商品市況展望 割愛版
平成18年11月26日記
当方がこの業界に入った頃は、商品先物取引のビックプレイヤーと言えば仕手筋であり、静岡筋と呼ばれた栗田氏、桑名筋と言われた板崎氏などがビックネームであった。ゴムなどでも仕手戦はあったが、メインは小豆や繭糸と言った国内商品であり、板崎氏の経営する川村商事(元々は桐生の相場師・川村佐助氏が経営していたのを買い取ったと記憶している)が小豆の仕手戦で吹っ飛んでしまった頃だった。
それ以前の仕手戦の話は、例えば静岡筋がゴムの仕手戦失敗で200億円の損失を出したが華麗にまた復活した話や、同筋が生糸相場で3万枚の買い玉を持ちながら伊藤忠商事と真っ向から戦った話などを、当時のベテラン上司に聞いたものだった。当方が入社した会社が、静岡筋の機関店だったからどうしても栗田氏の話が多くなるのだが…
セールスを始めた頃はちょうど繭糸相場が凄まじかった頃で、現フジFオーナーの寺町筋、ポルシェ筋と言われた麻布自動車=渡辺氏、勝馬筋、新田牧場などなど群雄割拠の時代であった。なんと言っても凄まじかったのが、まむしの本忠こと本田忠氏であり、自分の経営する会社である大倉商事を吹っ飛ばしてまでも仕手戦に勝利したのだった。
ともかくあの頃は、個人オーナー経営者の10億単位の資金が飛び交っていた時代であり、現セントラル商事オーナーの坂本氏が200万円の資金から数十億円の儲けを出したのもこの頃だ。そして今の梅田筋らの時代になったわけだ。
もっとも今は仕手筋がどうのこうのというよりも、いわゆる国内商品の仕手戦の時代から、貴金属や石油などの国際商品の時代に入っているため、大手商社やそれに付随するディーリング、そして外資系ファンドの時代へと完全に変化している。
かつては商社と言っても本格参入は糸偏の商社か、穀物では油脂部によるヘッジ、あるいはゴム部のヘッジがメインであり、今のような格好とは若干違っていた。もちろん大手商社の○○部なんて、ちょっとした会社よりもよほど巨大で、課長クラスが子会社の社長に天下るようなシステムになっているのだから、そりゃ取引員会社よりはよほど大きいが。
ただし今のように、三井物産やら三菱商事やらが数万枚の貴金属の売りポジションを持ったり、圧倒的な資金力を持つファンドが参入したりというのは最近の話だ。取組高表を見ると、ゴールドマン・サックスやらモルガンスタンレーやらという、国際的な金融コングロマリットの名前も載っているわけだ。
そしてもうすぐ、巨大証券会社である野村證券、大和證券なども商品先物市場に参入して来る。当面リテール営業はしないらしいが、ファンド資金を狙って参入してくるのだろう。
まあ何にしろ相場は相場であり、なくなるわけでもないが、その動きは参加者の顔ぶれが変われば、今までそうだった様に変わって行くだろう。どのように変わって行くかを、常に考えて対応する事が成功への道だろうね。
〔石油製品〕
今週の原油の動き |
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|
11月限(当限) |
前日比 |
4月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\41,750 |
-30 |
\42,870 |
-300 |
11月21日 |
\42,060 |
310 |
\43,400 |
530 |
11月22日 |
\42,160 |
100 |
\43,680 |
580 |
11月24日 |
\41,870 |
-290 |
\42,870 |
-810 |
まずは原油から…先週号においては、『NY原油のチャートが完全に壊れてしまったと見て、180度逆の売り方針に方向転換である。戻り売り方針である。』とコメントした。
今週の相場展開は、20日には42,780円まで下落するものの、その後22日には高値で44,100円まで反発。しかし週末は再び42,000円台まで下がっての終了である。
○
東京原油日足
…削除済み…
今のところまだ42,280円は底値として生きている。しかし今年7月までのきれいな上げ相場、8月半ばから1ヶ月間の暴落相場の後は、42,000円台〜45,000円台でのもみ合いに突入であり、方向感がなくなっている。
先週号においては、NY原油の底割れで180度方向転換をしたわけだが、東京市場はまだ割れているわけではないため、非常に判りづらい相場展開に入っていると言えよう。
