商品市況展望 割愛版

平成18年10月22日記

 

 米中間選挙が11月7日(火)に行なわれるが、商品市場も株式市場もそれに向けての腹の探り合いの展開だ。

 例えば原油であれば、中間選挙までは高騰するとガソリン高に繋がるため、ブッシュ共和党政権は何とか値を押さえるのではあるまいか?とか、穀物相場に関しては農民票獲得のための高値容認政策を採るかも?とか。また株式市場であれば、11月7日までは共和党にとって急落をしてもらうと困るのは誰が考えても判る話で、それまでは下がらないのか?とか…
 いずれにせよ相場の世界は、政治の世界と密接に関係がある事は間違いないだろうし、注目せざるを得ない。ただしとんでもない陰謀説などを信じるのは、どうかと思う。ユダヤの陰謀とか、フリーメンソンがどうしたとか、そういう眉唾物の話は確かめようもないわけで、読み物として楽しむのは勝手だが、それで相場に金を賭けるのはどうかと思う。

 なお米中間選挙の基礎知識は、下記のサイトが判り易かった。ご参考に…

http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20061002A/index.htm

 

 選挙予測については、イラク戦争の泥沼化もあって民主党有利とのコメントがマスコミの大勢を占めるが、本当にそうなのかは多少割り引いて考える必要があるだろう。基本的にマスコミは民主党寄り=左寄りである事は事実で、それは米国も日本も一緒だ。

 ただし日本にとって、今日は共和党政権下では比較的日米関係は良好であるが、民主党政権下では逆風が吹く事が多い。ブッシュの前のクリントン政権下で、親中政策を採る同大統領に如何にいじめられたかを思い出すべきだ。日本経済にとっては、もしも2年後にヒラリー・クリントン大統領誕生などとなれば、悪夢でしかないだろう。もちろん北朝鮮の核問題、拉致被害者問題解決に向けては、共和党政権下の方がマシだと思うけどね。

 

 さてそんな話は置いといて、中間選挙を前にした米株式市場は右肩上がりの上昇であり、すでに12,000ドル台の新高値を更新中。選挙が終れば一度ズルッと下がるのかな?などを考えてしまう。

 一方で東京市場も上昇はしているが、明らかにNY市場には遅れ気味だ。上がらぬのには、上がらぬ原因があるのだろうから必ずしも追随するとは限らないのかもしれないが、最近は当方も日経225先物を手掛けているゆえ、この動向には注目している。

    日経平均株価・NYダウ比較

…削除済み…

商品に関しては、今一番注目しているのはCRB指数だ。これは代表的な商品指数であるが、現在きれいな逆三尊底を形成している。この指数の構成品目は石油・貴金属・穀物・コーヒーなど代表的な商品19品目であるが、その値動きには卵が先かニワトリが先かという問題はあるが、商品全体としては底入れを確認したのだろうと見ているわけだ。ご参考に…

    CRB指数

…削除済み…

 

 

 

〔石油製品〕

 

前週の原油の動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月10日

\43,110

630

\44,430

880

10月11日

\42,500

-610

\43,640

-790

10月12日

\42,400

-100

\43,600

-40

10月13日

\42,480

80

\43,730

130

 

今週の原油の動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月16日

\42,780

300

\44,580

850

10月17日

\43,070

290

\44,950

370

10月18日

\42,790

-280

\44,740

-210

10月19日

\42,430

-360

\43,850

-890

10月20日

\42,640

210

\44,480

630

 

 まずは原油から…先週号の縮小版においては、『原油自体に買い材料はないと思われるが、戻るとすれば目先はW底型のチャート要因だろう。ただし戻っても45,000円どころがまた限界と思われ、引き付けて売る作戦が良いだろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、17日には45,190円まで上昇するものの、その後反落して19日に43,750円まで下落。週末はまた44,000円台半ばまで戻したため、44,000円を挟んだ攻防で終った。

