商品市況展望 割愛版

平成19年6月24日記

 

 今週は19日にほとんどの商品が目先天井を付けて、急落の状況となっている。商品はそれぞれ個別の材料があるわけだが、最近のビックプレイヤーはインデックス型ファンドであり、欧州や米国の巨大ファンドマネーが動いて価格形成するわけで、個別の材料よりも彼らの動向が物を言う。

 おそらくこれは商品市場だけに限らず、株式市場だろうが不動産市場だろうが同じなのだろう。

 元々ヘッジファンドと呼ばれるものの資金のバックボーンは、資産家のプライベートな資金であったわけだが、先週号でもお伝えしたとおり今は、年金基金などは言うに及ばず、中国やシンガポールなどの中央銀行の資金さえ流入しているらしい。

 それが低金利の日本で調達され、レバレッジを効かせて市場に流入するわけだ。だから為替も円高にはならない。

 

 さてそんなファンドであるが、米国では大手ファンド・ブラックストーンが上場する。上場によって得る同社の会長の創業者利益は、何と2300億円に達すると見込まれているというのだから凄まじい。

これがバブルなのかどうかは意見が分かれるところであろうが、投機の世界では日本勢がまだ欧米に対して後塵を拝しているのは否めない。特に日本の商品先物市場は、18世紀の大阪・堂島の米相場から始まった伝統のあるものなのに、外資にいいようにされているのは残念としか言いようが無い。

ただしいずれは、『日本人のための日本人によるファンド=ヤマトファンド』というようなものが作られていかねばならぬだろう。自動車、精密機械などの製造で世界に冠たる技術力を誇る日本が、金融の世界で何時までも世界に遅れを取ってどうする?というのが大和魂だろう。

 

現在、国内商品取引所は24時間取引の構築を目指して動き出したようであり、いずれにしても先物の世界は大きく変化を遂げて行く事は確実。そんな中でどうするのかであり、様々なプランが当方の頭の中には一応ある。
 それはそれとして、今の相場はその資金流入ということから考えれば、まだ確実に買い相場の中にいるだろうと思われる。これが反転して売り相場の時代に入る事も当然あるだろうが、その時はおそらく現在の円キャリートレードが巻き戻しに入る時だろう。

そうなった場合は、下手すれば小さな国の中央銀行は吹っ飛ぶくらいの事件が起きるはずであり、逆に言えばそういう事態が起きてから延々と売り!を考えても遅くないのでは?と当方は思っている。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月18日

\51,090

200

\52,970

380

6月19日

\51,250

160

\53,430

460

6月20日

\51,100

-150

\52,990

-440

6月21日

\51,090

-10

\52,890

-100

6月22日

\50,940

-150

\52,510

-380

 

 まずは原油から…先週号においては『今年の新高値を更新した相場であるが、今後調整局面入りで下げたとしても51,000円台がせいぜいだろう。次は史上最高値更新をターゲットであり、越えても6月中は天井打ちにはならないだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、19日には上場来最高値となる53,610円まで上昇。その後は1,000円ほどの下落調整局面に入って週を終えた。

    東京原油日足

…削除済み…

今週19日に記録した高値は、昨年7月の53,200円の史上最高値を更新する上場来最高値である。

その後若干押しているものの、先週号でもコメントしたとおり『天井形成はハリケーンシーズンである可能性は高く、昨年はそれが来なかったわけだが、今年はすでにハリケーンの多発が危惧されているわけであり、少なくともこの6月に天井を打つことはなかろう。』とする考え方に変化は無い。

 ただし現状では、4月・5月・6月の3段上げは相対力指数での逆行であり、押しは50ポイント割れまで調整してから次の上昇波動に入っている。今回もそうなるかどうかは判らぬが、2,000円〜3,000円程度の押しが入って次の上昇に移るのか理想的だ。そして次の高値を7月半ばに記録するのがわかりやすい。

 いずれにしてもトレンドは右肩上がりのままであり、51,000円台まで押してくれれば絶好の買い場となるだろう。

 

    NY原油日足(週末22日分は入っていません)

…削除済み…

週末22日のNY原油8月限は、前日比0.49ドル高の69.14ドルで終了。東京市場換算だと270円高の計算になる。

チャートでは4月以来の62ドル〜68ドルのもみ合いを上放れしている状態であり、6ドル幅のもみ合いの倍返しなら74ドル台は狙えるだろう。押してもせいぜいが65ドルの相場に見えるため、弱気出来る状況ではないだろう。

