商品市況展望 割愛版

平成19年7月22日記

 

 相場動向を分析する場合、商品自体のファンダメンタルズは当然として、チャート要因のほかに手口=どこが買っているのか、売っているのかを分析している人は多いだろう。当然の事ながら、資本の戦争である投資・投機の世界の中で、敵の兵力を知らなければ正確な判断が下せないのは道理。その際に参考となるのが、毎日発表される売買高表や総取組高表などである。当方も、必ず総取組高表は必ずチェックしている。


 さて貴金属・石油市場で直接売買に参加する国内大手商社は、三井物産・三菱商事・住友商事・豊田通商・双日・伊藤忠商事・丸紅である。まあ言ってみれば、有名どころはすべて参加しているわけだ。

 一方で外資はどんどん増加の一途で総取組高表に載っているのは、バークレーズ・キャピタル証券(BARC)、モルガン・スタンレー証券(MSJS)、ゴールドマンサックス証券(GS)、クレディ・スイス証券(CSJL)、スタンダード銀行(STDJ=南ア系)、フィリップ・フューチャーズ(PFK=アジア系)、フィマット・ジャパン(FIMA=フランス系)である。
 今週になって手口に出てきたFIMAはひまわりに入っていたのであるが、今までのひまわりでの片建て玉のほとんどがこの注文であり、一般委託は傘下のUSSひまわりに分離され、ひまわり自体は証券・為替に特化して商品からは撤退である。総取組高表からは、建て玉が消えてしまった。

    参考

http://cx.himawari-group.co.jp/company/pdf/20070515wholesale.pdf

 

 これら外資系銀行・証券などの売買は、その背後にあるファンドの資金であろうと考えるのが当然であるが、皆さんが知ってのとおり三菱Fにも入っているし、豊や岡地にも入っている。また最近は岡藤・三貴商事など自社ファンドも多いし、穀物ではスターF・大起などの日計りファンドもある。
 特に片建て玉が極端で大きく相場を張っているクレディ・スイスの玉は、皆が注目するのも当然の事だ。彼らが今の市場の値動きの中心にある!と言っても過言ではないだろう。

 

 我々個人投資家は彼に提灯を付けるか、あるいは彼らのやり過ぎに向かうか、というのを日々考えながら行動するわけであるが、今回ひまわりが撤退するようにファンドの注文を既存の取引員が受けるというのは、実は皆さんが考えている以上にメリットは少ないようだ。何千枚も商いしても、ハッキリ言えばほとんど手数料収入のアップにはならぬという。

 …以下略…

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月17日

\53,580

-170

\53,340

-970

7月18日

\53,390

-190

\53,090

-250

7月19日

\53,830

440

\53,680

590

7月20日

\53,850

20

\54,170

490

 

 まずは原油から…先週号においては『内外ともファンドの買いが顕著になって来ている。いずれ昨年の高値を突破すると思うが、その前にファンドの利食い売りで下げが出るかどうか?高い場面は無理して買いたくないので見送りだが、2,000円程度の調整安があればすかさず買いたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、先週末13日に記録した上場来高値54,470円から週明けに急落となり、18日には53,020円まで下落1,350円の調整安を入れた後、週末に掛けては再び54,000円台に返り咲いた。

    東京原油日足

…削除済み…

今年の1月以来、押せば買われる右肩上がりの上昇トレンドにはまだ変化は無く、すべての押し目が前回安値は切らない状態での上昇。

すでに今年の安値から16,000円も上がっている相場であるし、7ヶ月間上げ続けている相場でもある。どんな相場でも天井を打たない相場は無いわけであり、いつかはこの相場も天井を打って1万円以上の暴落を演じる事になるわけではあろうが、問題はその時期と、その前に天井は一体幾らか?と言う事だ。

 

とりあえず昨年は、7月に天井・8月に2番天井を付けて15,000円の暴落となったわけだが、今年もそうなるとの警戒感は強い。実際そうなるかもしれないし、そうでないかもしれないし、それは神のみぞ知る話だ。

