商品市況展望 割愛版

平成19年1月28日記

 

 先週の土日に、山梨県にある大嶽山那賀都神社(おおたけさんながとじんじゃ)というところに参拝してきたわけだが、ここは大山祇神(おおやまつみのかみ)、大雷神(おおいかずちのかみ)、高オカミの神(たかおかみのかみ)の3神を祭っている。

 大山祇神とは、その名の通り山の神である。ちなみに海の神はわだつみの神だ。そんな歌を歌っている沖縄出身の歌手がいるよね。

大雷神は当然、雷様なのだろうが、高オカミの神と同様に殖産・灌漑・桑蚕の生業を守護する神とされているものだ。そして高オカミの神とは、「日本書紀」では水神として記されている神である。

ともかくこの神社にて相場必勝祈願をしてきたわけだが、苦しい時の神頼みと笑ってくれるな。相場は人智の及ばぬ部分も多いものゆえ、また当たったからといって調子に乗るとすぐ曲がるものでもあるゆえ、年に一度くらいは荘厳な気持ちになれる機会は必要だろう。

 

 さて世界の宗教は、キリスト教(約40%)・イスラム教(約25%)の2大宗教とユダヤ教(0.3%)も、信じる神はみな一緒。神に名前があるとすれば、それはヤハウェである。言わずと知れた一神教だ。日本は八百万の神(やおよろずのかみ)で、これだけ文化的には欧米化してきてもキリスト教信者は5%しかいない。

 もうすぐバレンタインデーであるが、日本人にとってこれはチョコレートをもらう日でしかないし、クリスマスもケーキとプレゼントの日でしかない。正月には神社に初詣し、一応仏教国と言われているが、仏教に触れる機会など葬式の時しかない。

 こんな節操のない状態では、それこそ日本人は自分では無宗教だと思っているだろうが、日本教=八百万の神々を信じているからこそ、何でも受け入れられるのではないかと思っている。だからこそ一神教の世界には、決して染まらないのではないだろうか?

仏教にしたって、大乗仏教(努力すれば誰でも仏様と同じ悟りが得られるとする仏教)と小乗仏教(出家し、修行をしなければ救われない)があるが、日本のそれは葬式仏教としか呼べない形態であり、完全に日本化されたものとなっているのではないだろうか。

 海外に行けば、あなたは何の宗教を信じていますか?と聞かれることもあるだろうが、そこで無宗教です!と答えてはいけない。例えばキリスト教徒に対し、私は仏教徒ですといえば、それは単に異教徒だと思われるだけだが、神を信じる者に対して無宗教だと答える事は、神など信じていない=自分は悪魔ですと言っているのと同意語だからだ。自分が無宗教だと思っている人は、それだけ日本教に強く影響されているのだと考え、自信を持って神道だ!と答えるのが良いと思う。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

1月22日

\39,200

700

\39,720

H1200

1月23日

\39,020

-180

\39,550

-170

1月24日

\39,420

400

\40,750

H1200

1月25日

\39,300

-120

\40,630

-120

1月26日

\39,230

-70

\40,530

-100

 

 まずは原油から…先週号においては『とりあえずの目標値は達成した後だけに、応分の戻りは有り得るだろう。しかしその戻りも自律反発以上に強くなるとは思えず、何らかの強力な買い材料が出ない限り、まだ戻り売り有利な市場には変化が無いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、25日には40,940円まで反発。17日の安値38,140円からは2,800円幅の反発が入り、応分の戻りを演じる事となった。

    東京原油日足

…削除済み…

今回の戻りは、現状では2,800円幅となっているが、12月26日の46,000円〜1月17日の38,140円まで7,860円も一気に下げたのだから、ある意味この戻りも当然である。今回の戻りは、下げ幅の35.6%を回復している。

今後更に戻るとすれば、半値戻しの3,930円幅=42,070円ということになるが、その辺は9月〜12月までのもみ合いの下限、つまりは上値抵抗線へと変化したところへ接近する価格であり、一度売ってみたい場面であろう。

