商品市況展望 割愛版

平成18年8月13日記

 

 この週末に当方の所属する岡地(株)に対し、監督官庁である農水・産経省による行政処分が言い渡された。もうすでにお伝え済みではあるが、16日(水)より22日(火)までの5営業日の新規受託業務の停止であり、自己売買は同日から15営業日の停止となる。

 なお同時にクレボ(株)も処分となり、こちらは22営業日の新規受託業務停止というかなり厳しい措置である。

 まずは岡地(株)に籍を置く外務員として、皆様方に今回の不祥事をお詫び申し上げます。岡地に対する通達は以下の通り…

(1)処分内容

[1] 法第236条第1項第5号の規定に基づく商品市場における自己の計算による取引の停止(ただし、取引の決済を結了させる場合を除く。)平成18年8月16日から9月5日まで(15営業日)

[2] 法第236条第1項第5号の規定に基づく商品取引受託業務の停止(ただし、取引の決済を結了させる場合を除く。)平成18年8月16日から8月22日まで(5営業日)

[3] 法第232条第1項の規定に基づく業務改善命令
平成18年8月12日から9月10日までに、商品取引受託業務の運営の改善のため、以下の措置を講じること。

ア.役職員に対する法令遵守の徹底を図り、適正な受託業務を実施するための体制整備を行うこと。
イ.違反行為を行った役職員に対する厳正な対処を含めた営業部門体制の総合的かつ根本的な見直しを行うこと。
ウ.管理部門については、本店管理部門の長の権限強化、内部監査の強化等営業部門に対するけん制の強化と適切な管理業務の執行を行うこと。

(2)処分理由

[1] 法第236条第1項第5号の規定に該当する事実

ア.顧客の注文の執行において、過失により事務処理を誤って成立した取引を、自己の計算による取引として処理していたにもかかわらず、委託者の計算による取引と偽って法定帳簿を作成していた事実が認められたこと。

イ.顧客の注文の執行において、過失により事務処理を誤って成立した取引を、他の顧客に対し、当該他の顧客から指示を受けるべき事項の指示を受けないまま、当該他の顧客の計算による取引として処理していた事実が認められたこと。

[2] 法第232条第1項の規定に該当する事実

ア.役職員による法定帳簿の虚偽記載等の法令違反行為が発生し、法令遵守体制の不備の事実が認められ、委託者保護のため商品取引受託業務の運営の改善が必要であると認められること。

イ.法第214条第5号に該当する行為として、商品市場における取引につき、その委託を行わない旨の意思(その委託の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示した顧客に対し、その委託を勧誘していた事実が認められ、顧客との間に紛争がひん発し、又は使用人に対する指導監督が不適切であるため紛争がひん発するおそれがあり、委託者保護のため商品取引受託業務の運営の改善が必要であると認められること。

 

 …以下略…

 

 

 

〔石油製品〕

 

8月第一週の原油の動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月31日

\50,730

-130

\50,080

L1200

8月1日

\50,730

0

\50,700

620

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月2日

\50,920

480

\51,510

 

8月3日

\51,320

400

\51,650

140

8月4日

\51,400

80

\51,750

100

 

今週の原油の動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月7日

\51,600

200

\51,910

160

8月8日

\52,320

720

\52,570

660

8月9日

\52,130

-190

\52,380

-190

8月10日

\51,900

-230

\52,290

-90

8月11日

\51,330

-570

\51,750

-540

 

 まずは原油から…7月30日号においては、『週明けはNY原油安からストップ安換算の下げが予測されるものの、押し目買い方針に変化はないと想定している。安値は買い仕込むチャンスだろう。』とコメントした。

 7月31日以降の相場展開は、31日に予想通りにストップ安で安値50,080円まで下落したものの、結局そこが押し目底となって反発に転じ、納会〜発会を経て8日には高値で52,650円まで上昇

その後徐々に軟化した相場は、今週末11日にロンドン航空機テロ未遂事件でジェット燃料用需要の低下を懸念し、一時はストップ安まで売られたが、結局引けに掛けて大きく戻す展開でもあった。

    東京原油日足

…削除済み…

一目均衡表では48,000円どころで雲を突破した後、ずっと雲の上での推移。7月14日の高値53,200円はその後更新していないが、下げても5万円割れはなかろうという様相で推移している。

