商品市況展望 割愛版

平成18年6月4日記

 

 村上ファンドに東京地検特捜部の捜査が入っているニュースが流れ、2日金曜日の株価はNY市場の急騰にもかかわらず、一時は急落する事となった。当日はそのニュースばかりなので、皆さん良くご存知だろうが、当方が掴んでいる情報では週明けに逮捕との話だ。同時に逮捕されるのは、…中略…

 

 さてきな臭い話はさておいて、スポーツニュースはWカップ一色になりつつある。10日から始まるので、始まったらもっとそうなるんだろうねえ… 正直言えば当方は全くサッカーファンではないのだが、たぶんと言うか、間違いなく日本戦は一応見ると思う。対オーストラリア戦12日、対クロアチア戦18日、対ブラジル戦22日だ。

 ただし当方が本当に楽しみにしているのは、今日から始まるラグビー・パシフィック・ファイブネーションズ及び対イタリア戦だ。今日の対トンガ戦を皮切りに、11日イタリア戦(リポビタンDチャレンジマッチ)、17日サモア戦、24日NZオールブラックス・ジュニア戦、7月1日フィジー戦と5週連続で続くゲームだ。1つか2つは勝って欲しいのだけどね…

 ラグビーというスポーツは、サッカーのように世界ランキング1位のブラジルとやって勝つかも…何てサプライズはほとんどない。ラグビー世界ランキング1位のNZとやったら、今の日本では100回試合したら100回負けるだろう。身体をぶつけあうスポーツだし、それはしょうがないわけだ。当方のようなマニアは、勝ち負けではなくその内容を楽しむわけだ。

 ただし日本もそんなに弱いわけじゃない。IRBランキングでは16位だ。アジアでは韓国23位、香港29位、台湾41位などとなっているため、彼らと試合をすればほぼ勝つ。彼らに勝って、ラグビーWカップ・アジア代表枠を取るのは確実だ。

 ただこのパシフィック・ファイブネーションズでは、サモア10位、フィジー11位、トンガ20位、NZオールブラックス・ジュニア(NZオールブラックスの下のA代表で、世界ランキング5位くらいの実力はあるかも)とちょっと格上の相手と戦うわけだ。またイタリアも12位で日本よりもランキング上位だ。果たして、どこまで日本が頑張れるか?

 なおラグビーの世界ランキングは、1位NZ、2位南ア、3位フランス、4位オーストラリア、5位アイルランド、6位イングランド、7位ウェールズ、8位スコットランド、9位アルゼンチン…となっている。

 ちなみにサッカーWカップで対戦するブラジルは35位、クロアチアは38位、開催国のドイツは28位だ。ラグビーでもし今のサッカーWカップの枠で対戦したら、オーストラリアにはまず100%勝てないが、他には勝って2勝1敗で決勝トーナメント進出だ…(笑)

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月29日

\46,120

-60

\46,890

-330

5月30日

\46,090

-30

\46,770

-120

5月31日

\46,100

10

\47,240

470

6月1日

\46,120

20

\47,010

-230

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月2日

\46,000

-520

\46,950

 

 

 まずは原油から…先週号においては、『内外ともに底入れは完了しただろう。いずれは上昇に加速が付く展開になるものと考えられる。』とコメントした。

 今週の相場展開は、5月30日には47,560円の高値まで出るものの、そのまま大きく上げて行く力強さには欠け、概ね47,000円を挟んだもみ合い相場となった。

○東京原油日足

…削除済み…

 4月20日の高値50,790円から5月18日安値44,920円まで都合5,870円幅の下落を演じた相場であるが、30日の高値47,560円まで2,640円幅の戻り。下げ幅の約45%の戻りであり、半値戻しには届かずにもみ合う姿だ。

 ただし44,920円は底であると言って良いだろう。今のところ先行スパンの雲の中に入っているが、48,000円台に乗せてくれば再び雲の上に出て来る。ハリケーンシーズンにも入る事であるし、いずれは5万円台乗せをターゲットに上に抜けて来るものと考えている。

 逆に既存の買い玉を撤退せねばならぬラインは、このまま横ばいもしくは下降を続け、雲の下に飛び出した時だ。現状では46,000円どころまで下落すればそうなるが、その際はストップロスで買い玉は一時撤退である。ただその可能性は、あまり大きくないと見ている。