 

 さて問題は、果たして今回の戻りで原油相場は大底を打ったのか?であろうが、その可能性も無しとはしないものの、大勢ではまだまだ下値不安を残していると見る。

    東京原油週足

…削除済み…

週足ベースで見ても、昨年の高値53,200円で天井を打った相場が、1段下げした後にもみ合い〜2段下げを演じたのが今回の下落だ。トレンドラインもまだ下向きであり、戻りはネックラインで抑えられる可能性は高い。

この格好では、再び軟化し始めれば3段下げに突入する可能性は否定できないだろう。完全に一目均衡表の雲の下にも出ているわけだし…

 

もっとももっと大きな目で見た場合は、ジム・ロジャースは今回の日本公演においても、大勢では原油相場に対し強気の見方は変わらんようであり、イランでの有事、夏場に米国の石油精製施設がハリケーンの被害を受けるなどの材料が出れば、また原油相場が高騰し始めてもおかしくはない

また今回の米ブッシュ大統領の一般教書演説においても、今春から戦略備蓄在庫の積み増しを決定する報告を出している。日量10万バレルの積み増しで、まずは1100万バレルを確保。今後20年で倍の15億バレルまで増やす計画だ。

またガソリン消費を今後10年間で20%削減する目標も立てており、それは代替燃料(つまりはコーンから作るエタノール)を供給する計画も発表している。これに関しては現実味が無いとも言われているが、コーンからエタノールを採って採算に乗せるには、原油価格が少なくとも55ドル以上していないと無理との見方もあり、逆に言えば米政府は55ドル以上の原油価格を目指すのかもしれない。

コーンからのエタノールに関する話題は、コーンのコーナーでまた解説するが、食い物(家畜飼料)を燃料に転化してコーンの在庫減少を引き起こし、価格高騰を招いている現状は、何か妙な事になっていると感じる次第。車に乗るのを取るのか?牛肉を食うのを取るのか?だからねえ…

 

    NY原油日足(週末26日分は入っていません)

…削除済み…

18日には安値で49.90ドルと50ドル割れを記録したのだが、25日には高値で55.90ドルまで反発。週末26日は前日比1.19ドル高の55.42ドルで終了である。東京市場換算では、800円ほど上昇の見込みだ。

さて7月の78ドル台から暴落してきた相場は、昨年9月以降55ドル〜65ドルのもみ合いに転じ、今回50ドル割れまで出た後に反発している格好だ。

今後はおそらく、当面は昨年よりも水準を切り下げたところでのもみ合いで新たな材料を待つのだろうが、それが50ドル〜60ドルの水準を5ドル引き下げたところなのか?それとも45ドル〜55ドルの水準を10ドル引き下げたところなのか?が問題である。

57ドルくらいまで上がれば一度売ってみたいし、逆に52ドル程度まで下がれば50ドルをストップロスに一度買ってみたい気はする。

…中略…

 結論として当方の相場観は、応分の戻りが出ている場面であるが、42,000円前後は戻り売りのポイントであろう。また逆に39,000円どころは、一度買ってみても面白い水準だろう。基本的には、逆張り・もみ合い相場に移行すると見る。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月22日

\48,010

550

\54,970

H1800

1月23日

\46,920

-1090

\54,420

-550

1月24日

\47,290

370

\56,030

1610

1月25日

\46,300

-990

\56,020

-10

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

1月26日

\51,000

490

\56,010

 

 

 続いてガソリンです…先週号においては『戻り売り方針に変化無しである。原油相場に何らかの大きな買い材料が出ない限りは、戻っても自律反発のみであり、底入れとはならないだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、19日の安値52,880円から反発に転じた相場が、週末には高値で56,440円まで上昇10,420円下げた相場が3,560円の反発であり、34.1%の戻りとなった。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

