商品市況展望 割愛版

平成19年8月5日記

 

 かつて商品業界がもっと牧歌的であった頃は、上場商品と言えば小豆・繭糸・綿糸などがメインであり、国際商品と言えばゴムや大豆・粗糖であった。取引の主役は個人であり、お金持ちで大きく張る人達は仕手筋と呼ばれ、彼らが市場をリードしたものだった。

 その頃の業界では、新入社員を獲得するためのお題目だったかもしれないが、さんざん国際化というものが叫ばれ、また証券並みにならねばならぬと拡大大衆路線の戦略が取られたものだった。もっとも当時はまだ先物取引なぞ特殊な人がやる世界との認識が世間一般のもので、国際化などと叫んでも本当に単なるお題目でしかなかった。

 時が移り現在は、先物取引は商品だけではなく日経225あり、為替もありの世界になり、ネット取引という営業マンを介さない取引も出現し、実際に○○証券になる会社も増えた。そしてお題目だった国際化は、現在市場で主力メンバーとなっている大商社・外資系証券などを見て判るとおり。

 クレディ・スイス証券、ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー証券、スタンダード銀行、バークレース・キャピタル証券、フィマット・ジャパンなどの名前が並ぶ。20年経って、業界悲願の市場の国際化は達成されたわけだ。めでたし、めでたし。

 

 しかし業界は元気が無い。本来ならば業界の目指した国際化は、彼らの注文の受け皿として手数料フィーを稼ぎたかったのだろうが、資本の小さい既存の先物会社では巨大資金の受け皿が無い。また受けたとしても、手数料の自由化で微々たるものしか取れずに稼ぎにならない。そうこうしているうちに、彼らは自分で取引所会員のメンバーになり、その微々たる物すら既存の先物会社には落とさなくなった。

 しかも彼らの大きな玉は、既存の先物会社の主力顧客である一般の資金を巻き上げて行く。さらには証券会社なみになろうとした業界は、そのコンプライアンスも証券並みに引き上げなければならなくなったため、かつてのような営業力が無くなった。

 ネットに救いを求めても、やっぱり手数料フィーは大した事がなく、コンピュータの経費ばかりが増大する。またネットで取引する顧客も、短期間で商社・ファンドの餌食になって定着しないケースも多い。

 こんなはずじゃなかったのに…というのが、現在の業界トップの胸の内か。理想とした国際化が、現状を産もうとは思わなかったかもしれない。もっとも業界のことなど考える暇は無く、今自分の会社をどうして存続させようかで頭がいっぱいかもしれないが。

 

 だがそれでも相場は相場である。相場自体がなくなることは無いし、値動きは厳然とあり、トレンドは発生する。そして相場が動く限り、儲けるチャンスはいっぱいある。そして損得がある限り、冒険者はまた市場にやって来る。

 なるようにしかならない。相場も底を付ければ上がる、天井を打てば下がるように、商品会社も底を付ければ持ち直す…と考える当方である。もっとも、まだ大底じゃないだろうけどね(笑)

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

7月30日

\53,500

-10

\51,610

-150

7月31日

\53,460

-40

\51,330

-770

8月1日

\53,400

-60

\51,580

250

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月2日

\52,460

-110

\51,590

 

8月3日

\52,630

170

\61,500

-90

 

 まずは原油から…先週号においては『非常に乱高下の激しい市場展開であるが、長期トレンドでは完全に崩れた状況にはなっていない。しかしこの乱高下は天井波乱特有のものであり、ここからの戻りはどこかで売り狙いするのが妥当だと考える。』とコメントした。

今週の相場展開は、31日には51,260円まで下落であるが、NY原油が上がっても東京は上がらず、6日連続の陰線(寄付きよりも引けが安い状態)で終了した。

○東京原油日足(直近)

…削除済み…

先々週号で『今までの上昇パターンでは前回押し目を下回らずに上昇を演じてきたのだから、逆にそれを割り込むような相場展開になれば、一度は売り転換するべきだろう。つまり18日の53,020円を割り込んだらそのケースとなり、更に6月27日の51,680円すら割り込んだら、天井から1万円は下げると考えるのが良いだろう。』とコメントしたが、今週の下げでついに51,680円も割り込んだわけだ。

