商品市況展望 割愛版

平成19年2月4日記

 

 まだ今年に入ってから一月しか経っていないわけだが、相場の方は本当に良く動く。一体どのくらい動いたのかを主要商品で見てみると、

原油…昨年末の46,000円から38,000円まで8,000円下げて、そこから4,000円上がった。

ガソリン…63,000円から53,000円まで1万円下げて、58,000円まで5,000円戻した。

灯油…58,000円から48,000円まで1万円下げて、54,000円まで6,000円戻した。

金…年明けから100円下げたが、その後200円上げた。

ゴム…昨年12月から上げ始めた相場が、290円まで100円上がった。2ヶ月間で価格は1.6倍になった。

コーン…1月だけで24,000円から28,000円まで4,000円の上昇で、上場来新高値を更新。

一般大豆…1月だけで38,000円から43,000円まで5,000円の上昇。しかし期近は高値から5,000円の下落中。

以上のような形であり、あまり動いていないアラビカコーヒーでも2000円近い上下であり、全く動いていないのは粗糖くらいのものである。

何でこんなに動くのかに明確な説明は付けづらいし、また各個別の商品によってもそれぞれ要因があるため一括りには出来ないが、この一月の中で劇的に需給やファンダメンタルズに変化があって動いたとは到底考えられない。本来、商品相場の価格変動は需要と供給によって決まるものであったが、今は明らかに違う力も働いていると考えるのが妥当だろう。

 例えばゴムなどは、取組高5万枚程度の中でファンドの買い玉は1万枚以上である。20%を占める状態となっているわけで、明らかにこれが相場に大きな影響を与えているのは間違いない。また海外市場においても、例えばシカゴコーンなどは取組高145万枚の巨大市場だが、ファンドの買い玉は40万枚と27%に及ぶ。これを無視して相場を張る事はできない。

 もちろんファンドといってもその運用者は、ファンダメンタルズで相場を張る者、テクニカルで相場を張る者など様々であろう。だが株式市場ならばファンダメンタリストも多いとは思うが、商品市場では明らかにチャート主導のテクニカルで相場を張る者が多いと思われる。トレンドは確かにファンダメンタルズ=需給で発生すると思うが、レバレッジの大きな商品市場では売買タイミングがちょっとずれただけで吹っ飛ばされてしまうゆえに、テクニカルが重要になるわけだ。それが大きな資金でどっと入るため、相場の大きな乱高下となるのだろう。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

1月29日

\39,480

250

\41,580

1050

1月30日

\39,310

-170

\40,380

L1200

1月31日

\39,400

90

\41,710

1330

2月1日

\39,400

0

\42,510

800

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

2月2日

\41,430

-130

\42,480

 

 

 まずは原油から…先週号においては『応分の戻りが出ている場面であるが、42,000円前後は戻り売りのポイントであろう。また逆に39,000円どころは、一度買ってみても面白い水準だろう。基本的には、逆張り・もみ合い相場に移行すると見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け急騰で始まった相場が翌30日にはストップ安の急落。しかしそのまた翌日31日にはまた急騰と忙しい展開。結局週末は42,000円台半ばまで上昇しての終了となった。

    東京原油日足

…削除済み…

これで12月26日の46,000円〜1月17日の38,140円まで7,860円も一気に下げた相場が、42,570円まで4,430円の切り返しである。今回の戻りは下げ幅の56.3%を回復しており、半値戻し以上の切り返しである。

チャートでは完全にV字型の反騰であり、週末のNY原油も59ドル台まで更に続伸しているため、週明けの東京原油はまたストップ高でもおかしくはない。仮にそうなれば、先物は43,680円と下値から5,540円幅、70%の戻りを演じる事となる。

一目均衡表の雲の上には44,000円台半ばで出る事となるが、このまま横ばいして42,000円台をキープしてもいずれ抜ける形である。このまま一気に大相場に発展するほどの地合いではないと考えるものの、38,000円台で底は入っていると考えるのが妥当だろう。

 

    NY原油日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

週末2日は前日比1.72ドル高の59.02ドルで終了。高値は59.10ドルだ。1月18日には安値で49.90ドルと50ドル割れを記録したのだが、これで安値からすでに10ドル近く上がった事となる。