さすがに昨年11月以降の58,000円〜63,000円での5,000円幅のもみ合いの倍返しもすでに達成した相場は、3,500円以上の反発となった。これで目先の底値は確認したといって良いかもしれないが、なお一段高をしても58,000円は大きな壁であろう。

週末のNY原油が大きく上げているゆえ、週明けの東京市場も一段高するかもしれないが、案外とそこは絶好の売り場になりそうな予感もある。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

2月限 発会値68,810円 高値70,790円 安値46,300 納会値46,300

3月限 発会値67,000円 高値67,520円 安値49,150円 現在値51,000円

4月限 発会値57,300円 高値61,330円 安値51,970円 現在値54,280円

5月限 発会値61,990円 高値62,850円 安値52,600円 現在値55,550円

6月限 発会値58,940円 高値62,950円 安値52,700円 現在値55,770円

7月限 発会値61,960円 高値63,300円 安値52,880円 現在値55,920円

8月限 発会値55,990円 高値56,440円 安値55,930円 現在値56,010円

 25日に納会した2月限は、一代安値での納会であった。高値から24,490円も下げて終了したわけであり、1枚=122万4500円も下げて終わったわけだ。

 

…中略…

 

 

 26日現在のスポット価格は46,200円〜46,800円となっており、19日比1,500円安である。25日現在の輸入採算価格は54,800円となっており、18日比1,300円高である。

時事通信社発表の海上渡し価格より)

 1月20日時点の在庫は、前週比2.7%増227.1万klと3週連続の増加である。

 スポット価格は、2月限の納会値46,300円とほぼ同じであり、3月からは需要期シーズン入りとはいえ、在庫の不安も全くない情勢である。

 結論として当方の相場観は、待望の戻りが出たが、この戻りはまた売られる可能性が高いだろう。当面の底は入っているかもしれないが、週明けから原油高の影響でなお上昇した場面は、2番底狙いの絶好の売り場になる可能性が高いと見る。

 

 

今週の灯油の値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月22日

\48,260

710

\50,320

H1800

1月23日

\48,880

620

\50,000

-320

1月24日

\48,970

90

\51,360

1360

1月25日

\47,900

-1070

\51,240

-120

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

1月26日

\49,310

-170

\51,610

 

 

 最後に灯油です…先週号においては『多少の戻りはあったとしても、まずは先物で46,000円台まで落ちる可能性は高いだろう。例年よりも25%も多い在庫は、春には投売りを呼ぶ可能性も高く、戻り売り一貫の相場展開は続くだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、さすがに反騰に転じた相場が週末には52,030円まで上昇4,110円の戻りとなり、年末からの下げ幅10,370円に対し39.6%の戻りを入れる事となった。

    東京灯油日足

…削除済み…

やっと戻ってきた格好であるが、週末までの戻りでほぼ抵抗線まで接近した格好である。ファンダメンタルズの面からもこのまま上昇相場に転じるとは到底思えず、52,000円台は売り上がれば取れるだろう。

本格的な上昇相場に転じるのは、早くとも現在の在庫が消費・もしくは輸出によって減少するか、あるいは先物に需要期の先がけとなる9月限が発会してからの事だろう。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

2月限 発会値70,300円 高値72,600円 安値47,550円 納会値47,900

3月限 発会値67,830円 高値68,000円 安値47,610円 現在値49,310円

4月限 発会値53,880円 高値59,470円 安値47,470円 現在値50,040円

5月限 発会値58,100円 高値58,460円 安値47,180円 現在値50,150円

6月限 発会値54,030円 高値58,290円 安値47,320円 現在値50,390円

7月限 発会値56,800円 高値58,260円 安値47,920円 現在値51,120円

8月限 発会値51,730円 高値52,030円 安値51,500円 現在値51,610円

25日に納会した2月限はほぼ一代安値近辺での終了となっており、高値からの下げ幅は25,000円にも及ぶ。需要期・不需要期という理論的なもので考えれば、3月限以降も47,000円台での納会で何の不思議も無い