現在チャートは、一目均衡表の雲の中に突入している格好。下に抜けるには5万円そこそこまで下落する必要があるが、7月13日の54,470円は天井と見て差し支えないだろう。問題は2番天井を付けに行くのか?それともこのまま下がってしまうのか?だけである

 

    東京原油日足(ロング版)

…削除済み…

今回はちょっと長めの日足もアップしてみるが、昨年の天井は7月14日の53,200円。そこから下げた相場は、今年の1月17日38,140円まで15,000円ほど下落したわけであり、今年の7月13日54,470円まで16,000円以上上がったわけだ。

ズバリ、トレンドが変わったと判断すれば、また1万円以上軽く下げても全くおかしくない。今それをコメントすれば、そんな馬鹿な!と言われるかもしれないが、じゃあ昨年の夏場に天井を打った時点で、一体誰が15,000円の下げを予測しただろうか?相場とは、そういうもんだろう。

 

    NY原油日足(ロング版)

…削除済み…

週末3日のNY原油9月限は、前日比1.38ドル安75.48ドルで終了。為替は118円01銭と1円以上の円高である。最近は全く当てにならない国内換算価格だが、敢えて書けば1,500円安である。

この日も高値は77.36ドル、安値は75.24ドルと2ドル以上の上下。先週の前場の概況などでもコメントしているとおり、NY原油は天井を打っているか、もしくは天井圏であるとの判断

確かに東京市場はNY高に逆行して先に下げてしまったわけだが、そしてそれゆえ売りづらいし、戻りもあるのでは?と考えたくなるわけだが、タイムラグはあっても今後NY原油も大きく下げれば関係ないわけだ。

 

…中略…

結論として当方の相場観は、半年間上昇してきた相場であるが、天井を打ってトレンドは売りに変わったとの判断である。戻り売りである。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月30日

\69,040

-1090

\64,620

-820

7月31日

\66,550

-2490

\63,850

-770

8月1日

\65,630

-920

\63,850

0

8月2日

\65,690

60

\64,020

170

8月3日

\65,470

-220

\63,750

-270

 

 続いてガソリンです…先週号においては『ファンドの売り圧力によって目先は天井確認と考えなければならないだろう。今度は戻りを売り仕掛けたい相場である。』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は上昇しても逆行安の展開が多く、31日には63,650円まで下落。週末もほぼ同じ安値圏での終了となった。

○東京ガソリン日足(直近)

…削除済み…

 相場は、一目の雲の下に出た格好。すでに7月9日の高値68,170円からは4,500円もの下げとなっているが、NY原油が高いから売れないうちに下落する悪質な相場展開。

 本来ならばNY原油が高いという強材料があっても上がらない相場なのだから、相場巧者は売る!というのが常套手段なのだが、なかなかそう出来るものでもない。ただ明らかに相場は、誰もが7万円必至と考えた後に団子天井のような格好で下落しているわけで、相場はおかしくなって来ている。

 

    東京ガソリン日足(ロング版)

…削除済み…

先物の上場来最高値は昨年8月8日の70,790円。東京原油は7月に昨年の高値を抜き、ガソリン相場も期近は8月限が暴騰して7月19日に76,520円を記録したのだから、当方も含めて多くの人は今年も7万円台乗せは必至だろうと考えたはず。
 実際にガソリンスタンドの小売価格は昨年以上の上げとなっている現実を考えれば、とてもじゃないが68,000円台で天井とは考えないのが普通。それでも素直にチャートを眺めれば、天井を打っている可能性の方が高いと見るしかあるまい。『相場は相場に聞け』である。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

9月限 発会値61,210円 高値72,500円 安値57,330円 現在値65,470円

10月限 発会値60,500円 高値68,730円 安値59,590円 現在値63,090円

11月限 発会値63,900円 高値67,450円 安値61,510円 現在値62,060円

12月限 発会値66,070円 高値67,290円 安値61,530円 現在値61,860円

1月限 発会値66,400円 高値68,170円 安値62,510円 現在値62,600円

2月限 発会値67,300円 高値67,500円 安値63,650円 現在値63,750円

 今週は31日に、12月限〜2月限の先物3本が一代安値の更新である。きしくも31日は、NY原油が78.28ドルの高値を記録した日である皮肉!