昨年秋は大雑把に55ドル〜65ドルのもみ合いだったゆえ、今回も50ドル〜60ドルでのもみ合いの可能性もあるわけで、一度60ドルに突っかける辺りは売ってみたい気もする。原油自体の買い材料も、米ブッシュ大統領の一般教書演説での戦略備蓄在庫の積み増しを決定以外には大したものがないのも事実だし、今週の上げ材料になった米国北東部での寒波やディスティレート在庫の減少も、全般的には暖冬であるし原油・ガソリン在庫が増加している事などを考えれば、本来買われた事自体がおかしい。

しかし然したる材料が無く上がる相場は怖い!というのが相場の定石であり、半値戻しは全値戻し!という格言もある。60ドル辺りは一度売ってはみたいのだが、言うことを聞かないようならすぐに損切りしてしまいたい。

…中略…

 結論として当方の相場観は、NY原油高からV字型の反騰を見せている相場であるが、60ドル乗せでは一度売ってみたいところ。しかし然したる材料が無く上がる相場は怖いゆえ、言う事を聞かないようならすぐに手仕舞いする柔軟な方針としたい。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

1月29日

\51,610

610

\56,950

940

1月30日

\50,820

-790

\55,420

-1530

1月31日

\52,310

1490

\57,040

1620

2月1日

\53,070

760

\57,840

800

2月2日

\52,710

-360

\57,780

-60

 

 続いてガソリンです…先週号においては『待望の戻りが出たが、この戻りはまた売られる可能性が高いだろう。当面の底は入っているかもしれないが、週明けから原油高の影響でなお上昇した場面は、2番底狙いの絶好の売り場になる可能性が高いと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの急騰から翌30日の急落。更にまたその翌日31日は急騰と激しい展開であり、1日は高値で58,120円まで記録する展開となった。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

昨年11月以降の58,000円〜63,000円での5,000円幅のもみ合いの倍返しで1万円下げた相場は、ちょうど半値戻しを入れる展開となって58,000円に戻った。

問題はここからであるが、売ってみたいような、想定以上に強い展開なのでためらわれるような…というところだ。週明けはNY原油が急騰しているため、また一段高を演じそうだし。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

3月限 発会値67,000円 高値67,520円 安値49,150円 現在値52,710円

4月限 発会値57,300円 高値61,330円 安値51,970円 現在値56,660円

5月限 発会値61,990円 高値62,850円 安値52,600円 現在値58,110円

6月限 発会値58,940円 高値62,950円 安値52,700円 現在値58,040円

7月限 発会値61,960円 高値63,300円 安値52,880円 現在値58,000円

8月限 発会値55,990円 高値58,120円 安値55,930円 現在値57,780円

 25日に2月限が一代安値での納会したわけだが、今週は2日に先物8月限が一代高値を更新。まだ発会から約2,000円上げただけであるが、一本手前の7月限は安値から約5,000円上げたわけだ。

 そう言えばゴム相場も、11月に安納会してから2ヶ月間で大暴騰を演じたわけだし、このガソリン相場もそうならないという保障は無いため、怖いには怖い。

 

 …中略…

 

 結論として当方の相場観は、V字型の反騰となっている相場展開であるため、ファンドの買戻しによって一段高を演じる可能性は高い。しかしガソリンの需給も大元の原油も然したる買い材料があるわけではなく、一方的な上昇をするのは不自然だ。よってファンドが踏んだら終いか、もしくは日替わりの乱高下を演じる可能性が高いと見る。

 

 

今週の灯油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

1月29日

\50,300

990

\52,590

980

1月30日

\49,450

-850

\51,200

-1390

1月31日

\51,030

1580

\52,860

1660

2月1日

\51,310

280

\53,870

1010

2月2日

\50,880

-430

\53,980

110

 

 最後に灯油です…先週号においては『在庫の多さは致命的だろう。ここからの戻りは、また売り方針が良いと見る。特に4月限〜7月限の中もの限月の売りを中心に仕掛けるのがベターと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの急騰〜翌日の急落を経た後、原油のV字型反騰を受けて灯油も続伸。週末には54,090円の高値まで戻る展開となった。

    東京灯油日足

…削除済み…

昨年末から1万円下げた相場は、週末までの戻りで6,000円超の戻りである。材料で考えれば一番悪いはずの灯油が、原油の4,000円超、ガソリンの5,000円よりも大きな戻りを演じているのもまた不思議なものだ。それだけ弱いと売り込まれていたために、反発もまた大きかったということになるのだろう。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