 

    NY原油日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

7月14日の高値は78.40ドル、8月8日の高値77.45ドルを記録の後、前述の通りにロンドンでの航空機テロ未遂事件で下落したが、週末は75.35ドルと小幅反発で終了。NYガソリン・灯油も大幅に反発しており、完全に売られ過ぎの反省が出た格好だ。

地政学的リスクの問題は解消が困難で、現状では70ドル以下は用無しではなかろうかという展開。ただしアラスカ油田の停止問題は、米政府による素早い高値抑制策=戦略備蓄の貸与提案などで7月の高値突破ならずの情勢だ。

そのため80ドル台と今後大きく上がるには、やはりハリケーン襲来などのもう一つインパクトのある材料が必要だろう。来なければもみ合い〜横ばい状態が続くと考えるのが妥当だろうが、来たら一気に吹く可能性は高く、基本的に安値を買い拾う作戦はハリケーンシーズン終了まで続くだろう

もっと先の事を考えるならば、ハリケーン終了後は一度大きな調整安で下値を試すだろうが、冬場はまた需要期で上昇すると見ている。100ドル突破などのパニック的な買い殺到は、中東情勢が更に悪化した場合であり、イランのホルムズ海峡封鎖などがあれば出るパターンだろう。

いずれにせよ当方は、この原油相場を弱気方針とする予定は当分ない。景気後退懸念とかで売られたところを買い拾う作戦が、当面は功を奏すると見ているわけだ。

…中略…

 結論として当方の相場観は、週末の下落は良い買い場だったと思われる。ハリケーンシーズン終了までは、押し目買い方針に何の変化もないだろう。

 

 

8月第一週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月31日

\68,300

-1080

\68,200

L1800

8月1日

\68,730

430

\68,870

670

8月2日

\69,420

690

\70,190

1320

8月3日

\69,660

240

\70,100

-90

8月4日

\69,860

200

\69,950

-150

 

今週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月7日

\69,760

-100

\70,070

120

8月8日

\69,680

-80

\70,380

310

8月9日

\69,820

140

\70,180

-200

8月10日

\69,660

-160

\70,030

-150

8月11日

\69,020

-640

\69,420

-610

 

 続いてガソリンです…7月30日号においては、『国内在庫から見れば強い相場だが、先限チャートはWトップを意識されるだろう。大幅順ザヤの縮小が予想されるか。』とした。

 7月31日以降の相場展開は、31日は急落で68,200円のストップ安まで記録するものの、その後反騰に転じた相場は7日の大乱高下を経て8日に70,790円と新高値を更新

 今週末11日は再び急落して一時はストップ安を記録するが、引けまでには大幅に戻って終了である。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

7万円台から上を大きく買い進む元気までは無い様だが、かと言って下値も68,000円どころで支えられている格好だ。しばらくはこの逆張り相場を続けるのかもしれない。

 

さて今週も各限月別の推移を見てみると、

9月限 発会値62,950円 高値70,210円 安値59,720円 現在値69,020円

10月限 発会値62,690円 高値69,790円 安値60,630円 現在値67,020円

11月限 発会値67,500円 高値68,790円 安値60,560円 現在値66,520円

12月限 発会値65,250円 高値69,540円 安値60,620円 現在値66,950円

1月限 発会値63,660円 高値70,360円 安値63,600円 現在値68,000円

2月限 発会値68,810円 高値70,790円 安値68,200円 現在値69,420円

 2月限は31日に一代安値であり、8日に一代高値更新とともに先限上場来最高値を更新である

 期近の最高値は8月限が納会で記録した70,690円であるが、また次の需要期に入る3月限が先物で更新するのは判るが、2月限で更新するとは思わなかった。それだけ今の市場は、理屈云々よりも先物中心にファンドの買いが入るから…と考えねばならぬという事なのだろう。

 それゆえ本来ならば逆ザヤ進行と見た30日号の相場観は若干トーンを落とさざるを得ないが、11月限・12月限が一番安いおかめザヤ状態の市場は、相場格言では『おかめに売り無し!』の状況だ。

 