 また当限は8月限が75,000円台で納会した直後から下落を始め、あっという間に7,000円の下落。幾らで納会するのかは先の話だが、1万円も下になっている現状に、元売も取引所に誰が売っているのか問い合わせている事態という。
 『相場は相場に聞け』の格言で言えば、何で下がるのか?との質問は愚である。天井を打っているから下がるんでしょ!としか言えない。

 

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、先物は68,000円台ですでに天井を打っているだろう。明確な下げ材料を挙げるのは困難だが、相場は相場に聞けで戻り売り方針が良いだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

7月30日

\61,460

-200

\66,320

-220

7月31日

\60,750

-710

\65,770

-550

8月1日

\60,830

80

\65,890

120

8月2日

\60,800

-30

\66,010

120

8月3日

\60,960

160

\65,620

-390

 

 最後に灯油です…先週号においては『本当はガソリンと比較して割安なのだが、ファンドはそんな事お構い無しに順ザヤ相場を潰そうと来ているようだ。チャートも完全に下降トレンドに入ったと思われ、戻り売り有利の展開に変わってしまっただろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には安値で65,520円まで下落。先物引継ぎ足では、7月9日の天井71,040円からすでに5,500円もの下落となっている。

    東京灯油日足(直近)

…削除済み…

先々週号にて『直近の安値69,130円を割り込み、更に雲の下値抜けてゆくパターンとなってから売っても間に合う相場であろう。』としたわけだが、週末にはついに雲の下にも抜けた

次の抵抗線は65,010円であるが、それすら割ったら下落に歯止めが効かない可能性は高い。

 

    東京原油日足(ロング版)

…削除済み…

東京原油が昨年の高値を突破。NY原油もまだ崩れてはいない状況を考えた場合、一体誰が73,000円台を付けられずに71,000円台から暴落が始まると想像したであろう。

しかしそれでも相場は完全に崩れ始めて来ており、昨年の2万円以上の暴落を考えれば、まだ下落は想像以上に厳しいものになる可能性は高い。
 ともかく相場というものは、『天井を打った相場は、底するまで下がる』わけであり、逆に『底を付けた相場は、天井を打つまで上がり続ける』わけである。相場は相場に聞けと言われるゆえんであり、ファンダメンタルズで如何に強かろうがそれは関係ない。材料は織り込み済みになったら、何の効力もない。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

9月限 発会値58,600円 高値66,310円 安値55,150円 現在値60,960円

10月限 発会値60,540円 高値67,490円 安値59,950円 現在値62,650円

11月限 発会値66,000円 高値68,690円 安値62,300円 現在値64,080円

12月限 発会値67,900円 高値70,050円 安値64,260円 現在値65,090円

1月限 発会値69,340円 高値71,040円 安値65,200円 現在値65,800円

2月限 発会値69,000円 高値69,000円 安値65,520円 現在値65,620円

 今週は31日に12月限と1月限が一代安値の更新週末には2月限がさらに安値更新である。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

8月3日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

9月限

\65,470

 

\60,960

 

4,510

10月限

\63,090

-2,380

\62,650

1,690

440

11月限

\62,060

-1,030

\64,080

1,430

-2,020

12月限

\61,860

-200

\65,090

1,010

-3,230

1月限

\62,600

740

\65,800

710

-3,200

2月限

\63,750

1,150

\65,620

-180

-1,870

 8月限納会はガソリンが75,390円、灯油が61,800円で13,590円もガソリン高での終了

そして在庫溜め込み限月の走りとなる9月限は8,000円のガソリン高のサヤまであったが、一気にそれは詰まって来た。しかし灯油が上がったわけではなく、ガソリンが灯油以上に暴落したためのサヤ詰まりである。

 