 

なお前々からコメントしている通り、北海ブレントはすでに71ドル台、ドバイ・オマーンの中東産原油も67ドル台でNY原油と価格差はさほどない。となればNY原油の74ドルが、突拍子もない高値だとは到底思えぬ。昨年のNY原油の高値は78.40ドルでもあるゆえに…

…中略…

 

東京市場の内部要因では、…中略…

 

なお目先のポイントであるが、全米原油在庫は大幅に増加しているが、問題は老朽化した製油所でガソリン消費をまかなえるかどうか。また原油相場はこれからハリケーンシーズンを迎えるわけで、これのある無しで大きく変動する可能性があるわけで、ある意味天候相場期突入と同じである。
 ただし今夏のラニーニャ現象は、米気象予報機関NWSによると、むこう数ヶ月間米国の天候に影響を与えず、ずれ込む見込みであるとの見込みを出している。穀物相場にも影響を与えるラニーニャ現象は、今夏の最大の注目点である。

 結論として当方の相場観は、チャートパターンから見れば目先は調整安先行の場面でもおかしくないが、押しても51,000円台だろう。右肩上がりの相場上昇はまだ続くと思われ、7月半ばには更に高値が出ているだろうと考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月18日

\66,040

-100

\65,960

100

6月19日

\65,940

-100

\66,430

470

6月20日

\65,580

640

\66,060

-370

6月21日

\68,030

1450

\66,260

200

6月22日

\68,380

350

\65,550

-710

 

 続いてガソリンです…先週号においては『調整安が出ても1,000円〜2,000円がせいぜいだろう。目先は68,000円台に向けて、一段高の公算が高いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、19日には66,740円の高値まで上昇。13日の安値62,590円からは4,150円の上昇であったが、その後は65,500円どころまで1,000円強の調整安局面となった。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

今年の最高値更新後に調整安局面を迎えているが、未だ右肩上がりのチャートであることは間違いない押しても64,000円どころがせいぜいであろうし、大した下げは考えづらい。

また週末に下げたのは、○○・ファンドの手仕舞い売りの影響が大と思われるが、途転して大きく売って行く事態にでもならない限り、下げは限定的だろう。その他の外資系ファンドは大きく買っている事もあり、下がらん事も有り得る。

さらに逆ザヤに推移してしまった相場は、切り返すと早い可能性も高く、やはり買いを主体で考える相場であろう。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

7月限 発会値61,960円 高値68,410円 安値52,880円 現在値68,380円

8月限 発会値55,990円 高値68,180円 安値55,400円 現在値68,100円

9月限 発会値61,210円 高値67,180円 安値57,330円 現在値66,810円

10月限 発会値60,500円 高値66,230円 安値59,590円 現在値65,700円

11月限 発会値63,900円 高値66,150円 安値61,510円 現在値65,370円

12月限 発会値66,070円 高値66,740円 安値62,590円 現在値65,550円

 今週は19日に先物12月限と11月限が一代高値更新であり、その後10月限・9月限が21日に一代高値をさらに更新し、8月限・7月限の期近2本は週末22日まで一代高値を更新した。

 来週納会を迎える7月限は踏み上げ相場の様相であり、先週のコメントで68,000円台を目指して上昇するとしたものが、期近から実現した格好である。

 なお現状での逆ザヤ相場への推移は、季節要因からして特に不自然ではないが、やはり逆ザヤは買われやすい環境の相場となるだろうと思われる。

 

…中略…

 

なおその他の主な取引員のポジションは、…中略…

 

 今週のスポット価格は、73,000円台での推移。また21日現在の輸入採算価格は71,900円となっており、14日比1,100円高。

 6月16日時点の在庫は、前週比2.6%減204.2万klと2週ぶりの減少である。

 レギュラーガソリンの全国販売平均価格は、リッター138.9円と前週と変わらず。元売は値上げに踏み切ってきたためスポット価格も急上昇であり、これが期近の68,000円台乗せに繋がっている。

 結論として当方の相場観は、幾ら下げても64,000円どころがせいぜいだろう。最終的には期近と同様に68,000円台を目指す展開に変化は無いだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月18日

\61,500

-70

\68,000

-50

6月19日

\61,600

100

\68,530

530

6月20日

\61,310

-290

\68,240

-290

6月21日

\61,450

140

\68,700

460

6月22日

\60,700

-750

\67,890

-810

 