 なお相場観については、高値を付けた17日にCRB指数が逆三尊を完成したため、前場の概況でコメントしたとおり、戻り売り作戦を変更で押し目買い作戦へと転換した。もっともその後下げたわけだし、週末のNY原油はなお下げているのだから(週明け予想換算値890円安)、変更しなければ良かったのかな?という展開。45,000円で売っておけば、とりあえず1,000円ほどは取れたのだから…

    東京原油日足

…削除済み…

A・Bのポイントから反騰した相場は、上値抵抗線=ネックラインである45,690円を突破すればW底の完成となる。しかしそれを目前に足踏みしている格好であり、もみ合いの展開となっている。

A・Bでは指数の逆行現象も出ており、おそらく42,280円は当面の底値であり、42,400円は2番底であろう。それを割れたらまたチャートが壊れてしまうのだが、逆にネックラインである45,690円を突破できれば、相場付きはがらっと変わるだろう。

ただし一目均衡表の雲は49,600円どころまで上がらないと突破できないため、それにはまた大きな買い材料が出なければ難しい。また5万円台に突入するほどの材料も今は思い付かないため、この辺で逆張りの展開となるのが妥当な考え方かもしれない。広く見て43,000円〜48,000円のレンジかな?と考える次第。

 

    NY原油日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

こちらのチャートも指数の逆行現象は出ているが、東京市場と比較すれば明らかにまだ弱い情勢だ。なお週末20日の終値は前日比1.68ドル安の56.82ドルと安値更新であり、当日に安値は56.55ドルまで出ている。

ただし指数は57.22ドルを記録した12日のポイントを割り込んでいないと思われ、これで3段逆行の形成だ。このまま更に下がったら崩壊するが、戻るようなら底入れだろう。

なおNY原油の下落のわりに東京市場が下げないのは、ドバイ原油・オマーン原油の中東産原油が下げないためだ。20日の終値はドバイ56.06ドルオマーン58.08ドルとなっており、NY原油の56.82ドルと変わらない。通常は軽質油のWTI原油が5ドルほどは高いのだが、さてこの油種間のサヤ詰りは何を意味しているのだろうか?

 

さて原油自体の材料であるが、OPECが原油価格の急落を受けて減産を決定。事前予想の100万バレルよりも多い120万バレルの減産に踏み切った。これで戻った相場なのだが、週末のNY原油は早くもその実施に懐疑的な見方が広がり、安値更新となったわけだ。

相場高騰時に幾ら増産しても輸出余力が無くなると高騰を止められなかったわけであり、減産=強材料にはならぬとは以前からコメントしているところ。当方がここに来て相場観を変えたのも、別に減産を評価しての事ではない。あくまでもチャートが底入れを示唆しそうだからだ。

ただしOPECはなお原油価格が下落すれば、12月には更に50万バレルの減産を行なうと示唆しており、冬場は原油の最大需要期でもある。駄目押しの下げを売り込めば、一度はあごを刺される急騰にぶつかるのではあるまいか。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、OPECの減産はきちんと実施されるかどうかも懐疑的で強材料にはなっていないが、チャートは底入れを暗示している。目先は逆張りだろうが、突っ込み買いが有利ではないかと考える。

 

 

前週のガソリンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月10日

\54,000

1260

\57,620

1380

10月11日

\52,940

-1060

\56,270

-1350

10月12日

\53,510

570

\56,820

550

10月13日

\53,680

170

\56,790

-30

 

今週のガソリンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月16日

\54,450

770

\58,180

1390

10月17日

\54,540

90

\58,750

570

10月18日

\53,760

-780

\58,800

50

10月19日

\52,940

-820

\57,570

-1230

10月20日

\53,150

210

\58,780

1210

 

 続いてガソリンです…先週号の縮小版においては、『54,000円台は当面の底値かもしれないが、6万円大台を抜けるような上昇相場に転じるとは思えない。58,000円以上を売り上がれば、利が取れるだろう。』とした。

