商品市況展望 割愛版

平成19年8月19日記

 

 長い人で9連休あっただろうお盆休みも、明日からはまた平常どおりの仕事に戻るだろう。しかしこのお盆休みの最中に開いていた株式市場・為替市場・商品市場は大激震

 この週刊レポートではすでに、7月末号から多くの市場に対して天井打ちをコメントしてきたわけだが、まさに今週の市場は地獄の釜のふたが開いた状態。週末は商品市場のほぼ全銘柄がストップ安であり、日経平均はこの日だけで870円も下げ、このお盆中の下げは1,700円あまりに上る。

 また株価が暴落すれば円キャリートレードの解消が進むため、為替市場も大幅円高が到来し、111円台まで記録する大幅な円高であった。

 

 さてサブプライムローン問題に端を発した急落劇は、すでにクレジットクランチ金融システム不安)にまで発展し、各国中央銀行が総額40兆円以上の資金供給を行ったが、株式市場だけで時価総額は300兆円を優に上回る時価総額の減少となっている。

 ただし米国・FRBは、この週末に公定歩合を0.5%引き下げて5.75%とする株安連鎖を食い止める策に出た。その影響でNYダウは230ドル高での引けとなり、何とか13,000ドル台は回復して引けた。また為替も111円58銭まで円高が進んでいたものが、114円台までは戻っての終了である。

 当然の事ながら商品市場も反発に転じ、円安もあって週明けの東京市場は、週末のストップ安から一転して戻る可能性が高い。

 

 さあ、これで底打ちとなっただろうか?もちろん今後の動き次第であろうが、当方はそうは思わない。米公定歩合の緊急利下げも、FF金利は据え置きであり効果のほどはどうか?とりあえず敬意を表して空売りの買戻しも入っただろうが、『天井打った相場は、底するまで下がる』のが相場の真理。大暴落から3分の1戻しもすれば、また2番底を見に行くのが相場でもある。それが今回の安値を切らないようなら底入れも考えなければならないだろうが、相場は人為的に止められるものではなかろう。

 現在、金融派生商品(デリバディブ商品)の総額は5000兆円と言われている。それをコントロールするすべはなかろうし、実体経済に影響が無ければまた戻る!などと流暢なことをコメントするアナリストは多いが、そもそもマネーに実態などあろうか?すべて机上の空論であり、まさか物々交換の経済に戻るわけでもなかろう。誰が背中に米を担いで旅行しようか?カネがあったらうまいものを食えて、いいところにも泊まれるわけだ。所詮は金融市場も実体経済も、卵が先か鶏が先かの話だろう。そういうモラルの無い世界になってしまっているというだけの話。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月13日

\50,280

130

\48,980

-30

8月14日

\50,150

-130

\48,410

-570

8月15日

\50,220

70

\48,460

50

8月16日

\50,150

-70

\48,110

-350

8月17日

\48,980

-1170

\46,310

L1800

 

 まずは原油から…先週号においては『戻りがあっても3分の1戻しの2,000円程度だろう。戻り待ちに戻りなしのケースも有り得るため、売り方針継続で良しと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、株価大暴落と大幅円高の影響もあって、週末には安値で46,310円のストップ安まで下落。結局7月13日の54,470円からは8,160円もの下落となっている。 

○東京原油日足

…削除済み…

すでに一目均衡表の雲の下に抜けており、週末は更に暴落。相対力指数は20ポイントまで下落しており、さすがにここからは何時反発してもおかしくは無い。

ただしこれだけひびが入ってしまった相場である。戻っても売られるだろうし、所詮は戻り売り相場の域は出ないだろう。

 

さてチャート判断で戻りの限界を予測してみれば、まずは指数で30ポイントまで戻った場面が売り場となるケースが挙げられる。この場合の価格は、指数を参考にするため不明。

2は週末の下落のギャップを埋める場合。ズバリ1,800円分の戻りであり、48,000円乗せがまた売り場になるケース。

3は下げ幅の3分の1戻し程度。その場合は2,700円ほど戻す格好となり、ズバリ49,000円どころが売り場になるケース。

4は最大の戻りを想定するケースで、一目均衡表の雲の下限まで戻す場合。それだと51,000円近くまで戻すということになり、半値戻しであり、また指数も50ポイント辺りまで戻しているということになるか。

