商品市況展望 割愛版

平成18年7月30日記

 

 相場でよく言われる事の中で、今日は大出来高を伴って急騰したから天井だ!とか、逆に底だ!とかのコメントを耳にするが、果たしてそれは本当なのか?今回は出来高と相場の天底に関連があるかどうか、主要商品のチャートを使って検証してみた。

    東京金日足

…削除済み…

2005年以降の日足に出来高・取組高を載せたものだが、昨年11月からの高騰時には急激に出来高が増加し、取組高もどんどん増加している。12月12日には2,155円まで上昇して目先天井となり、急落の過程で一気に取組高は元の木阿弥に戻っている。

如何に人気沸騰から高値買いとなった後に、暴落で全員殺されたかが判るようなチャートだが、その投げた底値の時には出来高急増が底となっており、当てはまるといえば当てはまるが、急騰場面では当てはまっているわけではない。

また今年に入ってから昨年12月の高値を突破し、更に上昇したわけだが、出来高が急増したところがピークになっているという明確なポイントはない。

金相場に関する限り、今のところほんの気休め程度の関連性しかないとも言えるだろう。

 

    東京原油日足

…削除済み…

取組高自体は2005年よりも現在は倍増しているわけだが、倍率が1枚=100倍から50倍へと半減した事を考えれば、その分は差し引いて考える必要もある。

出来高の棒グラフを見ても、必ずしも天底で急増しているようにも見えぬ。原油相場と出来高の関連は、今のところ薄そうだ。

 

    東京ガソリン日足

…削除済み…

2005年と比べれば価格は約2倍になっているが、出来高・取組高ともに大して増加は見られない。

また大出来高だから天井だとか、底だとかの関連性もほとんど見られない。ディラー中心の日バカリ商い市場では、一日の変動幅が大きければ出来高は膨らむわけで、価格変動とは全く関係無さそうだ。

 

    東京ゴム日足

…削除済み…

2005年7月、2006年2月、2006年5月末までは出来高のピーク時と天井が一致。ただそれ以降の6月天井時には大出来高とはあまり一致せず、現状の260円台を迎えている。

各社専業ディラーは、値が飛びやすい石油市場からゴム市場へとフィールドを移しつつあり、ゴムのディーリングが盛んになって来ている事を考えれば、今後はガソリン相場の様に出来高と価格変動の関連性は薄まって行くかも…

 

    東京コーン日足

…削除済み…

2005年3月の天井時は、年間の出来高・価格ともに最高を記録しているため、そこでは関連性があったと言えなくもないが、今年に入ってからは明確なポイントは発見できない。

 

    アラビカコーヒー日足

…削除済み…

こちらも価格の上下と出来高の関連は見出せない。それ以上に昨年の高騰時には取組高増で人気商品だったのが、今年は相場変動の割には人気低迷が顕著だ。これは法改正後の一般投資家の参加が明らかに減少している事を裏付けるものだろうし、商品全体の取組高の減少は業界人として危機を感じる。

 

いずれにせよ、今日は大出来高で急騰だったから天井です!とかのセールストークは、ほとんど当らない!という事だけは実証されました…(笑)

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月24日

\50,860

190

\50,870

110

7月25日

\50,960

100

\51,720

850

7月26日

\50,780

-180

\50,810

-910

7月27日

\50,780

0

\50,890

80

7月28日

\50,860

80

\51,280

390

 

 まずは原油から…先週号においては、『あまりにも地政学的リスクが頻発して高騰した事の裏目が出て今週は反落したが、情勢に大きな変化はない。押し目完了が確認されれば、また大きく買われるだろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、週明け24日の安値50,520円と翌25日の高値51,880円との間のもみ合いであった。それまでの急騰・急落に比べれば、比較的おとなしい展開だったと言える。

    東京原油日足

…削除済み…

一目均衡表では48,000円どころで雲を突破し、14日には53,200円まで急騰したわけだが、海の日の連休明けから逆に反落。

当方の相場観としては、5万円は割り込まないか、もしくは割り込んだとしても一瞬の事で、いずれは53,200円を突破する上昇を見せるとの考えでここまで来ているわけだが、今のところ頭も重ければ下値も固い格好で動いている。

 

    NY原油日足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

14日の高値は78.40ドルであるが、今のところその前の7日の75.78ドルと、その後の25日75.78ドル(同値)での三尊天井とも受け取れるような格好となっているため、頭の重い展開となっている。