 今週の相場展開は、57,000円台〜59,000円台でのもみ合い乱高下。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

A・Bでの指数の逆行からW底型チャートの形成中であるが、ネックラインである59,150円を抜けば完成となる相場が、NY原油安の影響で抜け切れずにいる格好である。

あまりにもたもたするようなら、もう一度55,000円そこそこまで下げて逆三尊を形成するのかもしれないし、先の59,150円を突破すれば一度踏み上げ相場が来るのかもしれないし、と悩ましいところである。

 

さて今週も各限月別の推移を見てみると、

11月限 発会値67,500円 高値68,790円 安値50,260円 現在値53,150円

12月限 発会値65,250円 高値69,540円 安値50,660円 現在値53,930円

1月限 発会値63,660円 高値70,360円 安値51,280円 現在値54,390円

2月限 発会値68,810円 高値70,790円 安値51,960円 現在値55,530円

3月限 発会値67,000円 高値67,520円 安値53,170円 現在値57,260円

4月限 発会値57,300円 高値59,150円 安値54,260円 現在値58,780円

 10月4日に全限一代安値更新の後は、高値も安値も更新はしていない。もっとも4月限はともかくとして、3月限以前の限月が高値更新など今は考えられない事だが。

 

…中略…

 10月14日時点の在庫は、前週比0.5%減203.6万kl。このところはずっと適正在庫の200万kl近辺での推移であり、変化していない。

 結論として当方の相場観は、10月4日の安値54,260円で底は入っているだろう。59,150円を突破すれば踏み上げの可能性もあるが、逆にまだ調整が続いた場合は55,000円台まで下げて逆三尊底を形成するだろう。

 

 

前週の灯油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月10日

\54,120

1530

\55,850

1580

10月11日

\53,080

-1040

\54,630

-1220

10月12日

\52,950

-130

\55,300

670

10月13日

\52,640

-310

\55,040

-260

 

今週の灯油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月16日

\53,150

510

\56,400

1360

10月17日

\53,210

60

\56,970

570

10月18日

\52,400

-810

\56,720

-250

10月19日

\51,500

-900

\55,530

-1190

10月20日

\52,420

920

\56,720

1190

 

 最後に灯油です…先週号の縮小版においては、『56,000円台は上には抜けないと見て売り場だろう。しかし万が一57,260円を抜けたら、チャートに敬意を表して売り玉は総撤退である。』とコメントした。

 今週の相場展開は、17日には57,340円と2日の57,260円を上抜け。しかしそのまま上昇とはならず、19日には安値で55,170円まで下落。2,000円幅程度のもみ合いで終了となった。

    東京灯油日足

…削除済み…

A・BでW底となった相場は、ネックラインを突破して完成。しかしそこがダマシとなって下落する辺りは、最近の相場は意地が悪いと言うか難しい。ダマシかな?と慎重になればそのままその方向へ進むしね。

ただしいずれにせよW底は完成しており、これがもう一度Aポイントの54,000円どころまで下げたとしても逆三尊を形成するだけ10月4日の52,140円は底であり、押し目買いには完全に変化していると考える。

 

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

11月限 発会値70,300円 高値71,760円 安値51,080円 現在値52,420円

12月限 発会値69,340円 高値72,380円 安値52,920円 現在値55,260

1月限 発会値68,440円 高値73,170円 安値54,850円 現在値57,820

2月限 発会値70,300円 高値72,600円 安値55,400円 現在値58,900円

3月限 発会値67,830円 高値68,000円 安値54,400円 現在値57,980円

4月限 発会値53,880円 高値57,340円 安値52,140円 現在値56,720円

 4月限は17日に一代高値更新であり、10月4日が全限一代新安値である

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

10月20日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

11月限

\53,150

 

\52,420

 

