商品市況展望 割愛版

平成19年9月2日記

 

 取引所のフロアトレーダーの友人を訪ねた人が、その友人を見つけておーい!と手を振って入って来たが、用事が済んで出て行く時には大金を渡され、一瞬のうちに大金持ちになった…との米国の笑い話がある。

 そう、取引所では手振りで売買注文を出すゆえ、おーい!と手のひらを相手に向けて横に振れば50枚の売り注文である。手振りは江戸時代の大阪堂島の米相場の時代から続く伝統であり、実はシカゴでも当初はその大阪を参考に市場を設計したのだ。

 

 この8月31日をもって、国内商品取引所で最後に残っていた中部大阪商品取引所のゴム市場での手振り商いが終了した。これですべての取引所から、江戸時代から300年間続いた手振り取引が消えたわけだ。取引は全部システム売買に移行する事となった。

 これも時代の流れゆえ感傷に浸ってもしょうがないだろうが、一抹の寂しさを感じるのは当方も古い人間だからかも。すでに業界でも30代前半くらいまでの若い社員は手振りを知らない人は多いし、ハナ取りのげきたくの音も聞いたことがない人が多いみたいだ。

 

 さて10月に入れば、東京穀物商品取引所に上場しているコーヒー・粗糖はザラバ取引に移行する。9時に始まって、3時まで立会いが行われるようだ。いずれは大豆・コーンなども同様の取引方法になるようであり、東京の貴金属・石油・ゴムなどと同じ立会い方式に変化する。

 また現在ザラバ取引を行っている東京工業品取引所は、何時からなのかはちょっとまだ調べていないが、取引時間を延長して5時半まで行うようだ。現在は3時半までで終了であるが、ロンドンタイムと繋ぐことによって取引の活性化を図る目的のようだ。

 いずれは米国市場の24時間取引のように、国内商品市場もフルタイムの時代に入って行くのだろう。便利になると言えばそのとおりだが、一体我々外務員は何時まで会社に居れば良いのかな?夜中に暴騰・暴落して追証になったらどうするんだろう?ストップ制限はどこで区切るの?

 

 まあまだ良くわからん事だらけであるが、いろんなものすべてネットでの世界に移行して行く事だけは確実なのだろう。そしてどんどんと便利にはなって行くが、なおせわしない世界へなって行くのだろう。システム障害が起きたらいっぺんに世界は止まる状況になるのかもしれないし、今後は取引所対象のテロも起きるのかもしれない。ホストコンピュータがドカンとやられれば、金融システムが一発で止まるかもしれないわけだしね。

 そういえば、オール電化の住宅って停電したらどうなるの?リスクがないのか不思議だ。そんな事を考えてしまう当方でした。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月27日

\49,910

50

\47,950

640

8月28日

\49,940

30

\48,060

110

8月29日

\49,760

-180

\46,910

-1150

8月30日

\49,860

100

\48,070

1160

8月31日

\49,840

-20

\48,300

230

 

 まずは原油から…先週号においては『22日の安値で目先の底打ちとなったものの、戻りはまた売られるだろう。5万円までは戻せないと考え、戻り高値を狙っての売り方針が良いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、上昇〜急落〜急騰の荒い展開となったが、30日には高値で48,480円まで上昇

○東京原油日足

…削除済み…

7月13日の54,470円〜8月22日46,120円は8,350円もの下落・下落率15.32%であったが、今週の高値はそこから2,360円の反発である。下げ幅の28%を戻したわけで、仮に3分の1戻しなら48,900円ともう少し戻ることとなる。

まあとりあえず底打ちからの反発〜29日の急落は『初戻りは売り』の予測は正解といって良いと考えるが、ここからはちょっとチャートを見ても若干難しい展開かもしれない。

 

相対力指数は現在45.95ポイントであり、50ポイント越えは一度売り場になりそうであるが、さすがに底打ちも完了していそうな気配。仮にそうなると48,000円割れは押し目買いに分があるとも言え、まずは3分の1戻り、そして半値戻しなら5万円をちょっと超える程度まで上がるかも…

そこから上は一目の雲で押さえられそうであり、強材料が出なければ年末に向けて第2弾の下げ相場になるのかな?といった形である。

 

    NY原油日足

…削除済み…

週末31日のNY原油10月限は、前日比0.68ドル高74.04ドルで終了。為替は115円76銭となっているため国内換算価格は100円安である。31日の市場ですでに円安・夜間取引高であったためこうなる。

またドバイ・オマーン原油も68ドル台半ばとなっており、とりあえず下げ止まりの気配。

 

 なお22日に68.63ドルまで下げたが、ギリギリ雲の中で留まって反発であり、現状では逆に雲の上限ギリギリである。75ドル台に乗せてくるようであればチャートは一気に強くなるため、万が一またハリケーンの襲来などあれば新高値更新も視野に入るのかもしれない。逆に何もなければ、また第2弾の下げに転じるのかもしれないが…

 いずれにしても微妙な格好のチャートであり、大勢売り相場となっている国内原油のチャートとは全く違う格好である。

 