3月限 発会値67,830円 高値68,000円 安値47,610円 現在値50,880円

4月限 発会値53,880円 高値59,470円 安値47,470円 現在値51,990円

5月限 発会値58,100円 高値58,460円 安値47,180円 現在値52,460円

6月限 発会値54,030円 高値58,290円 安値47,320円 現在値52,750円

7月限 発会値56,800円 高値58,260円 安値47,920円 現在値53,490円

8月限 発会値51,730円 高値54,090円 安値51,500円 現在値53,980円

25日に納会した2月限は47,900円での終了だったのに、3月限が5万円台に返り咲いたのも摩訶不思議

チャートでは先物の52,000円台で戻りいっぱいと考えていたのだが、週明けの高値を売って翌30日の急落で勝ちだ!と思っていたら、すぐに31日に急騰して手仕舞いさせられたり、全く参った展開である。

後述するが、ファンドがあれだけ買ったらしょうがないか…という展開であった。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

2月2日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

3月限

\52,710

 

\50,880

 

1,830

4月限

\56,660

3,950

\51,990

1,110

4,670

5月限

\58,110

1,450

\52,460

470

5,650

6月限

\58,040

-70

\52,750

290

5,290

7月限

\58,000

-40

\53,490

740

4,510

8月限

\57,780

-220

\53,980

490

3,800

 

…中略…

 気象庁による長期予報では、2月も暖冬の見込みであり、輸出に廻す以外は在庫解消の目処はたたない。もちろん原油高から採算値は大幅にアップしているわけで、輸出に廻せば大儲けではあろう。そういう受けを前提にした買いがあるのならば、灯油も意外に下がらん事も有り得るが、やはり現状での国内在庫を考えれば、戻り売り狙い以外は考えづらい

 結論として当方の相場観は、現状では原油高とファンドの買いで上昇に勢いはあるものの、ファンダメンタルズを考えれば最終的に売り狙いとせねばなるまい。上昇に息切れが見えたら、そこから売りを考えてみたい。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月29日

\2,522

5

\2,548

4

1月30日

\2,513

-9

\2,538

-10

1月31日

\2,509

-4

\2,536

-2

2月1日

\2,525

16

\2,552

16

2月2日

\2,542

17

\2,567

15

 

金相場は、先週号においては『チャートパターンでは一押し来ても良いところではある。しかし押しても2,450円は割り込まない可能性が高く、内外ともファンドの買い意欲は強い。大勢での買い相場は続くだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には高値で2,569円まで上昇1月9日の安値2,355円からは214円の上昇であり、結構な上昇相場となった。

東京金日足

…削除済み…

年明けの急落は2,355円まで出たものの、雲の上で支えられて反発。今週は2,569円まで上がったわけで、昨年5月に記録した2,587円突破は時間の問題か?と思われた。

しかし2日のNY金はまさかの大幅安で、前日比11.2ドル安の646.2ドルで終了である。国内換算では28円ほど安い事となる。

先週号で『倍返し達成で、一度は押すのが自然に見える。今のところ下値抵抗線は2,450円であるため、100円程度の押しが望まれる。』としたわけだが、週末まではやたら強い印象のあった相場がこれで下がれば、逆に頭が重い展開にも見えるため、一週遅れで調整安が到来してくれるのかもしれない。

チャートでは急角度の上昇トレンドAを割り込んだら調整入りであり、2,520円を割り込むと天井感が出て来る。ただし緩やかな上昇トレンドBは割り込まないだろうから、100円も下げてくれれば良い買い場かもしれない。

 

NY金日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNY金は前述の通り646.2ドルで終了。高値は659.3ドルが出ており、安値は642.0ドル上下17.3ドルの大きな動きだ。

先週にはWトップを意識される655ドル近辺まで上昇して若干下げたわけだが、今週1日そこを一気に抜けて667.2ドルまで上げたのに週末急落とは、全く意外な展開である。もちろんトレンドを割り込まずにすぐに反発すれば、次は677.5ドルを目指すことになるのだろうが、週明けのNY市場でも続落すれば目先は天井感が広がるだろう。