もっともその完成には、19日の安値71.65ドルを切った時点で三尊天井となるため、今のところ未完成だ。またその下は一目均衡表の雲で支えられるポイントでもあり、逆に5月・6月の68ドルどころでのW底を抜ける相場になるとも思えず、下値不安は大きくないと思われる。

本当に強い相場ならば、三尊天井かな?と売りを誘っておいてから急騰するというパターンが以前からこの石油相場にはよく見られるため、当方はそれではないかと考えている。しかし実際に三尊天井完成となったら、もちろん買い玉は一度投げるけれども…

 

さて週末のNY原油であるが、前日比1.30ドル安の73.24ドルまで下落。安値では72.80ドルまで出ている。下げた原因は米景気の減速による原油需要の減少見通しが広がったこと、イスラエルによるレバノン紛争が来週にも停戦するのではとの思惑から利益確定売りが進んだこと、またガソリン市場が在庫の潤沢感から下落したことなどが重なったため。

今週の全米在庫の発表では、ガソリンが大幅減だったのにこれは如何に?であるが、昨年比と過去5年平均値を上回る高水準にあるとされたわけだ。まあそれは確かにそうだけど…としか言いようがない。理屈よりも、今日は相場が下げたかったから下がったのでしょ!と考えるのが一番いいかもしれん。

    週刊石油在庫統計

…削除済み…

…中略…

 結論として当方の相場観は、週明けはNY原油安からストップ安換算の下げが予測されるものの、押し目買い方針に変化はないと想定している。安値は買い仕込むチャンスだろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月24日

\69,410

-540

\68,180

70

7月25日

\70,690

1280

\69,410

1230

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月26日

\68,070

-730

\69,170

 

7月27日

\68,930

860

\69,580

410

7月28日

\69,380

450

\70,000

420

 

 続いてガソリンです…先週号においては、『自信がある向きなら思い切って短期狙いで9月限を買えば良いだろうし、また先物においても基本的には押し目買い中心という事になるだろう。』とした。

 今週の相場展開は、週明けの安値67,750円から反騰に転じた相場が、25日の納会〜26日の2月限発会を経て急騰に転じ、週末は高値で70,390円と先限上場来最高値を更新。もっとも14日の高値70,360円は1月限が記録したものゆえ、その1月限は68,980円の高値に留まっており、一代高値までは1,380円を

残している。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

正直、強い相場だと週末までの動きを見て考えていたが、NY原油の急落でとりあえず週明けは急落しそうだNYガソリンと東京ガソリンは比べてもしょうがないが、敢えてそれを換算すると2,280円安となってストップ安だ。

こうなるとチャートではWトップが意識される事となり、目先は調整安必至と思われる。深ければ65,000円どころまでの下落も無しとはしない。相場というものはいきなりこんな事があるから怖いが、それを承知で参加しているのだからしょうがないか。

 

さて今週も各限月別の推移を見てみると、

8月限 発会値60,400円 高値70,690 安値58,280円 納会値70,690

9月限 発会値62,950円 高値70,210円 安値59,720円 現在値69,380円

10月限 発会値62,690円 高値69,790円 安値60,630円 現在値67,870円

11月限 発会値67,500円 高値68,790円 安値60,560円 現在値67,000円

12月限 発会値65,250円 高値69,540円 安値60,620円 現在値67,450円

1月限 発会値63,660円 高値70,360円 安値63,600円 現在値68,630円

2月限 発会値68,810円 高値70,390円 安値68,750円 現在値70,000円

 8月限は史上最高値の納会で25日に落ちた。26日に発会した2月限は、週末に高値を出しているわけだが、週明けの暴落はしょうがないだろう。

 また先週号で指摘した9月限の短期買い狙いは、週明け68,140円からその日は67,480円まで下落したものの、結果的には週末高値で69,990円まで上がった。

 

 …中略…

 

 となると普通で考えれば、現在の順ザヤ相場はサヤが詰まって同ザヤか、もしくは逆ザヤへと変化して行く可能性もあるだろう。

 なおスポット価格の71,000円は、税金を53,800円オンすると124,800円となり、リッターで124円80銭だ。諸経費やスタンドの利益などを20円とすれば、優に140円台のレギュラーガソリンの出来上がり!である。お盆のマイカーでの帰省は、さぞ高く付く事でしょう。

