商品市況展望 割愛版

平成20年1月14日記

 

 今年の経済の最大のテーマは、スタグフレーションである。いわゆる不況下のインフレという事であるが、年明け早々からの株価・商品相場の動きはそれを示唆している。

 年明け早々から急落で始まった日経平均は2年2ヶ月ぶりの安値であり、一方で原油は100ドル台乗せ。このところ92ドル台まで下落はしているものの、仮に80ドル台まで下げたからといってさらに70ドル、60ドルと下げるとは誰も考えていないし、またそうはならないだろう。

 金も24年ぶりの高値であり、ドルベースでは900ドルと史上最高値を更新。そして当方が一番注目しているのは穀物相場であり、これもシカゴコーンが11年ぶりの高値大豆も史上最高値更新である。NON大豆の急騰は、誰もが驚きで見ていることだろう。しかしコーンも大豆も、まだまだ大きく上昇するだろう。

そういう中で、今週末のシカゴ穀物相場は米農務省発表の予想外の在庫減少予測を受け、大暴騰の展開となっている。やはり恐ろしいことが始まりそうである。

 

 景気が悪いから給料は上がらない。ただし物価はどんどん上がって行く状況になれば、庶民にはかなり厳しい年になるかもしれない。何とかスタグフレーションだけは避けて、給料も上がるコストインフレになる方がマシであるが、さてどうなるものやら…

 商品相場に対してはまだまだ世間の認知度は低いわけだが、こういう時代になると商品相場をやらない事は、逆にインフレあるいはスタグフレーションに対するリスクに無防備なだけであり、買わないリスクというものも考えざるを得まい。

 

 そして年頭からのテレビ・新聞は、どれを見ても『地球温暖化』をテーマにしたものばかり。正直言って二酸化炭素が地球温暖化の原因とは信じていないし、気温が何度か上がろうが、低い土地が沈んでしまおうが、そんなものは仕方がないじゃないか!というのが当方の考え方である。元々大陸は一つで、それが数億年もかけて移動して今の地球が出来たわけであるし、またこれから数億年後にはどうせ人類だって恐竜のように絶滅しているだろう。だから仕方がないなのだが、今のご時勢にそんな事を言ったら、完全に袋叩きに会うだろう。

 ともかく地球温暖化防止に効果があるかどうか判らんエタノール生産に、生産高の半分を取られるコーン。世界の人口はどんどん増加していると言うのにそういうことをするのは、必ずやとがめがやって来るだろう。コーン相場は6ドル台、下手したら10ドルになっても驚かぬ。

 

 

 

〔石油製品〕

 

年末年始の原油の値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

12月25日

\61,000

400

\62,450

1960

12月26日

\60,900

-100

\62,320

-130

12月27日

\60,950

50

\62,580

260

12月28日

\60,920

-30

\62,960

380

1月4日

\60,820

-100

\62,520

-440

 

今週の原油の値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

1月7日

\62,990

-680

\61,700

 

1月8日

\62,370

-620

\60,830

-870

1月9日

\62,710

340

\61,130

300

1月10日

\61,910

-800

\60,100

-1030

1月11日

\61,070

-840

\58,830

-1270

 

 まずは原油から…昨年最終号においては『現状では強い相場であり、円安を追い風として東京原油の新高値出現でも驚かない。なお長期的には、現在の価格は中間地帯であり、当面のNY原油は80ドル〜110ドルでの動きを予測する。』とコメントした。

その後の相場展開は、大納会の12/28に63,070円の史上最高値を更新した後、今週は大きく下げて59,000円割れまで3,000円以上の下落

この下落は株安とその影響での円高進行も一因であるが、目先は天井を打っていたとしても、大きな目ではもみ合いでしかなかろう。

ともかく6万円相場では10%の変動(調整)でも6,000円はあるわけであり、3,000円などほんの5%の動きに過ぎない。この程度の下げで暴落だというのはナンセンスだ。