Aの上値抵抗線を突破するようなら買い相場に転換だろうし、Bの下値抵抗線を割り込むようなら完全に崩落する格好にはなる。東京はまだBラインを割り込んでいないので、正直言えば迷う場面としか言いようがない。
○
NY原油日足
…削除済み…
感謝祭の連休入りしたNY原油も、今年前半の上げ相場〜8月以降の急落相場はトレンドが出ているわけだが、10月以降はもみ合いである。ただし先週も記したように、10月20日の安値56.55ドルを底値として上昇か?と思っていたチャートは、ネックラインの61.79ドルを突破出来ずに反落。17日には54.86ドルまでの下落と、完全に底割れした格好だ。
ただし12月限納会後に当限に廻った1月限は、順ザヤとなっているためNY原油は戻ったような格好に見える。しかし一目均衡表の雲で跳ね返され、また12月限同様に崩れるのかどうか?と悩ましいところだ。
チャートでは次にBポイントである54.86ドルを割り込むようなら、下手すれば最終的に50ドル割れ〜45ドル近辺までの下げに向かってもおかしくはない。しかし逆にCポイントの61.79ドルを突破できれば、こんどこそA・BでのW底になる可能性も否定は出来ないわけだ。全く悩ましい展開だ。
今回は正直この相場がどっちに向かうのか確実な判断は出来ないゆえ、仮に急騰する場合と急落する場合の2つのシナリオを考えてみたい。
○
急騰のシナリオ
12月のOPEC総会においては、下落する原油相場に対する加盟国の強硬姿勢で再び減産。そこにたまたま米国へ大寒波が襲来し、灯油価格の急騰からファンドが一気に買い参入。
さらにイラクでの大規模なテロとともに、イランが核保有を表明。地政学的リスクがまた一気に高まる中で、中国は原油の大量輸入を行なった。投機的な買いと実需の買いが複合し、相場は糸の切れた凧のように一気に噴き上げるパターンとなった。
○
急落のシナリオ
米国の在庫が増加し続ける中で、米国の12月は暖冬で推移。そんな中OPEC加盟国の抜け駆け増産も発覚。更には米国景気の後退懸念も高まり、世界需要は一気に下方修正となった。
そこで原油価格の先行き懸念を持ったファンドは一気に売りに廻り、チャートは完全に下放れの格好となって、売りが売りを呼ぶ展開になった。
まあそれ以外にも様々なパターンがあるかもしれないが、まずは妥当なシナリオだろう。問題はどっちなのかだが、それは今後の情勢及び各自の判断という事になるだろう。
…中略…
結論として当方の相場観は、戻り売りに分がある展開であろう。42,280円で支えられるかどうかが焦点であり、何らかの大きな強材料が出ない限りは44,000円が戻りの限界かもしれない。
今週のガソリンの値動き |
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|
12月限(当限) |
前日比 |
5月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\51,120 |
-480 |
\58,140 |
-880 |
11月21日 |
\51,410 |
290 |
\58,500 |
360 |
11月22日 |
\51,770 |
360 |
\59,130 |
630 |
11月24日 |
\50,700 |
-1070 |
\58,250 |
-880 |
続いてガソリンです…先週号においては、『58,000円台を維持できれば戻る可能性はあるが、出来なければ55,000円辺りまで下がる事になるだろう。戻っても6万円はカサになる可能性があり、戻り売りが有利な展開に変化しただろう。』とした。
今週の相場展開は、週明け20日には58,080円まで下落。その後22日には高値で59,970円まで戻るものの、6万円台回復はならず。そして週末の24日は58,060円まで再び下落する事となった。
○東京ガソリン日足
…削除済み…
58,000円台はまだ何とか維持しているため、崩落する展開とはなっていない。また6万円がかさとなる展開も予測どおりであった。
未だ10月4日に記録した54,260円まではかなりの余裕があり、先行スパンの雲の中での推移でもある。
結論から先に言えば、11月20日に記録した62,810円はそうそう突破出来そうもないだろう。だからと言って現在の5月限、週明けに発会する年間で一番高値を記録し易い6月限が54,260円を大きく割り込むとも思えない。最大上げて61,000円程度、最大下げて55,000円程度と見るのが妥当で、それをどちらかに大きく抜けるのには、原油価格自体の値位置を変える事が必要と思われる。
