商品市況展望 割愛版

平成18年5月21日記

 

 GWにマレーシア・ランカウイ島旅行をしてきた当方であるが、そこの農園で聞いた季節が2ヶ月ほどずれているとの話は、GW明けのゴム相場の大暴騰で証明された。もちろん値位置が高いだけに乱高下もきつく、今週などは日中で10円幅以上の乱高下を演じる場面もあったが…その他の商品も、急騰・急落がきついわけだが、ある意味値位置の高さを考えれば当たり前だ。

 なお日本の天気もまだ5月だというのに梅雨のような転機が続いており、毎日雨ばかりだ。今日はたまたま良い天気であるが、実はもう梅雨入りしているらしい。天気は世界的にちょっと変なのかもしれない…

 さて相場の話とは関係ないが、ここでマレーシアでの話をちょっとしたい。現地で2日間お世話になったマレーシア人のガイドは、イスラム教徒であった。人口2500万人のマレーシアは、マレー系65%・中華系26%・インド系8%程度となっており、イスラム教が国教ではあるが、個人の信仰の自由は保障されているという。隣国タイやインドネシアはイスラム原理主義者のテロなどが問題となっているわけだが、マレーシアは安全だし、原理主義なんぞないとガイドの弁である。

 人口8万人程度のランカウイ島だけを持って、マレーシアがどうたらこうたらとかを言えるわけではないが、ホテルやある程度の大きな店には国王家族の写真が飾られており、長く同国を指導してきたマハティール首相は尊敬されているようだ。

 当方が日本人だからというおべっかもあるだろうが、日本人には好意的だ。まだ30歳だと言うガイドは、マレーシアが200年以上のイギリスの植民地支配から独立できたのは大東亜戦争を戦った日本のおかげであり、尊敬していると言っていた。ジェネラル山下を知っているか?とか、加藤隼戦闘隊は?とか、銀輪部隊は?とかをたずね、おじいさんから聞いた話だが、今まで絶対かなわないと思っていた背の高いイギリス人を、あっという間に小さな日本人がマレー半島から英軍を追い落としてくれたので、当時のマレー人は拍手喝さいしたのだ…と言ってくれた。

 果たして今の日本の30歳が、マレーの虎・山下将軍を知っているだろうか?ましてや銀輪部隊など知っている者はいるだろうか?当方はもちろん知っていると答えたけれどもね…(笑)日本は経済大国だからと尊敬されていると勘違いしているのが、せいぜい今の日本の若者の実態かもしれん。金があれば良くはしてくれるだろうが、多分それだけでは尊敬はされん。自国の歴史を知らぬと、多分他国の人には馬鹿にされるだろうね。

 なおイスラム教徒の彼に、あなたの宗教は何だ?と聞かれ、神道だと答えておいた。神道とはなんだ?と聞かれ、八百万(やおろず)の神々を信じているのだと答えると、なるほどヒンズー教のようなものか?と納得された。

 彼ら一神教(キリスト教もイスラム教も)の人々は、正月に初詣して、クリスマスも祝い、死ぬ時は仏教でお経を上げる日本人は不思議らしく、ましてや無宗教だと答える日本人は特に奇異に映るらしい。なんせ一神教の世界では、無神論者は悪魔とみなされるからね。日本は神道で、元々八百万(やおろず)の神々がいるので、キリストでもアッラーでもブッタでも、みな受け入れるのだと言ったら、妙に納得したみたいだった。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月15日

\46,160

-820

\46,660

L1200

5月16日

\45,610

-550

\45,460

-1200

5月17日

\45,610

0

\45,250

-210

5月18日

\45,450

-160

\45,120

-130

5月19日

\45,780

330

\46,150

1030

 

 まずは原油から…先週号においては、『これから夏場に向けて、原油価格は更なる高騰を演じる可能性は高いだろう。最大下げても45,000円台であり、いずれ55,000円を目指して上がる事となると読む。』とコメントした。

 今週の相場展開は、16日まで大幅下落の調整局面が継続となり、安値で45,000円ジャストまで下落。その後もみ合いとなったが、18日には安値で44,920円と一段安となったが、週末は約1,000円幅切り返しての終了である。

