

 

 続いてガソリンです…先週号においては、『下げても先物で31,000円台がせいぜいかもしれない。押し目買い方針継続であろう。』とした。

 今週の相場展開は、安かったのは21日の2月限発会時のみで、8月限の大受渡しとNY原油安を嫌気したのもあって寄り付きこそ急落。32,200円でスタートした2月限は、僅かそこから50円下げただけで、その日のうちに一時はストップ高の急騰。結局週末まで上げ続けて、週末は33,890円とストップ高に張り付いての終了となった。

 ちなみに11月限のみは一代の高値である5月17日34,380円に僅か80円だけ届いていないが、その他の限月はすべて新高値の更新となっている。つまりは売り方で利が乗っているものは、全く皆無であると言う事。

 先物引継ぎ足では上記の34,380円が高値なのであるが、あと490円でそれに並ぶことになる。だが週末はおおよその目標値に達したと見ることも出来、また内部要因も大きく変化はしたため、ぼちぼち一度は調整安は入りそう…

 もっとも需給逼迫を受けて上がるスポット市場に、サヤ寄せするように上昇する期近限月は、下値にかんぬきが掛かって下がる可能性は少ないか。納会日である20日の8月限と先物1月限の逆サヤが8,000円あったのに、現在の9月限と2月限の逆サヤは4,200円ほど来週は、おそらくまた逆ザヤ幅を拡大する動きが見られるかもしれない。

 さて週明けに納会した8月限は40,650円の納会落ち。6月限・7月限に続いて4万円台での終了であるが、7月限が納会した後は定期修理明けで需給逼迫懸念も薄らぎ、大きく下落する動きも一時はあった。だが現在の猛暑の影響でガソリン需要は15%ほど伸びているというデータもあり、実際のところ全く在庫が増加して来ない。

 また販売価格が上昇していても、さほど需要が落ちたと言う話も聞こえて来ない状況では、このまま在庫が低水準で推移するようならば、9月限もまた4万円台まで駆け上がっても全く不思議では無い。それどころか一部には、元売からスポット市場に売り物が出てこないために、定期市場での大量現受けを狙ったスクイズ的な買いが入った可能性も指摘されるようになってきた。かなりきな臭い動きも想定される状況である。

 週末現在のスポット価格は41,800円〜42,400円となっており、先週と比べ1,400円高である。22日の輸入採算は37,200円と7月15日比300円高である。

(時事通信社発表の海上渡し価格より)

 猛暑による需要増加を背景に足元の供給ひっ迫感が再燃したことや、製油所の相次ぐトラブルなどにより、ほぼ一本調子の上昇となっている。韓国第2位の石油精製会社LG-カルテック社の製油所が19日労働者ストにより全面停止したため、ガソリンはじめ石油製品の輸出についてフォースマジュール(不可抗力)を宣言し、日本向けガソリンの少なくとも4万kl前後がその対象となっていることも海上市況高の一因である。

 17日時点のガソリン在庫は前週比1.3%(前年同期比18.5%)減の185.1万klと5週連続で減少。依然として200万klを割り込む逼迫状態が続いている。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、需給逼迫による当限高と内部要因からの先物安の逆ザヤ幅拡大を予測する。1月限・2月限は買われ過ぎからの一時的な反落を狙って戻り売り、9月限・10月限はサヤ出世の押し目買い方針とする。

 

 

今週の灯油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月20日

\33,700

-690

\36,340

50

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月21日

\34,950

120

\35,850

 

7月22日

\35,560

610

\36,460

610

7月23日

\36,210

650

\37,160

H700

 

 最後に灯油です…先週号においては、『徹底して押し目買い方針を推奨する。これから暑くなるほどに、相場もヒートアップする予感がある。』とした。

 今週の相場展開は、安かったのは21日の2月限発会時のみで、それも寄り付き後の安値35,000円からは急騰。結局週末には37,160円と、先物引継ぎ足でも6月3日の37,090円をクリアする大暴騰となった。

 一代足では連日の新高値更新であり、週末には当限9月限も新高値更新で、売り方で利が乗っている玉はまさに皆無に状態である。例年にない低在庫と輸入採算価格からの割安にもかかわらず、順ザヤでのサヤ滑りなどと言って需要期・不需要期限月の区別さえ考えない売り方は、今のところ全員討ち死にしている事となる。もっともそれら売り方の意見を馬鹿にしているわけではなく、そうやって売ってくれてありがとうと言う感謝の気持ちである。ゼロサムゲームの市場は、損してくれる人が居なければ、決して儲からぬのだから…

 ただし週末のストップ高により、12月限も38,000円台乗せとなった事によっておおよその目標値は達成であろう。もしかしたら今後ガソリンのような4万円台という高値限月の出現も無しとはしないが、おそらく売り方はかなりの部分を踏まされたと想定されるため、一度は急落による調整安局面を向かえても不自然では無いと考えられる。