なお24日に納会した12月限は、50,700円での安納会であった。ほぼ一代安値近辺での終了であり、一代棒(発会から納会までを一本のチャートにしたもの)ではこれで3本連続の陰線である。現状の値位置では、3月限までは少なくとも陰線が続くだろう。
ただし今度発会する6月限は、通常では5月限に比べほぼ同ザヤ〜1,000円程度の順ザヤになるケースが多い。12月限納会を見る限り、売るのは2月限・3月限に妙味があるかもしれない。
…中略…
結論として当方の相場観は、59,000円台からは戻り売りをする相場であろう。今後も軟調な推移を考えるが、12月限納会値から見て2月限・3月限が割高で売り妙味があるだろう。
今週の灯油の値動き |
||||
|
12月限(当限) |
前日比 |
5月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\58,300 |
290 |
\53,700 |
-630 |
11月21日 |
\58,270 |
-30 |
\54,030 |
330 |
11月22日 |
\58,780 |
510 |
\54,760 |
730 |
11月24日 |
\60,000 |
1220 |
\53,950 |
-810 |
最後に灯油です…先週号においては、『54,090円を割り込むと相場は悪化し、下手すれば52,140円は底ではなかったとなる可能性もあるだろう。戻っても週末の下落分を埋める程度の可能性は高く、逆張りから戻り売りへと変化したと考えるのが妥当だろう。』とコメントした。
今週の相場展開は、週明けに54,090円を割り込み53,650円まで下落。しかし22日には高値で55,520円まで一時的に急反騰し、その後また休み明けの24日に53,670円まで下げる展開となった。
○
東京灯油日足
…削除済み…
未だ10月4日の52,140円の底値はまだ生きているが、逆三尊の右肩である54,090円は割り込んだ事により、チャートは悪化している。週末に納会した12月限〜2月限までの需要期は堅調であるが、不需要期限月の相場はもみ合い以上には強くなれない可能性は高い。
週明け発会する6月限は、5月限に比べ同ザヤ〜若干の逆ザヤで推移する可能性が高いため、チャート要因からの押し上げも困難だろう。
唯一先物が上昇する可能性としては、何らかの材料が出て原油相場が急騰に転じるか、あるいは思わぬ国内の大寒波襲来などで期近からの上昇が先まで波及する事くらいであろう。
当面は一目均衡表の先行スパンの雲の下限56,000円どころが上値のカサになり、52,140円を割り込むかどうかという相場になるだろう。
なお12月限の納会は、6万円ジャストと高納会であった。さすがに需要期入りで荷がさばけ始めたためか、空売り玉の買戻しもあって上昇である。
ガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。
月日 |
11月24日(金) |
|
|
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限月 |
ガソリン |
限月間サヤ |
灯油 |
限月間サヤ |
ガソリン−灯油 |
12月限 |
\50,700 |
|
\60,000 |
|
-9,300 |
1月限 |
\51,760 |
1,060 |
\59,850 |
-150 |
-8,090 |
2月限 |
\53,340 |
1,580 |
\59,560 |
-290 |
-6,220 |
3月限 |
\55,330 |
1,990 |
\57,690 |
-1,870 |
-2,360 |
4月限 |
\56,980 |
1,650 |
\55,040 |
-2,650 |
1,940 |
5月限 |
\58,250 |
1,270 |
\53,950 |
-1,090 |
4,300 |
11月限納会値はガソリン52,000円、灯油51,420円の+580円で終了であったが、その時の12月限はガソリン53,550円、灯油56,010円の−2,460円であったが、納会は−9,300円。宝の山はここにあったわけだ。
…中略…
11月18日時点での国内在庫は、前週比3.0%減の511.6万kl。12月限納会が6万円ジャストでの終了となった事で、元売の灯油価格下落阻止の意気込みは感じられる。ただし高くても2月までだろうとは思うし、この500万klの在庫が最終的に余れば来春はどうなるのかな?と考えなくもない。