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

1月26日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

3月限

\51,000

 

\49,310

 

1,690

4月限

\54,280

3,280

\50,040

730

4,240

5月限

\55,500

1,220

\50,150

110

5,350

6月限

\55,770

270

\50,390

240

5,380

7月限

\55,920

150

\51,120

730

4,800

8月限

\56,010

90

\51,610

490

4,400

 3月限のガソリン・灯油のサヤは、納会前の24日に利食いが出たのか250円まで大きく詰まったが、週末にはまた大きく拡大して元に戻っている。

 

…中略…

 

 26日現在のスポット価格は49,200円〜49,800円と19日比2,500円安。年明けからもう1万円ほど下げている。25日現在の輸入採算価格は59,200円となっており、18日比700円高である。

時事通信社発表の海上渡し価格より)

 1月20日時点での国内在庫は、前週比1.6%減441.3万klと2週連続の減少である。それでも例年よりも110万kl(34.8%)も多く、昨年と比べれば139.7万kl(46.3%)も多い状態だ。

 このまま春を迎えれば、さてこの在庫は一体どうなるの?である。なお気象庁による長期予報では、2月も暖冬の見込みである。

 結論として当方の相場観は、在庫の多さは致命的だろう。ここからの戻りは、また売り方針が良いと見る。特に4月限〜7月限の中もの限月の売りを中心に仕掛けるのがベターと見る。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月22日

\2,474

27

\2,501

27

1月23日

\2,476

2

\2,507

6

1月24日

\2,501

25

\2,531

24

1月25日

\2,492

-9

\2,523

-8

1月26日

\2,517

25

\2,544

21

 

金相場は、先週号においては『本格的な上昇に転じているのかどうかは疑心暗鬼であるが、現状では上昇トレンドに乗って上値を試そうとしている格好である。ここはこのまま買い玉を維持する方針を堅持したい。』とコメントした。

今週の相場展開は、騰勢に弾みが付き24日には2,555円まで上昇。そこからは若干乱高下して、週末を終える事となった。

東京金日足

…削除済み…

年明けの急落は2,355円まで出たものの、相場が壊れるとした2,344円割れは回避で雲の上で支えられ、いつの間にかそこから200円の上昇を見せている。

昨年の大納会で記録した2,450円〜2,355円までの下げは95円幅今週はその倍返し以上の上昇となったわけだ。

正直言えば、穀物相場は高いとはいえ、原油相場が大きく下がった中での金の上昇は不可思議だ。今週はその原油相場が反発し、さらに金相場も上がったわけだ。

もっとも倍返し達成で、一度は押すのが自然に見える。今のところ下値抵抗線は2,450円であるため、100円程度の押しが望まれる。その程度の押しが出たら、そこはまた買い拾ってみたいところだ。

 

東京金月足(74年〜)

…削除済み…

今回は超長期のチャートをアップしてみた。今回の2,500円までの上昇は、05年の1,500円どころから加速が付いているわけだが、本当の起点は99年の800円台からである。

言わずと知れた80年の大暴騰は、何と1,200円から6,500円近くまで急騰したのであるが、これが金の史上最高値である。

現在の金価格は22年ぶりの高値水準まで上がっているわけだが、このチャートを眺めていると3,000円や4,000円まで上がっても不思議ではない気分になって来る。もちろんそうなるかどうかなど判らぬし、どんな材料が出るのかも判らんが…

 

NY金日足(週末26日分は入っていません)

…削除済み…

NY金は1月5日の安値603.0ドルから反騰に転じた相場が、とりあえずWトップを意識される655ドル近辺まで上昇。12月1日の高値655.5ドルを完全に突破すれば、次の目標値は677.5ドルを目指すことになるのだろうが、週末のNY市場でも前日比3.4ドル安の644.7ドルと抜けてはいない。