○東京原油日足

…削除済み…

 4月20日の高値50,790円からは、これで都合5,870円幅の下落を演じる事となった。GW明けから買い始めた47,000円どころからでも、すでに2,000円は下がっている。

 ただし一応この値位置までは、一目均衡表で支えられるところであるゆえ、来週に高値押しとなるようなら絶好の買い場を提供してくれたものと判断してよかろう。ただこの値位置から下落、もしくは横ばいを続けて一目均衡表の雲の下に出る様ならば、トレンド転換の可能性も有り得る。来週は注目の週となるだろう。

NY原油日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 NY原油も18日には67.85ドルの安値まで示現しており、三段下げの道中である。4月21日の高値75.35ドルからは7.5ドルの下落であり、ちょうど10%程度の調整である。ぼちぼち雲の上限に掛かるところでもある。

 なお週末19日は、前日比0.92ドル安の68.53ドルまで下がっての終了。高値69.93ドルまで出たものの、70ドル突破ならずに安値は68.01ドルまで出ている。70ドルを抜いてくれたら、完全に上に行くと考えていたのだが…

 ただし為替が111円70銭と円安になっているため(安値は112.24円)、東京市場の週明けは400円安〜500円安に留まるだろう。

 

 さて原油価格が下げてきた要因であるが、国際エネルギー機関(IEA)が世界原油需要を下方修正した事、人民元の先高感による中国の需要減退予測、米ガソリン在庫の増加、一進一退が続くイラン情勢などである。

 ただしどれもこれも決定的な売り材料であるとまでは言えず、実際のところはチャート要因によるファンドの利食い売りが主因だろう。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、予測のほぼ限界ラインまで下落した相場であるが、チャートは完全に崩れたわけではなく、強気方針を堅持だろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月15日

\68,910

-60

\65,500

-1600

5月16日

\67,590

-1320

\63,700

L1800

5月17日

\67,500

-90

\63,410

-290

5月18日

\66,890

-610

\63,010

-400

5月19日

\66,500

-390

\63,550

540

 

 続いてガソリンです…先週号においては、『基本的に押し目買いの相場展開だが、上げ幅は手前の限月の方が大きいだろう。先物はファンドの売買による変動が大きい事も、合わせて注意が必要だ。』とした。

 今週の相場展開は、週明けからの下落の流れを受け継ぎ、18日には安値で62,330円まで下落。4月24日の高値69,790円からは7,460円もの下落となっている。

東京ガソリン日足

…削除済み…

 『2段下げで下落した9日の安値で、底打ち完了した可能性も高い。ただしまだ上値抵抗ラインは突破しておらず、仮に3段下げになった場合は62,000円どころまでの下げも見込む必要はあるだろう。しかしいずれにしろ、一目均衡表の雲で下支えはされるものと思われ、次の上昇トレンドに入って行く可能性は高いだろう。』とは先週号のコメントである。62,330円までの下落は、ある意味想定の範囲内であり、一目均衡表の雲の下限で支えられた価格だ

 ただし期近が想定以上の崩れを18日・19日の両日に見せており、これは国内在庫が増加した事に端を発するもの。来週に戻りきれなければ、売りにトレンド転換する可能性もあるゆえ、注意が必要だ

 さて今週も各限月別の推移を見てみると、

6月限 発会値55,800円 高値69,660円 安値51,320円 現在値66,500円

7月限 発会値59,600円 高値70,210円 安値55,990円 現在値64,300円

8月限 発会値60,400円 高値70,500円 安値58,280円 現在値64,050円

9月限 発会値62,950円 高値70,210円 安値59,720円 現在値63,700円

10月限 発会値62,690円 高値69,790円 安値62,100円 現在値63,540円

11月限 発会値67,500円 高値68,790円 安値62,330円 現在値63,550円

 11月限は18日に一代安値を更新した。

 

 …中略…

 

月日

4月28日(金)

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

6月限

\65,900

 

7月限

\65,920

20

8月限

\66,030

110

9月限

\66,090

60

10月限

\66,180

90

11月限

\66,280

100

月日

5月19日(金)

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

6月限

\66,500

 