 …中略…

 

 現在はお盆の最大需要期入りとなっているわけだが、レギュラーガソリンの全国平均が16年ぶりの高値で143.7円となっている状況では、お盆が過ぎれば大幅に需要が落ち込むだろうと懸念しているのだろう。

 なお当方も8月初めに浦和〜青森まで高速道路を使ったのだが、その時点で近所のガソリンスタンドは141円。高速道路のサービスエリアでは137円となっており、そこで入れた方が安かった。高速道路の方が高いというイメージがあったので、意外だった。ただしテレビでそれをやってしまったから、多分今は大行列になっているんだろう…

 結論として当方の相場観は、原油の先高感とお盆明けの需要減退をにらんで不安定な相場展開となるだろう。基本的には68,000円〜7万円台での逆張りと見るが、抜けた時には注意が必要だ。

 

 

8月第一週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月31日

\62,850

-1100

\70,000

L1800

8月1日

\63,450

600

\70,390

390

8月2日

\64,310

860

\71,900

1510

8月3日

\64,140

-170

\71,990

90

8月4日

\63,540

-600

\71,500

-490

 

今週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月7日

\63,320

-220

\71,600

100

8月8日

\64,210

890

\72,010

410

8月9日

\64,490

280

\71,850

-160

8月10日

\64,670

180

\71,850

0

8月11日

\63,890

-780

\71,150

-700

 

 最後に灯油です…7月30日号においては、『まだ調整局面を脱し切れていない様であるが、需要期限月にもかかわらずガソリンと比較すれば割安過ぎると思われる。長い目で見れば、鞘訂正が行なわれるだろう。』とコメントした。

 31日以降の相場展開も、今まで同様に7万円〜72,000円台でのもみ合いが継続。基本的には7月に入って以来、ずっと同値圏での往来相場が続いている。

○東京灯油日足

…削除済み…

 チャートではずっと雲の上の推移であり、買いトレンドに変化はない。しかし7万円台はどうしても高値警戒感が働くのか、相場は完全に横ばいだ。今年1月の期近の最高値は82,480円という価格があるのだが、何らかの灯油自体の材料が出なければ、ここから動きそうもない。もうちょっと需要期が接近しないと難しそうだ。

 

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

9月限 発会値60,300円 高値69,800円 安値56,810円 現在値63,890円

10月限 発会値61,800円 高値70,870円 安値61,440円 現在値65,140円

11月限 発会値70,300円 高値71,760円 安値63,030円 現在値67,270円

12月限 発会値69,340円 高値72,380円 安値64,030円 現在値69,470

1月限 発会値68,440円 高値73,170円 安値68,240円 現在70,610

2月限 発会値70,300円 高値72,600円 安値70,000 現在71,150

 2月限は31日に一代安値であり、3日に一代高値更新であるが、1月限の記録した高値は抜いていない

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

8月11日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

9月限

\69,020

 

\63,890

 

5,130

10月限

\67,020

-2,000

\65,140

1,250

1,880

11月限

\66,520

-500

\67,270

2,130

-750

12月限

\66,950

430

\69,470

2,200

-2,520

1月限

\68,000

1,050

\70,610

1,140

-2,610

2月限

\69,420

1,420

\71,150

540

-1,730

 本来ならば各限月ともガソリン−灯油のサヤは灯油買い・ガソリン売りが有利な限月であり(次に発会する3月限からは逆になるが)、需要期前の在庫投資が進む9月限などは本来灯油の方が高くてもおかしくない。

 ましてや1月限・2月限などは、2005年の納会値はそれぞれ1月限が−22,500円、2月限に至っては−3万円以上まで開いてから−15,060円で納会したものだった。これは特殊な例かもしれないが、灯油の需要期限月は4,000円〜5,000円は灯油が高くても不思議ではないのだが、どうも思ったようには開いてくれない

 例えばガソリンが本来高い3月限〜8月限の限月も、今年は納会間際になってから大きく変化するパターンだったため、5,000円もガソリンの方が高い9月限なんぞも、最後の最後で納会一発でサヤ訂正になるのかもしれんが、今更納会勝負で仕掛けるのも怖い。全くおかしげなサヤだ。

 

 …中略…

 

