商品市況展望 割愛版

平成19年11月11日記

 

 サブプライム問題からの米証券大手・銀行などの損失が明らかになるにつれて、株価はまた大きく値下がりを始めている。週末現在でNYダウは13,017ドル13,000ドルそこそこの安値まで出現。終値でも223ドル安の続落である。

 最初にこの問題がクローズアップされて下落したのは、お盆の最中の8月半ば。その時は14,015ドル(7/19)〜12,847ドル(8/17)まで1,168ドルの下げ、率にして8.33%の下げを演じたわけだ。

 結局、利下げなどで戻した株価は10月に14,198ドルと7月の高値を上抜いたわけだが、週末までの下落で1,181ドル下落と前回以上の下げである。率も8.31%とほとんど変わらない。

 8月の安値まではまだ170ドルあるが、バーナンキFRB議長は何らかの有効策を打てるだろうか?それともまだまだ株価は下落して行くのだろうか?

 

 一方で日経平均も同様の動きとなっているが、前回の下落は18,000円台から15,200円台まで16%以上の大きな下落であった。今回は反発局面で17,500円まで届かず、週末は15,500円台まで下落。シカゴ日経225先物は9日、15,100円割れを一時記録しており、このままでは8月の安値も下抜いてしまうかもしれない。

 

 さて10月からの株価低迷は、株が買えないならば商品へで返って商品市場にはプラスで今まで来たわけであるが、さすがに先週末の日々雑感でコメントしたとおり、下げ過ぎればリスクマネーは商品からも一時的に流出する=利食い売りに下落する可能性はあるかも…と危惧する。

 特に国内商品市場は、株価の下落〜円キャリートレードの巻き戻しが発生すると、大幅な円高が到来する可能性があるわけだ。

 そういう懸念を裏付けるうように、この週末9日のNY市場では110円台突入の大幅円高であり、原油は高かったものの金は小幅下落、景気に敏感なプラチナは急落となっている。

 

 最終的には産油国の金余り、ドルの不信任でまだまだ商品市場は強気継続であるとは考えるものの、原油も貴金属も穀物も現在かつて無いほどの高値に居ることは事実。株のようにほんの10%の下落が来たとしても、例えば6万円しているものなら6,000円は単なる調整の下げである。

 その10%の調整、例えば3,000円している金ならば300円と言うことになるが、その300円で1枚=30万円の値動きであるゆえ、下手すればすべてが吹っ飛んでしまう場合もあるわけだ。

 戦略的には商品は買い!で間違いなかろうが、戦術的には資金配分とストップロスを常に考えなければならない。そうしないと半年後には今の自分の相場の見方が当たっていたとしても、1週間後に先に飛んでしまっていてお金がない!という事態にもなりかねない。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

11月5日

\61,710

570

\59,900

810

11月6日

\62,110

400

\60,350

450

11月7日

\63,580

1470

\61,900

1550

11月8日

\62,300

-1280

\60,560

-1340

11月9日

\62,450

150

\60,400

-160

 

 まずは原油から…先週号においては『ここまで上昇して来ても、チャートではまだ過熱感も無ければ、世間はパニックにもならない。このような状況では、本格的な下げに転じるとは思えない。なお高値追いをする可能性が高いと考えるべきだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、7日には62,100円と史上最高値を更に更新。しかしその後は調整安となり、6万円前半までの下落となった。

    東京原油日足

…削除済み…

8月の安値46,000円台からはすでに16,000円の上昇。それでもたまに押すので、相対力指数は64ポイント台と買われ過ぎは示唆していない。トレンドも全く崩れていない状況でもある。

ただし週明けは110円台という大幅円高の到来で、1,000円ほど下落してもおかしくは無い。そうなると6万円を割り込んで来るわけであり、62,100円で大天井ではなくても、目先天井を打ったのかな?というムードも出るかもしれない。

ともかく6万円相場なのだから、10%の調整でも6,000円はあるわけだ。また16,000円も上昇したのだから、3分の1押しでも5,000円以上はあるわけだ。そういう下げが来ると断言は出来ないが、むしろ強気で見ている向きもそこで買えるだろうから、あった方が良いだろうとは思う。

 

    NY原油日足(週末9日分は入っていません)

…削除済み…

高値は7日の98.62ドル。もちろん史上最高値の更新である。そして株価急落と大幅円高となった週末9日も、前日比0.86ドル高の96.32ドルとまだ崩れていない。

テクニカル的には100ドルを目前に上ひげ2本の足が出たわけで、短期的には98.62ドルをストップロスに売りも可かもしれないが、果たして株価急落の影響が原油にも波及するのかどうかだ。

もしも下落があるとすれば、100ドル近い高値なのだから10%でも10ドル近い。その程度の調整安はあるかもしれないが、根本的に今回の株価急落が原油高のせいで来ている状況ではないゆえ、おそらく長い目で見れば急落も単なる調整ではあろう。

…中略…

また国内内部要因では、…中略…

結論として当方の相場観は、いずれNY原油は100ドルを大きく突破することになると思うが、目先は高値から10%程度の調整安が先でもおかしくない。微妙な情勢であるが、大きく突っ込んだ場面を買うのがベターと考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月5日

\68,980

950

\76,580

760

11月6日

\69,510

580

\77,330

750

11月7日

\71,640

2130

\79,300

1970

11月8日

\71,820

180

\78,810

-490

11月9日

\72,040

220

\77,950

-860

 

 続いてガソリンです…先週号においては『上場来高値更新中の相場は前人未到の領域へ。原油価格の下落がない限り崩れはないと思われ、最終的には8万円相場になっても驚かぬ。』とコメントした。