 結論として当方の相場観は、国内在庫から見れば強い相場だが、先限チャートはWトップを意識されるだろう。大幅順ザヤの縮小が予想されるか。

 

 

今週の灯油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月24日

\63,840

-120

\70,670

120

7月25日

\63,500

-430

\71,850

1180

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月26日

\64,090

-1080

\70,820

 

7月27日

\63,860

-230

\70,930

110

7月28日

\63,950

90

\71,800

870

 

 最後に灯油です…先週号においては、『ガソリン相場と比較しても、だいぶ割安感が目立って来ている。いずれ大きく上がるだろうと思われ、押し目買い方針は堅持だろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、7万円台〜72,000円台でのもみ合いの展開。

○東京灯油日足

…削除済み…

 チャートではずっと雲の上の推移であり、買いトレンドに変化はない。しかし7万円台はどうしても高値警戒感が働くのか、上昇の勢いも鈍っている。今年1月の期近の最高値は82,480円という価格があるのだが、何らかの灯油自体の材料が出なければ、ここからの上昇は難しいのだろうか?

 

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

8月限 発会値55,400円 高値68,720円 安値53,960円 納会値63,500円

9月限 発会値60,300円 高値69,800円 安値56,810円 現在値63,950円

10月限 発会値61,800円 高値70,870円 安値61,440円 現在値65,600円

11月限 発会値70,300円 高値71,760円 安値63,030円 現在値67,760円

12月限 発会値69,340円 高値72,380円 安値64,030円 現在値69,850

1月限 発会値68,440円 高値73,170円 安値68,240円 現在71,170

2月限 発会値70,300 高値72,060円 安値70,230 現在71,800

 25日に納会した8月限は、63,500円とガソリンよりも7,190円安い納会26日に発会した2月限は、72,060円の高値を週末に出したものの、ガソリンの2月限が先限最高値更新となったのに対し、灯油は1月限が14日に出した高値よりも1,000円以上安い展開だ。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

7月28日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

9月限

\69,380

 

\63,950

 

5,430

10月限

\67,870

-1,510

\65,600

1,650

2,270

11月限

\67,000

-870

\67,760

2,160

-760

12月限

\67,450

450

\69,850

2,090

-2,400

1月限

\68,630

1,180

\71,170

1,320

-2,540

2月限

\70,000

1,370

\71,800

630

-1,800

 本来ならば各限月ともガソリン−灯油のサヤは灯油買い・ガソリン売りが有利な限月であり(次に発会する3月限からは逆になるが)、需要期前の在庫投資が進む9月限などは本来灯油の方が高くてもおかしくない。

 ましてや1月限・2月限などは、2005年の納会値はそれぞれ1月限が−22,500円、2月限に至っては−3万円以上まで開いてから−15,060円で納会したものだった。これは特殊な例かもしれないが、灯油の需要期限月は4,000円〜5,000円は灯油が高くても不思議ではないのだが、どうも思ったようには開いてくれない

 例えばガソリンが本来高い3月限〜8月限の限月も、今年は納会間際になってから大きく変化するパターンも多く、全く一筋縄では行かないケースが多い。5,000円もガソリンの方が高い9月限なんぞも、最後の最後で納会一発でサヤ訂正になるのかもしれんが、それでは一般投資家の鞘取りなんぞはすべてマイナスで反対売買をされてからの話となる。商社筋とかに嫌がらせされているとしか思えない。

 

 …中略…

 

 結論として当方の相場観は、まだ調整局面を脱し切れていない様であるが、需要期限月にもかかわらずガソリンと比較すれば割安過ぎると思われる。長い目で見れば、鞘訂正が行なわれるだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月24日

\2,393

-57

\2,317

-56

7月25日

\2,325

32

\2,353

36

7月26日

\2,322

-3

\2,348

-5

7月27日

\2,346

24

\2,377

29

7月28日

\2,336

-10

\2,363

-14

 

 金相場は、先週号においては『2,300円どころまで下がれば、押し目買いを考えてみたいが、NY市場が持ち合い下放れになるようならば、またその考えは訂正する。』とコメントした。

 今週の相場展開は、週明け24日には2,313円まで下落するものの、その後は反発。週末28日は寄り付き後に2,400円まで上昇したが、そこからは値を削って終了である。