 8月5日時点の在庫は、前週比9.5%増325.3万kl。14週連続の増加である。今は使わないのだから増加するのも当たり前だが、今のままの増加ペースでは9月末時点適正在庫と言われる400万kl台に8月末には乗る事になる。

 これは今年初めの期近8万円台相場時のような供給逼迫懸念がない事を示しており、よほど今冬の暴騰に警戒感が働いたために在庫投資を早めにしたのだろう。これではガソリンよりも大幅に安い今の状況も仕方ないと言えるわけだが、海外に出せば黙って1万円のサヤが抜けるわけで、それで在庫が減るなんて事もないとは言えないだろう。

 結論として当方の相場観は、ガソリンに対する異常とも言える割安な状態が続いているが、在庫が輸出に廻れば地合いが変わるだろう。ただしもうしばらくは、相場上昇に時間は掛かるものと思われ、横ばいの状態が続く可能性が高いだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

8月第一週の金の動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月31日

\2,347

11

\2,372

9

8月1日

\2,335

-12

\2,360

-12

8月2日

\2,385

50

\2,414

54

8月3日

\2,393

8

\2,425

11

8月4日

\2,384

-9

\2,417

-8

 

今週の金の動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月7日

\2,395

11

\2,424

7

8月8日

\2,393

-2

\2,415

-9

8月9日

\2,365

-28

\2,391

-24

8月10日

\2,408

43

\2,437

46

8月11日

\2,373

-35

\2,403

-34

 

 金相場は、7月30日号においては『上値抵抗線を抜けたら買ってついて行く相場だろう。ただし抜けなければもみ合い継続、もしくはもう一度下落の懸念もあるため、もうしばらく中立で様子見としたい。』とコメントした。

 7月31日以降の相場展開は、上げ下げを繰り返しながら10日には2,439円まで上昇。しかし週末は寄り付きで2,394円と2,400円を割る急落になるなど、まだ一本調子での上昇には繋がらない展開で終っている。

東京金日足

…削除済み…

チャートは雲の上での推移であり、買いのままの格好である。ただしまだギリギリ上値抵抗線を完全に越えるまでは至っておらず、まだもみ合いの展開に見える。

8月のFOMCでは久々に金利が据え置きとなり、金利上昇が一段落した事は金には支援材料だ。しかしインフレ懸念の増大は原油相場の動向に掛かっており、金はその動向に左右される展開からは脱しきれないだろう。つまりは原油が上がれば金も上がる、原油が下がれば金も下がるという事になるだろう。

 

NY金日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

 今週末のNY金12月限は前日比1.6ドル安の644.4ドルで終了。高値655.7ドル、安値636.5ドルと日中で19.2ドルの乱高下だ。トレンドは完全に三角持ち合いの中に入っているわけで、どこでどちらかに抜けるかが焦点だ。

なお為替は1.02円の円安で116.27円の終了。このレポートに休刊中に、雇用統計の数字が悪かったり、FOMCで利上げ見送りとなったりと材料が出たわけだが、週末の円安進行は東京時間に発表された日本のGDPが予想を下回っていた事、米小売売上高の発表が予想を大きく上回っていた事を受けてのものである。

…中略…

 結論として当方の相場観は、買いトレンドは維持されているが、まだ上値抵抗線を簡単に突破する情勢ではないだろう。ゆっくりとした押し目買い方針を選択するのがベターだろう。

 

 

銀相場は、8月3日に一目均衡表の雲の上に出ており、7月14日の高値431.2円も完全に突破した。そのため10日には、462.8円と金以上の上昇を演じている。

結局5月〜6月の下げが金以上に凄まじかったのが、対して割安感の台頭を生んで大きく上がったわけだ。

東京銀日足

…削除済み…

NY銀日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

NY銀もやっと雲の上に出てきたわけだが、週末11日は22.0セント安の急落で1188.5セントまで下げている。また完全に雲の中に入ってきており、抜けたのはダマシというか、それが売りポイントになった気配もある。

次にまた雲の上に顔を出したら、本格的な買いに変化するのだろうなあ…と思う次第だ。

 

 

