商品市況展望

平成19年12月2日記

 

 最近の相場は本当に大きく動く。かつては1ヶ月でやっと100円程度動けば御の字であった金相場でも、120円幅のストップ幅が出たり、日中でも簡単に50円以上動いたりである。

 もちろん動くことは悪いわけではないし、1,500円の頃に10%の動きで150円のものが、3,000円なら10%で300円なわけであり、ある意味当然と言えば当然である。ファンドという巨大資金も入って来ているわけで、今後とも大きな値動きがあるだろう事は想像に難くない。

 ただし最近の相場で気になるのは、すべての国内商品において総取組高が低下している事だ。当方が解説している銘柄では、おおよそ原油2万枚、東京ガソリン5万枚、東京灯油3万枚、金19万枚、プラチナ9万枚、コーン9万枚、NON大豆22万枚、ゴム4万枚、アラビカコーヒー2万枚である。かつては単独で50万枚とかの銘柄もあったわけだが、軒並み半減どころの話ではない。

 

 総取組高の低下はザラバ商品では板の薄さに繫がるわけであり、場中に成り行き注文を出せば簡単に値が飛んでしまう。例えばゴムで買い270円、売り269.9円となっていたとしても、実際に買い注文を出せばすぐに値は270.1円、270.2円と切り上がって行くわけであり、売り注文を出せば269.8円、269.7円と切り下がって行くわけだ。

 それが100枚、200枚の単位ではなく、僅か5枚程度でもそうなるわけであり、表示価格ですぐに注文を出せると考えるのは相場をやったことのない人である。まあ高かろうが安かろうが、注文成立しないという事までは行かないが、まとまった注文はどうしてもその日の高値、安値で成立する事を覚悟しなければならない状況になる。

 穀物などの板寄せ取引でも同様であり、板の薄い期近を特定の筋にあおられれば、簡単にコーンなどでも200円、300円と動いてしまう。

 

 来年1月から東工取は立会時間を5時半まで2時間延長するが、ロンドンタイムに重なるため4時半過ぎから大きく動くだろう事は想像に難くない。しかし日中はもっと板が薄くなり、果たして流動性が確保されるのかどうか疑問だ。

 後場の寄り付き12時半から30分間、その後は長い休憩タイムに入り、株式市場が閉まる3時頃の30分間にまた動き、5時過ぎから引けまでの30分間にまた動く事になるのではなかろうか?
 ましてや24時間取引では、そりゃ確かに何時でも注文を出せるという利便性があるとは思うが、実際に相手が居ないと売り買いは気配値だけで飛ぶだけだ。

 そして一番の危惧は、24時間取引では追証を徴収するシステムからストップロス売買へと移行するシステムになると思われるが、夜中に海外勢の動きでストップロスをヒットさせられ、朝起きてみると乱高下しただけで前日と変わらなくても、建て玉だけはなくなっている…というパターンが一番恐ろしい。

 ストップロス注文は、安全性があるようでもプロに狙われれば、諸刃の剣になる。そんな注文は安易に出せば、食われるだけだろう。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

11月26日

\61,300

100

\59,820

240

11月27日

\61,100

-200

\59,040

-780

11月28日

\60,920

-180

\57,330

-1710

11月29日

\60,880

-40

\57,790

460

11月30日

\60,860

-20

\57,490

-300

 

 まずは原油から…先週号においては『12月にもう一段高の相場になると考える。加速が付いた場合は、67,000円台まで上がる可能性を考えたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、28日に安値で57,050円まで下落。NY原油の下落の影響で、軟調な展開での推移となった。

    東京原油日足

…削除済み…

11月16日に記録した56,730円はまだ割り込んでいないが、このポイントを割り込むとA62,100円、B60,880円でWトップの完成。すでに8月からの上昇相場のトレンドは割り込んでおり、先週は強気のコメントをしたが怪しくなってきた。

仮にWトップ形成となっても、一応一目の雲は下値抵抗線として働きそうだが、チャートでは手放しの強気は危険。週末のNY原油の下落を考えれば、目先は戻り売りに変化した可能性も高いだろう。

 

    NY原油日足(週末30日分は入っていません)

…削除済み…

週末のNY原油は、前日比2.30ドル安の下落で88.71ドルの終了。高値91.52ドルから安値88.52ドルとまた上下3ドルの動き。

チャートはこれでA98.62ドル、B99.29ドルでのWトップを形成。10ドル程度の下げは許容範囲としながらも、この格好は良くない。

一目の雲が下値抵抗線として働く可能性もあるが、逆にチャートどおりなら83ドル台までの下落があっても不思議ではないだろう。

 

もっとも5日にはOPEC総会があり、その前の下落は増産幅75万バレルを織り込みに行っている可能性が高い。安ければOPECが増産しない可能性もあり、Wトップのチャートが単なるダマシになる可能性もあるわけで、その点には注意が必要だ。