730

12月限

\53,530

380

\55,260

2,840

-1,730

1月限

\54,390

860

\57,820

2,560

-3,430

2月限

\55,530

1,140

\58,900

1,080

-3,370

3月限

\57,260

1,730

\57,980

-920

-720

4月限

\58,780

1,520

\56,720

-1,260

2,060

 今春の灯油が異常に高かったサヤ状態。現在の期近の灯油が異常に安いサヤ状態で、鞘取り筋はすでに壊滅状態だろう。11月の灯油がガソリンよりも安い状態が今になっても続くなど、一体誰が想像したことか。

 あまりにもこのサヤが当てにならないので仕掛ける気も失せるが、それでも敢えてコメントするならば3月限のガソリン買い・灯油売りが良いだろう。このところ700円ほど良くなってきたが、本来ならばガソリンの方が高いのが普通だ。

 

…中略…

 10月14日時点での国内在庫は、前週比2.9%増540.3万kl。24週連続の増加であり、前年のピークである517万klをすでにオーバーである。こんな状態の中で、今冬の北海道は平年並み〜暖冬の予測であり、輸出に廻す以外に在庫整理の道はない?

 そうは言っても、元々現在の先物4月限はすでに不需要期限月であるゆえ、現在の在庫が相場に直接的な影響を与えるとも思わないが…

 結論として当方の相場観は、材料を考えると全く買える相場では無いが、チャートはすでにW底を形成した。仮に再度の下落があったとしても、逆三尊底となる可能性は高いと見て、押し目買い方針へと転換である。

 

 

 

〔貴金属〕

 

前週の金の動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月10日

\2,215

43

\2,235

45

10月11日

\2,195

-20

\2,217

-18

10月12日

\2,209

14

\2,229

12

10月13日

\2,219

10

\2,239

10

 

今週の金の動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月16日

\2,277

58

\2,298

59

10月17日

\2,280

3

\2,304

6

10月18日

\2,256

-24

\2,273

-31

10月19日

\2,250

-6

\2,269

-4

10月20日

\2,280

30

\2,307

38

 

金相場は、先週号の縮小版においては『穀物相場発のインフレ懸念再燃により、2,300円どころまでは戻るかもしれない。しかし大勢トレンドが買いに転換したとまでは考えづらく、どこで売るかを探す局面であろう。』とコメントした。

 今週の相場展開は、17日には2,310円まで上昇するものの、その後反落して2,260円台まで下落。しかし週末はまた2,300円台まで戻り、もみ合いの展開となった。

 なお相場観は前場の概況にて、戻り売りから押し目買いへと相場観を転換。CRB指数が逆三尊の底を形成してしまった事が、その根拠となっている。

東京金日足

…削除済み…

まだ長期の上値抵抗線は突破しておらず、一目均衡表の雲の上に出るのも2,350円台まで上がる必要はある。またA・BのW底を確認するためには、ネックラインである2,316円を突破する必要もあり、ぎりぎりまだそこまでは届いていない格好である。

とすればまだ戻り売りである、との見方も採れるわけだが、もっと大きく下がるのならば2,143円などでは止まらずに6月の安値2,079円をトライしたはずだ!との思いもあり、この辺は微妙な勘所という事になるかもしれない。

なおW底ではなく逆三尊ならば、もう一度2,200円割れで底を打つとの可能性も考えておく必要はあるだろう。

 

NY金日足(週末20日は入っていません)

…削除済み…

週末のNY金12月限は、高値で606.0ドルまで上昇したものの、その後反落して前日比6.1ドル安の596.4ドルで終了。週明けの東京市場は27円安換算だ。

こちらも4日の563.5ドルでW底を打っていると考えているが、ネックライン609.2ドルを突破して完成であり、その辺は一目均衡表の雲、長期の上値抵抗ラインと抵抗線が重なるところである。