8月第一週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月31日

\4,500

-44

\4,452

12

8月1日

\4,512

12

\4,463

11

8月2日

\4,598

86

\4,539

76

8月3日

\4,615

17

\4,518

-21

8月4日

\4,570

-45

\4,521

3

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月7日

\4,607

37

\4,560

39

8月8日

\4,585

-22

\4,525

-35

8月9日

\4,589

4

\4,521

-4

8月10日

\4,616

27

\4,573

52

8月11日

\4,606

-10

\4,563

-10

 

プラチナ相場は、7月30日号においては、『内部要因の変化には注意が必要だが、三尊天井型の上がりにくいチャートにはなっているものの、逆ザヤ拡大での下落相場は下値も浅いだろう。基本的にはまだ、もみ合いの域を出ないと思われる。』とコメントした。

 31日以降の相場展開は、4,400円そこそこまで一度下がった相場が反発に転じ、7日には高値で4,575円まで上昇。その後は上げたり下げたりで50円幅の乱高下の展開で、週末を終えている。

東京白金日足

…削除済み…

7月14日の4,570円で小さな三尊天井を形成したような格好となっていたところからは上昇であり、7日・10日には上に抜けたような格好にもなった。しかし5月末の4,658円をトライするには至らず、弱くも無いが強くもない格好だ。

4,658円を上抜けば完全に青天井だろうが、逆にここで上げもだえながら団子天井を形成する可能性もあり、正直言えば手を出しづらい。

週末現在の当先のサヤは、43円の逆ザヤ。是が非でも買いたいサヤでもなく、8月限納会を見守ってからでも遅く無さそうだ。

 

なお相場観の話ではないが、もうすでに気が付いている人も多いと思うが、プラチナ相場の売買のポイントとして、NY市場が急騰して入電し東京市場が高く始まったら売りNY市場が急落して東京も安く始まったら買いを入れる作戦の勝率が高そうだ。

 

さて国内取組内部要因だが、…中略…

 

 

 パラジウムであるが、雲の中での横ばいで全く妙味がない。いずれは動き始めるのだろうが、雲の上に抜けたら買ってみようかな…というところだ。

東京パラジウム日足

…削除済み…

 

 結論として当方の相場観は、プラチナは弱い相場ではないと思うが、まだ横ばいの展開から脱しきれていない。よって突っ込み買いの小幅利食いで、お茶を濁す場面だろう。

 

 

〔穀物〕

 

8月第一週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月31日

\17,150

-110

\18,930

0

8月1日

\17,250

100

\19,050

120

8月2日

\17,310

60

\19,270

220

8月3日

\16,570

-740

\19,420

150

8月4日

\16,800

230

\19,740

320

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

8月7日

\16,580

-220

\19,590

-150

8月8日

\16,440

-140

\19,280

-310

8月9日

\16,840

400

\19,420

140

8月10日

\17,100

260

\19,580

160

8月11日

\17,100

0

\19,620

40

 

7月30日号においては、『思ったほど大豊作とまでは行かない作況であり、需要面を考えればコーンは弱気から中立へと再び方針転換である。ただし大豆の場合は需要面の後押しがない事と、東京市場の大幅順ザヤを考えて、売り方針の継続としたい。』とコメントした。 

 31日以降の相場展開は、コーンは8月に入って騰勢を強め、4日には19,740円まで上昇。7月の安値から約1,000円の上昇となり、その後は8日に19,260円の安値まで約500円下げた後にもみ合いとなった。

東京コーン日足

…削除済み…

現状では雲の上の推移であり、買い有利の勢力圏での動きである。しかし2万円台に乗せてくるような力強さは感じられず、長期トレンドが完全に上向きになったようにも見えない。逆に再び19,000円台を割れてくるようならば、雲の下に抜けてくるわけで微妙だ。

 

さてそんな中、11日に米国市場では米農務省発表があり、場予想を上回る生産量予想の上方修正を受けて急落9月限は前日比14.00セント安の224.75セントと一気に7月、8月の安値を割り込む下落を見せた。

シカゴコーン日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

6月26日の221.00セントがまだ下値抵抗線として残るが、万が一これすら割り込んだら下値の目処が立たないチャートとなる。いずれにせよシカゴのこのチャートでは、仮に戻ってもそこは売り場となるのは避けられず、需給相場に入ってから『豊作に売り無し』の相場にでもならぬと買い転換は難しいだろう。

