商品市況展望 割愛版

平成19年5月13日記

 

 武田邦彦著の『環境問題はなぜウソがまかり通るのか 』という本が出版されて話題になっている。

 そこにはペットボトルの回収の再利用率は6%に過ぎず、94%は焼却処分されているとか、リサイクルするには逆に石油が7倍掛かるためかえって資源の無駄になるとか載っている。

 また地球温暖化問題で、『北極の氷が溶けると海面が上がる』と世間一般で思われているらしいが、実際にはアルキメデスの原理からすれば氷が溶けたところで海面が上がるわけがないとか、環境問題で槍玉に挙げられるダイオキシンも、そもそもダイオキシン自体が昔から地球上に存在していたもので、殆ど実害のない代物であるとか、目からうろこの話が載っている。

 

 さてひるがえって、商品相場の世界を考えると、高騰しているのは自動車排ガス規制の触媒用需要の高まりを受けたプラチナ相場、『環境にやさしい』を売りにしたETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)ガソリンを作るために必要なエタノールの原材料であるコーン相場など。

 世の中、環境問題といえば文句を付けられない風潮であり、ゴアの『不都合な真実』などというセンセーショナルな映画の流行もあって、商品相場の世界も環境問題の影響は大である。

 

 食い物をエネルギーにするなど、どう考えても正気の沙汰ではないわけであるが、地球温暖化のためには必要と言われれば、そうかな?と思ってしまうのが一般の心理。正直言えば、わざわざ米国がコーンをエネルギーとして使おうと考えるのは、穀物の世界輸出の中では米国1国がほとんど占めている現状の中で、ロシアや中東の石油のように戦略的に穀物を使おうとの思惑でしかなかろうと当方は判断しているのだが、現にこの日本においてもすでにバイオガソリンが販売されたりしているのだから、その流れは変えられまい。

 またコーン自体ではなく、その茎などのセルロース系エタノールの開発も行われているが、何せ茎だと量がかさばってコストが上がる。おそらく実用化はしないだろうから、やっぱり手っ取り早くコーンを使うだろう。

 

 環境問題、エネルギー問題の解決には自動車を減らすのは一番なのは当たり前だが、その当たり前のことを行えるわけはない。全員自家用車は止めて、今後は電車かバスのみですよ!とはならんし、今後発展途上国の車も増えるに決まっている。

 そんな中で、これからの相場はどうなるのか?と想像する事こそ、トレンドをつかむ近道ではあるまいかと思うわけだ。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月7日

\47,480

-1220

\47,980

-1190

5月8日

\57,200

-280

\47,540

-440

5月9日

\47,600

400

\47,950

410

5月10日

\47,360

-240

\47,640

-310

5月11日

\47,660

300

\48,140

500

 

 まずは原油から…先週号においては『夏場に向けて上昇相場であるとの見方は変わらない。連休明けから大きく下げてくれれば、また買い場が到来してくれるので良いとの見方である。』とコメントした。

今週の相場展開は、GW明けに暴落から始まった相場が47,000円台半ばまで水準を切り下げたが、週末に48000円台まで反発して終了。

    東京原油日足

…削除済み…

38,000円台で大底、41,000円台で2番底を確認していた相場は、4月には49,000円台まで上昇したが、このGW明けも2,000円弱の調整安。もっとも4月20日にはすでに46,810円まで下げた場面もあったわけで、それも割り込んではいない。

ズバリ結論から言えば、下げても46,000円は強力な下値抵抗線であり、高値飛び付き買いをした向きは3,000円も下げればクラッとするだろうが、今年1月からの1万円の上昇相場を演じた上昇トレンドはまだ死んでいないだろう。

天候だけは当たり外れがあって神のみぞ知るだが、今年はハリケーンが多いと予想されている事もあり、今後ハリケーンシーズンの到来とともに下値リスクよりは上値リスクの方が大きいのは当然の事だろう。

 