結論として当方の相場観は、12月限納会の6万円ジャストを見て、1月限・2月限はなお堅調な推移をたどる可能性は高いが、不需要期の先物は別物だろう。戻り売り以上に強くなるとは思えず、56,000円どころがカサになるだろう。戻り売り方針である。
〔貴金属〕
今週の金の動き |
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12月限(当限) |
前日比 |
10月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\2,368 |
19 |
\2,395 |
16 |
11月21日 |
\2,366 |
-2 |
\2,388 |
-7 |
11月22日 |
\2,369 |
3 |
\2,399 |
11 |
11月24日 |
\2,361 |
-8 |
\2,389 |
-10 |
金相場は、先週号においては『原油・ゴム相場の下落など不安要因もあるが、金相場自体はまだ三角持ち合いを上に抜けた買い勢力下にある。よって押し目買い方針は不変だ。』とコメントした。
今週の相場展開は、2,390円どころのもみ合いに終始。プラチナ相場の乱高下に、毒気を抜かれたような相場となった。
○東京金日足
…削除済み…
11月10日に2,430円まで上昇した後は、しばらく2,400円割れでの推移であり、何となく頭は重くなって来ている印象はある。しかし完全に三角持ち合いを上に放れた相場であり、一目均衡表の雲の上での推移も変わらない。また短期的な上昇トレンドにも、まだかろうじて乗っている格好である。
さてまた上昇に転じて、まずは2,497円を何時目指すのか?それとも一度雲にくっつく程度の押しが先なのか?と微妙なところである。
これは短期張りするのか、相場をどの程度のスケールで張っているのかによって、見方は全く変わってくる事だろうし、2,300円割れまで下げてもそれは単なる押し目なのだと考えられるのならば、このまま買い方針で良いだろう。100円下げたら困るのなら、スピーディーに動くしかなかろうし…
○NY金日足
…削除済み…
NY金もA・B・Cできれいな逆三尊を形成であり、それはネックラインDの609.2ドルを突破して完成している。もちろん大勢下げトレンドラインも突破しており、一目均衡表でも雲の上に抜けている。
問題はいつ何のきっかけでEラインの642.5ドルを突破できるか?であり、感謝祭明けからの動きは注目だ。もっともその期待が強すぎで、下値抵抗線Dを割り込むと投げが出始めるだろう。注意点はそれだけだ。
…中略…
結論として当方の相場観は、12月初旬に掛けドル安からのNY金の上昇が、東京市場にも追い風になるとの判断。しかしその後は昨年の12月のように、一度は急落があるだろうとの見方も同時に考えておきたい。
今週の白金の値動き |
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12月限(当限) |
前日比 |
10月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\4,556 |
138 |
\4,402 |
85 |
11月21日 |
\4,833 |
277 |
\4,479 |
77 |
11月22日 |
\4,477 |
-356 |
\4,384 |
-95 |
11月24日 |
\4,408 |
-69 |
\4,365 |
-19 |
プラチナ相場は、先週号においては、『4,300円台を維持しているようなら、まだ上昇の目は消えていない。逆に4,250円を割り込むようなら、そこから新規売りで良いだろう。』とコメントした。
今週の相場展開は、21日には高値で4,547円まで急騰。しかし翌日からは急落の展開となり、週末24日には一時安値で4,300円ジャストまで下げるなど、日中の動向も含めて大波乱の展開となった。
なお当限の動きは、ストップ制限がないため300円以上の乱高下をするなど、先限以上に凄まじい動きとなっていた。
○東京白金日足
…削除済み…
4,000円どころでのもみ合いからETFがらみの噂で一気に急騰した相場だが、その後J・マッセイ社の需給報告が嫌気され急落したり、再びEFTがらみの噂で急騰したり…