肝心の米農務省発表の詳細であるが、作付面積・収穫面積は前回発表から据え置きだが、単収を前回の149.0Buから152.2Buまで大幅に引き上げた。そのため生産高は107.4億Buから109.76億Buまで引き上げ在庫率も10.4%までの上方修正となったわけだ。

ともかくこの8月時点での単収152.2Buは史上最高であり、これを基にした生産高も史上3番目の大豊作という事になる。

このスプライズな発表を受けたファンドは、この日約25,000枚の売ったと見られているが、それでもネットで15万8600枚のロングである。まだだいぶ投げが出るんじゃないのかな?

 

 一方で大豆は、コーン同様に4日には33,500円の高値まで戻すものの、その後は下落で週末11日には32,000円の安値を記録。

 もっとも納会がらみで期近のみは今週後半に急騰したが、これは多分に岡地の営業停止問題が影響しているものと考えられる。ただこれによって、大幅順ザヤは多少詰まる事となった。

東京一般大豆日足

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さて米農務省発表があった週末のシカゴ市場であるが、9月限は前日比6.00セント安の555.50セントで終了。

シカゴ大豆日足(週末11日分は入っていません)

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米農務省報告の内容は、単収が前回7月発表の40.7Buから39.6Buへと引き下げられた。そのため生産高も30.1億Buから29.28億Buまで下方修正である。当然の事ながら期末在庫率も18.7%から15.0%へと下方修正された。

ただし専門家は、何でコーンの単収が引き上げられて、大豆が逆に引き下げられたのかさっぱり判らんとしている。USDAだけにうそだ…というジョークは、昔から言われることではあるが。

ともかく大豆の発表は強材料だったわけだが、それでも冷静に考えれば在庫率はコーンよりも多いわけであるし、当日のシカゴ市場は当初は高寄りしたものの、コーンの下げに誘発されて値を消したわけだ。

ファンドはこの日6,000枚程度売ったと見られ、週末現在で推定48,500枚のショートとなった模様。

 

 結論として当方の相場観は、米農務省発表はコーンの大豊作としており、これを信じるならば今後ファンドの大量売りが誘発される危険性が高い。大豆も単独で買われるとは思えず、駄目押しの下げが到来するだろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

8月第一週のゴムの値動き

 

8月限(先限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月31日

278.6

7.3

277.4

8.8

8月1日

281.7

3.1

277.0

-0.4

8月2日

285.1

3.4

280.5

3.5

8月3日

283.8

-1.3

278.6

-1.9

8月4日

278.1

-5.7

271.7

-6.9

 

今週のゴムの値動き

 

8月限(先限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月7日

273.0

-5.1

263.6

-8.1

8月8日

273.0

0.0

263.8

0.2

8月9日

272.9

-0.1

265.0

1.2

8月10日

275.8

2.9

270.8

5.8

8月11日

273.6

-2.2

266.5

-4.3

 

7月30日号においては、『教科書どおりの三尊天井決定からの下げ相場であり、戻り売り一貫の相場展開はまだ続くだろう。とコメントした。

 31日以降の相場展開は、260円割れが回避された事を好感して一度大きな戻りが入り、2日には283.3円まで上昇。安値から20円以上戻ったわけだが、その後はまた反落に転じて8日には262.2円まで下落

 ただしこれも7月26日の260.9円を割り込まなかった事から、W底も意識されて、下げ渋って週を終えている。

東京ゴム日足

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6月に320円台で天井を打ったチャートは、まさに教科書どおりの三尊天井型チャートであり、戻りは出たものの所詮トレンドは下げ継続を示唆している。下値目標値は4月末の上昇相場の起点である250.4円であろうし、それを割り込めば238.9円となる事に変化はないだろう。

ただしまだ下げ渋った場合は、やはり260円どころでのW底を意識されるのも当然で、260円〜280円でのもみ合いをしばらく行なう可能性もある。

 

 当先のサヤは8月限273.6円〜1月限266.5円と7.1円の逆ザヤ。ただしこの8月限を除けば、9月限264.2円〜1月限266.5円と2.3円の順ザヤである。少なくとも『逆ザヤに売り無し』を手掛かりに、買いを考えるような相場ではなくなっている。