    NY原油日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

NY原油も1月の51ドルは底値であり、現状では4月2日の68.20ドル、5月1日の67.78ドルでWトップ型になっているが、60ドルを割り込むほどの下げになるとは考えられない。

昨年は8月に78ドル台まで上昇しており、結果的にハリケーンは来ずにその後大きく下げたわけであるが、今年も夏場に向けて下がるよりは上がる可能性の方が大きいだろう。

 

なお週末のNY原油は前日比0.56ドル高の62.37ドル。東京市場換算では、500円以上の上昇となる。

それ以上に注目しているのは、本来ならば中東産原油よりも高いはずのNY原油が、下ザヤに位置していること。ちなみに同日のオマーン原油は64.36ドルドバイ原油は63.52ドルである。流通量の少ないNY原油=WTI原油は、実需に基づく中東原油と違って金融商品の側面が強いわけだが、ちょっと割安に放置されているのではないかというのが、当方の見方でもある。

 

CFTCによるファンドの建て玉報告は、…中略…

東京市場の内部要因では、…中略…

 結論として当方の相場観は、調整安は完了し、相場は再び上昇に移るだろう。逆に、仮にまだ調整局面が続いたとしても、46,000円割れはないだろう。押し目買い方針である。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月7日

\64,970

-1280

\62,190

-1720

5月8日

\64,450

-520

\61,880

-310

5月9日

\64,300

-150

\62,200

320

5月10日

\63,510

-790

\61,570

-630

5月11日

\63,900

390

\62,040

470

 

 続いてガソリンです…先週号においては『期近はやはり青天井の相場展開になって来ている。先物は若干頭が重いが、それでもチャートパターンから見て大きな下落は無いだろう。あったらそこは買い場になるだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、GW明けに急落した相場が10日には61,510円まで下落。連休前からはおよそ3,000円の下落を演じる事となった。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

 『62,320円を下回らない限り、通常はこの三角持ち合いは再び上に放れるパターンである。』とコメントしていたものが、連休明けの大陰線でその価格を割り込み、短期的にはWトップ型の天井が完成。そのため下落幅が大きくなってしまった。

 しかし週末の反発と、来週週明けはNY原油高からの反発が期待されるため、また一目の雲で支えられそうな気配もあるため、このままWトップからの下落は避けられるか。

 とりあえず上値抵抗線は62,320円となるが、あっさりと戻るようならば今回のWトップはダマシになる可能性もあるだろう。まだ手放しの強気とは言えないが、過度な弱気もどうかと思われるところ。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

6月限 発会値58,940円 高値66,300円 安値52,700円 現在値63,900円

7月限 発会値61,960円 高値66,090円 安値52,880円 現在値63,370円

8月限 発会値55,990円 高値65,950円 安値55,400円 現在値63,080円

9月限 発会値61,210円 高値65,250円 安値57,330円 現在値62,580円

10月限 発会値60,500円 高値64,730円 安値59,590円 現在値62,000円

11月限 発会値63,900円 高値64,240円 安値61,510円 現在値62,040円

 先物11月限が10日に一代安値を更新。すべての限月が連休前の高値から3,000円ほどの下落であり、期近からの青天井相場には終止符が打たれた。

 

今週も三菱Fのポジションを記すと、…中略…

なおその他の主要取引員の動向は…中略…

 

 

 11日現在のスポット価格は、65,000円台まで上がったっているが、連休明けは横ばい〜若干軟化気味。また10日現在の輸入採算価格は73,000円となっており、4月26日比1,200円高である。

 5月5日時点の在庫は、前週比2.6%減211.8万klと3週連続の減少である。GW明けの需要減退予測から、今後は増加するとの見方も多く、逼迫感までは無いようだ。

 5月の納会値64,660円、現在のスポット価格65,000円、輸入採算は73,000円と更に上値に位置している中で、6月限はすでに64,000円割れまで出たのだから、調整は終わったと思われる。