 

NY原油日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 NY原油も5月22日の67.42ドルは底だろう。30日に72.75ドルを記録したが、その後再び70ドルそこそこまで下落した。だがトレンドラインは突破したし、雲の上で支えられている。

 なお週末2日は、ナイジェリアの武装勢力による油田採掘施設の労働者8名の誘拐事件が起き、またイランも安保理とドイツが提案した核問題を巡る包括案を拒否。前日比1.99ドル高72.33ドルまで上げて終っている。高値は72.70ドルまで出ており、再び72ドル代後半に上げて来た。

 チャートでは底入れ〜上昇相場に移ったと判断して良いだろう。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、底入れは完了している。後は急騰のきっかけ待ちのみの展開と見る。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

5月29日

\66,690

-910

\65,390

-580

5月30日

\65,600

-1090

\64,650

-740

5月31日

\65,290

-310

\65,170

520

6月1日

\64,390

-360

\64,590

-580

6月2日

\65,070

140

\64,590

0

 

 続いてガソリンです…先週号においては、『62,000円台で底入れ完了となっただろう。すでに7万円を目指す上昇相場に入っているものと想定している。』とした。

 今週の相場展開は、週明け29日には66,100円まで上昇するものの、ほとんど毎日陰線で寄り付きからは下げる展開となり、週末は安値で64,250円まで下落。

東京ガソリン日足

…削除済み…

 ただし5月18日に記録した62,330円をターゲットにする下げまで発展するとは思えず、今週は高値から1,850円の下げた訳だが、62,330円で底は入っている可能性は高い

 チャートでは雲の中に完全に突入しているため、完全なる買い線が出るためには67,000円程度までの上昇が出ないとならない。むしろこのまま推移すれば、雲の下に飛び出てしまう売り線に変化する。

 このガソリン相場に関しても、さほど弱気の見方は採っていないが、戦略としては損を承知で原油買い・灯油買いに対するヘッジ売りをするのも一考だ。上がればもちろん損になるわけだが、原油や灯油でそれ以上の儲けが出れば全然構わないわけだし…

 なお最近は理論が当てにはならないが、原油価格+1万円程度がガソリンの精製コストと以前は言われていた。とすると現在64,000円台のガソリンと46,000円台の原油では、18,000円も開きがあるわけで、ガソリンが8,000円高すぎるか、もしくは原油が8,000円安過ぎるかという事になる。最近のサヤは必ずしも理論通りにならないが、頭の隅には置いておいた方が良いだろう。

 …中略…

 5月27日時点の国内在庫は、前週比0.2%減208.9万klと2週連続の減少。万が一、適正在庫と言われる200万klを割り込むようだと、需給逼迫懸念は再燃する。

 ただし現状では、ガソリン価格高騰から川下の需要は低下しており、一部ガソリンスタンドでは販売量確保のための値下げの動きさえ見えている。一方でスポット価格は反転に転じ、輸入採算価格は大幅高。

 チャートもファンドの動きも、現物動向もすべて気迷い気分になっているようだ。

 結論として当方の相場観は、基本的に原油高を考えている当方にとって、このガソリン相場も弱く見ているわけではないが、やはり先物は原油買い・灯油買いに対するヘッジ売り戦略が良いだろうと考える。損して得取れだ。

 

 

今週の灯油の値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

5月29日

\59,710

-580

\68,930

-720

5月30日

\59,110

-600

\68,000

-930

5月31日

\59,420

310

\68,710

710

6月1日

\59,490

70

\68,200

-510

6月2日

\59,860

370

\68,020

-180

 

 最後に灯油です…先週号においては、『10月限以降の押し目買いを推奨する。例年1月限発会までは順ザヤで出るため、先限チャートは常に買いを示唆したまま推移する事だろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、30日には高値で70,050円まで上昇するものの、すぐに反落に転じ68,000円近辺でのもみ合いとなった。

○東京灯油日足

…削除済み…

 7万円台乗せを果たした後は、陰線が続く思い展開ではあるが、18日の64,660円は底値だろう。相場は一目均衡表の雲の上での推移であり、ガソリンのチャートと比べて見れば判るが、明らかにそれよりは強い。これは先物に需要期がある限月のサヤマジックでもあるが、サヤは9月限〜2月限までは理論的にガソリン売り・灯油買いを主力とする限月である事は忘れてならないだろう。

