商品市況展望 割愛版

平成19年10月21日記

 

 19日ワシントンにて行われたG7では、終了後に発表した声明で、世界経済全般は引き続き力強いものの、最近の金融市場の混乱、原油価格の高騰、米住宅部門の弱さは、成長を減速させる可能性があるとの認識で閉幕。

 注目された為替相場への言及は、中国に対し人民元の上昇加速を求めたが、ドル安についての言及はなかった。

 また政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)に対する懸念にも触れたが、これらのファンドを国際金融システムにおける「重要な参加者」と呼ぶ一方で、投資慣行に一段の透明性が必要との認識も示した。これはよほどのことが無い限り、自由にやってくれということだな。

 

 週末のNY株式市場であるが、366ドル安の急落。利下げ催促の下落かもしれない。

また為替は円高が進み、114円台半ばの水準となっている。人民元への懸念が、円高にも繋がったと思われる。

    ドル・円日足

…削除済み…

114円台半ばの円高は、一目均衡表では雲の下に抜けた格好。目先はちょっと円高進行の可能性がある。

    ユーロ・円日足

…削除済み…

 ユーロ・円でも163円台までの円高となっており、8月からの上昇トレンドは割り込み始めている。もっとも一目の雲を下回るには、まだまだ円高が進まないと無理そうであるが…

 

 さてそれはそうと、もっと長期的な動きで現在高騰する原油相場・金相場と為替の関係を見れば、明らかにこれには相関関係がある。これはなじみの有るドル円相場だけを見ていてもわからない動きであり、ユーロを中心におかないと判らないものだ。まずはドル円相場の1997年以降の動きを見てみると、

    ドル・円相場月足

…削除済み…

ほぼ2000年以降、101円〜125円でのもみ合いだ。ドルと円は完全にリンクされているような動きであり、これでは何も判らない。しかしユーロを中心におくと、非常に判りやすい。

    ユーロ・円月足

…削除済み…

    ユーロ・ドル月足

…削除済み…

チャートを見れば一目瞭然であり、2000年代に入ってからずっとユーロ高・ドル安&円安が続いている。これを原油・金のチャートを重ねると、現在の商品相場の高騰の原因も一目瞭然だ。

    NY原油月足

…削除済み…

    NY金月足

…削除済み…

底入れ〜上昇のトレンドは、ユーロの動きと同じなわけだ。つまりこの商品相場の上昇はユーロ高・ドル安&円安に起因するものであり、商品相場の上昇が終わるためにはドル安・ユーロ高のトレンドが変わらないとダメだということだ。今回のG7でそれが変わるとは、どうにも思えないが…さて?

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月15日

\55,360

140

\54,270

200

10月16日

\56,300

940

\55,850

1580

10月17日

\56,100

-200

\54,990

-860

10月18日

\56,080

-20

\55,430

440

10月19日

\56,100

20

\55,580

150

 

 まずは原油から…先週号においては『9月28日の高値突破で三尊天井形成は不発に終わった。週末のNY原油は84ドル台と最高値を更新しており、東京市場も一段高の可能性は高い。しかしここからの高値買い進みはあまりに危険なので、押したら買う方針を採るのがベターだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には上場来高値更新の56,100円まで記録。高値警戒感から道中も週末も陰線は入れるものの、NY原油90ドル台乗せの動きで上昇である。

    東京原油日足

…削除済み…

 53,780円(9/28)〜51,500円(10/4)まで2,280円押したものが、倍返しの56,060円を若干超えた

 メリルリンチなども100ドル台はあってもおかしくないとコメントしており、市場はそこまであっても驚かないというムード。

 しかし当方としては、さすがにこれで目先の天井は付けたのではあるまいか?との見方である。いずれ100ドルがあるかもしれないが、目先はNY株を見ても原油高の悪影響が出始めているわけで、次の利下げまでは調整安に入るのではないかと考えるわけだ。多分に90ドル乗せも納会前の踏み上げが主因と思われるし、トルコとクルド人の問題もだいぶ織り込まれたと思うし…

 

    NY原油日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

週末19日のNY原油は、高値で90.07ドルまで記録した後に、88.60ドルまで下げての終了。さすがに90ドル台乗せで利食いも出たわけで、一度は冷やされた方が逆に今後の高値追いのためにも良いだろう。

下値抵抗線は83.76ドルとなるが、できればその辺までの下げを待ってから買いたいところ。

 

なお冒頭でも説明したが、原油価格の上昇は明らかにユーロに対するドル安と相関関係になっている。全米石油在庫などを見れば、過去5年平均と原油やディスティレート在庫は減っておらず、敢えて減っているものを挙げればガソリン在庫だけ。よって実際の現物需給にこの原油高の原因を求めることは出来ない。