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、期近の下げはガソリンよりは小さく、異常なサヤ状態は訂正方向に動き始めた。しかし1月限以降に関しては完全に崩れた相場展開となっており、戻り売り有利の展開は変わらないだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月30日

\2,528

-14

\2,552

-13

7月31日

\2,549

21

\2,573

21

8月1日

\2,514

-35

\2,528

-45

8月2日

\2,545

31

\2,565

37

8月3日

\2,553

8

\2,580

15

 

金相場は、先週号においては『大天井を打ったかどうかの確認は先送りとするが、目先は崩れた相場と判断して戻り売り。2,400円程度まで一気に下がれば買いも考えたいが、来週の為替・株式市場の動きも注視して考えたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、株式市場や為替市場の乱高下に大きな影響を受けた展開となり、1日は2,527円まで急落。しかし週末までには2,580円まで戻っての終了となった。

東京金日足(直近)

…削除済み…

正直言えば、2700円台は一度付けるものだとの考えがあったが、7月23日の2,693円から株価の急落、円高などを背景に下落完全に雲の下に出て、さらに6月の安値も割り込んで2,527円までの下落は、166円幅となる。

もっとも2月の時点でも2,702円〜2,378円まで324円下落したわけで、それと比較すればまだ半分。

3月の上昇相場の時は、2番底を付けた後に上がっていったわけだが、今度も戻った後に2番底を付けて上がって行くのか?は、もう一度安値を出した時に2,527円を割り込まないかどうかを注視する必要があるだろう。

割り込んだらまだ下であり、買いは当分見送り。逆にこのまま戻っても、ともかく一度は2番底を試しに行くと考えるのが妥当だろう。

 

NY金日足(ロング版)

…削除済み…

週末3日のNY金は、前日比7.9ドル高672.5ドルで終了。為替は118円01銭となっているため、週明けの東京市場換算では2円高と上がらない見込み。原油安・株安(NYダウ281ドル安)の割には下がらなかったが、だから金だけは別物とはまだ言えないだろう。

なおNY株の急落と円高は、7月の米雇用統計で失業率が悪化したうえ、非農業部門就業者数が市場予想を下回ったため。原油が下落したのも米経済の先行き不透明感であり、対して金が買われたのは円キャリートレードの解消というより、ドル安がテーマとして浮上してきたためだ。

先週はサブプライムローン問題の再燃で大きく荒れた株式・為替市場であるが、いろいろとひびが入り始めた事は確か。

…中略…

結論として当方の相場観は、目先は1日の安値で底を打った格好だが、このまま高値追いをするのは難しいだろう。戻りは一度売られ、そこで2番底を形成できるかどうかに注目したい。

 

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

7月30日

\4,900

-138

\4,999

L100

7月31日

\4,934

34

\4,928

29

8月1日

\4,839

-95

\4,828

L100

8月2日

\4,900

61

\4,877

49

8月3日

\4,910

10

\4,896

19

 

プラチナ相場は、先週号においては『週末の思わぬ大暴落であるが、NY市場は更に下落しており、週末の内部要因を見ると値頃買いの一般がつかまった格好。これが投げさせられるまでは下がると思われ、2月同様に500円程度の下げがあるだろう。とコメントした。

今週の相場展開は、8月1日には4,828円まで下落。その後週末に掛けては小戻して終了であるが、7月20日の高値5,153円からは325円の下落となった。

東京白金日足

…削除済み…

8月1日の陰線によって、相場は完全に雲の下に抜けてきた。その後戻しているものの、今度は雲の下限が上値抵抗線になる可能性は高いだろう。

もちろん逆に、4,828円が底値である可能性も皆無とは言わないが、それでも本格的に戻る前には2番底を付ける必要があると思われ、その2番底を付ける過程で4,828円を下回ったらアウト。2番底は4,828円以上で留まり、その後上昇に転じる必要がある。
 仮に下抜けした場合は、2月の暴落時も約500円の急落であったが、その程度までの下落は十分考える必要があるだろう。ただし2月の時は一気に下げて、逆に取組が整理されてしまった印象があるが、もし今回下抜けとなれば戻った分だけ悪いパターンも有り得るだろう。