この程度の下落だと、週明けの東京金は3円安程度で大した下げにはならない。

出来れば新規に買うためにも20ドルほどは押してもらいたいが、逆に655ドルを完全に抜けたらそれも付いて行かざるを得ないだろう。

 

…中略…

結論として当方の相場観は、チャートパターンでは一押し来ても良いところではある。しかし押しても2,450円は割り込まない可能性が高く、内外ともファンドの買い意欲は強い。大勢での買い相場は続くだろう。

 

 

今週の白金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月22日

\4,505

28

\4,437

19

1月23日

\4,534

29

\4,434

-3

1月24日

\4,548

14

\4,458

24

1月25日

\4,532

-16

\4,462

4

1月26日

\4,560

28

\4,514

52

 

プラチナ相場は、先週号においては『新規買いをしたい水準ではないものの、現在のトレンドは明らかに買いになっている。想定以上に上がった相場であるが、曲がったと判断した場合は早めに損切りするのがベターであろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、騰勢を強めた相場は24日に高値で4,556円を記録。三尊天井形成となった昨年11月の高値4,547円をも突破する上昇となり、一応の達成感からその日は100円ほど大きく下落したものの、長い陰線でも相場は崩れず週末も4,500円台で終了する事となった。

東京白金日足

…削除済み…

昨年11月21日4547円〜12月7日4,041円までの506円の下げは、今回の上昇で往って来いの上げとなった。

正直言えば4,200円台後半までしか戻らぬ下げ相場だろうと昨年来考えていたわけであり、非常に意外な展開である。この上昇パターンと当方の思惑違いは、ゴム相場の時と一緒だ。三尊天井で崩れた相場が早々簡単に戻るわけないとか、内部要因では商社総売りで悪いとか、ファンダメンタルズでは先のJ・マッセイ社の需給報告に見るとおり良くないとか、様々な売り材料を考えても実際相場が上がったことは確かであり、仮に売っていたとすれば上がって損が出たものは踏まざるを得ないわけだ。

確かにチャートは買いを暗示しているわけで、最近の相場は理屈が通用しない事が多く、何でもかんでも勢いで上下してしまう。まあそのような時期、相場つきなのだと割り切るしかあるまい。

 

NYプラチナ日足(週末26日分は入っていません)

…削除済み…

週末26日のNYプラチナは、前日比6.5ドル安の1181.5ドルで終了。チャートに赤線でJ・マッセイ社が昨年秋に発表した上限価格である1,200ドルのラインを引いておいたが、ほぼそれに近いところ。

つまりはこの辺で押さえられる可能性もあるのだが、一目均衡表では完全に雲の上に出ており、いわゆる買い線が出現している状態である。

 

 ともかくそのJ・マッセイが需給報告を出した時と現在の違いは、ロシアの国家資本主義とも言える態度の変化と、週末に材料として明らかになったが南アでは19日から鉱山でストが発生しているということ。

 また米ブッシュ大統領による一般教書演説において、ガソリン消費の削減をうたっているわけだが、これが白金を利用する燃料電池の技術促進ディーゼルエンジン使用による白金の触媒需要増の思惑にも繋がっている事も、買い材料とされているふしがある。

 東京市場のチャートは、Wトップを感じさせる線形になっているのではあるが、上記の材料を考えるとちょっと新規売りはしづらい。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、ここで上げが止まればWトップの可能性もあるが、次々と買い材料が出て来ている中でファンドの買いがなお続くようなら、思わぬ大相場に発展する可能性もある。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

1月22日

\25,160

-260

\27,110

70

1月23日

\25,660

H500

\27,610

H500

1月24日

\25,210

-450

\27,100

-510

1月25日

\25,350

140

\26,960

-140

1月26日

\25,020

-330

\27,180

220

 