 すべてはファンドが週明け6,000枚売ったことが今回の下げ要因であり、それが消化されたら元に戻ると考えるのが自然だろう。

 結論として当方の相場観は、調整安は10日で終了したとの見方。再び相場は、上昇トレンドに戻るだろうと考えている。

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月7日

\60,230

-1050

\63,530

-1630

5月8日

\59,840

-390

\63,000

-530

5月9日

\59,760

-80

\63,150

150

5月10日

\58,670

-1090

\62,500

-650

5月11日

\58,950

280

\63,080

580

 

 最後に灯油です…先週号においては『順ザヤ相場で何となく買いづらいムードが出ているようだが、季節習性からこの順ザヤはおかしくない。ガソリンと比べて割安な10月限を買い狙いたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、10日には安値で62,300円まで下落。連休前の高値からは、4000円近い下落となり、原油の2,000円、ガソリンの3000円と比べても一番下げが大きい展開となった。

    東京灯油日足

…削除済み…

結局大きな調整を迎えてしまった相場であるが、10月限・11月限を中心にガソリン売り・灯油買いを仕掛けていた向きが狙われた展開となってしまったようだ。当方もそれをやっていた一人であるが…

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

6月限 発会値54,030円 高値61,710円 安値47,320円 現在値58,950円

7月限 発会値56,800円 高値61,870円 安値47,920円 現在値59,080円

8月限 発会値51,730円 高値62,290円 安値51,500円 現在値59,480円

9月限 発会値58,600円 高値63,680円 安値55,150円 現在値60,450円

10月限 発会値60,540円 高値65,490円 安値59,950円 現在値61,730円

11月限 発会値66,000円 高値66,230円 安値62,300円 現在値63,080円

今週は11月限が10日に一代安値を更新

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

5月11日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

6月限

\63,900

 

\58,950

 

4,950

7月限

\63,370

-530

\59,080

130

4,290

8月限

\63,080

-290

\59,480

400

3,600

9月限

\62,580

-500

\60,450

970

2,130

10月限

\62,000

-580

\61,370

920

630

11月限

\62,040

40

\63,080

1,710

-1,040

 10月限のサヤはガソリンよりも大幅に安くなっており、理論的には詰り過ぎているだろう。先物2本がすでにピークから1,000円以上の詰まりを見せたわけだが、再度この逆ザヤは灯油買い・ガソリン売りを考えてみたい。

 

さて今週も三菱Fのポジションを記すと、…中略…

 

11日現在のスポット価格は58,000円台半ばであり、10日現在の輸入採算価格は66,700円と、26日比700円安である。

 5月5日時点での国内在庫は、前週比9.3%増202.8万klと4週ぶりの増加である。出荷量の落ち込みが、在庫増の要因である。

 しかし連休中で灯油とジェット燃料をあわせた輸出が止まったのかもしれないし、もう少し推移を見ないと判らん面は多いか。

 結論として当方の相場観は、ファンド売りによって大幅下落を強いられた相場であるが、さすがに下げ過ぎたのではあるまいか。いずれ先物は需要期の見直し買いが入ると想定する。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

5月7日

\2,660

62

\2,682

H60

5月8日

\2,653

-7

\2,676

-6

5月9日

\2,645

-8

\2,670

-6

5月10日

\2,623

-22

\2,646

-24

5月11日

\2,579

-44

\2,603

-43

 

金相場は、先週号においては『多少下落してもおかしくは無いが、下げても2,500円台半ばは買い場になるだろう。現状では下げても、本格的な下落にはつながらないと考える。』とコメントした。

今週の相場展開は、連休明けはいきなりストップ高の急騰で始まった相場が、8日には2,684円まで上昇。しかし2,700円台乗せはならずで反落に転じた相場は、週末には一時逆にストップ安の2,586円まで下落し、その後2,600円台は回復して終了となった。