7月限

\64,300

-2,200

8月限

\64,050

-250

9月限

\63,700

-350

10月限

\63,540

-160

11月限

\63,550

10

 限月間のサヤは、上記の推移を見れば判るとおり、GW前に順ザヤだったサヤは急激に逆ザヤへと変化してきてはいる。

 仮に連休前に6月限買い・11月限売りをしたら、6月限は+600円・11月限は+2,730円で、3,330円の儲けだ。7月限買い・11月限売りなら、7月限は−1,620円・11月限は+2,730円で差し引き1,110円の儲け。

 ただし当方はどっちかと言えば強気だったので、7月限も上がってサヤが付くと思っていたのだが、下げてサヤが付いたのか…と感じる次第。鞘取りは、この様に相場観が曲がっても儲かる事もある…(笑)

 結論として当方の相場観は、ファンドが更に売り叩いて一目均衡表で陰転するようなら、相場は6万円割れを示現する可能性もある。ただしそれはあっても一時的なものに留まると見ららる。逆に18日が底値の可能性もあり、来週の動きが正念場となるだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月15日

\61,890

-1570

\67,880

L1800

5月16日

\60,530

-1360

\65,810

-2070

5月17日

\60,220

-310

\65,720

-290

5月18日

\59,550

-670

\65,390

-330

5月19日

\60,000

450

\65,900

510

 

 最後に灯油です…先週号においては、『期近3本と先3本は、全く違った動きになる可能性がある。つまり6月限〜8月限は安い、9月限〜11月限は高いという動きである。基本的には、先物の押し目買い方針が良いだろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、週明けから急落に転じた相場が、18日には安値で64,660円まで下落。5月2日の高値71,760円からは、7,100円の下落を演じる事となった。

○東京灯油日足

…削除済み…

 原油は高値から5,870円の下落。ガソリンは同じく7,460円の下落であり、灯油も7,100円の下落とあまり遜色はない様だ。灯油は需要期限月が先にあるゆえ、さほどは下がらんと思っていたのだが、あんまり変わらなかった…

 なおチャートでは、一目均衡表の雲でそろそろ支えられる辺りまで来ているが、大きな下値抵抗ラインは62,440円と思われる。5月18日の安値が底でもおかしく無いが、なお2,000円下げるのも許容範囲となる。

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

6月限 発会値51,720円 高値68,300円 安値47,240円 現在値60,000円

7月限 発会値56,630円 高値68,160円 安値52,310円 現在値60,210円

8月限 発会値55,400円 高値68,720円 安値53,960円 現在値60,530円

9月限 発会値60,300円 高値69,800円 安値56,810円 現在値62,110円

10月限 発会値61,800円 高値70,870円 安値61,440円 現在値64,120円

11月限 発会値70,300円 高値71,760円 安値64,660円 現在値65,900円

 11月限は18日に一代安値を更新である。 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

5月19日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

6月限

\66,500

 

\60,000

 

6,500

7月限

\64,300

-2,200

\60,210

210

4,090

8月限

\64,050

-250

\60,530

320

3,520

9月限

\63,700

-350

\62,110

1,580

1,590

10月限

\63,540

-160

\64,120

2,010

-580

11月限

\63,550

10

\65,900

1,780

-2,350

 10月限は16日に、ガソリン−灯油のサヤが−230円まで詰まった。この辺は拾っておけば、また1,000円以上には開くだろう。

 

 …中略…

 結論として当方の相場観は、6月限〜8月限の上昇要因は皆無。だが先物は需要期であり、ただしまだこれから長い先の話でもあるゆえ、原油相場次第の展開となるだろう。つまり原油価格が上がれば先高期待で人気化するが、原油が下がればパラレルに下げると思われる。

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月15日

\2,534

0

\2,576

-2

5月16日

\2,474

L60

\2,516

L60

5月17日

\2,475

1

\2,513

-3

5月18日

\2,425

-50

\2,460

-53

5月19日

\2,446

21

\2,494

34

 

 金相場は、先週号においては、『目先はNYベース750ドル直前までの上昇の可能性は高いが、乱高下もかなり大きなものとなりそうだ。正直ちょっと怖い展開であり、自信のある向きと曲がった時の対処が出来る向き以外は、参加を見合わせた方が良いのかもしれない。』とコメントした。