先週号においては『相場水準が上がり振幅が激しくなって来ているが、このような時は単純に考えるのがベターであろう。つまり過去上昇相場で天井を打つのは4月に入ってからであり、それまでは値頃感無用で押し目買い方針を貫くのが良いと考えるべきだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、24日には28,040円まで上昇。またまた上場来新高値の更新である。しかしこの日はさすがに買われ過ぎで、昼休み中にシカゴ夜間取引が軟化するといきなり後場1節に暴落となり、何と1節だけで950円も下落する始末。

東京コーン日足

…削除済み…

昨年秋から上昇に転じた相場は、5,000円幅を駆け上がった後12月に1,860円の調整安を入れ、この1月もスタートから1,400円の調整安は出ている。価格が価格なだけに1,500円〜2,000円程度の押しをいつでも入れる可能性があるのは、すでに警告済みである。そんな中での28,040円の高値から週末の安値26,870円までの下げは1,170円であり、スピードが速いだけでこの程度はかわいいもんだ。

とにかく9日の安値24,090円からでも4,000円近く上がった相場である。その間僅か11日間!当方は4月天井と見ているとずっと前々からコメントしてきており、その考えは今も変わらないわけだが、このペースで上がり続ければ2万円近く上がってしまう事になる。幾らなんでもそんな事は無いだろうから、当然道中に大きく下げたり、また横ばいしたりするのは当然だろう

その様な事を考えながら冷静にチャートを眺めれば、最大押して25,500円〜26,000円が限界だろうし、ひょっとしたらまだ大して下がらんかも知れず、先にもう一度28,000円をトライするかも知れんし…である。

順当なところでは、28,000円は当面の天井かもしれないが、27,000円を中心に上下1,000円幅での乱高下の可能性が最も高いと見ている。

 

シカゴコーン日足

…削除済み…

こちらも10日の押し目352.50セントは雲の上限で支えられた格好であり、そこから米農務省報告を経て17日の420.50セントまで駆け上がったわけだ。現在そこからペナント型の下げとなっているが、下値抵抗線はズバリ392.00セント。そこで支えられればまた反発するだろうし、通常このペナント型のチャートはまた上に放れる線形でもある。

最終的には5ドル台へ乗る相場であると思っている当方に、今のところ迷いは無しである。

シカゴコーン・シカゴ大豆月足

…削除済み…

とにかく原油はとっくに安くなったのだが、米国はエタノール精製工場をいっぱい作ってしまい、法律でコーンからエタノールを作らざるを得なくなっているわけだ。そのため日本で言えば必要があろうが無かろうが作りかけてしまったダムのようなものであり、飼料用にまわすコーンがなくなってしまうような事態になりかねないわけだ。

もちろんそんな事を続けて上がり過ぎれば、土台無理がある政策なのだから天井打ち〜暴落となるだろうが、少なくともそれは天候相場を価格で織り込んでからの話。つまりは春までは高いだろうし、96年の5ドル台は付けなければ納まりはつかない!と考えるわけだ。

 

今回の米ブッシュ大統領の一般教書演説においても、エタノール増産を示唆する内容である。ガソリン消費を20%削減する中身は、5%が燃費の改善残り15%はバイオ燃料の供給を350億ガロンにまで増やすのがその骨子である。

仮にそのバイオ燃料=エタノールを全量コーンでまかなうとすれば、コーンが約130億Bu要るわけだ。昨年の豊作相場でも生産高は105億Bu台。つまり収穫したコーンをすべてエタノール需要に廻しても足りないわけだ…(笑)

もっとも24日の高値からの急落は、このインパクトのある材料が出たことで、逆に利食い場とされたわけだろう。相場では良くあることだが、利食いで下げただけの相場は大勢には大きな影響はないだろう。

…中略…

 

 

 一般大豆は、24日に43,040円まで上昇。こちらも高値更新であるが、コーン同様にその日の後場の暴落は凄まじい展開であった。それでも崩れ去らないところが、この相場の上値を期待させるところ。