東京金日足

…削除済み…

チャートは雲の上での推移であり、かろうじて買いのままである。ただし上値抵抗線を完全に越えるまでは買いづらい展開であり、NY金も微妙な情勢ゆえに手放しで買って良いかどうか疑問であった…というか、当方は買う気にはならなかった。

 

NY金日足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

 今週末のNY金は前日比2.3ドル高の634.8ドルで終了。高値636.6ドル、安値625.0ドルであるが、640ドル台で引けなければ雲の上には出て来ない。逆に610ドルを割り込んでくるようなら、雲の下に出てくるわけだ。

…中略…

 

 週末のNYダウは利上げ見送り観測から119ドル高の上昇を見せており、一目均衡表の雲の上に久々に出た。金は地政学的リスクがすべて払拭されたわけでもなく、米国での利上げに打ち止め感が出るのなら、先の602.5ドルは底でもおかしくないだろう。東京金も2,313円以下は無くてもおかしくなく、その前の2,079円は結局底値だったという事になるかもしれない。

 ただし本当に強いのなら週末のNY金はもっと上がってもおかしくなかったわけだし、原油も下がらずとも良かったはず。強いのならば早晩金は本格上昇に移るはずであり、上値抵抗線を突破してから買っても遅くはなかろうと思われる。逆に抜けられないのでは、もう一度安値を探りに行くかもしれないわけだし。

 

 …中略…

 結論として当方の相場観は、上値抵抗線を抜けたら買ってついて行く相場だろう。ただし抜けなければもみ合い継続、もしくはもう一度下落の懸念もあるため、もうしばらく中立で様子見としたい。

 

 

銀相場は、やっと雲の中に突入してきており、14日の高値431.2円を突破して上昇すれば雲の上に出てくる。買いはそれから考えても良いだろう。まだ本当に底打ち〜トレンド転換したかどうかは判らないのだから…

なお特別の材料は無く、金とかけ離れた動きをするとも思えないので、今回もチャートのみのアップとする。

東京銀日足

…削除済み…

 

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月24日

\4,481

-40

\4,409

-51

7月25日

\4,564

83

\4,509

H100

7月26日

\4,560

-4

\4,506

-3

7月27日

\4,571

11

\4,505

-1

7月28日

\4,544

-27

\4,440

-65

 

プラチナ相場は、先週号においては、『まだもみ合いの域は出ないだろう。仕掛けのチャンスはまだ先の話だろうと考える。』とコメントした。

 今週の相場展開は、急落〜急騰〜急落とめまぐるしい展開を見せたが、終ってみればあまり動かない展開での終了となった。

東京白金日足

…削除済み…

結局14日の4,570円で小さな三尊天井を形成したような格好となっているわけで、これを買い切って5月末の4,658円を目指すのはちょっと難しい格好にも見える。

しかし下値もファンダメンタルズの強さからまだ限定的であり、4,400円台を割り込んでくれば三尊天井型にはなるものの、すぐその下は一目均衡表の雲で支えられるかもしれない値位置だ。それすら明確に割り込んで行くようなら、再び6月の安値4,074円を目指す展開になるのだろうが、今のところそこまでの下げになるかどうかは判らぬ。

 また週末現在の当先のサヤは、104円の逆ザヤ。逆ザヤは拡大してきており、このようなパターンでの下落は、反発に転じれば早いのではないかとも思われる。

 

NY市場の週末は前日比8.3ドル安の1233.7ドルであり、114円台への円高となっている割には下げている格好だが、東京市場が先導する市場であるゆえ単純に換算どおりに下がるかどうかは疑問。単純に値動きだけを換算すれば60円安であるが、東京の夜間取引換算では35円安となる。案外と安いのは寄り付きだけかもしれないし…

 

 さて国内取組内部要因だが、…中略…

 

 パラジウムであるが、1,000円以下が出るのなら、長期保有で買い狙いを考えてみたいとしているわけだが、上がりもしないし、下がりもせん。現状では手出し無用の相場だろう。

東京パラジウム日足

…削除済み…

 結論として当方の相場観は、内部要因の変化には注意が必要だが、三尊天井型の上がりにくいチャートにはなっているものの、逆ザヤ拡大での下落相場は下値も浅いだろう。基本的にはまだ、もみ合いの域を出ないと思われる。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月24日