一方で昨年はハリケーンの襲来が無かったが、今年もし起きて大変な事態(NY原油の100ドル台とか)が発生すれば、大勢上昇トレンドの中で昨年の1万5,000円押しの倍返しなら、53,000円+15,000円=68,000円もあるわけだ。正直本当にあるとは思っていないが、相場であるゆえ絶対無いとも言えない。

 

そんな事を言っていては全く予測にならないゆえ、もしも天井を打った場合のパターンはどうなるかを考えれば、今までの上昇パターンでは前回押し目を下回らずに上昇を演じてきたのだから、逆にそれを割り込むような相場展開になれば、一度は売り転換するべきだろう。つまり18日の53,020円を割り込んだらそのケースとなり、更に6月27日の51,680円すら割り込んだら、天井から1万円は下げると考えるのが良いだろう。

 じゃあ天井は幾らなのか?と言われれば、トレンドに乗っている限りどこなのかは判らんと言うしかないだろう。チャート要因では、つまりそのまま買い玉を維持する以外には手はないと言う事だ。

 

    NY原油月足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

週末13日のNY原油9月限は、前日比0.28ドル安75.79ドルで終了。為替は121円25銭と大幅に円高となっているため、東京市場換算だと680円安の計算になる。

ただし今回は、日足では大勢を見誤る可能性もあるゆえ、月足をアップしてみた。昨年7月の高値は79.86ドルであり、1月の51.03ドルから上がり始めた相場はすでに76ドル台まで記録。

大勢では1998年の10ドルで底を打った相場が、2001年の16ドルでW底を打ち現在の70ドルをはるかに越える価格まで上昇して来ているわけだ。それまでは戦争が起きても40ドルは突破できなかったのが、2004年からは完全に上昇トレンドに加速が付いている。

 

中国の消費拡大がこの価格高騰の原因であるのか?実は投機による壮大なバブルなのかどうかは、専門のアナリストに分析を任せるが、産油国である中東やロシアが如何に潤っているかは、ほんの5年前の原油価格と比較すれば容易に理解できる。

以前の日本であれば、これだけエネルギー価格が高騰すれば、それこそ国家存続の危機だったと思うが、大して電気代も上がらず平和に暮らしているのは、国内総発電量3分の1をまかなう原子力発電のせいでもあろう。

直下型地震で多少の放射能漏れなどの事故があった柏崎の発電所は停止しているが、この大地震でもチェルノブイリにようにならなかったのは、かなり評価できる話だろう。東電をバッシングするより、日本の安全技術を誇るべきだと思う。ちょっと話題がそれてしまった…(苦笑)

 

…中略…

結論として当方の相場観は、チャートトレンドは押し目買いのまま。反転の場合の支持線は、本文中のとおり。割り込まない限りは、買い玉維持のままが良いだろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月17日

\74,920

90

\66,650

-1120

7月18日

\75,750

830

\66,790

140

7月19日

\76,140

390

\67,200

410

7月20日

\75,700

-440

\67,550

350

 

 続いてガソリンです…先週号においては『外資系ファンドの買い居座りによって、また高値更新となっている。目先は調整安が先かと先週号でコメントしたが、これでは容易に下がるまい。7万円台乗せが先である可能性は高いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、3連休明けの週明けに急落して66,210円まで下落。7月9日の高値68,170円からは2,000円近い下落となったが、その後は戻って57,000円台で週を終えた。

なお当限〜11月限までは19日まで一代高値更新であり、週末こそは幾らか下げたが、76,520円と上場来最高値の更新を続けている。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

先物の上場来最高値は昨年8月8日の70,790円。当限は週末こそ反落に転じて逆ザヤは多少詰まったものの、おおよそ9,000円近い逆ザヤの状態であり、未だ先物は上場来高値まで3,000円ほどの出遅れを示す。

昨年も8月から大幅下落に転じている状況を考えれば、高値警戒感が台頭するのも当然の事であり、一旦天井形勢となれば1万円は優に下げる事は容易に予想できるものの、あくまでもそれは原油価格が天井を打った場合ということになるだろう。そうでなければ、先物も新高値更新でも全く不思議ではない。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