 次の買い場は急落の出現で、皆が天井を打ったとする人気が強くなった場面ではなかろうかと考える。何せ低水準の在庫とは言え、まだ需要期には遠い灯油相場なのだから…

 週末現在のスポット価格は33,000円〜33,600円となっており、先週と比べ1,100円高である。22日の輸入採算は38,800円と7月15日比700円高である。

(時事通信社発表の海上渡し価格より)

 現在の在庫は228.6万klと5週連続で増加となっている。秋口までには通常400万〜450万klは在庫を積み上げておくのが普通であり、現状の在庫積み増しペースでは秋口の9月末までに必要とされる450万klに届かない計算ではある。今後もこの在庫動向には、注意を払う必要はあろう。

 ただしここまで定期市場も上昇してくれば、受けて輸出しても採算ベースには乗らなくなって来るだろう…一段の上昇を演じるには一度相場を冷やすか、あるいはさらに輸入採算が上がってしまう(原油が高くなる)状況が必要だろう。

 なお8月限は週明けに33,700円と前日比では690円安の急落納会ではあったが、季節的なものを考えればスポット価格とほぼ同じ価格での納会でもあり、弱材料であったとは考えられない。その後当限に廻った9月限が36,000円台まで上昇しているが、現状の在庫と季節要因を考えれば全く不思議ではなく、輸入採算値までの上昇を見せてもおかしくないだろう

 となれば短期で2,000円幅の上昇を買われ過ぎてしまった先物が下落し、当限は下がらぬ状況で、ガソリン同様に逆ザヤへと相場が向かってもおかしくないだろう。もっともいずれ3月限・4月限が発会すれば、確実に逆ザヤ相場となるのではあるが…

 …中略…

 結論として当方の相場観は、売り方の踏み一巡となった事やおおよその目標値に達した事を考え、ここからは一度調整安を入れる可能性があると考える。また需要期を前にした在庫投資と先物限月の買われ過ぎは、ガソリン同様に逆ザヤ相場へと変化して行く可能性も併せて指摘したい。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月20日

\1,423

0

\1,420

-3

7月21日

\1,403

-20

\1,401

-19

7月22日

\1,405

2

\1,400

-1

7月23日

\1,393

-12

\1,391

-9

 

 金相場は、先週号においては、『ファンド買いの勢いが増してきたため、当面は押し目買い方針が良かろうと考える。』とした。

 今週の相場展開は、先週末に記録した高値1,425円で目先の天井を確認した様な形となり、週末には1,400円台を割り込む1,391円まで下落

 為替はどちらかと言えば円安傾向なのではあるが、ドルが対ユーロでも上昇している事から指標のNY金が400ドルを完全に割り込んで来てしまっている。金相場の本格上昇は、どうやらまた先の事となってしまったようである。先週の押し目買い方針は、舌の根も乾かぬうちに、また戻り売り方針へと転換とせざるを得まい。

 …中略…

 これはグリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、議会証言(7/20,21)で、米景気に対して楽観的な見通しを示すとともに、「インフレ状況によっては金利引き上げにも柔軟に対応する」とした事が原因。最近の米経済指標の不調から「利上げ鈍化」を見込んでいた投機筋がドルを買い戻し、金のテクニカル面からもファンドの売りが強まったものと想定される。

 しかし米経済は、原油高やダウが大幅安となるなどすべてが安心できる状況ではなく、金のさほどの下値もない可能性も高いだろう。

 結論として当方の相場観は、1,400円を割り込んだことで、短期トレンドはまた売り転換である。しかし原油高と株式市場の下落から金にまた買いが入ることも有り得、然程の下値は無いかもしれない…

 

 

 銀相場は、先週号においては、『利食い千人力で撤退する場面ではなかろうかと見る。下げ始めればまた急落も考えられ、高値飛び付き買いは危険だろう。』とした。

 今週の相場展開は、先週末の233.2円から連日の下落となり、週末には安値で223.0円まで10円幅強の下落となった。

 所詮は280円から80円以上大暴落した後の小波のような相場ゆえ、16日の233.2円で天井確認となった可能性は高いだろう。後は210円どころまで下げるか、あるいは200円どころまで下げて往って来いの相場となってしまうかの問題か。

 もしかしたら金に対しては強材料に働くかもしれない株安も、銀に対しては強材料としては働かないだろう。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、233.2円で戻り天井を確認したと見る。戻り売り方針である。

 

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月20日

\2,916

32

\2,806

44

7月21日

\2,898

-18

\2,782

-24

7月22日

\2,921

23

\2,796

14

7月23日

\2,900

-21

\2,760

-36

 