それを抜ければ完全に相場は立ち直るだろうし、逆にもう一度安値を手繰りに行くとしても570ドル辺りで逆三尊を形成するか。

当方は元々大崩れを予測していたのだが、下がらず反発したため現状では強気に転換である。ただし難しい局面である事は事実で、買い方・売り方の攻めぎ合いが続く局面だろう。

…中略…

また金市場には以前よりカリフォルニアの年金基金カルパースが参入するとの話題はあるが、当方が売っている時はそんなカルパッチョみたいな名前のところが金市場に参入すると言っても、それで上がるとは限らないだろう…などと冷ややかに見ていたのだが、逆の立場になると頑張れ!カルパースである。投機家というのは、そのくらいいい加減なもんだ…(笑)

 結論として当方の相場観は、2,143円で底入れを完了している相場だろう。大勢ではまだ上に抜けていない相場であるが、押し目買い方針で浮上を待つのが良いだろう。

 

 

銀相場は、一目均衡表の雲の中を下抜けた10月5日400.9円が底値となり反発。週末は459.3円まで上昇であり、これは雲の上に抜けたところだ。

○東京銀日足

…削除済み…

 チャートでは10月5日の安値が下抜けの売り転換ポイントであり、そこが売り場である。それが底となって上昇する姿は、完全にダマシの姿

 現状では雲の上に抜けて買い転換したところ。ただし週末のNY銀は急落であり、これもまたダマシなのか?そう思っていると、週明けが底でそのまま上がるかもしれないし、最近の相場はチャート上のダマシがこの一目均衡表だけでなく良く出るため、非常にやりにくい展開だ。

NY銀日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

こちらは大勢では三角持ち合いの中に居る姿。いずれはどちらかに放れて、大相場がまたやって来るのだろうねえ。

 

 

前週の白金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月10日

\4,128

56

\4,032

35

10月11日

\4,101

-27

\3,994

-38

10月12日

\4,130

29

\4,020

26

10月13日

\4,102

-28

\4,009

-11

 

今週の白金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月16日

\4,180

78

\4,070

61

10月17日

\4,194

14

\4,112

42

10月18日

\4,136

-58

\4,036

-76

10月19日

\4,135

-1

\4,035

-1

10月20日

\4,185

50

\4,063

28

 

プラチナ相場は、先週号においては、『4,135円オーバー辺りまでの戻りを待っての売りが良いだろう。目先は戻りやすい相場と考えるが、急騰するほどの展開にはならないと見る。』とコメントした。

 今週の相場展開は、17日に4,117円まで上昇するものの、その後は反落。ただし下値も固く、4,000円台半ばでのもみ合いの展開で終了した。

東京白金日足

…削除済み…

5月から6月の下げは13日間で584円9月の下げは11日間で599円。そして10月の下げは4日間で386円の後にもみ合いである。なお今回の下げを高値から計算すると、都合767円の下げでもある。

今のところ上値抵抗線Aの4,135円と下値抵抗線Bの3,967円でのもみ合いであるが、急落してきたトレンドの線上辺りに位置しているところでもある。

今後の金相場や原油相場次第の展開でもあろうが、とりあえず4,000円割れで下げ止まった感もあるため、目先はもうちょっと戻すのではなかろうか?とりあえず高値から767円下げた分の3分の1戻し、ズバリ4,242円辺りまで戻してその後更に上がるのか?あるいは戻りいっぱいでまた下げるのか?の相場ではなかろうかと見ている。

 

週末現在の当先のサヤは、122円の逆ザヤ。暴落前の9月7日の時点では、当先のサヤがゼロ。逆にこれだけ逆ザヤが拡大すれば、目先は下げづらいのが当然だろう。売り人気はまだまだ強いようだが、普通ならば一度戻ってから考える場面だろう。

また国内取組内部要因だが…中略…

 結論として当方の相場観は、目先は上げもだえてもいるが、逆に底堅い展開とも言え、まずは4,200円台半ば辺りまでの反発があるのではなかろうか。押し目買い方針である。

 

 