    東京原油日足

…削除済み…

チャートでは一目均衡表の雲の上限のところまで下落。ここで止まってもおかしくないが、なお下げた場合は56,310円(12/6)が下値支持線。これすら割り込むと大きなWトップの完成であるが、どんどん下がるほどの何かがあるのかどうかは疑問だ。

もちろん米国が景気後退に入るのが事実とすれば、原油価格の下落も多少はあるとは考えられる。しかしチャイナやインドまで崩壊する情勢にならなければ、本当の下げトレンドにはならないだろう。その可能性は、今のところ杞憂でしかなかろう。

 

    NY原油日足

…削除済み…

年明け3日に100.09ドルという史上最高値を記録したNY原油は、その後下落に転じて週末11日は安値で92.45ドルまで下落。8ドル近い下げは確かに大きいが、それでもほんの8%でしかない。

昨年の安値50ドルから倍になった相場である。10%や20%下げても、調整でしかなかろう。

強力な下値支持線は85ドル近辺にあるわけで、仮にそこまで下がったら絶好の買い場であろう。売りで取る相場であるとは思えない。

昨年の米ゴールドマン・サックスの今年の価格予想は前半で95ドル、後半には105ドルである。つまり今はまだ95ドル以上は買えないわけで、100ドル突破で大ニュースとはなったが、そんなのは関係ないわけだ。安くなってから買えば良いわけで、この下落はチャンス到来である。

 

 NY市場のファンドの状況は、…中略…

 また国内内部要因では、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、ここからの安値は打診買いする場面であろう。下げトレンドに転換したとは思えず、安値は買い拾うのがベターな相場であろうと考える。

 

 

年末年始のガソリンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月25日

\68,400

1920

\79,170

2260

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

12月26日

\71,030

780

\79,450

 

12月27日

\71,720

690

\79,700

250

12月18日

\72,020

300

\80,080

380

1月4日

\71,500

-500

\79,950

-130

 

今週のガソリンの値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月7日

\69,640

-1880

\77,890

-2060

1月8日

\69,090

-550

\77,400

-490

1月9日

\68,780

-310

\77,510

110

1月10日

\68,000

-780

\75,680

-1830

1月11日

\67,300

-700

\74,610

-1070

 

 続いてガソリンです…昨年最終号においては『高値からの川下の販売不振があるとはいえ、先物に関しては決して弱い相場ではない。大納会に向けて新高値更新でも驚かないし、来年の相場も大暴落の到来よりは、なお高原相場が続く可能性が高いと考えるべきであろう。』とコメントした。

その後の相場展開は、12/27に80,300円まで上昇し、もちろん新高値更新。しかし年明けからは反落に転じ、週末は74,320円まで下落する情勢となっている。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

高値からは6,000円弱の急落となっているわけだが、それでも8万円相場の10%の調整安でも8,000円ある。基本的にはもみ合いの範疇であり、これでトレンドが完全に転換したとまでは言えないだろう。

チャートでは一目均衡表の雲の上限にくっついた場面であり、下値支持線は72,120円に強力なものが控える。これすら割り込んで行けば売り転換であるが、果たしてそこまでの下落があるかどうか?

 

さて各限月別の推移を見てみると、

2月限 発会値67,300円 高値72,810円 安値55,450円 現在値67,300円

3月限 発会値56,700円 高値74,280円 安値56,650円 現在値67,770円

4月限 発会値64,680円 高値78,450円 安値64,590円 現在値72,440円

5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値72,090円 現在値73,270円

6月限 発会値77,860円 高値79,950円 安値72,120円 現在値73,960円

7月限 発会値79,450円 高値80,300円 安値74,320円 現在値74,610円

 4月限・6月限・7月限は12/27に一代高値の更新。今週末に7月限のみ一代安値の更新である。

 

 国内内部要因では、…中略…

 

今週のスポット価格は、…中略…

 1月5日時点のガソリン在庫は前週比1.7%増213.5万klと2週ぶりの増加。川下の販売不振で在庫は積み上がりつつある

 これを受けた小売価格は、3週連続の下落でリッター154.3円まで下落。今週も0.7円の下落となった。これが期近の軟調〜先物価格の6,000円の下落になっているわけであろうが、原油価格自体が完全に下げトレンドとならなければ何時までも安いとは思えない