東京金日足

…削除済み…

元々2,500円台半ば辺りが買い場かな?と思っていたゆえ、週末の下げも想定の範囲内。しかし上に抜けたと見せかけての急落は、最近の相場はダマシが多い事の証明。
 週末のNY金は再び上昇しており、ひょっとして週末の安値もまたダマシであったかも… 正直、難しい相場展開だな。

 

NY金日足(週末11日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNY金は前日比5.3ドル高672.3ドルで終了。週明け東京市場換算値は18円高程度の見込み。

Wトップ型のチャートは決して良くもないが、10日の下落は一目の雲で支えられる近辺でもある。

 

なおこの金相場であるが、著名アナリストであるメリーマン5月中に高値から20%程度の大幅調整安があるとの見方を出しているようだ。20%といえば東京市場で500円あまりの下げを意味しているが、それがNYベースで一度700ドル台に乗せてから来るのか?それとも今の下げがそれに繋がるのか?は判らん。もちろん本当に、あるのかどうかもだが…

ただし今までも、300円や400円は短期間に急落したことは何度もあるし、それでも長い目で見れば単なる押し目だった事も事実。相場が高値圏にあり、また振幅も大きいのだから、500円下げても大勢は買いだとメリーマンも言っているみたい。

 

CFTC発表による5月8日現在のファンドの建て玉報告は…中略…

 

結論として当方の相場観は、2,500円台半ばは買い場になるだろうが、果たしてそこまで下がるのかは判らん。また高値は2,700円までしばらく到達しないと思われ、順当ならばこの辺で乱高下を繰り返すか。

 

 

今週の白金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

5月7日

\5,107

146

\4,987

H100

5月8日

\5,107

0

\4,988

1

5月9日

\5,126

19

\5,010

22

5月10日

\5,120

-6

\5,004

-6

5月11日

\5,081

-39

\4,974

-30

 

プラチナ相場は、先週号においては『調整局面入りとなっている相場が、一度大きく下に突っ込んでくれれば、そこは絶好の買い場となるだろう。もちろん下がるかどうかは判らんが…とコメントした。

今週の相場展開は、連休明けにストップ高でその後5,000円台の大台乗せ。しかし週末は一時急落して逆にストップ安限月も記録するが、引けには買い直されて30円安まで大きく戻って終了した。

東京白金日足

…削除済み…

週末の下げも上昇トレンドを切るには至らず、高値圏での推移のまま。とにかく最近コメントしているとおり、このプラチナ相場は地球温暖化問題からの排ガス規制用の触媒需要があるため、容易にトレンドが変わらない。

ただし何時調整安が入っても不思議ではないところまで上昇しているわけであり、もしも急落したらそこが買い場になるとしか言えない。どこかでまた2月末〜3月初めのような、500円程度の調整が入ってくれれば良いのだが

 

NYプラチナ日足11日分は入っていません)

…削除済み…

11日のNYプラチナは、前日比17.5ドル高の急反発で1341.7ドルの終了。週明け東京市場換算値は54円高となる。

近々、J・マッセイ社による需給報告があるはずで、最大の焦点はそれだろう。それ次第で一段高も有り得れば、一度大きな調整が入る事も有り得る。しかし基本的に新たに買うには、調整が入ってくれたら…というのが妥当であることは間違いない。

 

さて内部要因では、…中略…

 

 なお週末現在で当先のサヤは、107円の逆ザヤ。相変わらずの逆ザヤであり、その面からは売りよりは買いが有利な展開。

結論として当方の相場観は、まずはJ・マッセイの需給報告を待ちたい。売り狙いする気はないが、かと言ってここからの高値を買い進む気にもならぬため、大幅調整安を期待したいが、あるかどうかは判らん。

 

 

なおプラチナ相場が約5,000円する中で、パラジウム相場が1,400円程度まで下がったのは魅力。いずれは自動車触媒にプラチナの替わりにパラジウムを使ういうような、劇的な材料が出ると思っている。

 

 

 

〔穀物〕