ともかく非常に荒い展開となっているわけだが、今年前半の判りやすい上昇トレンドが9月の急落以降はチャート線形も汚く、判断のしづらい相場展開となっているわけだ。
ただし通常ならば、4,000円どころでのもみ合いは、その前後に大きな窓の開いている離れ小島である。通常はこれが底値圏で当分取りに行かないと読めるのだが。一方で21日に記録した4,547円は長い上髭であり、その後の急落からのもみ合いは、逆に天井圏とも読める。判別しづらいところである。
○ NYプラチナ日足
…削除済み…
NY市場では21日に上値抵抗ラインを突破して、9月6日の高値1287.9ドルをも突破。通常ならばA・Bで底打ちした相場は、ネックラインCを突破した事によってそれが下値抵抗線へと変化している。だから下げてもそこで支えられると考えられるわけだが、一方で上値抵抗線を抜いたのが一日だけで21日・22日と急落した相場は、それで天井を打ったとも言えなくはない。
ともかく一日50ドル単位で動く相場ゆえに予測は難しいが、チャートでは1280ドルは天井だが、1120ドルも底値であると取れるわけだ。
なお週明けの国内換算価格の予測も、夜間取引及びスポット価格が簡単に50ドル〜100ドル動く相場ゆえ難しいが、円高で金・銀が上昇しているのにプラチナは上昇していないゆえ、100円ほど安い換算になる。
…中略…
実はある顧客からこの異常な逆ザヤを見て、当限売りの先限買いはどうかと質問を受けたが、21日には三井物産が当限を500枚買い、ゴールドマン・サックスも200枚以上の買い越しになっていたわけで、もしかしたらスクイズか?とその方針に反対してしまった。
しかし翌日の急落場面では、三井物産もゴールドマン・サックスも一気に途転売りであり、週末も更に売り増しである。今となってみれば21日には期近買い・先物倍売りのトレードであり、完全にだまされたのかもしれない。当限を吊り上げておいて、先物を売って儲ける図式だ。
しかしまあ、このような価格操縦まがいの行為をして、何のおとがめもないのだから取引所、役所ともにボケている。米国市場でやったら、間違いなく犯罪行為だろうに…
おそらく味をしめた大手商社・外資はまた同じような事をやってくる可能性もあるため(今度は逆に当限から大きく叩いて、先物を一気に買い戻すなど)、あまりに不安定な市場・大手のやりたい放題の市場・取引所の規制がおかしな市場には、近づかない方が無難なのかもしれない。こんな事をやっていると、そのうちにブロイラー市場にようになってなくなってしまうぞ!と考えてしまう。
結論として当方の相場観は、目先は大手商社・外資の策動で上昇した4,547円が天井であろう。しかし今後も乱高下を起こしそうであり、巨大資本の餌食になりそうなため、しばらくは近づかない方が無難だろう。
〔穀物〕
今週のコーンの値動き |
||||
|
1月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\23,090 |
H500 |
\24,220 |
310 |
11月21日 |
\23,440 |
350 |
\24,040 |
-180 |
11月22日 |
\23,870 |
430 |
\24,220 |
180 |
11月24日 |
\23,690 |
-180 |
\24,240 |
20 |
先週号においては、『仮に調整安が出ても11月高値が天井とは思わぬが、調整安が到来しない限り新規買いをする気にもならん。鳴くまで待とうホトトギスの家康の心境である。』とコメントした。
今週の相場展開は、コーンは24,000円どころでのもみ合いの展開。これで同値圏に14日間いることになる。
○東京コーン日足
…削除済み…
9月後半に三角持ち合いを上放れした後、23,000円どころで14日間もみ合いが続いたが、今度は1,000円上の24,000円どころで同様の日柄が経過した。
また切り上げが起きるのならば、なお1,000円上げたところでのもみ合いになるかもしれないし、逆に上げもだえるようなら調整安局面に入る可能性もある。
過去11月に天井を打った事はないゆえ、いずれまた来春に向けて上がるのだろうが、買うためにも何とか一度振るい落としの下げが来てくれないか!と願うのみ。もっとも相場と言うヤツは、皆がそのような考えを持っている間は下がらず、逆にもう買わなくては…と皆が考えてから大きな調整が入るものゆえ、周りの人気がどうなっているかを掴む事が重要かもしれない。