 なおパラジウムであるが、まだ大きな三角持ち合いの中にはいるが、東京・NYともに一目均衡表の雲の上に出て来ている。プラチナと比べれば、なぜか強い格好である。

東京パラジウム日足

…削除済み…

NYパラジウム日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

 

 

 

〔穀物〕

 

前週のコーンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

10月10日

\20,370

850

\21,400

H400

10月11日

\19,950

-420

\21,550

150

10月12日

\20,050

100

\21,390

-160

10月13日

\20,210

160

\21,790

H400

 

今週のコーンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

10月16日

\20,880

H600

\22,870

 

10月17日

\21,480

H600

\23,230

360

10月18日

\21,650

170

\23,050

-180

10月19日

\21,710

60

\23,310

260

10月20日

\21,640

-70

\22,710

L600

 

先週号の縮小版においては、『コーンは短期的な上げ過ぎの調整安は必ずあると思うが、米農務省発表のサプライズで、大勢では4ドル及び来年4月までの上げ相場の道中だろう。大豆は強材料はないのだが、チャートが転換しそうであり、そうなれば一度売り玉を撤退する以外にはないだろう。』とコメントした。 

 今週の相場展開は、コーン19日に23,310円まで上昇三角持ち合い上放れ、一目均衡表での雲の上に抜けたところからでも、およそ4,000円は上がった計算になる。さすがに週末は600円安のストップ安で引けたが、これだけ上がった相場が多少下がるのは、ある意味当然と言える。

東京コーン日足

…削除済み…

三角持ち合いをどちらかに放れたら大相場になるぞ!と前々からコメントしていたが、まさかここまで伸びるとは思わなかった。当初は大した材料もなく、小麦に連れ高していただけだったのが、米農務省報告でのサプライズで完全に舞い上がった相場である。

なおこのチャートでは週明けに先物11月限が順ザヤで発会したため、今週は上げもだえているように見えるわけだが、限月別では週末まで一代高値を更新した限月が多く、順ザヤも大きく詰まっている情勢だ

先週末の9月限のストップ高21,790円と、11月限の発会値23,100円との間には1,310円幅の大きな窓があり、今後更に調整安が出たとしてその窓埋め辺りまでの下げ、ズバリ高値の23,310円からは1,520円程度の下げがあれば、そこは買い場となるのではなかろうか。

なおここまで相場が育ってしまえば、必ずしもシカゴ市場と連動しないケースは想定しておくべきだ。理屈で高いの安いのと言っても、上がれば売り方はびびるし、下がれば買い方がびびる。ちょっとした動きが心理的なプレッシャーとなり、簡単にストップ高・ストップ安が付いても不思議では無いだろう。

 

シカゴコーン日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

あれよあれよと言う間に新高値更新で、17日には324.50セントまで上昇。週末は前日比3.25セント安の312.75セントで終了だが、一度は3ドル割れまで下げても不思議ではない。

しかし03年型相場に近い動きであり、シカゴコーンが10月に天井を打つのは考えづらい。どこかで農家の換金売りなどが出て一度は大きく下げるのだろうが、大勢では来春の天候相場開始までは上がると考えるのが良いだろう。

…中略…

 

 さてここで03年型相場の説明をしておきたい。この年は豊作であったにもかかわらず、9月から上げ始めた相場が需給相場期に騰勢を強め、翌年の4月天井まで大きく上げていった相場である。

シカゴ小麦・コーン・大豆比較

…削除済み…

この年は大豆の急騰が目覚しかったわけであり、要因は中国の輸入拡大。何と10ドル相場を記録したわけだ。この穀物3品は概ね上がれば上がる、下がれば下がるパラレルな動きはしているが、その年の情勢によって天井及び高値はずれている。

なお今回は明らかに小麦が先導している相場だが、コーンがそれを追いかけているわけである。ただし04年の高値を抜いた小麦に対し、コーンはまだ届かず。大豆に至っては今年の高値もまだ抜いておらず、かなり遅れていると言ってよい。