 最後に灯油です…先週号においては『週末には全限一代高値を更新してから軟化したが、押してもしれているだろう。いずれ7万円台相場になって来ると思われ、押し目買い方針には変化無しである。』とコメントした。

今週の相場展開は、19日には68,940円と今年の最高値を更新。しかし週末に掛けては調整安局面に入り、1,000円強の調整安を演じることとなった。

    東京灯油日足

…削除済み…

13日の65,010円から一気に3,930円上げた相場であるが、仮に調整局面が長引いたとしてもその安値は割り込まないだろう。

右肩上がりのトレンドに変化は無く、いずれは7万円台に乗せてくる展開と考えている。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

7月限 発会値56,800円 高値62,200円 安値47,920円 現在値60,700円

8月限 発会値51,730円 高値63,310円 安値51,500円 現在値62,300円

9月限 発会値58,600円 高値64,840円 安値55,150円 現在値63,590円

10月限 発会値60,540円 高値66,110円 安値59,950円 現在値64,960円

11月限 発会値66,000円 高値67,540円 安値62,300円 現在値66,370円

12月限 発会値67,900円 高値68,940円 安値65,010円 現在値67,890円

今週は8月限が21日に、その他の限月が19日に一代高値を更新した。当限はさすがに不需要期で上げていないが、その他の限月はすべて軒並み一代高値の更新であり、全くガソリンと遜色の無い上げである。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

6月22日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

7月限

\68,380

 

\60,700

 

7,680

8月限

\68,100

-280

\62,300

1,600

5,800

9月限

\66,810

-1,290

\63,590

1,290

3,220

10月限

\65,700

-1,110

\64,960

1,370

740

11月限

\65,370

-330

\66,370

1,410

-1,000

12月限

\65,550

180

\67,890

1,520

-2,340

 このサヤで見れば、買い狙いはガソリンなら先物で、灯油なら10月限・11月限ということになろうか。

 なお来週発会する1月限は、順当ならガソリンは若干の順ザヤで、灯油は大きく順ザヤで発会するだろう。

…中略…

 

その他の主要取引員のポジションは、…中略…

 

今週のスポット価格は60,000円台での推移であり、21日現在の輸入採算価格は73,100円と、14日比2,500円高である。

 6月16日時点での国内在庫は、前週比4.8%増244.4万klと2週連続の増加。生産量が増加しての在庫の増加であるが、輸入採算価格は急騰で輸出に廻せば元売は大儲けできる。

 今は相場の頭が抑えられている印象も多少あるが、スポットで調達してジェット燃料に加工し輸出すれば、一気にまた変わる可能性はある。おそらくそのような輸出をあまりに多く行えば、消費者からの反発があると抑え気味なのかもしれない…

 結論として当方の相場観は、来週は1月限の発会もあるわけであり、チャートは更に好転するだろう。押し目買いの好機は近いと見る。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

6月18日

\2,616

36

\2,643

41

6月19日

\2,608

-8

\2,631

-12

6月20日

\2,618

10

\2,644

13

6月21日

\2,607

-11

\2,631

-13

6月22日

\2,600

-7

\2,624

-7

 

金相場は、先週号においては『他商品高と円安の影響で一段高をするのか、それとも長期金利の上昇からリスクマネーの流出が起きるのか、定かではない。よってしばらく様子見としたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、20日には2,649円の高値まで記録するものの、総じて2,600円台前半での小動きな展開となった。

東京金日足

…削除済み…

2,700円台乗せとなれば、もみ合い上放れで急騰の可能性もあるわけだが、今のところそこまでの勢いは感じられない。しかし下値も円安が支える格好になっており、底堅い。

正直今は、他商品高やファンドマネーの流入で一段高を演じるのか?それとも金利上昇からのリスクマネーの流出が先なのか?当方も迷っているが、市場も迷っているようである。

狭いレンジでの逆張り手法ならともかくとして、今はまだ決定打に欠ける展開であり、しばらく様子見とするしかあるまい。

 

NY金日足(週末22日分は入っていません)

…削除済み…

週末22日のNY金は、前日比2.8ドル高の657.0ドルで終了。チャート判断では660ドル台で雲にくっついた場面は、跳ね返されており戻り売りの格好である。

もっともここから下がらなければ、A・B・Cでの小さな逆三尊底の形成も考えられる場面であり、雲の上に抜ければ強い、逆に647.0ドルを再び割り込めば弱いチャートである

…中略…

 