 

では逆に下値はどこまで見ているのかと言えば、ズバリ天井打った相場は底打つまで下がる!であり、昨年も結局38,000円台まで下げて大底を打ったわけで、如何に需給云々など強いファンダメンタルズを挙げたとしても、昨年もそうだったのだから、今年もその程度は許容範囲だろうと考えるわけだ。NY原油では50ドルまで下げても驚かぬ。

 

    NY原油日足

…削除済み…

週末17日のNY原油9月限は、前日比0.98ドル高71.98ドルで終了。為替は114円29銭となっているため国内換算価格は1,190円高である。

ドバイ・オマーン原油も67ドル台となっており、さすがに週明けは素直に上昇しそうだ。

 

 上昇要因は、FRBが緊急の公定歩合引き下げに踏み切り、米株式相場が急伸したことで買い安心感が広がった事。ハリケーン「ディーン」が石油施設の集中するメキシコ湾岸に上陸し、操業に影響を与えるとの懸念も出ている事だ。

 利下げは将来的なインフレ懸念を引き起こす可能性があり、もちろん強材料であることは事実だが、それでまた株安・ドル安が起きたら元の木阿弥であり、またその効果も一時的なものに留まる可能性があるため、単なる下げの調整にしか過ぎないだろう。

 またハリケーンは直接的な買い材料となるが、仮に被害が出なければ失望売りを誘うだろうし、逆に被害が出ても米経済の失速懸念に繋がればまた株安からの原油売りも有り得る。

 材料なんぞ、その場その場の取り繕いであり、上昇相場ならば市場は何でも買い材料とするし、売り相場ならば市場は何でも弱く取るものだ。よって問題は、まだ何とか雲の上で推移するこのNY原油が、この雲を割り込んだら次の大暴落が始まるだろうと読む。

 

…中略…

結論として当方の相場観は、目先は一度戻してもおかしくないだろう。しかし天井を打っている相場であるゆえ、戻りは売り狙い。戻り売りポイントは、本文中を参考に…

 

 

今週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月13日

\62,360

-580

\60,020

-280

8月14日

\61,490

-870

\59,260

-760

8月15日

\62,160

670

\59,440

180

8月16日

\62,040

-120

\58,780

-660

8月17日

\60,470

-1540

\56,980

L1800

 

 続いてガソリンです…先週号においては『すでに天井から9,000円近い下落であり、今週は一気に4,500円も下げたわけで、一度は戻っても不思議ではない。しかし大勢での売り相場に変化は無いと思われ、初戻りは売られるだろう。最終的には5万円まで下げても驚かぬ。』とコメントした。

今週の相場展開は、戻り待ちに戻り無しの展開で週末にもストップ安の暴落。結局56,980円まで下げての終了であり、これで7月9日の高値68,170円からは1万1,190円もの下げを記録である。まさに大暴落である。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

日足では一目の雲の下に出た時点からでも7,000円ほどの下げ。仮にすっ高値を買って4,000円損切りから途転売りしたとしても、完全に勝ちなわけだ。これが相場であり、理屈無用で値頃感も無用と知らねばならない。もっとも結果論だから、道中でそう出来る人は滅多にいないだろうが…

さて相対力指数はすでに16ポイント台。週末のNY市場の株価・為替・原油の動きを見れば、さすがに一度は戻しそうだ。

 

仮に戻りが有るとすれば、まずは週末の大下げのギャップを埋めるところ。また相対力指数で30ポイントまで戻るところ。また3分の1戻しだと3,000円以上の戻りとなるか。

いずれにせよトレンドは完全に売りに変わっているわけであり、戻りは再度売られるだろう。ただし短期的には、小玉での買いも可か。

 

    東京ガソリン週足

http://www.higenaka.com/chart/20070819-gow.jpg

今回は週足もアップしてみたが、長期上昇トレンドを描いてきた週足ベースで雲の下に抜けたのは久々。ターゲットは1月の52,880円だろう。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