 プラチナ相場は、先週号においては、『内部要因から見れば大相場の予感は無い。所詮は戻り売りだと思うが、天井の確認を待つのが良いだろう。』とした。

 今週の相場展開は、7月22日に高値で2,819円まで記録するものの、週末は値を消して安値では2,754円、終値は2,760円での陰線を記録。2,800円どころで上げもだえる形は、金が1,420円台で上げもだえてから下げ始めた形に似て来ている。

 週明けにもう一段安となるようならば、この相場もいよいよ戻りいっぱいで下げ始めるのではなかろうかと考える。ファンド買いによって案外大きく上がってきた相場ではあるが、そのテクニカルな要因以外には大して上げ材料は無いと見るのであるが…

 …中略…

 その他内部要因では、商社売り対ファンド買い・大衆筋の買いの図式は変化しておらず、ファンドの買いと商社の売り双方が海外市場との鞘取りだとすれば、下げ始めた場合は大衆筋の買いの投げが出るだろうと想定する。

 結論として当方の相場観は、22日の2,819円で天井確認の予感があり!早晩上に抜けなければ、今度は2,600円に向けて下げ始めるのではなかろうか?

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月20日

\15,810

-150

\16,610

-220

7月21日

\15,750

-60

\16,260

-350

7月22日

\15,640

-110

\16,050

-210

7月23日

\15,470

-170

\16,040

-10

 

 先週号においては、『コーンは逆三尊底の形成となるかに注目。いずれにせよ、ここからはどこで買うかの相場展開であろう。』とした。

 今週の相場展開は、21日には7月6日の安値16,410円を割り込んでしまい、逆三尊底形成の期待はもろくも崩れ、週末には安値で15,860円まで下落する事となった。

 米国中西部の天候は理想的に推移しており、一部では110億ブッシェルもの大豊作が予測される状況となっており、シカゴ市場はファンドの投げもあって安値更新に歯止めが掛からない状況である。

 この状況では買い材料は皆無であり、唯一の期待は『豊作に売り無し!』ですべての弱材料が織り込まれた価格の出現を待つのみ。果たしてそれが週末の15,860円なのか?それともまだ1,000円以上の下落も有り得るのか?は、今のところ何とも言える状況では無い。

 暴落相場では良く『半値、八掛け、二割引き』と言われる。今年の天井である23,790円からの下げは7,930円幅に及んでいるが、それをそのまま当てはめれば7,600円まで下がる事となる。まあ、そこまでの下げだけは絶対無い!とは言い切れるが…(笑)

 ただし今のところ、売られ過ぎの反動はあるかもしれないが、畑にコーンがあるうちは良好な天候で常に売られる懸念があり、収穫が終って完全に需給相場とならなければ、反騰相場に移るのは困難かもしれない。

 …中略…

 

 なお大豆であるが、天候相場の佳境がほぼ終了してしまったコーンとは違い、8月の天候はまだ大切であるため、天候相場を期待する買いであればこちらの方が面白い。昨年の様に8月に熱波到来となれば様変わりする可能性は残るが、逆に言えばそれを期待している玉がある分だけ万が一崩れればさらにひどいと言う事も有り得る。

 しかし12月限の端境期限月〜新穀限月に関しては、取組み内容ではすでに商社筋のヘッジ売りも外されているようであり、内部要因からは底入れの可能性は高まってきているとだけは指摘しておく。

 またシカゴ市場でのファンドも完全に途転売りとなっている状況ゆえ、案外上がるとすれば大豆であろう…もちろん、天候に何らかのストレスが出る事が上がるための必須条件ではある。

 結論として当方の相場観は、コーン相場はまだ戻り売りの域を出ないだろう。もうすでに大豊作は確定的であり、畑にコーンがあるうちは上がらぬ可能性は高い。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月20日

148.6

-2.5

136.4

-4.1

7月21日

142.9

-5.7

133.6

-2.8

7月22日

143.1

0.2

135.6

2.0

7月23日

145.7

2.6

135.6

0.0

 

 先週号においては、『上がっても採算価格(148円どころ)までであろうが、戻りは出るのではないか?ただし基本的に8月限・9月限売りの先物買いポジションは、まだ有効だろうと考える。』とコメントした。

 今週の相場展開は、先週末の140円台から週前半にはさらに売られ、21日には安値で132.9円まで下落。週末までには多少反発はしたものの、戻りが出るどころか、さらに売っておいた方が余程儲かる展開の下げ相場となっている。

 ファンドの売りに向かった地場筋は大ヤラレであり、順張りの大相場はやはりファンドの方が強かったという事か…

 また肝心の採算価格も143円台まで下がってきており、シンガポール市場も完全に崩れて来ている姿。これでは東京市場が幾ら割安とは言え、産地との同時安では売られた展開も当然か…