 …中略…

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

6月2日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

7月限

\65,070

 

\59,860

 

5,210

8月限

\64,300

-770

\60,260

400

4,040

9月限

\63,950

-350

\62,330

2,070

1,620

10月限

\64,040

90

\64,650

2,320

-610

11月限

\64,250

210

\66,480

1,830

-2,230

12月限

\64,590

340

\68,020

1,540

-3,430

 先週に200円台まで詰まった10月限のガソリン−灯油のサヤは詰まり過ぎではないかとコメントしたが、やはり拡大に転じて来ている。

 …中略…

 5月27日時点の在庫は、前週比1.3%増193.0万kl。4週連続の増加である。使わないのだから増加するのも当たり前だが、問題となるのは9月末時点の在庫だ。

 結論として当方の相場観は、いずれ次の需要期はやって来るわけで、押し目買い方針に何の変化もないだろう。仕掛けはガソリンとのサヤを勘案してするのが良いだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月29日

\2,345

7

\2,386

1

5月30日

\2,340

-5

\2,383

-3

5月31日

\2,348

8

\2,394

11

6月1日

\2,286

-62

\2,334

L60

6月2日

\2,276

-10

\2,320

-14

 

 金相場は、先週号においては、『2,200円台に突入した時点、もしくは現在の下げトレンドの上値抵抗線を突破したところが買い場になるだろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、1日に23日の下値抵抗線2,367円を突破したところから下げに弾みが付き、当日はストップ安の急落。週末の2日は下げに更に加速が付き、2,265円まで暴落するものの、投げ一巡から反騰しに転じて2,320円まで戻って終っている。

 1,400円〜1,500円台の頃は、1週間かけて50円も動けば良い方だったが、今やガソリン並みに動く。週末の上下幅は2,265円〜2,321円と55円幅の動きを、僅か数時間で達成するほどだ。

東京金日足

…削除済み…

 先週号で『仮にあと100円下げるとすれば2,267円となるが、その辺まで下がると一目均衡表の雲に届く。下がるかどうかは判らぬが、下げてくれれば絶好の買い場を提供してくれる事になるのではあるまいか?』としたものが、ほぼ想定どおりの展開で来た。

 このまま雲の上に出て、雲の上限を滑るように走るのなら、また息の長い買い相場となるだろう。当然、少なくとも2,500円台への2番天井形成まで上がる事になるだろう。

 逆にこのまま雲の中を推移、あるいはそのまま雲の下に抜けるようならば、調整局面はなお続く事となる。その際は一度今までの上昇トレンドが壊れたとも判断できるため、3段下げへと入って2,000円そこそこまでの下落も有り得る。

 相場の先行きなんぞ人知の及ぶところではなく、いわゆる神のみぞ知る世界ではあるが、とりあえず週末までは売りで、週末の後場の反騰場面からは買いである。曲がったと思った時は、素早くポジションをチェンジすれば良いだけの話である。

 …中略…

NY金日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 5月12日の732.0ドルから下げた相場は、1日の625.7ドルまで下落。週末2日は終値では635.5ドルと反発であるが、安値は622.6ドルまで出ている。現状での一目均衡表の雲への到達ラインは610ドル辺りだが、この位置にいても横ばいすれば雲にはくっつく。

 今までのパターンであれば、その雲にくっついたところは、すべて絶好の買い場となっている。さて今回はどうだろう?

 

 さて金相場の今後の行方であるが、やはり原油などの主要商品が更に上がってインフレ懸念が増大して行くのかどうか?が焦点だろう。日経新聞紙上では今週初めに、80年の高値895ドルに物価上昇率を加味すれば、金価格は2,000ドルでもおかしくないと出ていたわけだし…もっともそんなコメントが出た後に急落するところなんぞ、まさに相場のいやらしさと言えるが。

 ただ大相場というものは、100ドル・200ドルの調整なんぞ当たり前で、それで天井を打ったとかどうとか言うのは間違いだ。ただし資金配分を間違うと、売りでも買いでも簡単に破産するけどね。