 今週の相場展開は、GW明けの11日に記録した2,587円からは反落に転じ、16日・18日と急落し、19日には安値で2,448円まで下落した後に戻った。

東京金日足

…削除済み…

 どうやら金相場は、本格的な調整局面に入った可能性は高い。現在のところ高値からは139円幅の調整安であるが、昨年12月には325円、2月には195円下げており、いずれも一目均衡表の雲で支えられはしたが、今よりも調整幅は大きかった。現状のまま下げれば、2,300円どころで雲に支えられる格好となるため、大勢は買いでも一時的には高値から300円弱の下落はあっても不思議ではない。

 なお今週末のNY金はドル高・円安となった事を受けて急落し、前日比23.4ドル安657.5ドルで終了している。為替は111.69円と円安ではあるが、週明けの東京市場6月限換算は、

657.5ドル×111.69円÷31.1035=2,361円(週末比85円安)となる。おそらく全限ストップ安だろう。

NY金日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 週末の安値は651.0ドルまで出ているが、4月20日の高値469.0ドルで支えられるとすれば、ここで止まってもおかしくはない。しかしそこのもみ合いは610〜650ドルでのもみ合いであり、610ドルまでは下げてもおかしくない

 なお最大下がるとすれば、おそらく580ドルどころであろうと思われるが、そこまで下げても一目均衡表の雲で支えられるところで、大勢は買い相場に変わりはない。

 

 …中略…

 結論として当方の相場観は、目先は2,200円台〜2,300円台まで下落してもおかしくないだろう。しかし大勢での買い相場に変化はないと思われ、高値買い玉の投げ一巡後に、再び上昇相場が来るだろう。

 

 

 銀相場は、4月20日の520.2円と5月12日の502.3円Wトップとした格好になり、4月28日の448.2円を割り込む下落となった。

東京銀日足

…削除済み…

 週末19日は安値437.0円から陽線で切り返しており、一目均衡表の雲で支えられそうな気配である。週末のNY銀も金よりは下落幅が小さく、前日比16.0セントの下落で1236.0セントである。(もっとも安値は1208.0セントまで出ているが…) 

NY銀日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 ほぼ一目均衡表の雲の上限に到達したところであり、大勢で買い相場である事に変化がないのだとすれば、金は売りだが銀は逆に買いである。ただしこれ以上下げてしまえば、大勢買いではなく、相場は天井打ち〜売り転換してしまう事となるので要注意だ。まずは買って、ダメなら途転売りを考える場面だ。

 …以下略…

 

 

今週の白金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月15日

\4,577

18

\4,495

52

5月16日

\4,477

L100

\4,395

L100

5月17日

\4,615

138

\4,500

105

5月18日

\4,688

73

\4,533

33

5月19日

\4,695

7

\4,518

-15

 

 プラチナ相場は、先週号においては、『一時は撤退宣言をしたプラチナ相場であるが、また逆ザヤ相場へと転換した事で買い方針に変更である。まずは4,663円を先物の目標値としたい。』とコメントした。

 今週の相場展開は、金相場が下落に転じる中で逆に上昇を演じ、18日には高値で4,545円まで上昇。もっともその18日は、一時高値から130円下がるなどの波乱も演じており、かなりの乱高下の展開となった。

東京白金日足

…削除済み…

 乱高下はしているものの、相変らずトレンドは崩れを見せておらず、長い下ヒゲはあるものの陽線引けが今週も4本出ている。2月の下げは4,198円〜3,733円まで465円幅の下落であったが、ズバリ倍返しだと目標値は4,663円という事にななる。

 なおプラチナ相場の強みは逆ザヤ相場であるという事であり、週末現在でも当限4,695円〜先限4,518円と177円の逆ザヤである。これが約50円の順ザヤの金相場とは、大きな違いである。何でこんなに高いのか不思議でもあるが、相場は『逆ザヤに売り無し』の格言もある事であり、ここは素直に受け取っている。

 なお週末のNY市場は、金が暴落したのにも関わらずプラチナは上昇。前日比15.6ドル高の1313.4ドルで終っている。もっとも今の貴金属市場は、NY市場の終値よりも当日のスポット価格の動きで上下するわけで、金・銀も含めてこのプラチナも、NY市場の動きを単純に換算することはできないが…

