商品市況展望 割愛版

平成19年3月11日記

 

 株価急落〜円キャリートレード巻き戻しによる大幅円高〜リスクマネーの流出〜商品相場の全面安の流れで来た市場も、やっと落ち着いてきたようである。投機マネーという存在がなくなるわけではない限り、何時までも債権などの低利回り商品に留まる事は不可能であり(そうなれば投資銀行もファンドマネージャーも飯の食い上げだ)、また市況は立ち直るだろうと思われる。

 ただし国内商品先物市場で考えた場合、相場の動きとしては何の心配もしていないのであるが、この暴落〜反騰の乱高下によって、また個人投資家が痛んだのではないかと心配だ。当方のレポートを見ている方々はそんな事は無いと思うが、預かり資金に対してちょっと多くポジションを持ってしまっている人は、ストップ安の連発があれば簡単に飛んでしまうゆえに…

 

 さてそんな中でこの週末、またしても商取法違反で経産省・農水省による受託業務停止処分が2社に下された。オムニコが3月19日〜4月10日の16営業日の受託業務停止処分第一商品が更に厳しい3月19日〜4月16日の20営業日受託業務停止処分を受けた。

 受託業務停止処分を受けると、顧客の手仕舞い注文は受けられるが、新規建て玉は禁止となる。昨年8月にも弊社・岡地が5日間の受託業務停止処分、クレボが22日の受託業務停止処分を受けたわけだが、岡地はまだ5日間という軽いものだったゆえ大きな混乱をお客様に与える事はなかったが、クレボはその後に外資系企業に買収され、フィリップフューチャーズに変わった。

 

 ここからは良い悪いの話ではなく、相場というもののシステム・宿命の話である。現物のヘッジなどを絡めたものを無視してクローズされた市場と仮定した場合は、この先物市場は儲かる人がいれば損する人もいるゼロサム・ゲームの世界である。誰かが損をしてくれるから、こちらも儲ける事が可能なわけだ。

言うならば相手の顔は見えないがマージャンと同じであり、ゲームが進めば誰かの点棒が誰かに移り、それで勝ち負けは出るが、点棒の数なら2万5000点持ちのトータル10万点は変わらないわけだ。(場代はこの際無視してだが)

さてマージャンでも何でも博打をする場合に、絶対に勝てる勝負というのは、自分よりも弱い奴としかやらない事だ。プロとばかりやっても、そりゃなかなか勝てないに決まっている。

たとえは悪いが相場の世界も同じであり、ハッキリ言えば素人のタコが多い方が勝つチャンスが大きいだろう。タコを引き連れてやって来てくれる大衆店の処分は、それだけ市場にえさが少なくなるのでつらい…というのが、当方などの見方である。

何も当方は、このレポートを先物市場啓蒙のためとか、誰もが儲けるためにとか書いているわけではない。自分と顧客が儲ければ良いのであり、その他の市場参加者には損をしてもらわなければ、儲けも無いわけだから…。そりゃ、みんな同じでしょ!

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

3月5日

\42,390

-1280

\43,280

-1570

3月6日

\42,580

190

\43,390

110

3月7日

\42,970

390

\43,900

510

3月8日

\43,460

490

\44,710

810

3月9日

\43,650

190

\44,890

180

 

 まずは原油から…先週号においては『株価急落・商品市場の急落・円高にさほど影響を受けていない状態であり、未だ押し目買い以上に弱くなったとは思えない展開である。』とコメントした。

今週の相場展開は、6日には42,600円まで大きく下落するものの、その日のうちに切り返し、結局は週末までに44,650円まで上昇する事となった。

    東京原油日足

…削除済み…

26日の高値45,830円〜今週6日の安値42,600円までは3,230円下落したわけだが、そこから2,050円戻した格好である。結局は一目の雲も割り込まずに反発した事で、やはり38,000円台で大底、41,000円台で2番底を打ったとの見方に変更は要らないだろう。