ドル・円相場日足

…削除済み…

軟調に見えるNY金に対して国内金の相場が強く見えるのは間違いなく、現在進行する円高の影響だろう。

為替は3月の115円台から一貫して円安のトレンドであり、現在は123.円90銭台まで記録しており、まさに抵抗線を完全に突破した姿である。欧州ではさらに金利が引き上げられるとの観測があり、このような情勢では容易に円安進行が止まるとは思えない。

しかも仮に止まれば、円キャリートレードの巻き返しから、世界中の株式・商品に至るまでその資金で買われているものが暴落する可能性がある。それは誰もが避けたい事態であろうし、最期にどうやって軟着陸させるつもりなのか興味深々だ。

 

なおよく言われる金相場の話で、株式市場が急落すれば金にヘッジ買いが入るというものがあるが、当方はその見方には反対である。最近の相場は、株が下がれば金(商品)も下がり、どちらかといえば連動しているケースが多いと思われる。
 それは株式市場も商品市場も、ビックプレイヤーは同じファンド資金だからではなかろうか?株で損が出ていたら金も利食い売りをする!というのが彼らの行動パターンであると考えられる。金利の上昇は、金もそうだが株式にも悪影響だしねえ…

週末のNY株式市場は185ドル安の下落となっているが、さらに崩れるようなら金も売られるだろう。

結論として当方の相場観は、NY金の軟調な展開と円安での後押しとで、東京金は小動きな展開が続くだろう。目先は手出し無用か。

 

 

今週の白金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

6月18日

\5,124

67

\5,087

82

6月19日

\5,118

-6

\5,083

-4

6月20日

\5,115

-3

\5,085

2

6月21日

\5,125

10

\5,089

4

6月22日

\5,127

2

\5,082

-7

 

プラチナ相場は、先週号においては『このもみ合いはいずれ上に放れるもみ合いだろうが、現状ではすぐに買わねばならないものとも思えない。押し目を待っての買い仕込みとしたい。とコメントした。

今週の相場展開は、19日に高値で5,099円まで上昇。また最高値の更新であるが、もみ合い上放れで一気の急騰とはならず、その後は横ばいで終了した。

東京白金日足

…削除済み…

先週まで5,000円どころでのもみ合いを続けていた相場は、今週は週明けから大きく買われ、また水準を切り上げた

いずれ上に抜けるもみ合いであると先週号でもコメントしたが、早速現実化したにはしたが、上がっては一休みするが大きな調整安がない転買いが続いており、新たな仕掛けはしづらい展開が続いている。

なお○○の大量買いは○○銀行のほか、○○○○などが入っている。下がってもまた買うのであろうから、ともかく今は下げたら買うしかなかろう。

 

NYプラチナ日足22日分は入っていません)

…削除済み…

どう見ても1350ドルでWトップだろう…と見えたチャートであるが、C・Dで今度W底のような格好でもある。

ともかく現状のプラチナ相場のキーワードは『地球温暖化』であり、排ガス規制の強化による需要の下支え、それを手掛かりに買い上げるファンド、市場規模が小さいのにETFの資金が入っているなど、容易に崩れる格好ではないわけだ。

なお週末のNYプラチナは、前日比9.0ドル高1308ドルで終了。東京市場換算値は50円高程度の見込みであり、また週明けに東京は新高値更新をするかもしれない。

先のJ・マッセイ社による需給報告では、今後半年間の予想価格帯は1,200ドル〜1,400ドルとされたわけだが、現在はその中間点だ。

 

さて内部要因では、…中略…

 

 なお週末現在で当先のサヤは、45円の逆ザヤ。相変わらずの逆ザヤではあるが、買い場となる100円以上の逆ザヤ到来を望みたい。

結論として当方の相場観は、下げたら買われる相場展開に変化は無いだろう。問題はその買い場が到来してくれるかどうかであり、今のところは正直大きな下げは期待できそうもない。

 

 なお前々からプラチナ相場に比べて安過ぎるとしていたパラジウム相場だが、1,500円台に乗せてやっともみ合いを再び上抜けて来ている。

東京パラジウム日足

…削除済み…

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

6月18日

\28,100

H500

\30,490

 

6月19日

\28,090

-10

\30,510

20

6月20日

\27,590

L500

\29,710

L800

6月21日

\27,820

230

\30,120

410

6月22日

\27,380

-440

\29,470

-650

 