…中略…

結論として当方の相場観は、100円程度の調整安が望まれる場面であるが、出るとすれば今週か?ただし下げても、基本的には押し目買い方針に変化は無いだろう。

 

 

今週の白金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月29日

\4,573

13

\4,511

-3

1月30日

\4,582

9

\4,503

-8

1月31日

\4,544

-38

\4,489

-14

2月1日

\4,569

25

\4,506

17

2月2日

\4,584

15

\4,522

16

 

プラチナ相場は、先週号においては『ここで上げが止まればWトップの可能性もあるが、次々と買い材料が出て来ている中でファンドの買いがなお続くようなら、思わぬ大相場に発展する可能性もある。』とコメントした。

今週の相場展開は、4,500円を挟んだもみ合いの展開に終始。24日に記録した4,556円は抜けずに、多少頭が支えてきた格好になって来ている。

東京白金日足

…削除済み…

昨年11月21日4547円〜12月7日4,041円までの506円の下げは、今回の上昇で往って来いの上げとなったわけだが、今のところ1月24日の高値4,556円でWトップかもしれない動きではある。

ただしまだ上昇トレンドを割り込んだわけではないゆえ、なお高値を追って昨年9月の4,734円を目指している可能性も否定は出来ない。だが週末のNY市場は、急落で入電して来ている…

 

NYプラチナ日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

週末2日のNYプラチナは、前日比29.3ドル安の急落で1163.5ドルの終了。週明けの東京市場換算価格は71円安となっている。

チャート上で赤線を引いてあるのが、J・マッセイ社が昨年秋に発表した上限価格である1,200ドルのラインである。1日には1202.0ドルの高値を出したわけだが、そこで止まって下落してきており、東京市場のWトップ型のチャートと併せれば目先は天井を打った可能性が高いだろう。

 

 ともかく安値から500円以上の急騰を演じてきた相場は当初買い材料が何なのか判らぬ状況だったが、その後ロシアの国家資本主義とも言える態度の変化と、先週末に材料として明らかになった南アでの19日から鉱山でストが発生、米ブッシュ大統領による一般教書演説での白金を利用する燃料電池の技術促進ディーゼルエンジン使用による白金の触媒需要増の思惑などの買い材料が続出した中で、材料織り込み済みになったのではあるまいか?

 大きな流れでは上昇トレンドが崩れた相場ではないかもしれないが、週末のNY市場の急落を見れば、当面は上値の限界を見せ付けたと思うわけだ。

…中略…

 結論として当方の相場観は、Wトップ型のチャートで上値が重くなって来ている中、週末のNY市場での急落で勝負あったか?目先は天井を確認した相場であると考える。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

1月29日

\24,960

-60

\27,000

-180

1月30日

\24,800

-160

\26,770

-230

1月31日

\24,930

130

\27,130

360

2月1日

\24,880

-50

\27,250

120

2月2日

\24,450

-430

\26,860

-390

 

先週号においては『コーンは目先27,000円を中心とした上下1,000円幅程度のもみ合い、大豆は同じく42,000円を中心として上下1,000円のもみ合いの可能性が高いが、これも大天井を打ったわけではなく、単なる調整だろう。春の一段高に向けて、押し目は買い拾う作戦に変化無しである。』とコメントした。

今週の相場展開は、コーンは27,000円を挟んだもみ合いに終始。1月の4,000円の急騰に対する時間稼ぎの展開となった。

東京コーン日足

…削除済み…

昨年秋から上昇に転じた相場は、1月24日の高値28,040円まですでに9,000円の上昇である。また先月だけを取ってみても、一気に4,000円の上昇である。

昨年から天井は早くても天候相場の始まる4月頃だろうとして来ているわけだが、一ヶ月に4000円ずつ上がったら4月初めには36,000円にもなってしまう。幾らなんでもそれはおかしいわけで、調整を入れるのは当たり前だ。

出来れば上昇トレンドラインの支持線にくっつく辺り、もしくは高値から2,000円ほどの調整で26000円どころまで下がって欲しかったわけだが、未だそこまでの下落は出ていない。

 

シカゴコーン日足

…削除済み…

そんな中シカゴ市場では、17日の420.50セントからは調整局面に入り、現状では400セントを挟んだもみ合いの状況。下値の支持線はズバリ392.00セントであり、仮にそこを割れても一目均衡表の雲が支えとなる。