 さてファンドの動向であるが、…中略…

 なお週明け26日には7月限納会を迎えるが、事前予想では平穏納会を予想する向きが多いようであり、波乱があるとすれば東工取が7月限だけに限り、名古屋の在庫分も渡し供用品として認める決定を下したため、もしかしたら受け渡し高が多くなって下落するかもしれないと言う事くらいか。もっとも8月限以降の限月には、納会事情はあまり影響は出ないだろうとも言われている。

 ファンドの売り過ぎから、あるいは輸入採算に対する割安感からの反発の可能性はあるのだが、中国の自動車販売が伸び悩んでいることが意識される中、欧米のタイヤメーカーが夏期休暇入り、産地の現物出回りが増加傾向とあっては、所詮は戻り売りの域を出ない可能性は高い。

 結論として当方の相場観は、戻りがあっても輸入採算価格までであり、大勢トレンドが下向きなのには変化が出ないだろう。戻り売りである。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

9月限(当限)

前日比 

7月限(先限)

前日比 

7月20日

\13,010

-90

\12,740

80

7月21日

\12,970

-40

\12,800

60

7月22日

\12,850

-120

\12,670

-130

7月23日

\12,930

80

\12,620

-50

 

 先週号においては、『内部要因ではファンド買いの総投げ、チャートも下値は乏しいと見て、買い狙いが妥当な相場であろうと考える。』とコメントした。

 今週の相場展開は、12,000円台半ばでの完全なもみ合いの展開。6日・12日の短期移動平均線はゴールデンクロスで上昇を暗示しているが、16日の12,970円が上値抵抗として立ちはだかっているようだ。

 逆に12,000円そこそこまで下落してきてしまえば、せっかく短期的にトレンドが買いになったものが崩れる可能性は高い。コーヒー自体の材料としては、産地ブラジルの冷害も無く、一時は買い材料とされそうだった降雨過多も解消の見込み。結局、天候相場は理想的な状態で終焉を迎えようとしており、このまま推移すればコーンと同様に豊作となるのは必至の情勢である。価格動向も、コーンと同様のパターンに陥らない保証は何もない。

 …中略…

 

 さて指標のNY市場では、中心限月の9月限が7月8日に69.90セントまで下げ、その後21日は降雨過多の材料により高値で74.30セントを記録するものの、再び70セントそこそこまで下落してきている。そして週末には、さらに値を消して前日比1.85セント安の急落で69.85セントと下抜けである。

 …中略…

 しかしその後に急落が始まったわけであり、ファンドはまた途転売りとなっただろう。今度は本格的に売ってくることも考えられ、案外と下値は深いかもしれない。

 結論として当方の相場観は、ブラジルの豊作予測の台頭によって、相場はまた壊れ始めて来ている。コーン相場の様なパターンもあるゆえ、値頃感での買いは不可で、戻り売り方針へと再び転換である。

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

9月限(当限)

前日比 

1月限(先限)

前日比 

7月20日

\23,580

-120

\23,900

-220

7月21日

\23,270

-310

\23,760

-140

7月22日

\23,530

260

\23,690

-70

7月23日

\22,780

-750

\23,190

-500

 

 先週号においては、NY市場のファンドの買い過ぎから、目先は下落を予測する。仮に後々高いとしても、22,000円台半ばまでの下げが先ではなかろうか?』とした。

 今週の相場展開は、7月15日に24,410円と新高値を更新したところから下げ始めた流れを受け継ぎ、週末には安値で23,010円まで下落。22,000円台への突入は阻止されているものの、チャートでは23,000円台後半から24,000円台で2週間ほど推移して買い付いた玉が、離れ小島のように取り残された格好となっている。

 ズバリこの形では、天井を確認したのではなかろうか?

 注目されたタイの入札は、粗糖40万トンの売り入札を行ったが、成立したのは19万2,000トン(プレミアム1セント前後)にとどまり、20万8,000トンが残った。東京市場の当先のサヤも、このために順ザヤに推移し始めており、需給逼迫懸念は後退したと見て良かろう。中国やインドの買い付け云々が言われるが、そうであれば入札で余るのはおかしな話であり、言われるほどの事は無いのではなかろうか…

 指標のNY市場においては、7月12日に高値8.38セントまで上昇し、その後団子天井のようになって上げもだえて来た姿。今のところ8セントを挟んだ攻防戦となっているが、買いまくったファンドは思ったように利が乗らなくなってきたようだ。手仕舞い売りからの急落は、十分に有り得るだろう。

 …中略…

 ファンドは明らかに買い過ぎの状態である。買い玉の10万枚超は市場最高水準と言って良く、また2万枚ほどは80セント台の買い玉と推測される

 結論として当方の相場観は、粗糖相場は天井を確認したと見る。内外ともファンドの手仕舞い売りにより、急落の懸念が高まったと見る。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス info@higenaka.com

 

戻る