    ドル円相場日足

…削除済み…

結局このNY原油と東京原油の動きの違いは、7月以降に大きく円高になった事が主因であろうし、それぞれの原油のチャートの格好を見る限り、なお先々円高が到来するのだろうと市場が考えているのかもしれない。今のところ当方も、いずれ為替は110円を割り込む円高場面があっても不思議ではないと考えているが。

…中略…

結論として当方の相場観は、8月22日の46,120円で目先の底打ちは確認。5万円辺りまでは戻しても不思議ではないが、大勢で買い相場に転換したかどうかまではまだ疑問。逆張りの対応が良しと考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

8月27日

\55,930

530

\57,540

 

8月28日

\57,320

1390

\58,770

1230

8月29日

\56,020

-1300

\57,540

-1230

8月30日

\56,910

890

\58,010

470

8月31日

\56,920

10

\58,050

40

 

 続いてガソリンです…先週号においては『原油価格と比較してもさすがに下げ過ぎであろう。大勢では天井を打っている下落相場だとしても、ここは一度買い狙いしたい場面。目先は途転買い方針に転換である。』とコメントした。

今週の相場展開は、急騰〜急落〜また反発の荒い動きとなり、28日には高値で59,210円まで上昇。翌29日には上げ分を消す急落だったが、その後はまた戻す展開だった。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

7月9日の高値68,170円〜55,450円までは1万2,720円もの下げを記録であり、相対力指数は14ポイント台まで低下。仕手崩れ以外の相場でここまでポイントが低下するのは珍しく、とりあえず反発に転じた。

週末現在の指数は40.15ポイントであり、弱ければここまでのケースも有り得るが、まあ50ポイントまで戻っても別段おかしくはない。

今週の高値59,210円までは3,760円の反発であり、下げ幅の29.5%戻し。(先限引継ぎ足で3月限の順ザヤ分は無視しての計算である)3分の1戻しに近づいて翌日急落したが、そこからまた反発した姿を見るともうちょっと戻すか。

ただし幾ら戻しても、半値戻しの6,000円の上げは限界と思われるが、それでも61,000円台である。その辺までは最大戻る可能性があり、まずは当面55,450円が底値であり、チャート判断では押し目買い方針が良いだろうと思われる。

 

ともかくこの55,000円台の下は、今年の最安値である52,880円しか残っていない。その当時はNY原油50ドル、東京原油38,000円だったわけだから、如何にもガソリンの下落の方が激しい。さすがに下げにも限界があろうと考えるのが自然だろう。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

10月限 発会値60,500円 高値68,730円 安値54,650円 現在値56,920円

11月限 発会値63,900円 高値67,450円 安値53,680円 現在値56,720円

12月限 発会値66,070円 高値67,290円 安値53,590円 現在値56,310円

1月限 発会値66,400円 高値68,170円 安値54,420円 現在値56,670円

2月限 発会値67,300円 高値67,500円 安値55,450円 現在値57,310円

3月限 発会値56,700円 高値59,210円 安値56,650円 現在値58,050円

 今週は発会した3月限以外に一代の高値・安値更新はなし。2月限の発会値よりも1万円以上下での発会であり、買い玉の因果玉もない。そして3月限は来春の需要期のはしりの限月でもある。単純に考えて、この限月は買いであろう。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、当面の底打ちを果たした相場は、6万円台まで上がってもおかしくないだろう。円高場面の押し目買い方針を推奨する。

 

 

今週の灯油の値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

8月27日

\57,500

450

\59,120

 

8月28日

\58,420

920

\59,830

710

8月29日

\57,000

-1420

\58,030

L1800

8月30日

\58,040

1040

\58,730

700

8月31日

\58,370

330

\58,810

80

 

 最後に灯油です…先週号においては『原油価格と比較してもさすがに下げ過ぎであろう。大勢では天井を打っている下落相場だとしても、ここは2月限を含め手前の限月の反発狙いが妥当だろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、不需要期の3月限が逆ザヤで発会したために29日には58,030円と安値更新。しかし乱高下しながら、基本的にはガソリン相場と同じような推移での動きとなった。

    東京灯油日足

…削除済み…

先物3月限が逆ザヤのため、相対力指数はまだ28ポイント台までしか回復していない。3月限に関して買いは不可であり、買いは需要期の2月限以前の限月が良いと思われ、3月限はヘッジ売りの限月であろう。

戻りの波動は2月限よりも手前で計算すべきであり、その限月での3分の1戻しである63000円どころを想定するべきだろう。現状では先限引継ぎ足をアップしているが、実際には季節要因の強い灯油は限月別のチャートを実戦では使う必要がある。

 