東京一般大豆日足

…削除済み…

秋から7,000円の上昇を演じた後、12月には2,470円の調整安1月には1,960円の調整安を入れている。

つまり2,000円程度の押しは今後も何時でもある可能性は高いが、明らかにコーンに比べれば出遅れ感があるため、相場が崩れ去る事はないだろう。

 

 さて大豆自体の材料は、エタノール用需要という特需がないだけに、先の米農務省報告でも在庫率は18.75%と高水準

 しかし今後作付けを迎えれば、コーンが危機的在庫を解消するために高水準の作付面積を確保さぜるを得ないため、一方で大豆の作付面積が少なくなるのは必至。となれば今は在庫が多くても、大豆も下がるわけにはいかないという理屈になる。

 また今回の米ブッシュ大統領の一般教書演説においても、どう見てもコーンだけでは不可能なバイオ燃料の生産目標は、大豆もバイオディーゼル利用のために今後使われる事を示唆している。今はこれだけ在庫があるから、この程度の高値で済んでいると逆に考えておくべきだろう。

 

東京一般大豆月足(72年〜)

…削除済み…

コーンは東京市場で上場してからまだ10年程度であるゆえ、現在が上場来最高値であるが、大豆はもっと歴史が長いためこれを見るとびっくりすると思う。

現在43,000円台まで上がった相場だが、もっと高かった頃は5万円、6万円の水準ではないのだ。77年なんて何と14万円だぞ!このような価格もあったのだと知っておくだけでも、役に立つのではあるまいか。

…中略…

 結論として当方の相場観は、コーンは目先27,000円を中心とした上下1,000円幅程度のもみ合い、大豆は同じく42,000円を中心として上下1,000円のもみ合いの可能性が高いが、これも大天井を打ったわけではなく、単なる調整だろう。春の一段高に向けて、押し目は買い拾う作戦に変化無しである。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

1月22日

255.0

3.5

267.0

3.8

1月23日

262.0

7.0

276.4

9.4

1月24日

264.7

2.7

275.5

-0.9

1月25日

263.5

-1.2

278.3

-2.8

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月26日

272.9

3.6

284.8

 

 

先週号においては『チャート要因では3分の2戻しで達成感が出るのか?それともなお上昇して290円台まで駆け上がるのか?微妙なところでは有るが、ファンダメンタルズでは現状の高値を説明できる要因は皆無。ぼちぼち反転するだろうとの見方は変わらない。』とコメントした。

今週の相場展開は、25日の1月霧納会、26日の先限発会を経て285.0円まで上昇。押せば買われる右肩上がりのトレンドは、ついに11月の安値から100円に迫ろうとする上昇となった。

東京ゴム日足

…削除済み…

先週号で『結局239.5円の関門を突破した相場は、抜けてから34.6円の上昇でもある。ズバリ倍返しならA・Bまでの下げ幅54.0円の倍で、293.5円となる』とコメントしたが、現在285.0円まで上昇中。あと8.5円上がればそれが達成されるわけであり、ここまで来たらそれも致し方なし。

あるいは市場人気が300円を付けないと納まらないならば、一度そこまで上がってくれて、達成感が出てくれた方が良いかもしれない。それだってあと15円でそうなるわけで、今の動きであれば簡単に達成しそうだ。

 

 もっともこんな僅か2ヶ月間で100円を棒上げする相場など見た事が無く、相場というものは上げるスピードよりも下げるスピードが早いのは定説だ。一度天井を打てば、まさにしびれる様な下げも到来するだろうと考えている。

 

東京ゴム月足(74年〜)

…削除済み…

今回は参考に、超長期のチャートをアップしてみた。下げ始めれば、どこかで100円の暴落は必ず来るだろうよ…と思う次第。

 

 当先のサヤは2月限272.9円〜5月限284.8円と11.9円の順ザヤ。まずまず順当なサヤであり、相場には中立な状態。

 週末現在の輸入採算価格は2月積みで278.9円。東京市場2月限の終値は272.9円であるため、6.0円の下ザヤである。通常の10円程度の下ザヤであるため、これだと若干売りが有利となる。

 産地の集荷状況には今のところ問題はなく、供給懸念はゼロである。東京市場が買われるため、産地も追随高をしているに過ぎないのわけで、ファンダメンタルズから考えると何で上がっているのか理解不能!