9月限 発会値61,210円 高値72,500円 安値57,330円 現在値60,500円

10月限 発会値60,500円 高値68,730円 安値56,440円 現在値56,480円

11月限 発会値63,900円 高値67,450円 安値55,490円 現在値55,490円

12月限 発会値66,070円 高値67,290円 安値55,340円 現在値55,340円

1月限 発会値66,400円 高値68,170円 安値56,080円 現在値56,080円

2月限 発会値67,300円 高値67,500円 安値56,980円 現在値56,980円

 週末17日に、当限を除く全限月が一代安値の更新である。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、高値から1万円を大きく越える下げを記録したため、一度は戻るだろう。しかし戻り売り基調は鮮明と思われ、再度どこで売るかの相場であろう。売りポイントは本文中を参考に…

 

 

今週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月13日

\58,500

-260

\62,750

-130

8月14日

\58,350

-150

\62,320

-430

8月15日

\58,310

-40

\62,410

90

8月16日

\57,510

-800

\61,780

-630

8月17日

\55,750

-1760

\59,980

L1800

 

 最後に灯油です…先週号においては『ガソリン売りに対するヘッジ買いという意味では灯油の買いも有効だろうが、灯油単体ではやはり戻り売り。今後3月限・4月限と発会のたびに下落が想定され、最終的には5万円まで下がっても驚かない。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には株価急落・大幅円高の影響もあってストップ安まで叩き込まれ、59,980円とついに6万円の大台割れまで記録。先物引継ぎ足では、7月9日の天井71,040円からすでに1万1,060円もの下落となっている。

    東京灯油日足

…削除済み…

完全に雲の下へと抜けてたチャートは、相対力指数も18ポイント台まで下落である。今年1月の安値は47,920円であり、まだそこまでは1万2,000円もある。最終的には、戻ってもその辺まで下げるんだろうなあ…といったところ。

 

 なお短期的には売られ過ぎゆえ、当然戻りはあっていいわけであるが、その戻り売りのポイントは週末の暴落のギャップを埋めるところである61,800円どころが第1ポイント。

 続いて相対力指数で30ポイントまで戻る場面。第3は3分の1戻しの3,000円強の上げで、63,000円どころ。第4に最大戻して、雲に接近する65,000円台といったところか。しかし今後不需要期限月が発会する灯油先物は、逆ザヤで上がるケースはあってもチャートが好転するのは難しいと思われ、最後の65,000円台は現実的には不可能だろう。

 

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

9月限 発会値58,600円 高値66,310円 安値55,150円 現在値55,750円

10月限 発会値60,540円 高値67,490円 安値56,920円 現在値56,920円

11月限 発会値66,000円 高値68,690円 安値58,240円 現在値58,240円

12月限 発会値67,900円 高値70,050円 安値59,180円 現在値59,180円

1月限 発会値69,340円 高値71,040円 安値59,940円 現在値59,940円

2月限 発会値69,000円 高値69,000円 安値59,980円 現在値59,980円

 週末17日に当限を除く全限限が一代安値の更新

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

8月17日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

9月限

\60,500

 

\55,750

 

4,750

10月限

\56,480

-4,020

\56,920

1,170

-440

11月限

\55,490

-990

\58,240

1,320

-2,750

12月限

\55,340

-150

\59,180

940

-3,840

1月限

\56,080

740

\59,940

760

-3,860

2月限

\56,980

900

\59,980

40

-3,000

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、高値から1万円を大きく越える下げを記録したため、一度は戻るだろう。しかし戻り売り基調は鮮明と思われ、再度どこで売るかの相場であろう。売りポイントは本文中を参考に…

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月13日

\2,550

25

\2,575

27

8月14日

\2,541

-9

\2,565

-10

8月15日

\2,506

-35

\2,528

-37

8月16日

\2,485

-21

\2,509

-19

8月17日

\2,351

-134

\2,389

L120

 

金相場は、先週号においては『2,527円で底、2,537円で2番底の可能性がある。ストップロスを2,527円以下に設定し、一度買ってみたい場面である。割れたらもちろん投げる。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には株価急落と大幅円高で急落の展開となり、120円幅に拡大されてから初のストップ安を記録。結局は2,389円まで下げての終了となった。

東京金日足

…削除済み…

7月23日の2,693円〜10日の2,389円までの下げは304円。また1日の2,527円〜9日の2,621円まで94円戻った場面からも、232円の下げと倍返し以上の下落である。

先週号では2,527円で底打ちの可能性も考えたが、大暴落前の16日にはすでに割り込んでいたため、当然の事ながらストップロスはヒット。まあ少なくとも、この120円安という大暴落は喰らわずに済んだわけだ。