\16,850

-110

\18,760

-360

7月25日

\17,250

H400

\19,130

370

7月26日

\17,380

130

\19,250

120

7月27日

\17,160

-220

\18,900

-350

7月28日

\17,260

100

\18,930

30

 

先週号においては、『ホット&ドライの後退により、天候相場は買い方の敗戦であろう。大豆は当然の事ながら、コーンも売り方針へ転換である。』とコメントした。 

 今週の相場展開は、コーンは週明け24日にストップ安の18,720円まで下落してスタートするものの、翌25日には逆にストップ高含みの急騰。その後は上昇〜下落の乱高下となった。

東京コーン日足

…削除済み…

先々週までの方針では、18,800円どころに開いたギャップを埋めた後に、反発して上昇に転じるとの相場観であったのだが、先週号では売り方針に転換とした。

週明けから26日までの動きを見れば、ああ方針転換は失敗だったか?それまでどおりの方針としておけば良かったのか!というような動きであったが、その後の動きを見ると方針転換は正しかったのかも!というような展開。

来週再び18,720円を割り込み、また雲の下に出てくるようなら正解という事になるが、逆に19,300円を突破して雲の上に抜けるのなら、逆に方針転換は失敗という事になる。いずれにせよ、流れに付くのみであろう。

 

シカゴコーン日足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

シカゴコーンは21日に235.25セントの安値まで下落だが、12日に268.75セントの高値まで記録した後、今は完全に雲の下に抜けているわけだ

週末28日は237.25セントと前日比0.50セント安の小幅下落だが、為替が114円台まで円高となっているために、週明けの東京市場は130円安程度の見込み。

 

 さて肝心の天候であるが、先週号では天候相場はほぼ終わりで、すでに勝負あった!の形であるとまでコメントしたが、その後の反発局面などでは24日発表の作況指数が3ポイントの低下とされるなど、まだ市場にはホット&ドライの懸念も残っていたようだ。これでは一気に暴落とまではならぬのだろうし、500円や1,000円は下がるかもしらんが、それ以上の大暴落はなさそうだ。あまりにも弱気の意見をコメントした先週号は、だいぶニュアンスを変えねばなるまい。

 当方の長期的な見方としては、天候相場期中は軟調な推移は変わらないとしても、作柄が完全に決定して需給相場に入った時に(9月以降)、エタノール需要などを囃してまた買い相場に転じると考えている。それまでは、出来る限り下がって欲しいわけでもある。

…中略…

 

 一方で大豆は、コーン同様に週明けの急落からは戻りとなったが、チャートではその反発も下げトレンドの上値抵抗線で抑えられている格好だ。

東京一般大豆日足

…削除済み…

今週24日に発表された作況指数はコーンと同様に3ポイントの低下であり、8月が天候相場本番の大豆はホット&ドライの影響をコーン以上に受けるとの強気の意見も一部ではあるものの、需給関係を考えれば凶作にならぬ限り上昇は限定的だろう。

それ以上に東京市場の大豆は、当先の順ザヤが大幅にあるわけで、このサヤ滑り懸念の高い商品を買い策動するのは危険極まりない。仮にシカゴ大豆が上昇しても、東京市場は上値が重くなるのは必至だろう。

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、思ったほど大豊作とまでは行かない作況であり、需要面を考えればコーンは弱気から中立へと再び方針転換である。ただし大豆の場合は需要面の後押しがない事と、東京市場の大幅順ザヤを考えて、売り方針の継続としたい。

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月24日

286.0

1.6

275.9

-3.3

7月25日

285.0

-1.0

270.7

-5.2

 

8月限(先限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月26日

267.3

-7.8

266.2

 

7月27日

267.7

0.4

266.1

-0.1

7月28日

271.3

3.6

268.5

2.5

 

先週号においては、『三尊天井決定の相場は戻り売り一貫に変化してしまっただろう。320円台は大天井であり、息の長い下げ相場のスタートが切られたと見ている。元々僅か60円から上がった相場だという事を、再度思い出す必要があるだろう。とコメントした。

 今週の相場展開は、300円台で形成した三尊天井からの下落を継続し、26日には安値で260.9円まで下落。その後は260円台でのもみ合いで終了した。

東京ゴム日足

…削除済み…

まさに教科書どおりの三尊天井型チャートであり、トレンドは下げ継続を示唆している。下値目標値は4月末の上昇相場の起点である250.4円であろうし、それを割り込めば238.9円となるわけだ。