 1月10日現在の国内営業倉庫在庫は、59トン減の14,279トン。久々に減少したが、在庫量は少なくない。

 以上の3点では、2対0で売り有利と言える

 

週末現在の取り組みでは、…中略…

 

 さて25日に納会した1月限であるが、263.5円の納会値で受渡高は516枚と多かった。ただし事前の品質検査請求では、過去に例を見ないほど件数が不合格となったため、期近から確りした事は事実。

 なお今回の263.5円納会は、前回12月限の205.0円(452枚)よりも58.5円高い納会。更にさかのぼると11月171.0円(172枚)、10月219.8円(130枚)、9月197.0円(156枚)、8月236.6円(72枚)である。

 2月限納会 263.5円 516枚

…中略…

結論として当方の相場観は、実弾攻勢で期近から相場の高騰を抑える事が出来ない情勢では、ファンドによる先物への乗換えで一段高は覚悟せねばならないだろう。自然に天井を打つのを待つ以外の手は、売り方にはない現状である。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比 

1月22日

\21,460

-80

\25,130

130

1月23日

\21,080

-380

\24,720

-410

1月24日

\20,700

-380

\24,310

-410

1月25日

\20,660

-40

\24,180

-130

1月26日

\20,850

190

\24,340

160

 

先週号においては『NYコーヒーは三尊天井の格好であり、東京市場はWトップを形成したかもしれない。現状では大相場につながりそうなファンドの大量買いも見られず、ブラジルの裏作だけではこれ以上の上昇は困難であり、天井を打った相場であると見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、Wトップ型のチャートから一段安の展開となり、25日には24,180円まで下落。18日の高値から1,570円の下落であるが、下げの勢いもさほどは強くない印象で終了した。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

昨年12月28日に記録した25,760円(Aポイント)から年明け下げた相場は、10日に23,990円まで1,770円の下落を演じたものの、その後また反騰して18日には25,750円(Bポイント)まで上昇

今週も下げたわけだが、23,990円のCラインを割り込むようならA・BでのWトップが完成する。

しかしここはちょうど一目均衡表の雲の上限であり、大勢上昇トレンドが変わらないならば、絶好の買い場にもなる場面。大きく割り込めば天井〜トレンド転換であるが、現状では微妙なところである。

 

NYコーヒー日足(週末26日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNYコーヒーは、116.30セントと前日比0.30セント高の小動き。130セントを頭とするA・B・Cの三尊天井がネックラインDを割り込んで完成しており、もうすぐ雲の下にも出ようとしている。

この格好だと110セント辺りまで下落しても全く不思議ではなく、チャートパターンは東京市場以上に悪い。

…中略…

 

週末現在の当先の順サヤは3月限20,850円〜1月限24,340円と3,490円と前週と変化無しサヤ滑りの懸念される順ザヤであり、15日に納会した1月限の18450円の安納会を見ても、そんなに強くは見えない。

コーヒー自体の材料としては、ICO(国際コーヒー機関)の事務局長が、ブラジルの在庫は約1000万袋と歴史的な低水準と発言したことや、同機関が世界コーヒー需給の需要超過を予測するなど新たな強材料も出てきているわけだが、先々チャートの格好が良くなればそれを手掛かりに買う向きも出て来るのだろう。

なお国内市場の内部要因においても、…中略…

 結論として当方の相場観は、NY市場は完全に崩れているが、東京市場は崩れるか戻るかの分岐点である。徐々に強材料も出て来ているが、ファンドの買い玉整理は内外とも続いており、戻り売り相場には変化無しであろう。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

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