 逆に金相場が天井を打つかもしれない最大の要因は、日銀やFRBなどの中央銀行の資金回収だ。金利を上げて過剰流動性を阻止し、ファンド資金の流入を止めてしまえば、相場は上がらなくなる。その際には不動産や株式市場も同様の暴落ダメージを受けるだろうけどね。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、週末の急落時は買い仕込み場面だったと思われる。ここから再度大型上昇相場に移れるか?それともなお下落を続けるのか?は、近日中にハッキリするだろう。

 

 

 銀相場は、5月31日の戻り高値457.2円から急落に転じ、週末2日には安値で416.4円まで下落。その後は一気に10円近く戻ったが、一目均衡表では完全に雲の下に抜けている

東京銀日足

…削除済み…

 4月20日の高値520.2円からはすでに100円以上下げているわけだ。424円台で一目均衡表にくっついたところは買いとコメントしたのだが、抜けてしまってはどうにもならぬ。3段下げ終了でこれがダマシとなり、いずれまた大きな上昇相場が来るのかもしれないが、来なければヤラレが大きくなるだけ。仮に底値でも、投げる時は投げなければ仕方が無いだろう。後の話は結果論だから。

 なおCFTCにより週末発表されたNY市場5月30日現在のファンドのポジションは、約2万6,300枚のロングである。

 

 

今週の白金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月29日

\4,650

-18

\4,616

3

5月30日

\4,608

-42

\4,581

-35

5月31日

\4,596

-12

\4,535

-46

6月1日

\4,492

-104

\4,435

L100

6月2日

\4,459

-33

\4,372

-63

 

 プラチナ相場は、先週号においては、『強気方針の最大の柱である逆ザヤの縮小で、一度利食い完了を推奨する。』とコメントした。

 今週の相場展開は、週明け29日こそ4,658円と高値更新となったが、そこから下落に転じた相場が急落の展開となり、週末2日には安値で4,295円まで下落僅か5日間で高値から363円の下落となり、指示通りに利食い完了していれば、少なくとも300円以上はヤラレずに済んだはず。新規で売った人がいれば、もっとおいしかったろうけど…

東京白金日足

…削除済み…

 先々週末現在で177円あった逆ザヤは、先週末現在では僅か55円まで急激に詰まった。今週末は当限4,459円〜先限4,372円と87円の逆ザヤ仕掛けは150円ほど拡大したところで考えたい。

 なお週末の乱高下は凄まじく、寄り付き4,371円の前日比64円安からスタートした相場が、4,295円までなお76円安(前日比140円安)まで下げ、その後後場に4,400円まで安値から一気に105円戻し、最終的には前日比63円安の4,372円で終ったわけだ。日中だけで優に200円は動いている

 さてこの日の安値4,295円で底でもおかしくないが、昨年12月と今年2月のパターンのように一度は一目均衡表の雲に入ってもおかしくはない。ただし4月のようにそれに達する前に反騰する事もあり、今のところ何とも言えない情勢だ。荒い相場展開ゆえ、仕掛けも仕切りも迅速に…としかアドバイスできない。

 

 なおNY市場も、団子天井からの下落で応分の下げは出たものの、一目均衡表の雲に掛かるにはまだ時間は掛かる。

NYプラチナ日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 週末は前日比15.1ドル高の1244.9ドルまで戻っての終了であるが、円高もあり週明けの東京市場寄り付きは20円高程度だろう。安値1,208ドル・高値1,245ドルと上下幅は37ドルもあり、来週も大きく動くのだけは判る。

 なおJ・マッセイ社の価格予想は1,250ドル〜1,025ドルとしているわけで、現状では1,250ドル以上まで買われた分の修正に留まっているわけだ。安値の1,025ドルが出るのかどうかは判らぬが、今は買いを焦る事も無かろう。

 

 パラジウムであるが、東京市場では一目均衡表の雲の中から、週末の安値時点では若干雲の下に出てから戻った。これがダマシの可能性もあるが、上に抜けるのは当面困難そうであり、買うならもう一段の安値を待った方が無難に見える。J・マッセイ社の需給報告でも供給過多の状態としており、価格予想の高値420ドル〜安値260ドルという、どちらかと言えば弱気の見方が嫌気されているのだろう。