先週号においては『降雨が観測されれば一時的に急落場面は覚悟せざるを得ないが、今は無ければどうなる?という懸念のほうが高いだろう。穀物をエネルギーとして使うと言う暴挙(?)に対するとがめは、まだこれから本格化するだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、コーンは19日に30,510円まで急騰。もちろん先物引継ぎ足なので、週明けに発会した2008年7月限が記録したものであり、その前の5月限は30,090円、買いメイン限月の3月限は29,510円が高値である。

当方は倍率と手数料の関係から、3月限以前の限月のみの買い玉を長期保有しており、先物の3万円台は一時的に売り繋いでいる。あれだけ順ザヤを買ったら、一時的に押すのは当然だろうから…

東京コーン日足

…削除済み…

過去2月天井のケースはないゆえ、2月26日の29,330円は天井ではないと言い続けてきたわけだが、今週は全限月が一代高値を更新である。

これで2月は天井ではなかったと証明されたわけだが、逆に言えば6月のこの高値は、今のところまだ天井とは思っていないものの、まかり間違えば絶対天井ではないと断言出来るほどではないと言える。

とりあえず節目の3万円台に乗せたわけであるし、その後週末に掛けての降雨により、東京・シカゴともに急落の状況となって来ているゆえに。仮に週末のシカゴ安を受けて先物がストップ安まで叩き込まれれば、28,670円まで週明けに下がることとなる。しかし強力な下値抵抗線は28,000円にあり、この辺からは再び買いたい価格でもある。

 

シカゴコーン日足22日分は入っていません)

…削除済み…

週末のシカゴ相場は、7月限で前日比17.50セント安367.50セントで終了。12月限も同じく前日比17.50セント安379.00セントで終了である。東京市場換算では710円安となる状況。

相場は再び4月〜5月のもみ合いの価格まで急落してきたわけだ。もっとも東京では円安もあって2月の高値は大幅に更新したわけだが、シカゴは2月の高値437.25セントに届かずに、18日の高値428.75セントから暴落して来ているわけだ。

逆に言えば、このまま大暴落を続け、2月が高値だったと相場が終わるとは思えない。

下げた要因は降雨であるが、元々6月は乱高下のきついもみ合いであり、7月の独立記念日明けから相場は再び舞い上がるだろうとして来たわけで、今回のこの急落はふるい落としの下げであり、再びファンドが買い仕込むためのものと考えている。

…以下略…

 

 

 一般大豆は続騰で、21日には50,990円まで記録した。しかし週末22日はストップ安の急落となり、再び5万円台割れへ。週末のシカゴ市場も降雨のため更に下落しており、もう一段安は必至の情勢である。

○東京一般大豆日足

…削除済み…

シカゴ市場は21セント安の急落となっているため、換算では週明け900円安である。そのままなら49,090円という事になるが、ストップ安まで行けば1,500円安の48,490円ということになる。

下値抵抗線は48,000円割れにあるため、週明けに急落したらぼちぼちいいところかもしれない。

しかし今までは買うなら10月限・12月限と言ってきたわけだが、このような大きな調整とおかめザヤの解消を受けたゆえ、特にそこにこだわる必要性はなくなった。サヤを見てどこを仕込むかは考えても、素直に先物に入れても同じかもしれない。

なお当方は、今回の急落場面を受けて55,000円台のNON大豆にヘッジ売りを入れた。売るなら値がある方が良いものねえ…

 

シカゴ大豆日足22日分は入っていません)

…削除済み…

週末のシカゴ大豆は、前日比21.50セント安の暴落で797.00セントまで下落。や18日の高値863.00セントからはまさに暴落であるが、ここからの下値は10セント程度しかないだろう

…以下略…

 

 結論として当方の相場観は、週末の2日間でシカゴ市場はコーン・大豆ともに降雨のため暴落となったが、ここからの下値は浅いだろう。週明け東京市場がストップ安ならば、またその辺から買い仕込みを模索したいところ。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月18日

271.4

3.4

268.7

3.2

6月19日

275.5

4.1

275.0

6.3

6月20日

266.0

-9.5

265.0

L10.0

6月21日

267.3

1.3

265.8

0.8

6月22日

267.3

0.0

264.5

-1.3

 

先週号においては『ファンダメンタルズでは買い、チャートでは売りと完全に分かれている展開。内部要因ではシッパーは買い、ファンドは売りとなっている相場である。当方としては突っ込みは買い、戻りは売りの逆張りの方針が良いと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、260円台半ばで下げ止まったのか?と思われるような動きを19日には演じていたが、翌20日には午後2時過ぎからの突然の大暴落となり、ストップ安を記録。安値は21日の261.4円まで記録することとなった。