 …中略…

 結論として当方の相場観は、72,000円を割り込まない限りは下げトレンドに転換したとは言えないだろう。基本的には大きなもみ合い相場の下限に近づいているとの判断だが、底入れを確認してから買っても遅くない相場と見る。

 

 

年末年始の灯油の値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月25日

\77,410

2850

\74,230

2350

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

12月26日

\76,680

-220

\74,560

 

12月27日

\76,750

70

\74,910

350

12月18日

\76,720

-30

\75,580

670

1月4日

\76,210

-510

\75,200

-380

 

今週の灯油の値動き

 

2月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

1月7日

\73,890

-2320

\73,200

-2000

1月8日

\72,670

-1220

\72,440

-760

1月9日

\71,440

-1230

\72,430

-10

1月10日

\70,570

-770

\71,190

-120

1月11日

\69,700

-970

\70,290

-900

 

 最後に灯油です…昨年最終号においては『原油価格が急落しない限り、幾ら現在の需給が緩んでいるとはいえ、おのずとその下げには限界があるだろう。崩れたと思って売るのは、鞘取り以外は危険であろう。』とコメントした。

その後の相場展開は、大納会の12/28に75,580円まで上昇した相場が、年明けは一転して下落に転じ週末69,820円と7万円の大台割れ。高値からは6,000円近い下落を演じている。

    東京灯油日足

…削除済み…

6,000円近い下落は大きいが、しかしそれでも8万円近い価格の中では10%の下げにも満たない。

チャートではちょうど一目均衡表の雲の上限に到達した時点であり、仮にもう一段安があったとしても67,090円(12/6)を割り込まない限り、大きな意味での下げトレンド転換とはならない基本的には、大きなもみ合いでしかないだろうとの見方である。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

2月限 発会値69,000円 高値83,060円 安値58,850円 現在値69,700円

3月限 発会値58,500円 高値79,950円 安値58,030円 現在値69,430円

4月限 発会値62,690円 高値76,420円 安値62,490円 現在値69,430円

5月限 発会値69,680円 高値75,230円 安値67,360円 現在値69,380円

6月限 発会値72,500円 高値75,020円 安値67,090円 現在値69,580円

7月限 発会値74,800円 高値75,580円 安値69,820円 現在値70,290円

 6月限・7月限は大納会の12/28に一代高値更新。しかし週末まで7月限は、一代安値の更新中

 限月別で2月限・3月限の動きを見ると、これは完全に天井は打っている状況。本来ならばある需要期のプレミアムもなくなっているわけであり、11/7にすでに天井を打っている格好だ。

 そうなると先限チャートでは大きな目ではもみ合いとしても、やはり買いたい相場にはならない。先限に9月限・10月限が出る辺りまでは、無理に仕掛ける気には全くならん。

 

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

1月11日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

2月限

\67,300

 

\69,700

 

-2,400

3月限

\67,770

470

\69,430

-270

-1,660

4月限

\72,440

4,670

\69,430

0

3,010

5月限

\73,270

830

\69,380

-50

3,890

6月限

\73,960

690

\69,580

200

4,380

7月限

\74,610

650

\70,290

710

4,320

 3月限もいずれガソリンの方が高くなるかも。6月限ベースでは、いずれ6,000円程度までサヤが拡大してもおかしくないか。

 

 国内内部要因では…中略…

 

今週のスポット価格は…中略…

1月5日時点での灯油在庫は、前週比7.9%増418.1万klと3週ぶりの増加。高値からの消費の伸び悩みで、在庫は増加に転じた。

小売価格の高騰で、灯油が高くて大変だ!と様々なニュースが流れていたわけだが、それによる買い控え・節約が完全な在庫のダブつきに繫がっている。あんなに騒いだ割には、先物価格は急落しているのだと言うことを一般消費者が知れば、一体どう思うだろうねえ。相場をやった事がある人なら、まあよくあることだと思うだろうが…