そういう情勢なのだから、あくまでも原油高は金余りからの資金流入と、心理的なものとの判断が出来るわけだが、そういうものこそ逆に厄介だということも事実。要は上げても下げても、どんな理由でも付けられるわけだから…ともかくドルが弱いうちは、原油も本格的な下落相場にはならないと考えるのが無難だろう。

 

…中略…

結論として当方の相場観は、長期的には100ドルを目指す相場であろうが、目先は調整局面入りが先だと考える。54,000円割れ程度までの調整があるのではないかと考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月15日

\64,930

-640

\68,100

-430

10月16日

\65,720

790

\59,500

1400

10月17日

\64,610

-200

\54,990

-850

10月18日

\65,240

630

\68,610

700

10月19日

\65,380

140

\68,680

70

 

 続いてガソリンです…先週号においては『現状では7万円台の上場来先物高値更新に向けて上昇の過程としか言いようが無い。買い進みたくは無いが、安易な売り玉保有はもっと危険かもしれない。』とコメントした。

今週の相場展開は、17日には高値で69,780円まで上昇。もちろん今年の最高値は更新であるが、上場来最高値である昨年8月70,790円はまだ突破しておらず、その後は乱高下をして上げもだえて終わった展開。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

まだ相場は上昇トレンドを崩していないが、17日に69,780円を記録した後は、翌18日に67,650円まで2,130円も下落するなど、上値が支えてきた印象もある。

原油価格の高騰からスタンド販売価格もさらに5円程度値上がりが予測されるなど、外部環境からは大崩の予想は立てづらい。しかし原油が調整局面に入れば、さすがにこのガソリンだって一押ししても不思議ではない水準。短期的には、まず調整が先と考えたい。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

11月限 発会値63,900円 高値67,450円 安値53,680円 現在値65,380円

12月限 発会値66,070円 高値67,290円 安値53,590円 現在値64,500円

1月限 発会値66,400円 高値68,170円 安値54,420円 現在値64,150円

2月限 発会値67,300円 高値67,500円 安値55,450円 現在値64,470円

3月限 発会値56,700円 高値67,050円 安値56,650円 現在値65,960円

4月限 発会値64,680円 高値69,780円 安値64,590円 現在値68,680円

 3月限は16日に一代高値の更新4月限は17日に一代高値を更新である。なお参考に、先物の上場来高値は70,790円であるが、当限ベースでは76,520円である

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、いずれ先物は7万円台の大台に乗るだろうが、その前の調整安を期待したい。下げても65,000円を割り込むほどの大きなものになるとは思わないが、買いはしばらく待つべきだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月15日

\70,020

-40

\67,260

-40

10月16日

\71,300

1280

\68,900

1640

10月17日

\70,950

-350

\67,750

-1150

10月18日

\71,650

700

\68,200

450

10月19日

\72,100

450

\68,100

-100

 

 最後に灯油です…先週号においては『需要期を控えて底堅い推移が予測される中で、ファンドの一手買いのいびつな取組状態である。何らかの要因で下げ始めればファンドの投げも出るのだろうが、逆に大衆筋の総踏みで市場から資金が巻き上げられてしまう可能性もある。順当なら売るのは危険で、ここからでも中物の買い推奨だ。』とコメントした。

今週の相場展開は、17日には高値で69,300円まで上昇。その後は乱高下に移り、週末はNY原油高にも関わらず68,100円と前日比マイナスで終了した。

    東京灯油日足

…削除済み…

不需要期の4月限が建っている中で、先物引継ぎ足でも9月の高値更新となった相場であるが、さすがに7月の高値71,040円までは多少厳しそうな環境になってきた。

もっともその7月9日に高値を記録した限月は需要期の1月限であり、そこは週末72,730円まで上がっているが…

今後も、値にほれて中物を売るのは危険だろう。先物はぼちぼちガソリンに比べれば異常な高値になって来ているわけで、下げる場合はガソリン以上の下げとなっても不思議ではないが、需要期限月だけは別だ。当限の上場来高値が82,400円である事を考えても、何かがあれば1月限があと1万円暴騰する…という可能性は皆無ではないゆえ。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

11月限 発会値66,000円 高値72,250円 安値57,110円 現在値72,100円

12月限 発会値67,900円 高値73,040円 安値58,340円 現在値72,640円

1月限 発会値69,340円 高値72,730円 安値58,900円 現在値72,510円

2月限 発会値69,000円 高値72,580円 安値58,850円 現在値72,430円

3月限 発会値58,500円 高値70,850円 安値58,030円 現在値70,340円

4月限 発会値62,690円 高値69,300円 安値62,490円 現在値68,100円

週末には11月限〜3限月が一代高値の更新4月限は17日に高値更新であり、いずれにせよ今週また全限高値更新である。なお灯油の先限上場来高値は73,170円当限上場来高値は何と82,400円であることは、忘れてはならない。