 さて今週も各限月別の推移を記すと、

10月限 発会値60,540円 高値67,490円 安値55,890円 現在値58,370円

11月限 発会値66,000円 高値68,690円 安値57,110円 現在値59,520円

12月限 発会値67,900円 高値70,050円 安値58,340円 現在値60,720円

1月限 発会値69,340円 高値71,040円 安値58,900円 現在値60,940円

2月限 発会値69,000円 高値69,000円 安値58,850円 現在値60,910円

3月限 発会値58,500円 高値60,430円 安値58,030円 現在値58,810円

 今週は発会した3月限以外は、高値・安値の更新はなし。3月限は順当に逆ザヤ発会であり、しかも2月限に比べて1万円以上の安値発会。ただし不需要期だから、戻りは1月限・2月限が中心になるだろう。

 

 なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

8月31日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

10月限

\56,920

 

\58,370

 

-1,450

11月限

\56,720

-200

\59,250

880

-2,530

12月限

\56,310

-410

\60,720

1,470

-4,410

1月限

\56,670

360

\60,940

220

-4,270

2月限

\57,310

640

\60,910

-30

-3,600

3月限

\58,050

740

\58,810

-2,100

-760

現状ではすべての限月で灯油の方が高い。しかし3月限以降は、また変化するのが常である。まだ先の話ではあるが…

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、1月限・2月限を中心に押し目買い有利の展開と見る。ただし逆ザヤ相場に変化は出ないと思われるため、戻りは売られやすい地合いであると考えた方がよいと思われ、突っ込み買いに徹するべきだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月27日

\2,492

44

\2,518

43

8月28日

\2,462

-30

\2,500

-18

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

8月29日

\2,451

-29

\2,472

 

8月30日

\2,474

23

\2,492

20

8月31日

\2,496

22

\2,519

27

 

金相場は、先週号においては『週末のNY金の上昇によって、週明けは下げ幅の半値戻りを達成しそうである。しかしその場面は、戻り売りの好機ではなかろうかとの判断でもある。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け27日に2,526円まで上昇したが、その後急落で29日には2,450円まで下落。しかし週末に掛けて再び上昇に転じ、2,500円台を再び回復して終了である。

東京金日足

…削除済み…

7月23日の2,693円〜17日の2,389円までの下げは304円11.28%の下落率である。その後週明けまでの反発は2,526円まで137円となり、下げ幅の45%を戻したわけだ。

先週号で週明けの高値は売り!としたものは29日の急落で報われたが、結局また上昇してきたところを見ると、これで2番底を確認したのかもしれない。

ただしこのまままた上昇トレンドに入るのかは定かではなく、2,600円にも抵抗はあるだろうし、またトレンドラインも下向きのままである。順当ならば、逆張りのもみ合いに入る?

 

NY金日足

…削除済み…

週末31日のNY金は、前日比8.0ドル高681.9ドルで終了。為替は115円76銭となっているため、またすでに東京タイムの夜間取引で上昇していたため、週明けの東京市場換算では9円高と小幅上昇に留まる見込み。

しかしNY金はこれで完全に雲の上に頭を出す格好となり、抵抗線である680ドル台にも乗せてきた。サブプライムローン問題からの急落は、ほぼ全部戻した格好でもある。

 

東京市場のチャートと比べると驚くほど強い。雲の上に出たのだから、トレンドはまた買い転換でもある。

結局のところこれは、米国が金利下げなど徹底的にサブプライム問題払拭の政策を行っているため、NYダウもそうだが劇的に戻しているからだ。

では東京市場の金もまた2,700円近くまで回復するのだろうか?仮にNY金が700ドルで為替115円でも当限ベースで2,588円である。2,700円なら730ドルまで上昇しないといけない。

 

…中略…

 

結論として当方の相場観は、NY金の急反騰はドル暴落を市場が予期しているのかもしれない。強いNY金相場と円高が懸念される東京市場は綱引きになると思われ、相場は乱高下の逆張りに移行するものと想定する。

 

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月27日

\4,650

52

\4,615

51

8月28日

\4,690

40

\4,619

4

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

8月29日

\4,601

-52

\4,565

 

8月30日

\4,667

66

\4,616

51

8月31日

\4,733

66

\4,688

72

 

プラチナ相場は、先週号においては『戻り売り相場に変化はないだろう。戻りが終了すれば3段下げに入ると考えられ、投げはまだ全然出ていないと考える。とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの上昇〜29日には一転の急落となったが、週末は米ブッシュ大統領のサブプライムローン問題への対策発表で株価が400円以上の急騰となったため、プラチナも急伸して高値で4,696円まで上昇である。

東京白金日足

…削除済み…

取組上から見ても、またチャートから見ても金よりも悪く見えるとしてきたプラチナ相場だが、週末の反騰を見れば29日で2番底を打ったのかな?といった格好である。

ともかく7月20日の高値5,153円〜8月22日4,483円まで670円の下落下落率は13.00%であったものが、週末の高値まで213円の反発である。下げ幅の31.7%を戻したわけであり、約3分の1戻しである。

相対力指数で見れば19ポイント台から46ポイント台まで反発。先週も『戻って4,600円台半ば、ポイントで50ポイントまでは戻してもおかしくは無い。』とコメントはしたが、どこかでこの反発が息切れするのかどうか?まあ天井は打っている相場だろうから、戻りはまたどこかで売られるだろうが、目先は半値戻しの