このままでは春には投売りが出るだろうと叩かれることも想定される。もっとも最終的には、ジェット燃料に加工して輸出すれば済む話であるが。

結論として当方の相場観は、大きな目ではもみ合いだろうが、川下の販売不振から期近から中物の投げ売りの可能性はある。ファンドはまだ大量買いのポジションだが、手仕舞い売りに転じれば急落もあるため、目先は全く買いたくない相場である。

 

 

 

〔貴金属〕

 

年末年始の金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

12月25日

\2,963

47

\2,986

50

12月26日

\2,984

21

\3,014

28

12月27日

\3,026

42

\3,052

38

12月28日

\3,026

0

\3,060

8

1月4日

\3,027

1

\3,055

-5

 

今週の金の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月7日

\3,013

-14

\3,044

-11

1月8日

\3,069

56

\3,097

53

1月9日

\3,115

46

\3,134

37

1月10日

\3,082

-33

\3,117

-17

1月11日

\3,138

56

\3,168

51

 

金相場は、昨年最終号においては『金よりは他の商品の方の妙味があるとの見方である。もちろん急落場面は買いだとの見方であるが、高値を買い進むまでの気にはならないところである。』とコメントした。

その後の相場展開は、当方の予想以上の急騰の展開となり、今週末には3,182円まで上昇。もちろん高値更新であり、24年ぶりの高値を示現することとなった。

今週末のNY金は高値で900ドル台乗せを果たしており、1980年の875ドルもオーバーする史上最高値の更新中。原油の100ドルに呼応し、金も1000ドル説が市場のコンセンサスになりつつある。

    東京金日足

…削除済み…

チャートは3,102円(11/7)〜2,752円(11/20)までの350円の理想的な押し目形成の後、一目均衡表の雲に沿う形で上昇を続け、今週末には3,182円を示現したわけだ。仮に倍返しの上昇となるならば、ズバリ.3,102円+350円=3,452円が目標値と成り得る。

NY金が1,000ドルで為替が現状の109円ならば(NY金がそれだけ上がれば円高となっていると思うが)、1,000ドル×109円÷31.1035=3,504円(期近ベース)となって可能性は十分ある。

…中略…

 

    NY金日足

…削除済み…

前述のとおり、NY金は11日高値で900.1ドルまで上昇。1000ドルは有り得るとの説が完全に市場のコンセンサスになりつつあるが、848ドル(11/7)〜773.4ドル(11/20)の下げ幅74.6ドルの倍返しなら、ズバリ922.6ドルになる。その辺まではまず上がっても不思議ではなかろう。

その場合為替が現状の109円ならば、東京金は3,240円程度と想定される。

 

ともかくこの金価格の上昇は、中東やロシアなどの産油国のマネー、チャイナマネーが米国の金利低下〜過剰流動性を生む中で、投機資金が株には向かわず商品に流れ込んでいるからとしか言いようがない。相変わらずドルは弱く、そのため相対的に商品相場が上がるというドル安の側面も大きい

こういう図式では、高過ぎて買いにくいという向きも新規売りはしづらい。もっともジム・ロジャースもこれからは金や石油よりは穀物相場の上昇の方が大きいとも言っているわけで、やはり調子に乗って高値買いを続ける事には反対だ。もしもこのまま高騰しても、仮に990ドルまで上がったのなら新規に売ってみたい気はする。

 

さてNY市場のファンドの動向は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、まずは3,240円目標であり、1,000ドル目標なら3,500円程度まで上昇する可能性があるだろう。よって押し目買い方針であるが、ここは慎重に押し目があったら買う作戦をベターとしたい。

 

 

年末年始のプラチナの値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

12月25日

\5,524

94

\5,350

86

12月26日

\5,523

-1

\5,370

20

12月27日

\5,546

23

\5,358

-12

12月28日

\5,534

-12

\5,339

-19

1月4日

\5,418

-116

\5,306

-33

 

今週のプラチナの値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月7日

\5,343

-75

\5,233

-73

1月8日

\5,432

89

\5,313

80

1月9日

\5,462

30

\5,337

24

1月10日

\5,422

-40

\5,310

-27

1月11日

\5,490

68

\5,383

73

 