東京パラジウム日足

…削除済み…

 結論として当方の相場観は、荒い展開でまだ完全に下値不安が払拭されていない相場と見る。もう少し日柄を掛けてから、買い場を探すのが良いだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

5月29日

\14,820

-160

\19,730

-80

5月30日

\14,820

0

\19,870

140

5月31日

\14,430

-390

\19,620

-250

6月1日

\14,180

-250

\19,220

L400

6月2日

\14,430

250

\19,160

-60

 

 先週号においては、『6月から本格的な生育期の天候相場となるため、安易に弱気は出来ない。しかし当先のサヤは大きく、安易な買いもまたどうかと思われるところ。順当なら中物限月の買いに対し、先物売りの鞘取り戦略が良いと思われる。』とコメントした。 

 今週の相場展開は、コーンは貴金属・ゴムなどの他商品の下落と、特に内部要因からのNON大豆期近の暴落に影響されて急落。19,000円台後半の先行スパンの雲で支えられていたのが、はしごを外された形で急落。2日には安値で19,010円まで下落する事となった。

東京コーン日足

…削除済み…

 週末の下落時点では、ついに一目均衡表の雲の下に一瞬出ており、これが1月の時の様にダマシになればまた上がるのだろうが、ダマシかどうか判らぬ現時点では大勢売り転換も視野に入れねばならぬ。週明けはシカゴ市場の反騰により、戻りが予想されるわけであるが、2万円を超えて行く上げにならなければ、一目均衡表では買い転換はしないわけだ。

 週末現在の当先のサヤは、相変らず当限14,430円〜先限19,160円と4,730円の順ザヤである。順ザヤサヤ滑りをの懸念は、未だ大きいと言わざるを得ない。結局今年の穀物相場は、天候懸念とインフレ、エタノール用の需要増大などの強材料を抱えながらも、この大幅順ザヤが相場の足を引っ張る展開となりそうだ。

 …中略…

○シカゴコーン日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 東京市場とは対照的に、チャートはまだ適当な押し目を入れながらの右肩上がりの格好となっている。買い方はシカゴでなら大勝利なのだろうが…

 …以下略…

 

 さて大幅にファンドが買い越すシカゴ市場とは逆に、国内市場では…中略…

 当面は投げ一巡からの戻りも想定されるが、シカゴ市場ほど大幅順ザヤの東京市場が買われるのかどうかは良く判らぬ。判断が難しい場面ゆえ、枚数は抑え目でのスピーディーな商いが必要だろう。

 

 一方で大豆は、期近の状況が悪すぎるために、順ザヤの先物も大幅下落を余儀なくされてしまった。

東京一般大豆日足

…削除済み…

 ただしシカゴ市場では、何とか一目均衡表の雲で支えられ、週末はホット&ドライの天候予報で急騰。前日比22.25セント高609.00セントまで上げて終了である。東京市場の週明けは850円高の換算になる。

 シカゴ市場でなら買いたいが、果たして東京市場がシカゴ市場くらい上げてくれるのかどうか?疑問だ。

シカゴ大豆日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 なおシカゴ市場のファンドの建て玉は、週末現在で推定6,100枚のショートと見られている。途転買いになるかどうか?

 結論として当方の相場観は、天候相場真っ只中であり、シカゴ市場の動きを見れば買いたくなる。しかし東京市場では大幅順ザヤが相場の足を引っ張ると思われ、戻り売り以上に強くなれるのかどうかまだ疑問だ。利食いも損切りもお早めに…だ。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月29日

313.6

9.3

314.5

7.4

5月30日

306.3

-7.3

302.9

-11.6

5月31日

307.2

0.9

304.4

1.5

6月1日

298.9

-8.3

296.4

L8.0

6月2日

302.8

3.9

299.2

2.8

 

 先週号においては、『現状では輸入採算から見て買われ過ぎだが、押し目買い相場に変化はないだろう。テクニカルな下げ局面で、買い拾うべきだろう。とコメントした。

 今週の相場展開は、週明け29日はインドネシア・ジャワ島での地震の影響もあり続伸し、翌30日には高値で319.6円まで上昇。しかしゴム農園には直接の被害がないこと、積み出しにも支障がない事などを材料に反落に転じ、週末には貴金属などの他商品安の影響も受けて289.6円まで下落高値からジャスト30円の大暴落を演じたわけだが、ただし下げた事で産地では中国筋の買いが旺盛になったとの観測で後場に入り戻し始め、あっという間に10円以上の戻りを入れた展開だった。