問題は何時46,000円突破から青天井の図式になるか?であるが、NY市場の週末はまた下落しており、まだしばらくはもみ合いの公算も高いか

 

    NY原油日足(週末9日分は入っていません)

…削除済み…

週末9日の終値は、前日比1.59ドル安の60.05ドルで終了。118円台まで円安ではあるが、東京市場の週明けは換算で700円ほど安い状態。

若干上げもだえてきている格好にも見えるが、それでもまだ全然崩れた格好にはなっていない。最悪下げて57ドル程度と考えられ、64ドルはまだ上値抵抗線である。

 

 さて週末のNY原油の下げ要因であるが、テクニカル要因に加え、米北東部の気温上昇見通しからヒーティングオイル相場が軟化した事が、売りを誘う格好となった。前日の思わぬ全米原油在庫の減少は、とりあえず織り込み済みになった模様である。

もっとも季節要因からそれは当たり前の話であり、今後はガソリン相場に主眼は移るわけである。製油所トラブル産油国の政情不安などの強材料はまた出て来るだろうし、今はまだ話題にするのは早いが夏場にはハリケーン懸念も出て来るはず。現状の60ドル前後の価格から、50ドル割れに向かうよりは70ドル方向に上がる方が自然だろう。

 

 なお注目は、15日にウィーンで開催されるOPEC総会である。生産枠を据え置くとの見方が大勢を占めているが、サプライズがあるかもしれないし、また各国の石油相などの発言で動くだろう。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、下げても押し目以上には弱くならないだろう。底を打っている相場ゆえ、押し目買い方針の継続としたい。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

4月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月5日

\55,470

-1400

\58,670

L1800

3月6日

\56,450

980

\58,800

130

3月7日

\57,190

740

\59,200

400

3月8日

\57,500

310

\60,350

1150

3月9日

\57,690

190

\60,150

-200

 

 続いてガソリンです…先週号においては『相場は52,000円台で大底、57,000円で2番底は付けている。他商品の急落に連れて下がった場面は、買うのが良いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、6日には57,840円まで下落するものの、その日のうちに反発。結局8日には高値で60,550円まで反発し、週末も確りと引けている。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

チャートを見て判るとおり、52,000円台での大底、57,000円どころでの2番底はまだ生きており、今週の安値は一目の雲で支えられた格好である。

ただし週明けはNY原油安からまた若干下がる可能性が高く、まだ上値も重そうである。最悪のパターンは、62,050円をトップとする三尊天井型チャートを意識され、57000円どころを割り込むと悪化するわけだが、果たしてそれほど弱い相場であろうか?下げても押し目の範囲には、留まりそうである。

逆に62,000円台に再び乗せてくるようであれば、相場の地合いは一気に強くなって来るだろう。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

4月限 発会値57,300円 高値61,330円 安値51,970円 現在値57,690円

5月限 発会値61,990円 高値62,850円 安値52,600円 現在値59,580円

6月限 発会値58,940円 高値62,950円 安値52,700円 現在値60,090円

7月限 発会値61,960円 高値63,300円 安値52,880円 現在値60,410円

8月限 発会値55,990円 高値62,180円 安値55,400円 現在値60,600円

9月限 発会値61,210円 高値62,060円 安値57,840円 現在値60,150円

 今週は先物9月限のみが、6日に一代安値を更新である。

 

…中略…

 

 今週のスポット価格は、上げたり下げたりして乱高下し、結局は前週比600円高となった。それはともかく輸入採算はかなりの高値であり、この春からスタンド販売価格も徐々に上昇しそうである。(先週にいつものスタンドで入れたら、リッター2円上昇していた)

 3月3日時点の在庫は、前週比4.0%減218.1万klと4週連続の減少である。川下の需給に特別改善は見られていないが、輸出量が増加しているようだ。また今後は春の製油所定修を迎えるわけであり、その割には在庫が多いとは言えない。