大きな目で見た場合は、簡単に原油相場が下げトレンドに転換したとまでは言える情勢ではない。需給もチャイナ、インドの需要拡大は続くだろうし、生産も大油田の発見とかがあるわけではなく、原油以外の有効なエネルギーが開発されたわけでもなく、根本的な解決には遠い。ファンド買いのプレミアムが幾らはげるのか?が下値のめどであろう。

 

…中略…

 結論として当方の相場観は、チャートはWトップの形成で目先は戻り売り。しかし5日のOPEC総会後から大きな変化の可能性もあるため、一方的な弱気もまた危険と考える。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月26日

\68,840

-880

\77,350

 

11月27日

\68,030

-810

\76,280

-1070

11月28日

\65,860

-2170

\73,650

-2630

11月29日

\66,480

620

\74,010

360

11月30日

\66,090

-390

\73,370

-640

 

 続いてガソリンです…先週号においては『市場にはまだ戻り売り人気も強いようであるが、原油上昇が止まらない限り押し目は買われるだろう。上抜けした場合は87,000円台というとんでもない価格も想定しているため、押し目買い方針を良しと考えたい。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には安値で72,840円まで下落。相場が再び下落の状況となってきた。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

A79,880円とB77,980円のWトップは、C72,150円を割り込むと完成する。NY原油が88ドル台まで下がる中で、週明けにでもこれを割り込むとそうなる。

すでに8月からの上昇トレンドは若干下回って来ており、目先は完全に調整局面入りになったかもしれない。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

1月限 発会値66,400円 高値72,020円 安値54,420円 現在値66,090円

2月限 発会値67,300円 高値72,810円 安値55,450円 現在値66,460円

3月限 発会値56,700円 高値74,280円 安値56,650円 現在値68,340円

4月限 発会値64,680円 高値78,210円 安値64,590円 現在値71,710円

5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値72,150円 現在値73,360円

6月限 発会値77,860円 高値77,980円 安値72,840円 現在値73,370円

 週明け26日に発会した6月限は、発会天井となって週末までに5,140円の下落。この格好もあまり良くは無い。

 

国内内部要因では…中略…

 

 11月24日時点のガソリン在庫は前週比4.3%減197.5万klと2週連続の減少。適正水準と言われる200万klを割り込んだが、12月からの値上げの前倒しで出荷が増加しただけとの見方。

 結論として当方の相場観は、チャートはWトップ形成の気配。ファンド買いの勢いも落ちており、この情勢では7万円どころのギャップを埋める動きとなる可能性が高いか。目先は戻り売りに転換である。

 

 

今週の灯油の値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月26日

\81,240

-530

\72,200

 

11月27日

\81,130

-110

\71,010

-1190

11月28日

\79,400

-1730

\68,310

L2700

11月29日

\80,180

780

\68,540

230

11月30日

\79,840

-340

\68,050

-480

 

 最後に灯油です…先週号においては『押し目買い方針に変化は無いだろう。売りを考える場合は鞘取りのみであり、単独での売りは危険との見方である。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には安値で67,430円まで下落。チャートはWトップ完成の格好となっている。

    東京灯油日足

…削除済み…

チャートはA75,230円を天井として、Bが2番天井、Cのネックラインを割り込んでWトップの完成。今のところ一目の雲で支えられているが、先物に不需要期の6月限が建っているのはハンデ。

先週までの強気の見方は完全に訂正を迫られる状況である。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

1月限 発会値69,340円 高値84,060円 安値58,900円 現在値79,840円

2月限 発会値69,000円 高値83,060円 安値58,850円 現在値78,160円

3月限 発会値58,500円 高値79,950円 安値58,030円 現在値74,040円

4月限 発会値62,690円 高値76,420円 安値62,490円 現在値69,820円

5月限 発会値69,680円 高値75,230円 安値67,870円 現在値68,470円

6月限 発会値72,500円 高値72,900円 安値67,430円 現在値68,050円

6月限は発会天井であり、週末の安値までで5,470円の下落。さらに5月限も週末は一代安値の更新であり、この状況は良くない。

 

ガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

11月30日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

1月限

\66,090

 

\79,840

 

-13,750

2月限

\66,460

370

\78,160

-1,680

-11,700

3月限

\68,340

1,880

\74,040

-4,120

-5,700

4月限

\71,710

3,370

\69,820

-4,220

1,890

5月限

\73,360

1,650

\68,470

-1,350

4,890

6月限

\73,370

10

\68,050

-420

5,320

 4月限のサヤは1,000円以下まで詰まるような場面があったら仕掛けたいとしたが、結果的にそこまで行く前にまたサヤ拡大であった。

 

国内内部要因では、…中略…

 

11月24日時点での灯油在庫は、前週比1.7%減439.7万klと4週ぶりの減少。12月の価格上昇前に、仮儒で在庫積み上げ需要が増大したのが在庫減少に繫がっている。今後は天候次第で、それがはけるかどうかが焦点となるわけだ。

ともかく小売段階では、ガソリンとともに高値圏での推移となるのは当然予想されるところであるが、問題は我々がやっているのは先物取引=未来の価格であるということ。何たって、来年の6月にどうなっているのか?の値決めをしているのだから…