 

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

10月19日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

11月限

\65,380

 

\72,100

 

-6,720

12月限

\64,500

-880

\72,640

540

-8,140

1月限

\64,150

-350

\72,510

-130

-8,360

2月限

\64,470

320

\72,430

-80

-7,960

3月限

\65,960

1,490

\70,340

-2,090

-4,380

4月限

\68,680

2,720

\68,100

-2,240

580

前回納会した10月限はガソリン64,000円、灯油65,450円の−1,450円。1月限はすでに−8,140円。そこから一気に灯油が買われているのが判る。

もっとも先物3月限・4月限は、さすがにちょっと変かもしれない。ガソリン買い・灯油売りを徐々に仕込み始めても良いだろう。

 

…中略…

結論として当方の相場観は、3月限・4月限は売り狙いに転換である。しかしそれ以前の限月はここからでもまだ買いだと考えられ、押し目買い方針継続が良いだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月15日

\2,855

44

\2,882

42

10月16日

\2,878

23

\2,907

25

10月17日

\2,828

-50

\2,856

-51

10月18日

\2,843

15

\2,870

14

10月19日

\2,844

1

\2,873

3

 

金相場は、先週号においては『調整安の有る無しは神のみぞ知る話だが、現状のペースや環境を考えれば、NYベース850ドル、国内価格3,000円台は年内に出る可能性が高いだろう。買い方針である。』とコメントした。

今週の相場展開は、16日には高値で2,907円まで上昇。その後若干緩んでいるが、ドルベースで現在の高値は28年ぶりのものとなる。

    東京金日足

…削除済み…

現状では2,804円(10/2)が下値抵抗線。相変わらず上昇トレンドに乗ったままの相場であり、下げても単なる押しに留まる公算は高い。

28年ぶりの高値となっているドルベースであるが、その前の高値は850ドル台。原油価格の動向を考えれば、いずれ金も史上最高値を更新する事態となっても驚かない。

仮に850ドルで為替が117円ならば、国内換算価格は3,197円となることは前回コメント済みであるが、東京市場での上場来高値は82年9月の4,326円。上場前には6,000円台の高値もあったわけだが、その当時とは為替レートが違うのでそこまでは言えない。まあドルベースで今のプラチナのように、1400ドルとかなればまた別だが…

なお週末のNY市場では円高が進行しているため、国内換算価格は30円ほど安くなる見込み。さてどこで買うか…

 

    NY金日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

NY金は高値で770ドル台まで出ている。弱い下値抵抗線が755ドルにあり、726ドル台が強い抵抗線である。

ともかく現状の金相場が強い最大の要因は、冒頭でもコメントしたとおり、また最近ずっと同様のコメントをしているとおり、対ユーロでのドル安であろう。この流れが変わらぬ限り、下げても調整に過ぎないと考えるのが妥当だろう。

…中略…

結論として当方の相場観は、目先は調整安が出ると見るが、そこが良い買い場になるだろう。押し目買い方針である。

 

 

今週の白金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月15日

\5,347

65

\5,277

84

10月16日

\5,366

19

\5,269

-8

10月17日

\5,262

-104

\5,169

L100

10月18日

\5,386

124

\5,237

68

10月19日

\5,355

-31

\5,214

-23

 

プラチナ相場は、先週号においては高値警戒感が台頭すれば調整安はあるだろう。しかし長期的に見れば、5,800円台まで上昇してもおかしくない相場であると考える。とコメントした。

今週の相場展開は、週明け15日には5,284円まで上昇。その後17日にはストップ安まで売られるなど急落したが、翌日には南アでの鉱山事故で急激に切り返すなど、乱高下をする週となった。

    東京白金日足

…削除済み…

10月15日の5,284円ももちろん上場来新高値更新である。さすがにちょっとは調整安が出そうな雰囲気となって来ているが、まずは下値抵抗線が5,099円(10/2)にある。その辺まで下げても、まだ斜線の上昇トレンドは切らない格好でもある。

どこかで8月のような急落も無いとは言えないが、そういう時はプラチナ相場だけではなく、すべての商品がそうなる場合であろう。

 

    NYプラチナ日足(週末19日分は入っていません)

…削除済み…

まさにきれいな右肩上がりの上昇トレンドを描いているわけで、史上最高値更新中の相場はどこまで上がるのか見当が付かない。

ただし短期的には、1403.9ドル10/1)〜1352.2ドル(10/2)のわずか1日の大きな調整が約50ドル幅であり、1450ドルまで上げてきた相場はその調整の倍返しは達成している。再び1400ドル辺りまでの調整はあっても不思議ではない。

商品相場全体で目先は調整安到来でもおかしくないと考