NYプラチナ日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 さて15日に発表されたJ・マッセイ社の需給報告であるが、7年連続の供給不足で、今年も自動車用触媒需要は好調との報告。ただし価格の高騰が更に続けば、宝飾業界の在庫取り崩しが起き、供給逼迫は多少緩和されるとされた。

 肝心の価格予想だが、1,250ドルまで上昇する可能性を示唆した上で、下値は1,025ドルに留まるとしている。おいおい!もう価格はこの時点で、1,300ドル台だぞ!と突っ込みを入れたくなるような内容だった。また下値の1,025ドルは今年1月〜4月の平均価格帯であり、今よりも300ドル安い水準だ。要は供給不足が続くけれども、価格は判らんという事なのだろうと理解している。

 

 パラジウムであるが、J・マッセイ社の需給報告では05年は42トンの供給過剰で、06年も供給過多の状態が続くとしている。価格予想は高値420ドル〜安値260ドルで、どちらかと言えば弱気の見方を同社は採っている。

東京パラジウム日足

…削除済み…

NYパラジウム日足

…削除済み…

 結論として当方の相場観は、逆ザヤの相場展開だけに、プラチナは買い方針を堅持である。目先は4,663円を目指す展開と見ている。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

5月15日

\15,560

H400

\19,900

H400

5月16日

\15,210

-350

\19,950

50

5月17日

\15,310

100

\20,140

190

5月18日

\15,050

-260

\20,160

20

5月19日

\14,950

-100

\20,040

-120

 

 先週号においては、『素直にエタノール需要の拡大を評価されたコーンは、ファンドの買いによって再び舞い上がる可能性が大きくなった。中物限月を中心に、素直に相場に付いて行くのが良いだろう。』とコメントした。 

 今週の相場展開は、コーン18日に20,350円まで上昇。9日の一目均衡表にほぼくっついた19,050円からは1,300円の上昇を演じたわけだが、4月18日の20,870円までは到達出来ずに週末反落した。

東京コーン日足

…削除済み…

 一目均衡表では、相変らず雲の上での推移となっているため、仮にまた押しが入ったとしても、トレンドは上向きである事には変わらないだろう。

 ただし当先のサヤは、相変らず当限14,950円〜先限20,040円と5,090円と順ザヤは拡大である。ともかく各商品が高騰する中で、エタノール特需の期待と天候相場期待を抱えるコーン相場も上値期待は高く、実際何かが起きれば高騰する余地は高いと思うのだが、この大幅順ザヤだけは嫌気が差す。

 相場で2万円から買って5,000円取るには25,000円までの急騰が必要なのだが、サヤ滑りが5,000円の可能性がある状況下では、月日が経つに連れて買い方は不利になる。慎重にならざるを得ないのが、この大幅順ザヤである。

 なお週末のシカゴ市場は前日比7.50セントの急落で、252.75セントで終了している。作付に良好な天候となる中、他商品安からファンド売りが出て、大幅に値を消す展開となったわけだ。

○シカゴコーン日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 為替は円安となっているため、東京市場の週明け寄り付き換算は180円安程度となる見込み。結局先週急騰したUSDA(米農務省)の需給報告の結果は、織り込み済みとなって下落したわけだ。

 …中略…

 次にもし上がるとすれば、まずはホット&ドライで大減産が予測される小麦地帯の気象が北上し、コーンベルトにもホット&ドライが到来する事だ。今のところ作付時期で、雨が上がって乾燥すると作付が進展すると売り材料になりそうだが、過ぎたるは及ばざるが如しになるかどうか?