結論として当方の相場観は、Wトップ完成のチャートは戻り売り有利な展開へと変化。ファンド買いの勢いも無く、今のところ一目の雲で支えられてはいるが、安値更新の可能性は高いだろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月26日

\2,876

51

\2,906

60

11月27日

\2,885

9

\2,913

7

11月28日

\2,808

-77

\2,837

-76

11月29日

\2,857

49

\2,879

42

11月30日

\2,835

-22

\2,850

-29

 

金相場は、先週号においては『20日までの下落で調整安は終わっただろう。対ユーロでのドル安トレンドに変化が出ない限り、金の上昇トレンドも変わらないと考える。』とコメントした。

今週の相場展開は、2,800円台半ばから2,900円台前半でのもみ合いの展開。20日の2,752円はまだ全然割り込んでいないが、上値も重たくなってきた印象がある。

    東京金日足

…削除済み…

3,102円11/7)〜2,752円(11/20)の下げ幅は350円、率にして11.3%の下げの後は、もみ合いの展開。

現状では一目の雲で支えられているが、若干上値が重くなってきた印象もある。結局のところ原油も調整局面入り、ドルも若干反発の流れとなって来ているための展開であろう。

 

NY金日足(週末30日分は入っていません)

…削除済み…

NY金も848ドルまで上昇した後に、773.4ドル(11/20)まで下落。そして週末30日は、前日比13.1ドル安の782.2ドルで終了であり、安値は778.4ドルまで出ている。

チャートでは773.4ドルを下回ると、Wトップの完成となる。まだ週末にはそこまで行っていないが…

相対力指数も85ポイント近くまで上昇して過熱感のあったものが、さすがに目先は天井を打ちましたという格好。パターンとしては700ドルそこそこまで下落し、完全に崩れたと思わせて復活するのかと考えている。最近はそういうチャートが多いからねえ。

 

…中略…

 

さて基本的にドルの対ユーロ安が終わらない限り、金価格上昇のトレンドは変わらないとしているわけだが、12月の米国の利下げ?でドルの動きがどうなるかだ。ともかく目先は、8月から11月までの大型上昇相場の後、乱高下で相場は多少お疲れ気味。きれいなトレンド発生まで、気迷わせる時期に入ったのだろう。

結論として当方の相場観は、目先はフラットにして次のトレンド発生を待つべきだろう。NY金はWトップ型のチャートに警戒する場面。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月26日

\5,166

35

\5,011

22

11月27日

\5,137

-39

\4,970

-41

11月28日

\5,030

-97

\4,855

-115

11月29日

\5,097

67

\4,938

83

11月30日

\5,116

19

\4,958

20

 

プラチナ相場は、先週号においては4,884円を割り込んだら投げる事も考えるが、現状ではその可能性は薄いだろう。むしろ5,062円を突破したら、買い乗せの戦略も考えたい。とコメントした。

今週の相場展開は、28日に急落して4,852円まで下落。ストップロス価格にヒットし、その後は皮肉にも反騰。意地の悪い相場展開となった。

    東京白金日足

…削除済み…

A・Bで天井を打った相場が、Cを割り込んでWトップの完成となっているわけだが、4,800円まで大きく下落したところでJ・マッセイの強気の需給報告。

これは底で、4,884円が2番底。5,062円を突破すれば完全に買い転換!と考えていたものが、28日には4,852円と2番底割れ。4,800円を記録した13日はその後急反発したため、引け値ベースでは28日が安値更新でもあった。

この価格は一目の雲の下にも出たわけだが、翌日すぐに反発して再び雲の中に。現状のチャート分析では、D4,800円、E4,852円でW底となるには、F5,062円突破が条件。4,852円を再び割り込めば、相場は再び下げに入ると読める。

 

    NYプラチナ日足(週末30日分は入っていません)

…削除済み…

週末30日のNYプラチナは、前日比4.6ドル高の1444.1ドルで終了。原油、金・銀が下落する中で、プラチナだけは確りの展開。

A・BのWトップはCの1384ドルを割り込まないと完成ではなく、8月からの上昇トレンドもまだ維持している。現状では三角持ち合い入りのように見え、東京市場よりは明らかに強いチャートだ。

 

それもそのはずで、J・マッセイが今後半年間の予想価格を1350ドル〜1575ドルとしたのが11月13日。その時点ではすでに1380ドル台まで下げたC地点であり、下値は30ドルしかなく上値は200ドルあるのだから当然。

もっともこのJ・マッセイの予測が当たれば!の条件付であることは間違いなく、相場と言うものは誰がこう言ったから必ずこうなるというものではないゆえ、皆が疑心暗鬼になるわけだ。

 

さて東京市場の内部要因では、…中略…

 

結論として当方の相場観は、現状では方向感に乏しい展開。長期的には買いだと思うが、目先は原油・金・株式・為替など他の材料で乱高下する可能性が高く、決定打に乏しい展開が続くだろう。ポジションはフラットにしておく。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比