もっとも相場ゆえ、またゴム自体の材料はまだ強材料も残っているために、反発局面はあるだろう。しかし目先の上値抵抗線としては270円であり、それを突破したとしても280円はかなりの壁と思われる。それ以上上がるのならまたトレンド転換という事になるのだろうが、このチャートでそんな力があるかどうかは疑問だ。

 なお25日に行なわれた7月限納会は、285.0円での納会。受渡しの内容は前場の概況でご報告済みであるが、結局高ければ渡し物は出てくるという証拠だろう。

 

 当先のサヤは8月限271.3円〜1月限268.5円と2.8円の逆ザヤ。この8月限を除けば、ほぼ同ザヤ〜僅かながらの順ザヤへとサヤは変化している。まだ大きな順ザヤではないが、少なくとも『逆ザヤに売り無し』は過去の話しとなった。

 この順ザヤの一つの注意点だが、商社・シッパーは産地と比べて割安でも、順ザヤならば心置きなく先物にヘッジ売りが出来るという事だ。順ザヤ相場となっていれば、産地よりも割安だから戻るという相場は成り立たなくなる点には注意が必要だ。

 週末現在の輸入採算価格は、9月積みで270.3円。東京市場9月限の終値は265.5円であるため、4.8円の下ザヤである。産地も東京市場に呼応するように値を下げて来ており、10円以下に下ザヤが詰まっている情勢は、むしろ売り余地があると見て良い。

 産地の供給は徐々に回復気味とは伝えられるが、決して十分な量ではなく供給過剰で下げているわけではないと言われているが、それでよろしいのである。もしも供給過剰で下げ始めたのならば、それこそ元々60円からスタートして100円・200円・300円と5倍以上になった相場である。一気に半値の150円になってしまうではないか!

 7月10日現在の国内営業倉庫在庫は、1,553トン減の11,679トン。3旬連続での1000トン以上の大幅減だ。

 以上の3点では、2対1で売り有利である

 

 週末現在の取り組みで…中略…

 

 結論として当方の相場観は、教科書どおりの三尊天井決定からの下げ相場であり、戻り売り一貫の相場展開はまだ続くだろう。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比 

7月24日

\13,850

160

\18,810

-370

7月25日

\14,110

260

\18,830

20

7月26日

\14,100

-10

\18,910

80

7月27日

\13,950

-150

\18,720

-190

7月28日

\13,990

40

\18,990

270

 

先週号においては、『大幅順ザヤ銘柄に買い目は無い。戻り売り一貫の相場展開だろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、27日には18,720円まで下落。ただし週末は若干戻ったため、ほぼ安値圏での往来となっている。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

6月14日に記録した18,120円の安値更新には至っていないが、20,690円まで戻ったところからはトレンドに沿って下落の展開である。現状ではかなり厚い雲に上値を押さえられており、買い転換するために雲の上へ出るのはかなり困難と思われる。戻りが出ても、そこは売り場提供をするだけかもしれない。

 

週末現在の当先の順サヤは9月限13,990円〜7月限18,990円と5,000円。これではサヤ滑りは避けられないだろうし、その5,000円の順ザヤを跳ね返すだけの大相場が出るには、よほどの材料出現が無ければ無理だろう。

もっともこれも相場ゆえ、あまりにも人気が弱くなれば突発的な戻りも当然有り得る。』と先週号でしたが、それをどこかで聞きつけたが如く週末のNYコーヒーは上昇している。

NYコーヒー日足

…削除済み…

24日に93.95セントと今年最安値を更新した相場は、そこから反発に転じて週末28日は前日比2.60セント高の急騰で99.40セントの終了である。高値は99.70セントと100セント寸前までの上昇だ。

上昇要因は、ロブスタ種を中心としたアジアでの減産がロンドン市場の上昇をもたらし、NY市場でもストップロスの買いが出たためである。ただしブラジルは相変らず順調だ。

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、戻りはあっても一過性だろう。大幅順ザヤが縮小しない限り、東京市場での買い妙味はないだろう。

 

 

 なお解説をやめてしまった粗糖相場だが、たまに問い合わせがあるので今回はチャートだけをアップしておきます。

○東京粗糖日足

…削除済み…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

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