 

さて週末のNY金は、米公定歩合の引き下げを材料にした株価の反発、為替の円安などを材料に反発に転じているため、換算では66円高と週末の下げの半値戻し。

そのとおりの上げとなれば、2,450円どころまでは戻ることとなるが、底打ちするかどうかは今後の株と為替次第当方は戻っても2,500円の窓埋めまでとの見方であり、まだ本格的な回復は無理だろうとの見方だ。

今後考えられる悪いシナリオだが、今までの上昇相場の時は金ETFが金需要を支えると買い材料視されたわけだが、為替が円キャリートレードの巻き戻しで急激に円高になったように、今度はETFがらみの利益確定売りが相場の地合いを悪化させるケースもあるだろう。大体がETFだって、買うばかりじゃなく売りに廻るというパターンも当然考えねばならない。

…中略…

 

NY金日足

…削除済み…

週末17日のNY金は、前日比8.8ドル高666.8ドルで終了。為替は114円29銭となっているため、週明けの東京市場換算では66円高の見込み。120円安のストップ安で投げさせられた人はご愁傷様だが、前日の下げの半分を戻しただけでもある。

本当に怖いのは641ドルを割り込んだ場合であり、680ドル回復となれば底入れ観も出ようが、まだ微妙な情勢であろう。

…中略…

 

東京金週足

…削除済み…

さて値幅が大きいので大勢的なチャートもアップするが、週足ベースだと一目の雲の中にギリギリ留まっている格好。これで切り返してまだ上昇相場が続くのならば将来的には3000円相場なのだろうが、割れたらやっぱり2,700円が天井で2,000円位まで下げてもおかしくないのだろうなあ…と見える。

 

ついでに今回は、為替のチャートも4つアップしておく。オージードルのチャートは、殺人チャートだな。

ドル・円週足

…削除済み…

ユーロ・円週足

…削除済み…

豪ドル・円週足

…削除済み…

ユーロ・ドル週足

…削除済み…

結論として当方の相場観は、戻りはあると思われるものの、まだ底打ちは確認したとは言えない状況。株式・為替次第の展開であり、まだ戻りは売られると想定する。

 

 

プラチナ相場は、先週号においては『下げても一般が投げない構造になっており、取組整理の遅れは嫌味。ひょっとして天井を打っている可能性があり、戻り売りで対応したい。リスクの軽減を考える向きは、金買い・プラチナ売りも一考。とコメントした。

今週の相場展開は、金に先んじて15日から急落に転じた相場が、週末はストップ安に張り付き4,541円まで下落。当限に至ってはストップ安2発分の4,452円まで一気に下落の展開となった。

これで7月20日の高値5,153円からは都合612円の下落となった。今年3月初めの500円の暴落よりも、さらにきつい下げである。

東京白金日足

…削除済み…

取組上から見ても、またチャートから見ても金よりも悪く見えたプラチナ相場の下落は、やはり大きなものとなった。仮に金買い・プラチナ売りをしていても、それなりの結果は出た格好。

当然の事ながら、株価下落の影響はプラチナ相場により大きく働いた格好でもある。

しかし相対力指数で見ればすでに19ポイント台まで低下しており、さすがに売られ過ぎ感はあるゆえ一度は戻してもおかしくない。しかし戻しても窓埋め〜せいぜい3分の1戻しの200円程度に留まる可能性は高く、相対力指数でも30ポイントまで戻ったところは売り場になるだろう。チャートでは2段下げ後の、3段下げに入る事も十分考えられるだろう。

 

NY白金月足

…削除済み…

週末17日のNYプラチナは前日比1.6ドル高1231.6ドルで終了であり、為替は114円29銭であるため、週明けの東京市場換算価格は73円高となる。しかし当限が200円以上下落した状況の中で、東京市場が上げられるかどうかは疑問。そうこうしているうちに、株価が下がれば元の木阿弥であろう。

チャートでは完全に崩れており、下値抵抗線は3月の1164ドルまで見当たらない格好でもある。

 

東京市場の内部要因では、…中略…

結論として当方の相場観は、戻っても200円がせいぜいであろう。戻り売りは変わらず、戻りが終了すれば3段下げに突入するだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

8月13日

\28,900

490

\28,170

470

8月14日

\28,880

-20

\28,080

-90