大豆の需給は小麦・コーンと比較して明らかに良くないわけで、まさか04年の10ドル相場など考えていないが、7ドル相場程度ならあっても不思議ではないかも。それは次の大豆のコーナーで解説する。

 

 一般大豆は、週末まで続騰となり36,310円7月4日の高値34,900円を大きく上抜いた。ただし今年の最高値である36,900円にはまだ届いていない

東京一般大豆日足

…削除済み…

RSI指数は70ポイント越えて騰勢を強めており、このような70ポイントを越えてから下がらぬ相場は怖いパターンだ。

大豆自体の需給は小麦・コーンと比べれば良くないわけだが、出遅れ感の台頭は南米の作付け、及び米国の来年の作付けが小麦・コーンに面積を取られるのではないかとの懸念を生み、潜在的な買い材料になって来ている。

東京NGMO大豆日足

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NON大豆は週末に、大きな上ひげを引いて陰線引け。コーンがストップ安まで売られた後に最終立会いを行なったためこうなっている。よって後場2節で立会いを負えている一般大豆も、週明けに同じような調整をいれる可能性はあるが、下げは両商品とも最大2,000円程度を見ておけば良いのではなかろうか。

東京コーン・東京一般大豆比較

…削除済み…

今年の高値を抜いたコーン。まだ到達していない大豆の動きは、これを見れば判り易いのではなかろうか。

 

…中略…

さて推奨していたNON大豆12月限の売り方針であるが、このような情勢の中で週明けにすべて手仕舞い。先物は上げてもこの限月は上がらず、32,000円台で手仕舞い出来たのは幸運だった。

おそらくコーンは今後も上がるとすればサヤを詰めながら上昇するのだろうが、大豆は先物を中心にサヤを拡大して上がるだろう。そんな中で12月限の割高感もなくなると思われ、売っている意味は見出せなくなったための手仕舞いである。

 

 結論として当方の相場観は、コーンは高値から1,500円程度の調整安場面が買い場となるだろう。大豆は最大2,000円程度の押しはあるかもしれないが、出遅れ感から押し目買い商品へと変化しただろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

前週のゴムの値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月10日

215.7

-10.6

222.1

L10.0

10月11日

206.9

-8.8

216.7

-5.4

10月12日

211.8

4.9

224.8

8.1

10月13日

211.2

-0.6

222.9

-1.9

 

今週のゴムの値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月16日

218.5

7.3

231.1

8.2

10月17日

224.5

6.0

236.0

4.9

10月18日

221.1

-3.4

231.0

-5.0

10月19日

225.0

3.9

234.9

3.9

10月20日

222.6

-2.4

233.5

-1.4

 

先週号の縮小版においては、『210円〜240円での間で手口次第の乱高下となる可能性が高いだろう。どちらかと言えば突っ込み買いに分がありそうだ。とコメントした。

 今週の相場展開は、230円台でのもみ合いの展開。突っ込みは買われるが、240.5円のネックラインを抜く相場の出現にはならずの展開であった。

東京ゴム日足

…削除済み…

9月25日の200.6円を底値としたA・B・Cの逆三尊底型チャートの形成中であるが、ネックライン240.5円を突破すれば完成する。

しかし現状では一目均衡表の雲で抵抗を受けているような情勢であり、まだ若干もたついている状況だ。貴金属相場、原油相場などももたついているのも、上げ切れない一つの要因だろう。

 

 当先のサヤは10月限222.6円〜3月限233.5円と10.9円の順ザヤ。順ザヤは若干拡大しており、納会〜次の4月限発会の頃にどのように変化しているのか注目だ。

 ともかくこのゴム市場においては、順ザヤが大きくなれば商社・シッパーは産地よりも割安でもヘッジができる。つまりは売りを入れることが出来るという事であり、単なるサヤ滑りだけではない売り圧力になる。逆に逆ザヤともなればヘッジ売りが不可能となるわけで、サヤの変化は相場の変化と言われる所以だ。もっとも10円程度のサヤは、どうこう言うレベルではないが…