 

 さて一方で大豆は、コーンと違ってエタノール用需要がない事、先週のUSDAの発表でも蚊帳の外になっている状況で、国内市場は全く勢いがない姿。

東京一般大豆日足

…削除済み…

シカゴ大豆日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 …以下略…

 結論として当方の相場観は、かろうじてまだ買いトレンドは維持しており、天候でのサプライズがあれば急騰の可能性も残るが、冷静に考えれば大幅順ザヤの商品は買いづらい。買い方は短期売買を心掛けるべきだろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月15日

268.2

5.2

283.2

7.5

5月16日

265.7

-2.5

279.8

-3.4

5月17日

274.9

9.2

287.8

H8.0

5月18日

272.3

-2.6

290.1

2.3

5月19日

276.0

3.7

289.7

-0.4

 

 先週号においては、『目先は軽い調整局面に入る可能性は高い。しかしそれは、次の上昇に繋がるステップでしかないだろう。とコメントした。

 今週の相場展開は、18日には292.4円とまた高値更新。もっともその18日には、上下で12円以上の乱高下を演じており、まさに凄まじいばかりの動きとなった。

東京ゴム日足

…削除済み…

 先週号で軽い押しが入るだろうと予測したものは、日中での乱高下で消化されてしまっているようだ。当方が目標値としている2月〜3月の押しである274.9円〜238.9円までの下げ36円に対する倍返し、ズバリ310.9円まで一気に上げてもおかしくないし、逆にもう一度270円どころまで先に押してもおかしくない。

 先週号でアップした月間足を今週も残しておくが、83年に記録した292.4円と今週の高値は面あわせであり、ここを突破できるかどうかが焦点となるだろう。

東京ゴム月間足(82年〜)

…削除済み…

 なおこれ以前の高値は、1980年8月に329.9円があり、同年2月の388.9円がその上にあるわけだ。

 

 当先のサヤは5月限276.0円〜10月限289.7円と13.7円の順ザヤ。サヤは大して変化しておらず、先物だけが買われ過ぎているわけではない。

 週末現在の輸入採算価格は、6月積みで290.0円。東京市場6月限の終値は278.5円であるため、11.5円の下ザヤである。おおよそ10円下ザヤを平均に動いているゴム相場ゆえ、これも適正な範囲であると言える。

 5月10日現在の国内営業倉庫在庫は、32トン増の17,623トン。微増であり中立材料である。

 以上の3点では、特に東京市場だけ買われ過ぎているわけではないと言える

 

 さて内部要因であるが、…中略…

 結論として当方の相場観は、押しが入るとすれば内部要因からのみと思われ、ゴム自体の材料やチャートからは更なる高値追いの可能性が高いだろう。納会での品薄懸念もあり、押し目買いの展開は続くと思われる。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比 

5月15日

\17,330

-300

\21,040

-180

5月16日

\17,390

60

\20,480

-560

5月17日

\16,480

-910

\20,710

230

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比 

5月18日

\17,500

-270

\20,700

 

5月19日

\17,420

-80

\20,850

150

 

 先週号においては、『ブラジルの天候相場期待の買い玉が投げ切るまでは、簡単に浮上出来ないだろう。3月20日に記録した20,680円をターゲットに下げ続けるものと考える。』とコメントした。

 今週の相場展開は、16日には安値で20,450円まで下落。その後は17日の納会日、18日の2007年5月限発会日も含め、もみ合いの展開となった。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

 結局3月20日の安値20,680円を完全に割り込み、その後小戻しはしているが力強さはない。おそらく今後は、ブラジルでよほどの天候異変がない限りは、一目均衡表の雲で上値を抑えられる展開となるだろう。いずれは2万円の大台割れとなっても不思議ではない。

NYコーヒー日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

 またNYコーヒーのチャートも悪く、18日には安値で99.90セントと100セントの大台割れだ。東京市場同様に、戻っても一目均衡表の雲で抑えられると思われ、下値目標値は昨年11月30日に記録した92.25セントという事になるだろう。

 今のところ産地ブラジルに降霜懸念などの材料は出ておらず、ブラジル政府の生産高予測も4,480万袋と4月予測の4,062万袋から上方修正である。

 

 現在の当先のサヤは7月限17,420円〜5月限20,850円と3,430円の順ザヤである。相変らずサヤ滑りを懸念しなければならない水準であり、相場が下向きになっている現状では、それが特に効いてきそうな情勢だ。

 17日に納会した2006年5月限は、16,480円と急落納会。受渡しは10枚であったが、…中略…

 結論として当方の相場観は、2万円割れを目指して軟調な推移となる懸念は大きい。また内部要因では、まだ買い方の投げが出た形跡がないのも、相場を悪化させている状況だ。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

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