先物市場・スポット価格・スタンド販売価格の天底は、微妙にちょっとずつ時期がずれてタイムラグがあるのが普通であり、そういう面からはやはり底打ちはしているだろう。春の需要期はこれからである。

 結論として当方の相場観は、上値もまだ若干重い印象はあるが、下げても調整安の範囲に留まりそうだ。押し目買いである。

 

 

今週の灯油の値動き

 

4月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月5日

\53,240

-1170

\56,440

L1800

3月6日

\53,820

580

\56,560

120

3月7日

\54,830

1010

\57,000

440

3月8日

\55,640

810

\58,010

1010

3月9日

\54,990

-650

\57,840

-170

 

 最後に灯油です…先週号においては『ファンドの買い枚数が多いので、これが整理されたところが、絶好の押し目買いの場面になるだろう。買い方針は不変である。』とコメントした。

今週の相場展開は、6日には55,150円まで急落するものの、その日のうちに回復。8日には高値で58,280円まで上昇するなど、また高値圏に戻ってきた展開である。

    東京灯油日足

…削除済み…

47,920円で大底52,700円で2番底を打った格好である相場は、今週も押しはしたが上昇トレンドにまだ乗っている。

現状ではまだ上値にも抵抗はあるが、下げても押し目買いの格好には変化なさそうだ。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

4月限 発会値53,880円 高値59,470円 安値47,470円 現在値54,410円

5月限 発会値58,100円 高値58,460円 安値47,180円 現在値55,120円

6月限 発会値54,030円 高値58,290円 安値47,320円 現在値55,340円

7月限 発会値56,800円 高値58,260円 安値47,920円 現在値55,860円

8月限 発会値51,730円 高値58,030円 安値51,500円 現在値56,710円

9月限 発会値58,600円 高値59,640円 安値55,150円 現在値58,240円

今週は先限9月限が6日に一代安値を付けるが、すぐに戻った格好である。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

3月9日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

4月限

\57,690

 

\54,990

 

2,700

5月限

\59,580

1,890

\55,150

160

4,430

6月限

\60,090

510

\55,110

-40

4,980

7月限

\60,410

320

\55,650

540

4,760

8月限

\60,600

190

\56,400

750

4,200

9月限

\60,150

-450

\57,840

1,440

2,310

 

…中略…

 

 3月入りして、灯油の需要期シーズンがほぼ終了してから上昇して来る不思議さよ!すでに4,200円の上昇となって来ている。

 しかし輸出に廻せば大儲けなのだから、これは当然とこのところコメントして来ているとおり。ともかく今の灯油相場は、灯油ではなくジェット燃料相場だと考えれば良いわけだ。

3月3日時点での国内在庫は、前週比11.0%減283.1万klと8週連続の減少である。まだ例年よりは多いが、投売りが出るほどの過剰在庫ではなくなって来ている。 

結論として当方の相場観は、底は確認している相場である。まだ急騰まではしないだろうが、いずれは6万円台相場になって来るはずであり、押し目買い方針を貫くべきであろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月5日

\2,374

-114

\2,432

L90

3月6日

\2,415

41

\2,440

8

3月7日

\2,406

-9

\2,433

-7

3月8日

\2,460

54

\2,480

47

3月9日

\2,458

-2

\2,484

4

 

金相場は、先週号においては『週明けもまた暴落の可能性が大であるが、NY金はまだかろうじて中期トレンドは割り込んでいない。本当に崩れてしまったのか?それとも壮大なふるい落としなのか?は来週の値動き次第であろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け5日には90円幅の拡大ストップ安。先週からの大暴落の流れで手仕舞いさえ出来ない暴落であり、翌6日には2,378円まで更に54円の下落を演じるが、そこからは反騰に転じ、週末には高値で2,491円まで回復した。