今週の相場展開は、7日には高値で79,880円まで上昇。もちろん上場来最高値の更新であり、8万円に限りなく接近する上昇となった。しかしその後は若干売られ、78,000円割れでの終了である。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

相対力指数では70ポイント台に乗せてからでも5,000円以上上昇しており、さすがに買われ過ぎの状況にも見えて来た。8万円近い価格では、ほんの5%の動きでも4,000円というかつては一相場のサイクルと同等になるわけで、そろそろ一度押すのではないか?と考える。

しかしトレンドラインは全く崩れていないため、まだ大きな流れで売り転換するのは難しいだろうとも考えられる。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

12月限 発会値66,070円 高値72,630円 安値53,590円 現在値72,040円

1月限 発会値66,400円 高値72,020円 安値54,420円 現在値71,230円

2月限 発会値67,300円 高値72,810円 安値55,450円 現在値71,900円

3月限 発会値56,700円 高値74,280円 安値56,650円 現在値73,230円

4月限 発会値64,680円 高値78,210円 安値64,590円 現在値76,610円

5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値72,490円 現在値77,950円

 79,880円を記録した5月限の他、3月限・4月限が7日に一代高値更新であるが、その後も12月限〜2月限は週末まで一代高値更新。順ザヤが多少詰まった展開である。

 

国内内部要因では…中略…

 

 なお余談であるが、中国ではガソリンスタンドに車の行列が出来始め、インドではガソリン値上げに抗議するデモで死傷者が出たと言う。日本ではおとなしいもんだが、ちょっとずつこの石油高騰で世の中がおかしくなりつつあるのかもしれない。

 結論として当方の相場観は、上昇トレンドにまだ変化はないものの、さすがに買われ過ぎの状況に見える。まずは調整安が先に出ても、おかしくないのではなかろうかと見る。

 

 

今週の灯油の値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月5日

\81,730

1320

\72,400

390

11月6日

\82,570

840

\73,000

600

11月7日

\81,270

-1300

\74,310

1310

11月8日

\79,950

-1320

\73,300

-1010

11月9日

\80,030

80

\73,020

-280

 

 最後に灯油です…先週号においては『1月限は期近上場来最高値の82,000円台突破を目指すだろう。先物も連れて下がらぬだろうが、ガソリン需要期・灯油不需要期のサヤはいずれ報われると考え、4月限中心のガソリン買い・灯油売りの方針は継続としたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、7日には75,230円まで上昇先限上場来高値の更新であり、原油高影響で5月限での先限新高値更新は凄まじい。もっともその後は、73,000円割れまで利食い売りで調整されたが…

なお1月限は7日に84,060円まで上昇。その後急落したが、82,000円台どころか84,000円台という高値を出したわけだ。

    東京灯油日足

…削除済み…

まさに凄まじい急騰であるとしか言いようは無いが、4月限の鞘取りは成功で終了。仕掛けから利食いまで短期間であったが、3,000円の変動はまずまずの展開であったと考える。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

12月限 発会値67,900円 高値83,890円 安値58,340円 現在値80,030円

1月限 発会値69,340円 高値84,060円 安値58,900円 現在値79,970円

2月限 発会値69,000円 高値83,060円 安値58,850円 現在値79,220円

3月限 発会値58,500円 高値79,950円 安値58,030円 現在値76,590円

4月限 発会値62,690円 高値76,420円 安値62,490円 現在値74,090円

5月限 発会値66,000円 高値75,230円 安値57,110円 現在値73,020円

7日に全限一代高値の更新である。期近の上場来最高値は83,890円が記録されることになったが、同日に1月限が記録した84,060円は覚えておいた方が良いだろう。目先は天井かもしれないが、原油価格が100ドル突破の事態となった時は、これがまた意識されるだろうから…

 

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

11月9日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

12月限

\72,040

 

\80,030

 

-7,990

1月限

\71,230

-810

\79,970

-60

-8,740

2月限

\71,900

670

\79,220

-750

-7,320

3月限

\73,230

1,330

\76,590

-2,630

-3,360

4月限

\76,610

3,380

\74,090

-2,500

2,520

5月限

\77,950

1,340

\73,020

-1,070

4,930

仕掛けを推奨した10月24と比べてみれば、

月日

10月24日(水)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

11月限

\65,160

 

\73,110

 

-7,950

12月限

\63,390

-1,770

\73,150

40

-9,760

1月限

\62,890

-500

\73,050

-100

-10,160

2月限

\63,210

320

\72,800

-250

-9,590

3月限

\64,700

1,490

\70,430

-2,370

-5,730

4月限

\67,250

2,550

\67,880

-2,550

-630

 4月限のサヤは7日に2,420円まで開き、2,000円以上での利食いを推奨していたわけであるから、3,000円程度は利食いできる計算である。

 

国内内部要因では、…中略…

結論として当方の相場観は、7日の高騰で相場は峠を越し、目先は調整安が先であろうと考えるものの、本当の意味での天井打ちであるかどうかは疑問。原油価格と今後の天気次第の相場であろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月5日

\2,956

46

\2,985

48

11月6日

\2,983

27

\3,015

30

11月7日

\3,068

85

\3,090

75

11月8日

\3,022

-46

\3,053

-37

11月9日

\3,016

-6

\3,043

-10

 

金相場は、先週号においては『3,000円台は一応利食いをしておいて良い水準だろうが、調整安局面ではファンドがまた買い仕込むだろう。押し目買い方針は継続すると考えて良いだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、7日には3,102円まで上昇。前日に3,000円の大台を突破した相場はついに3,100円台に乗せたが、その後は若干小緩んだ。