8月限 発会値55,990円 高値76,520円 安値55,400円 現在値75,700円

9月限 発会値61,210円 高値72,500円 安値57,330円 現在値71,300円

10月限 発会値60,500円 高値68,730円 安値59,590円 現在値68,340円

11月限 発会値63,900円 高値67,450円 安値61,510円 現在値67,000円

12月限 発会値66,070円 高値67,290円 安値62,590円 現在値66,750円

1月限 発会値66,400円 高値68,170円 安値64,740円 現在値67,550円

 今週は19日に8月限〜11月限が一代高値更新。先物2本は9日の高値を更新していない。

 なおこの期に至って、8月限の納会がどうだこうだのコメントはする気は無い。受渡しの絡む当限は、廻った瞬間に逃げておくのが無難だろう。納会一発で、幾ら動くのか判らんわけだし…

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、原油価格が天井形勢となれば当然下がると思われるものの、先物も新高値更新となれば一気に7万円を目指す可能性は高い。今のところは買い方針維持である。なお売りで取りたい向きは、天井確認となれば少なくとも1万円は下がる相場だろうゆえ、焦らずとも確認してから売って間に合うだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

7月17日

\63,630

-760

\69,550

-1330

7月18日

\63,630

0

\69,760

210

7月19日

\64,240

610

\70,100

340

7月20日

\64,510

270

\70,610

510

 

 最後に灯油です…先週号においては『昨年の高値は上場来最高値である73,170円。それを目指して上昇する可能性は高いだろう。押し目買い方針の継続だろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、3連休明けの17日は急落となって69,130円まで下落。9日の高値71,040円からは2,000円近い暴落となったが、その後はまた切り返して7万円台半ばでの終了である。

    東京灯油日足

…削除済み…

右肩上がりの長期上昇トレンドに乗った動きは、すでに7ヶ月の上げを記録している。一旦天井確認となれば、それこそ昨年の秋のような大暴落となるわけだが、3月以降はずっと雲の上での推移。

そろそろ売りで取りたいと思っている人も多いだろうが、それには原油価格が天井を打ち、直近の安値69,130円を割り込み、更に雲の下値抜けてゆくパターンとなってから売っても間に合う相場であろう。

相場格言では『天井売らず、底買わず』と言うのだが、最終的に決まってみないとどこが天井かはわからない。判らんのにこの辺だろうと売ると『もうはまだ也』と踏まされてしまうわけだ。それにあまりにも良いところを売っても、どうせ2,000円も下がれば利食いして、大した儲けにはならぬのが相場でもある。遅ればせながら参上し、ずっと持ってるよ!というのが一番儲かるのだ。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

8月限 発会値51,730円 高値64,890円 安値51,500円 現在値64,510円

9月限 発会値58,600円 高値66,310円 安値55,150円 現在値65,450円

10月限 発会値60,540円 高値67,490円 安値59,950円 現在値66,680円

11月限 発会値66,000円 高値68,690円 安値62,300円 現在値68,110円

12月限 発会値67,900円 高値70,050円 安値65,010円 現在値69,600円

1月限 発会値69,340円 高値71,040円 安値67,450円 現在値70,610円

 今週は11月限のみ週明けの17日に一代高値の更新である。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

7月20日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

8月限

\75,700

 

\64,510

 

11,190

9月限

\71,300

-4,400

\65,450

940

5,850

10月限

\68,340

-2,960

\66,680

1,230

1,660

11月限

\67,000

-1,340

\68,100

1,420

-1,100

12月限

\66,750

-250

\69,600

1,500

-2,850

1月限

\67,550

800

\70,610

1,010

-3,060

 7月限納会はガソリンが69,580円、灯油が61,600円で7,980円のサヤで終了していたわけだが、8月限はその時点の5,800円のサヤからついに12,000円台も一度記録である。

 それにしても、在庫溜め込み限月の走りとなる9月限が一時7,000円のガソリン高のサヤ全限ガソリンの割高・灯油の割安が目立っており、いつかは是正される事になるだろう。もっともその前に、すでにやっている人は殺されているだろうが。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、原油価格が暴落に転じない限りは、チャート・内部要因ともに買い方有利である。上場来最高値を目指して、上昇の可能性の方が高い相場であろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月17日

\2,609

-21

\2,634

-20

7月18日

\2,621

12

\2,646

12

7月19日

\2,641

20

\2,666

20

7月20日

\2,662

21

\2,689

23

 