○東京ゴム日足

…削除済み…

 チャートは4月17日299.5円と、5月28日298.5円とでWトップを形成。5月11日の押し目底267.8円を割り込んだことで完成している。ハッキリ言って悪いチャートであり、次に3月9日の256.2円を割り込めば、奈落の底に落ちるコースだ。
 今回の19日、20日午前までの反発局面も、振り返ってみれば雲の下限で跳ね返された格好である。

 正直言えば、これでは売るしかなかろう…という格好なのだが、最近のゴム相場はチャートのダマシが多くて仕掛けづらい。ファンドは売っているけどねえ。

 

 当先のサヤは6月限267.3円〜11月限264.5円と2.8円の逆ザヤ。しかも9月限の263.9円が一番安い『おかめザヤ』の状態でもある。相場格言では『おかめに売り無し』といわれるサヤ状態であるが、それでも結局相場は現在暴落中。

週末現在の輸入採算価格は、7月積みで285.8円東京市場の7月限は267.1円であるため、18.7円の下ザヤと売られ過ぎの状態。もっとも先週の21円以上の下ザヤからは、若干詰まっている。

タイでは減産期が明けたと観測されているが、実際のところはまだ完全回復とは言えず、集荷は未だ低水準であると言われている。

国内営業倉庫在庫は6月10日現在で741トン減の16,717トン。決して少ない在庫ではないが、また減少しているのは事実。

以上3点では、3対0で買い有利。ただしこのところずっとコメントしているが、チャートは完全に崩れているわけであり、今はファンダメンタルズを見ている人は理路整然と曲がっている。

 

 

週末現在の取り組みでは…中略…

 結論として当方の相場観は、ファンダメンタルズやサヤでは売られ過ぎなのだが、買い相場をリードして来たファンドが総売りの状態であり、買い方は完全に玉負けしている。チャートどおりなら、戻りは売らねばならぬ相場である。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比 

6月18日

\19,630

410

\24,180

390

6月19日

\19,530

-100

\24,070

-110

6月20日

\19,960

430

\23,870

-200

6月21日

\20,420

460

\24,200

330

6月22日

\20,120

-300

\24,050

-150

 

先週号においては『軽い売りポジションのまま維持。遅くとも11月にはかなりの安値が出ていると思うが、今はまだトレンドは転換したとは言えず、突発的な上昇は有り得る相場であろう。気の長い人向きの相場である。』とコメントした。

今週の相場展開は、21日には24,200円まで上昇。一気に吹き上がるわけではないが、未だ上昇トレンドに乗って水準を切り上げる展開が続いている。

東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

売り方の当方としては、24,160円で天井を打った相場であって欲しいが、残念ながらそうはならなかった。

どうせなら25,000円程度まで一度上がった方が天井を打ちやすいと思うが、現状では急騰する材料もまた無く、かと言って季節的にまだ下げづらく…である。

 

NYコーヒー日足(22日分は入っていません)

…削除済み…

6月4日に118.40セントまで上昇した相場は、12日に112.40セントまで下落し、その後はもみ合い。このまま118.40セントを突破できなければ天井感も広がるのだろうが、110セントを明確に割り込まないと崩れたとも言えない格好である。週末は前日比0.95セント安の113.60セントで終了である。換算値は260円安となる。

なおコーヒー自体には、今は明確な強材料はない。だから上がらんわけだが、7月もまだ降霜懸念は残るし、ハリケーンによる中米の被害も怖い。また開花期には旱魃懸念もあるとの事で、いうなれば天候に対する恐怖感が残っている以上、どうしても底堅く推移しているわけだ

しかし秋になればそのすべてが消え、そして来年の表作の相場を迎えるわけであり、所詮は結末がわかっているドラマなのだが、このドラマは長編なようで時間が掛かる。
 …中略…

 

週末現在の当先の順サヤは7月限20,120円〜5月限24,050円と3,930円の順ザヤ。当限が2万円台に乗せたため、再び順ザヤは若干縮小した。これは嫌味であるが、○○の現受け分100枚をはやしたものであり、元々わかっているのに何で材料視するの?と疑問だが…

 

 なお東京市場は10月からザラバ取引(貴金属や石油のような取引)に移行するらしいが、そうなったら今のゴム相場みたいになっちゃうのかしらん?

 結論として当方の相場観は、長期的には売りが有利の展開に変化はないだろうが、目先はまだ上昇トレンドを維持している。じっと待つしかない展開だろう。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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