なお今週の堅調な展開は400万トンの輸出枠が出た中国では収穫遅れにより輸出不履行になるとの噂と、アルゼンチンの輸出停止の報である。当方としては、エタノール需要での高騰はだいぶ織り込んできたと考えているが、中国の事は海のものとも山のものとも付かない。アルゼンチンの輸出停止は、旧穀の輸出は続いているが、新穀の輸出停止は申請の殺到が原因とされているため、それだけ本当は輸出をしたいのだろう。つまりは潜在的には弱材料だろうと思っている。
ただし下げたとしても来春にはまた高いだろうと思う理由は、穀物相場の天井は天候相場期に突入した時に、パニック的な買いを集めて終了するゆえにだ。今は来年の作付は増えるだろうとみんなが考えており、そこまで来年の話まで強気になっているわけではないという事は=来年のプレミアムはこの先の話であると考えるためだ。
そうなるといずれ4ドルとか、5ドルとかの相場になるのかもしれないが、今回は年内に押しがあって買えれば良しだが、このまま上昇してしまった場合は来年の大下げ相場を狙おうと思っている。所詮相場は幾ら上がっても、最後は天井を打って粗糖やゴムのようになるのだから。
○シカゴコーン日足(週末24日分は入っていません)
…削除済み…
こちらも20日に372.00セントまで上昇である。感謝祭の合い間の24日は、12月限で前日比6.50セント高の369.25セントで終了である。20日の高値は更新していないが、順ザヤの3月限は386セントまで上がっている。
そういえば10月15日号でコメントした『買い方のゴールドマンサックスは、368セントをターゲットとして買い増しを行っているとの噂も出ている。』としたものは、もうそこまでの価格は示現しているわけだね。なお24日の上昇要因は、ドル安やアルゼンチンの輸出禁止、中国の船積遅延が再度材料視されたものだ。また立会いは前場だけであった。
…中略…
一般大豆は、13日に38,020円と今年の高値を再度更新した後は、上げもだえる展開にはなって来ている。35,000円どころまで下げてくれたら買いたいが、さて一体そこまであるかどうか?
○東京一般大豆日足
…削除済み…
このところパームオイルが上昇して来ており、その背景にはバイオディーゼル向け需要の増大という話題が出てきている。そうなると大豆油も上昇を加速させる可能性があり、大豆はコーンと違って強材料はないとしてきたスタンスを変えねばならぬかもしれない。
○シカゴ大豆日足(週末24日分は入っていません)
…削除済み…
シカゴ大豆の高値は8日の683.25セントであるが、相変らずコーンとの比価では割安だ。週末は前日比10.25セント高の684.25セントで終了しており、高値は687.00セントまで出て高値更新である。
東京市場は円高によってあまり騰がらないと思われるが、円高で押しが入った場面は買っておくのが良いかもしれない。下手すれば、シカゴ市場ではコーン以上に大豆に投機買いが入る可能性も、上記の材料からは有り得る。
…中略…
結論として当方の相場観は、コーンは上がるとすれば今度は先物主導での上昇があるかもしれない。ただし当方としては、押してくれなければ新規に買う気はあまりない。大豆は強材料が出始めており、今後はコーン以上の強さを発揮する可能性もあるだろう。下げても35,000円以下は長く続かないだろうから、円高局面で売られた場面を拾うのが良いだろう。
〔ゴム〕
今週のゴムの値動き |
||||
|
11月限(当限) |
前日比 |
4月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
184.2 |
-4.8 |
193.8 |
-5.6 |
11月21日 |
179.6 |
-4.6 |
194.0 |
0.2 |
11月22日 |
175.8 |
-3.8 |
190.5 |
-3.5 |
11月24日 |
171.0 |
-4.8 |
187.3 |
-3.2 |
先週号においては、『チャートは完全に壊れてしまった。戻ってもあや戻しであろうし、安値追いは続くだろうと考えられる。戻り売り方針である。』とコメントした。
今週の相場展開は、今までの流れを受け継ぎ下落が続く展開となり、週末は安値で185.5円まで記録。全限一代安値を更新して行く展開が続いた。
○東京ゴム日足
…削除済み…
6月に320円台で三尊天井を打った相場は、200円どころでの逆三尊形成に失敗。結局240.5円を抜け切れなかった事がこの暴落の始まりであり、それまでの底値だった200.5円を割り込んでも止まる気配はなしである。