金相場は、先週号においては『懸念されていたNY市場での右肩下がりのトレンド、ファンド資金の流出は止まったと思われる。再び相場は、押し目買い方針に戻ったと見て良いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、20円の下落で始まったものの、その後上昇。週末には2,689円まで上昇して終了となった。

東京金日足

…削除済み…

今週の上昇によって、5月・6月の高値は更新。あとは2月の最高値2,702円をクリアできるかどうかにかかって来た。しかし、さほど熱狂的な上昇にはなっていないため、いずれ時間の問題でこの価格はクリアしそうだ。

問題はその後、買い人気を集めて更なる高値を目指せるかどうかであろう。

 

NY金日足(週末20日分は入っていません)

…削除済み…

週末20日のNY金は、前日比6.6ドル高684.7ドルで終了。為替が121円25銭と大幅に円高となっているため、週明けの東京市場換算では9円高である。それでもちょっと円安にぶれれば、2,700円台に乗せそうである。

NYのチャートでは、19日から完全に雲の上に出る転換を果たしており、6月の高値も突破している。こちらもやはりトレンドは転換したと見て良いだろう。

 

…中略…

むしろ大阪証券取引所で始まる日本初の金EFT上場の方が、金に対する強材料として働いていると考えるのが自然かもしれない。

*金FTFについての解説

…削除済み…

ともかく皆が、金は安くなったら買いたいと考えているようであり、下げたら買いたいのならば、案外と下がらんと言う事になるのだろう。相場格言では『押し目待ちに、押し目無し』と言う事だ。

結論として当方の相場観は、NY金は700ドルを目指しているだろう。仮に為替が120円でも、その時点での東京金は現在のサヤを勘案すれば2,730円どころまで上がる事になるだろう。

 

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月17日

\5,128

-30

\5,075

-35

7月18日

\5,150

22

\5,101

26

7月19日

\5,166

16

\5,121

20

7月20日

\5,199

33

\5,149

28

 

プラチナ相場は、先週号においては『新高値更新となってきた相場は、倍返しならズバリ5,300円までの上昇は有り得るだろう。押し目買い方針である。とコメントした。

今週の相場展開は、週末には高値で5,153円まで上昇。もちろん上場来最高値の更新である。

東京白金日足

…削除済み…

6月27日の下落はちょうど一目均衡表の雲で支えられた姿であり、再び相場は新高値を更新中。仮にその調整安の倍返しなら、ズバリ185円押しに対し5,302円が目標値となる。相対力指数もまだ63ポイント台で過熱感はない。あっても全く不思議ではないだろう。

なおこの相場は、ファンド=特に欧州系のファンドが大量に買っている状況であり、何度も言っているがキーワードは『地球温暖化』である。当方は地球の温度が多少上がろうが関係ないだろうという説に賛成なのだが、今はこれが錦の御旗である。逆らってもしょうがない…

 

 話は脱線するが、今のエコブームなどこんなもんだ。

…削除済み…

 

NYプラチナ日足20日分は入っていません)

…削除済み…

先々週号で『1320ドルをクリアすれば上げに加速が付きそうな格好』とコメントしたが、完全に抜け出して新高値をうかがう気配だ。

週末20日のNYプラチナは前日比8.1ドル高の1346.6ドルで終了であり、高値は1349.8ドルと新値更新に大手が掛かっている。大幅な円高なので換算では逆に12円安いが、円高が進んでも急落は難しいだろう。

第一、今まで何度もコメントしているとおりに円キャリートレードの巻き戻しなど金利差がある限り限界があり、円高到来局面は良い買い場を提供するだけだろう。

なお前回のJ・マッセイ社による需給報告では、予想価格帯は1,200ドル〜1,400ドルとされたわけだが、現状ではその1,400ドルを目指しても何の不思議も無かろう

 

さて内部要因では、…中略…

 

結論として当方の相場観は、押しても下げは限定的であろう。まずは5,300円台を目指す相場と考えられ、押し目買い方針が良いだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

7月17日

\26,410

L500

\27,410

L800

7月18日

\26,420

10

\27,400

-10

7月19日

\26,900

480

\27,270

-130