 週末現在の輸入採算価格は11月積みで234.5円東京市場11月限の終値は224.8円であるため、9.7円の下ザヤである。ほぼ適正なサヤ状態であり、何という事はない。

 9月30日現在の国内営業倉庫在庫は、763トン減の9,453トン。1万トンの大台割れであるが、これは織り込み済みで次回どうなるかだ。

 以上の3点では、すべて中立である

 

週末現在の取り組みで…中略…

 総合して今ひとつ決定打のない展開に見えるわけだが、このような時は何らかの材料が出れば一気に動く。またチャートパターンの変化によっても、一気に同方向への加速が出る可能性がある。

 仮に上昇するパターンがあるとすれば、産地の生産障害の報などが出て、240.5円を上抜けば一気に踏みが誘発され、250円どころまで上がる…なんてパターンも無しとはしない。

 結論として当方の相場観は、逆三尊底形成中であるが、もたつく場合はもう一度220円台前半までは売られるだろう。逆に逆三尊完成となれば、一気に踏み上げで250円どころまで上がる可能性もある。どちらに動くかは、材料次第だ。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

前週のアラビカコーヒーの動き

 

11月限(先限)

前日比

9月限(先限)

前日比 

10月10日

\17,280

-320

\20,470

-10

10月11日

\17,660

380

\20,730

260

10月12日

\18,400

740

\20,900

170

10月13日

\17,990

-410

\20,800

-100

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

11月限(先限)

前日比

9月限(先限)

前日比 

10月16日

\17,770

-220

\21,000

200

10月17日

\17,340

-430

\20,610

-390

10月18日

\17,520

180

\20,570

-40

10月19日

\17,630

110

\20,710

140

10月20日

\17,510

-120

\20,620

-90

 

先週号の縮小版においては、『まだ横ばいの相場展開だろう。市場の目は穀物に向いており、コーヒーはまだ大きく動かないと見る。』とコメントした。

 今週の相場展開は、2万円台後半でのもみ合いに終始。穀物相場に人気を奪われた格好で、出来高も低迷している状況だった。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

現状では一目均衡表の雲の上限辺りでの推移。一応はまだ長期上昇トレンドに乗っている格好ではあるが、21,000円台でのWトップ型にも見えるため、頭の重い展開となっている。

 現状では穀物相場の高騰によって、アラビカコーヒーにも出遅れ感がある=いずれは舞い上がるとする向きもあるが、内部要因などで見る限りまだファンドの買いも大手筋の買いも見られない。むしろダラダラと下げる可能性の方が高そうに見える取り組みだ。ただしロブスタコーヒーに関しては、逆ザヤからの上昇傾向が続いており、それがアラビカにも波及してくるようなら怖い。

 もっともNY市場の目を向けると、チャートは国内がまだ底堅い格好に見えるのとは逆に、崩れてきたような格好になっている。

NYコーヒー日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

三角持ち合いを下放れたようなチャートとなってきており、一目均衡表の雲の下に抜けつつある姿だ。まだ100セント割れとはなっていないが、仮に大台を割れるような事があったら、心理的にも大きく弱気に傾きそうだ。

…中略…

 

さてコーヒー自体の材料であるが、産地ブラジルの開花期は適度な降雨と晴天によって順調に推移。ファンドが売っているのはこのためだろう。一方で強材料としては、世界需給が需要の拡大で価格は底堅く推移するとの観測もあるわけだが、今のところそれを囃して買い策動をするところは出ていないわけだ。

 結論として当方の相場観は、東京市場はまだ強そうなチャートであるが、NY市場では完全に壊れかけている。よって若干軟調な展開を予測するが、穀物相場に人気を取られているために、大きな値動きはないだろうと見る。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

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