東京ゴム日足

…削除済み…

 『ぼちぼち、いつ何時20円〜30円程度の急落が入っても不思議ではない』と先週号でもコメントしていたわけで、それが現実になっただけだ。

 なお戻り売りの展開が続くようなら、274.9円の下値抵抗線か、あるいは一目均衡表の雲にくっつく場面も無しとはしない。しかし大勢での買い相場にはまだ変化はないだろうし、少なくとも2番天井を付ける上昇局面はあるだろう。

 また2日の安値は高値からジャスト30円の下げであり、これが底でもおかしくはない。来週も値幅は大きいという事だけは、覚悟しておくべきだ。

 

 当先のサヤは6月限302.8円〜11月限299.2円と3.6円の逆ザヤ。一番高い7月限304.2円〜10月限298.2円で比較すれば、6.0円の逆ザヤである。

 予想通りに逆ザヤ進行となってきたわけだが、産地の減産期明けのズレにより7月限までは渡し物が不足するとの懸念と、8月限以降はいずれ生産が回復〜品物が出回るとの観測で逆ザヤ化しているわけだ。

 今後も6月限・7月限は高値を維持する公算は高く、サヤから見れば素直に『逆ザヤに売り無し!』の相場展開だろう。

 週末現在の輸入採算価格は、7月積みで315.2円。東京市場7月限の終値は304.2円であるため、11.0円の下ザヤである。先週末現在では、産地以上に東京が買われ過ぎたことで上ザヤに変化していたが、今週の急落で再び通常の10円以下の下ザヤになった。この面から考えると、相場は2日の安値で底打ちである。

 5月20日現在の国内営業倉庫在庫は、692トン増の18,315トン。こちらは増加であり、やはり高値が出るとモノはどこからか出て来る事を裏付けている。

 以上の3点では、2対1で買い有利であり、押し目買いの展開に変化はないだろうと思われる

 

 さて内部要因であるが、…中略…

 結論として当方の相場観は、高値から30円の暴落が入ったが、ファンダメンタルズではまだ押し目買い相場に変化はない。7月限・8月限を中心に買い仕込み、ヘッジで一時的に売るなら10月限が良いだろう。高い限月ほど高くなり、安い限月ほど安くなるのが相場である。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比 

5月29日

\17,100

390

\19,810

-290

5月30日

\16,910

-190

\19,700

-110

5月31日

\16,420

-490

\19,580

-120

6月1日

\16,070

-350

\18,990

-590

6月2日

\16,140

70

\19,180

190

 

 先週号においては、『国際商品の中で唯一の売り銘柄である。売り好きやヘッジの対象として、他商品の買いに対してコーヒーを売っておく事を推奨する。』とコメントした。

 今週の相場展開は、想定どおりに下げ継続となり、1日には18,870円まで下落。国際商品の全面安によって週末2日間で整理売りがだいぶ出たため、週末は19,180円と小戻ししての終了となった。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

 先週号で『次の抵抗線は18,000円どころまで見当たらず、1月〜3月の下げと同等ならば19,600円どころ。3月〜4月の上げに対する倍返しなら17,650円が目標値となる。』としたが、19,600円は達成し、それを割り込んだため下げが加速したわけだ。

 今度はこの19,600円が上値抵抗線となり、20,680円は強力な上値抵抗線となる。投げ一巡からの戻りも有り得ようが、最終的には17,650円を目指す事になると思われる。

 

NYコーヒー日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

 またNYコーヒーのチャートも悪く、30日には安値で97.10セントまで下げている。下値目標はズバリ92.25セント辺りであり、戻っても103.50セントは上値抵抗線である。

 週末2日は前日比1.30セントの反発で101.25セントでの終了だが、高値では103.00セントと上記の上値抵抗線で阻止された姿だ。これを越えてしまえば、一時的に大きな戻りも想定できるが、超えない限りは戻り売りだ。

 …中略…

 結論として当方の相場観は、投げ一巡からの戻りはあるだろうが、戻り売り以上に強くなるとは思えない。息の長い下げ相場は、まだ続くだろう。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

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