ちなみに週末2日は前日比4.00セント高の402.00セントと、再び4ドル台乗せである。

現状のペナント型のチャートはまた上に放れる線形でもあり、今のところ基調転換の危惧はほとんどない。現状の在庫率とエタノール需要期待天候相場期が近くなればどうせ懸念からプレミアムが付く事などを考えれば、最終的には5ドル台へ乗る相場であると思っているわけだ。

 

 逆に唯一の弱材料とすれば、今年の作付面積が当然増加する事であり、今のところ作付面積は前年比1,010万エーカー増の8840万エーカーとの言われているのが最大だ。これで今年並みの単収としたら生産高は120億Buを超えるものとなるが、政策変更が無くエタノール向けが拡大すれば総需要も123億〜124億Buとなるため、それでも在庫は増えない。農地面積には限度もあるだろうし、作付面積の増加が相場の高騰を抑える役目にはならないだろう。

 

…中略…

 

 

 一般大豆は、24日に43,040円まで上昇した後、現状では41,000円台でのもみ合いである。

東京一般大豆日足

…削除済み…

現状では上昇トレンドに何の変化も無く、そのうちにまた上昇を開始するのだろうという格好だ。

しかしこの大豆相場の厄介なところは、コーン以上に大きく開いた当先のサヤである。現状では7000円近い順ザヤであり、当限は…中略…

相場が先物だけなら買いと言えるのだが、シカゴのような大きな市場とは違い取組の薄くなる期近〜中物限月は内部要因での変動が激しい。このため5,000円も一気に下落するなど、一般にはわかりづらい展開となっている。ましてや一般大豆とNON大豆と2種類あるのも、この大豆相場の不透明さに拍車を掛けている。こんなんだから、穀物相場は難しいと言われてしまうのだろうな。

 

シカゴ大豆日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

そんな国内市場のいびつな市場の話は置いておいて、シカゴ市場は上昇トレンドに乗ったまま、また騰勢を強めてきている。週末2日は前日比15.25セント高の上昇で736.75セントの終了であり、高値は738.00セントまで出ている。もちろんこのところの新高値更新である。

買われた材料は作付面積の減少予測であり、コーンが増加した分だけ減少する大豆に買いが入ったわけだ。これは前々からコメントしている事で、予測どおりの展開となって来ている。

…中略…

 結論として当方の相場観は、期近の下落で大幅な順ザヤ相場を形成して来ている国内市場だが、大勢での買い方針に変化無し。割高でも内部要因の影響を受けない先物を買うのが良いだろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月29日

277.5

4.6

290.1

5.3

1月30日

271.5

-6.0

282.1

-8.0

1月31日

275.0

3.5

285.6

3.5

2月1日

278.3

3.3

288.1

2.5

2月2日

269.3

-9.0

278.1

L10.0

 

先週号においては『実弾攻勢で期近から相場の高騰を抑える事が出来ない情勢では、ファンドによる先物への乗換えで一段高は覚悟せねばならないだろう。自然に天井を打つのを待つ以外の手は、売り方にはない現状である。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け29日には高値で290.6円と290円台乗せを達成。市場ムードは300円台乗せ必至となったが、そこからは上げ渋り、週末にはストップ安で278.1円まで急落する事となった。

東京ゴム日足

…削除済み…

チャートではまだトレンドラインを割り込んではいないため、完全に天井を確認したとまでは言えないが、もうぼちぼち良かろうと考えたいところだ。元々明確な買い材料があっての上昇ではなく、チャートとファンドの買いだけで僅か2ヶ月間という短期間で100円の棒上げを演じてきた相場であり、ひとたび崩れ始めれば逆の目が出ても不思議ではなかろう。

 

特に今回は「前場の概況」でもコメントしているとおり、ファンドは推定285円程度で約1万枚の買い玉を7月限に建てた6月限は推定40円の利食いとなったわけだが、今度7月限も同様の利食いになるためには320円台が必要だ。

ファンドと言えどもゴムが必要なわけではなく値幅が欲しいわけで、買ったものは必ず手仕舞い売りして決済する点では我々一般投機家と同じだ。買ってどんどん上がれば持ち続け、次の8月限が発会すれば乗り換えるわけだが、下げれば逆にストップロスで手仕舞いして来る。1万枚の壮絶な投げに期待したいのである。