現状では逆に200.5円が上値抵抗線に変化であり、これはスケールが違うかもしれないが高値で出た上値抵抗線Aラインと同様の意味を持つ。素直にチャートを判断すれば、今後反発に転じても200.6円を若干オーバーする程度の戻りしかなく、いずれ倍返しの160円台まで下がる可能性が高いとの判断が必要だろう。
当先のサヤは、11月限171.0円(納会値)〜3月限187.3円と16.3円の順ザヤ。これだけ下がってきても順ザヤは縮小しておらず、次に当限に廻った12月限も、早くもサヤ滑り懸念が高まっている。この限月の160円台突入は必至だろうとも囁かれている。
週末現在の輸入採算価格は、12月積みで190.1円。東京市場12月限の終値は175.4円であるため、14.7円の下ザヤである。10円程度の下ザヤが普通であるため若干売られ過ぎではあるが、特に異常な割安という水準ではない。産地の供給は相変わらず順調なようで、産地安と東京安がスパイラルに連動しており、この面からは支援は全くない。
11月10日現在の国内営業倉庫在庫は、252トン増の9,404トン。まだ1万トンの大台は割れているものの、また増加ではある。
以上の3点では、3対0で弱気有利と言える。
週末現在の取り組み…中略…
なお11月限納会は171円で172枚の受渡しであったが、その明細は以下の通りである。
…中略…
結論として当方の相場観は、戻っても200円どころであろうし、まだこの悪質な下げ相場は続くだろう。
〔アラビカコーヒー〕
今週のアラビカコーヒーの動き |
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1月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
11月20日 |
\19,530 |
-340 |
\23,560 |
-360 |
11月21日 |
\19,680 |
150 |
\23,690 |
130 |
11月22日 |
\19,700 |
20 |
\23,590 |
-100 |
11月24日 |
\19,830 |
130 |
\23,460 |
-130 |
先週号においては、『24,000円台は買い進みたくない(むしろ利食いたい)が、下げても22,000円台ではなかろうか。押し目買い方針継続である。』とコメントした。
今週の相場展開は、23,000円台でのもみ合いの展開。
○東京アラビカコーヒー日足
…削除済み…
16日に24,220円を記録した後は、24,000円台を記録していない。今後今年の最高値24,790円を取りに行くのか?それとも本格的な調整に入るのか?の分岐点といったところか。
いずれにせよ、大勢での上昇トレンドAラインは割り込まないだろうが、今はBラインを割り込むかどうかと言うところだろう。仮に割り込むようなら、最大下げて8月24日の高値21,630円のラインまで調整する可能性はある。
しかし強い相場ならば、23,000円そこそこまでの調整で済み、一気に高値更新を果たして来る可能性もある。
○NYコーヒー日足
…削除済み…
こちらは関門であった111.20セントを突破し、16日には高値で120セント台に乗せた。そこから今度は下値抵抗線に変わった111.00セントまで下がり、反発してのもみ合いである。
いずれ今年の最高値125.90セントは越えて来るのかな?という様に見えるが、問題はファンドの買い意欲が続くのかどうかであろう。
コーヒー自体の材料としては、来年のブラジルは裏作で収穫量が落ちる事は必至だが、それに関してはもうすでにみんな判っていること。おそらくすでに4,000万袋台程度までの減少は織り込んでいるだろうから、それでも敢えてファンドが買うのかどうかだろう。
…中略…
週末現在の当先の順サヤは、1月限19,830円〜7月限23,460円と3,630円。幾らか順ザヤ幅は縮小している。
また国内内部要因では、…中略…
結論として当方の相場観は、大勢では買い相場だと考えるが、ファンド買いの勢いが止まると目先は24,000円台で天井を打った可能性もあるだろう。円高更新などあれば、目先は深押しの可能性もある。
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(当たり前ですが念のため)
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