 週末現在の輸入採算価格は、9月積みで275.6円。東京市場9月限の終値は264.2円であるため、11.4円の下ザヤである。10円前後のほぼ適正なサヤという事になるが、8月限納会後にサヤ出世できるのかどうかが焦点だろう。

 産地の供給は徐々に回復気味。280円台まで戻った時点では、タイ南部でのテロが買い材料ともなったわけだが、その後は落ち着いているようで特に大きな材料とはなっていない。

 7月31日現在の国内営業倉庫在庫は、948トン減の9,388トン。1万トンを割り込む減少だ。

 以上の3点では、1対1の中立と言えるだろう

 

 週末現在の取り組みで…中略…

 結論として当方の相場観は、強くて270円〜280円台を高値、260円を安値とするもみ合いだろう。逆に弱ければ260円を一気に割り込むと、大きな下げがまた到来すると見る。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

8月第一週のアラビカコーヒーの動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比 

7月31日

\14,060

70

\19,430

440

8月1日

\13,870

-190

\19,360

-70

8月2日

\13,730

-140

\19,280

-80

8月3日

\14,400

670

\20,070

790

8月4日

\14,400

0

\20,100

30

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比 

8月7日

\14,030

-370

\20,090

-10

8月8日

\14,150

120

\20,290

200

8月9日

\14,210

60

\20,410

120

8月10日

\14,990

780

\20,600

190

8月11日

\15,130

140

\20,300

-300

 

7月30日号においては、『戻りはあっても一過性だろう。大幅順ザヤが縮小しない限り、東京市場での買い妙味はないだろう。』とコメントした。

 31日以降の相場展開は、3日のストップ高の急騰でいきなり上昇に転じた相場が、10日には20,620円まで上昇。週末は若干下落したが、それでも2万円台を維持する展開で終了している。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

6月14日に記録した18,120円は割り込まず、7月27日18,720円を安値として10日の20,620円まで上がったわけだ。これは7月3日の20,690円までの上昇幅2,570円には及ばぬが、1,900円幅の上昇となる。

弱く見るのであれば、これでWトップ形成と考えても良いだろう。当方は基本的に売り方なので、この見方を支持したい。

 

 ただし一方で、支持はしないけれども逆の見方もある事はご紹介しておく。それは18,000円台でW底であり、相場は25,000円〜3万円を目指しているとの説だ。具体的な材料が何なのかは判らぬが、現状で…中略…

 

週末現在の当先の順サヤは9月限15,130円〜7月限20,300円と5,170円。一時は6,000円以上開いたのだが、そこからは多少縮小した。

なお9月限は前回同様に期限切れの玉があるため安いのだが、11月限以降は違うのだとの意見も聞くが、11月限17,620円〜7月限20,300円のサヤ2,680円も決して小さいサヤとは思えない。

 

NYコーヒー日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

2日・3日に長い陽線を引いて一気に雲の上に出て買い転換した相場だが、その後はもみ合って9日の109.20セントが直近の高値である。今週末は前日比1.25セント安の104.30セントで終了だが、ちょうど雲の上で止まったところだ。

チャートだけを素直に見れば、この押しは買ってみるところ。ただし雲の中に突入したら、また売り転換とまでは言わぬが弱くなる。

ただし材料はといえば、ベトナムを中心としたロブスタコーヒーの需給逼迫がアラビカコーヒーも引っ張っているだけで、アラビカの中心産地のブラジルには不安はない。降雨量が少ない事を材料視している向きもあり、それは次年度の生産のための開花に問題を残すとの見方もあるが、現在は今年度の収穫期であり晴れている方が収穫増となるわけだ。下げ始めれば、一転それが売り材料になる可能性も有ろう。

…中略…

 結論として当方の相場観は、10日の20,620円でWトップを確認した相場と見る。所詮は一過性の上げ相場だったのではないかと考える。

 

 

 なお解説をやめてしまった粗糖相場だが、たまに問い合わせがあるので今回もチャートだけをアップしておきます。

○東京粗糖日足

…削除済み…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

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