なお昨年の300円台からの暴落局面では、210円まで下がってから初めて三菱Fは途転売りに転じた。先に途転売りに転じた三井Fでも、250円を割れてからそうしている。

 

 当先のサヤは2月限269.3円〜5月限278.1円と8.8円の順ザヤ。まずまず順当なサヤであり、相場には中立な状態。

 週末現在の輸入採算価格は3月積みで287.5円。東京市場3月限の終値は270.9円であるため、16.6円の下ザヤである。通常の10円程度の下ザヤであるため、これだと売られ過ぎである。もっとも週末は東京市場が暴落したたそうなっているが、その後産地も追随安して行くゆえにサヤはまた詰まるだろう。

 産地はウインタリングが始まり、完全に減産期に突入した模様。しかしそれを囃してすでにこの高値圏まで上昇してきたわけであり、材料は出たら終いになっていると信じたい。

 1月20日現在の国内営業倉庫在庫は、3,347増の17,626トン。大幅に増加である。

 以上の3点では、1対0で売り有利と言える

 

週末現在の取り組みでは、…中略…

結論として当方の相場観は、推定285円で買ったと思われるファンドの先限の買い玉の去就が最大の焦点。これにまた利が乗って来るようなら高値更新も有り得るが、逆に水に漬かってくるようなら天井だろう。ストップロスを設定しながらの、売り方針としたい。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比 

1月29日

\20,750

-100

\24,390

50

1月30日

\20,580

-170

\24,310

-80

1月31日

\20,490

-90

\24,380

70

2月1日

\20,500

10

\24,640

260

2月2日

\20,600

100

\24,820

180

 

先週号においては『NY市場は完全に崩れているが、東京市場は崩れるか戻るかの分岐点である。徐々に強材料も出て来ているが、ファンドの買い玉整理は内外とも続いており、戻り売り相場には変化無しであろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、反発に転じた相場が週末には24,830円まで上昇25日の安値からは、650円の反発となった。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

昨年12月28日に記録した25,760円(Aポイント)、1月18日の25,750円(Bポイント)でWトップを打った相場だが、今回は逆に23,990円(Cポイント)と24,180円(Dポイント)でW底にもなっている。

結局、雲の上限で支えられて反発する格好となっているため、完全にトレンドが売りになるまでには至らなかった展開である。

 

NYコーヒー日足(週末2日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNYコーヒーは、118.35セントと前日比0.40セント安の小動き。高値では119.40セントまで出ていたが、そこからは反落した。

130セントを頭と三尊天井は完成しているが、今回115.30セントまで下げた後に雲の下抜けに失敗して戻っている。上値抵抗線は122セントであるため、その辺まで戻ったらまた売られるだろうが、上も下も大きな相場にはなりそうも無い。

となると東京市場では、25,000円台に乗せたらまたぼちぼち売りを考えるのが妥当であろう。

…中略…

 

週末現在の当先の順サヤは3月限20,600円〜1月限24,820円と4,220円の大幅順ザヤサヤ滑りの懸念される順ザヤであり、買い玉の長期保有は危険と思われる。

コーヒー自体の材料としては、新たなものは出ていない。大体がブラジルの収穫期である6月頃までは、あまり材料が無いのが普通であるが…

なお国内市場の内部要因においては、…中略…

 結論として当方の相場観は、崩れ切らずに戻している相場だが、急騰するほどの力もなかろう。25,000円台に乗ったら、またぼちぼち売りを考えてみる相場であろう。

 

 

 なお今回はおまけで、全く動きは無いが粗糖のチャートをアップする。

東京粗糖日足

…削除済み…

完全に横ばいの姿であるが、昨年の高値51,000円台からはすでに2万円の下げであり、世界的な供給過剰でこうなっているわけだ。

だがNY砂糖の取組は、コーン・原油・天然ガスに続いて第4位。決して人気が廃れてしまったわけではなく、エタノールが注目されれば何かが起きる可能性は否定できない。現在NY市場でのファンドは2.6万枚ほどの売り越しだが、夜明け前が一番暗いのということも有り得る。

当方としては31,850円にストップロスを置き、この供給過剰でも下がらなくなっている粗糖を買い仕込むのも、一つの考え方だと思っている。ダメでもリスクは少なそうだからねえ…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

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