東京金日足

…削除済み…

2月26日の高値2,702円〜6日の安値2,378円までは、324円の暴落であった。その後の戻りは2,491円まで113円であり、下げ幅の3分の1戻しである。

中期上昇トレンドを割り込み、一時的に一目の雲の下に抜けた相場ではあったが、先週号で『下値は今年1月の安値である2,355円辺りまで覚悟せざるを得ないだろう。』としたものが、その寸前で止まった格好だ。このまま戻って、また上昇トレンドラインの上に出ることが出来たら、今回の調整安も止まったと判断出来るだろう。

それにしても僅か6営業日で300円以上下がり、しかもうち3回はストップ安で手仕舞いさえも困難だった相場ゆえ、まともに食らえば1枚=9万円の証拠金で30万円以上なのだから、これを生き残った人は資金配分の大切さを身を持って経験しただろう。長くやっている人は、昨年の5月の急落はもっと大きかったから、まあ大した事はなかろうが…

 

NY金日足(週末9日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNY金は、前日比3.5ドル安652.0ドルで終了。ただし為替は118円台まで円安が進んでいるため、東京市場の週明け寄り付き換算値は7円高程度。

こちらは短期上昇トレンドを割り込んだが、中期上昇トレンドと一目の雲に支えられて反発。結果的に6日の634.5ドルは底であっただろう。5月に向けて、3段上げ目に突入するのだと考えても良いだろう。

ともかく今回の下げは、692.5ドル〜634.5ドルまでの58.0ドルの下げで完了したと考える。

 

…中略…

 

結論として当方の相場観は、今週で調整安は完了しただろう。次は3段上げに移ると想定しており、時期は5月頃、高値は700ドル台を目指した上昇相場に移って行くものと想定する。

 

 

今週の白金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月5日

\4,444

-176

\4,432

L100

3月6日

\4,449

5

\4,407

-25

3月7日

\4,414

-35

\4,342

-65

3月8日

\4,480

66

\4,436

94

3月9日

\4,515

35

\4,463

27

 

プラチナ相場は、先週号においては『突然の暴落となった相場であるが、外部要因だけで来ている下げである。もう一段安は必至の情勢だが、ここからの安値は売るよりも買いを狙いたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け5日のストップ安張り付きから、6日には安値で4,286円まで下落。しかしその日のうちに大幅に切り返し、その後の乱高下を経て週末は4,464円のほぼ高値引けである。

東京白金日足

…削除済み…

26日の高値4,782円〜6日の安値4,286円までは、僅か6営業日で497円の大暴落。しかし週末までは178円戻っており、3分の1戻しを達成である。

大体が一相場400円下げれば止まるのもこの相場であり、週明けはまだ早いかもしれないが、ぼちぼちまた買いを考えたいところに来ている気はする。』と先週コメントしたが、概ねそのとおりの展開である。

チャートでは一目の雲の下で支えられた格好であり、何とか下抜けを阻止して雲の上に出て来ている。よほどのことが無い限り、底打ちしただろう。

 

NYプラチナ日足(週末9日分は入っていません)

…削除済み…

週末9日のNYプラチナは、前日比10.8ドル安1203.7ドルの終了。為替が118円台まで円安となっているため、また東京時間金曜の夜間取引よりは戻っているため、これでも換算では45円高程度となる。

28日の高値1269.9ドルから5日の1164.0ドルまで105.9ドルも暴落した相場ではあるが、ちょうど上昇トレンドの下限で止まっての反発であり、今となってみれば理想的な押し目であったと言えるだろう

 

 さて今回のプラチナ相場の急落は、すべて外部要因であり、プラチナ独自の何か弱材料が出たわけではない。戻りだせば、また排ガス規制用需要などの見直しが入るだろう。

内部要因では…中略…

 

 なお週末現在で当先のサヤは、52円の逆ザヤ。逆ザヤが100円以上になったところは、新規買いしておくと儲かる傾向は続いている。

結論として当方の相場観は、今回の暴落も500円ほど下げて終了しただろう。再び相場は上昇トレンドに入ると想定しており、押し目買いが有利な展開だろう。

 

 

 

〔穀物〕