プラチナ相場は、昨年最終号においては金よりも強い相場状況は当分続くだろう。基本的に急落場面を買う作戦を来年も採るのが正解であろうと考える。とコメントした。

その後の相場展開は、昨年末5,425円11/27)まで上昇し、年明けはそこから200円ほど下落。しかし再び上昇した相場は、週末5,383円で終了である。

    東京白金日足

…削除済み…

5,425円(12/27)はもちろん史上最高値。年明けからは金が高値更新を果たしている中で、プラチナはまだその高値をオーバーしていないが、昨年末は金がまだ新高値更新ではなかった。

つまりはプラチナに比較して金が出遅れだとなったら金が買われ、逆にプラチナが割安となったらプラチナが買われの展開であり、要は強気のスパイラル現象となっている図式だ。早々簡単に、天井打ちからの下落にはなりそうもない。

 

    NYプラチナ日足

…削除済み…

相変わらず新高値更新の動きが続いており、週末は高値で1574.8ドルまで上昇。J・マッセイが11月に出した今後半年間の予想価格1350ドル〜1575ドルとしたところの上限価格到達である。

さらにこの予測が上方修正されるのかもしれないが、正直言えば何時かは天井を打つのが相場であり、さすがにここからは買いたくない。相場は買う時期、売る時期とともに休む時期も必要なわけで、更に高騰を続けようが新規売りさえしなければ損をするわけでもない。当方としては、しばらく撤退の方針である。

 

さて東京市場の内部要因では、…中略…

 

また当先のサヤは、5,490円〜5,383円と107円の逆ザヤ。サヤから見ても、決して弱気出来る商品ではない。

結論として当方の相場観は、目先はまた史上最高値の更新の可能性は高いが、ここからの上値を新規買いする気にはならぬ。売りも不可だが、現状では休むも相場の値位置と考える。

 

 

 

〔穀物〕

 

年末年始のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

12月25日

\34,290

H500

\34,410

H800

12月26日

\34,630

340

\34,530

120

12月27日

\34,680

50

\34,550

20

12月28日

\35,000

320

\34,910

360

1月4日

\35,000

0

\34,860

-50

 

今週のコーンの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

1月7日

\34,500

L500

\34,520

-340

1月8日

\34,920

420

\35,320

H800

1月9日

\35,120

200

\36,080

760

1月10日

\34,620

L500

\35,620

-460

1月11日

\34,120

L500

\35,890

270

 

昨年最終号においては『この荒い相場で目先は語れないが、ともかく仮に下げても天井ではない。来年はもっと上がるのだと信じ、下げたところは喜んで買うべし。コーン4万円、大豆10万円を当方は信じる。』とコメントした。

その後の相場展開は、コーンは1/9に36,080円まで上昇。昨年11月の29,410円(11/28)の押し目底から上昇している相場は、6,670円の上昇をすでに演じている。

今週は期近の3月限が、5営業日中3度のストップ安を入れるなど商社の押さえつけが厳しいが、それでも先物はそんなの関係ねぇ!である。なおシカゴ市場の週末は米農務省報告を受けて大暴騰しており、いよいよ青天井の相場展開になりそうだ。

    東京コーン日足

…削除済み…

33,070円(11/7)〜29,410円(11/28)の調整安は3,660円。現在はその倍返しの相場となっており、33,070円+3,660円ならばズバリ36,730円。週末の終値35,890円にワンストップ高の800円をプラスすれば、ほぼ到達する。

しかしそれで終りではなかろう。倍返しの水準を抜けて、さらに青天井の相場に突き進むと考える。

商社筋や仕手筋などの売りが11日にはずいぶん出たわけだが、巨大なシカゴ市場の暴騰はすべてを吹っ飛ばすはず。玄人踏み上げ相場は、大相場である。

 

    シカゴコーン日足

…削除済み…

週末11日のシカゴ市場3月限は、前日比20.00セント高の495.00セント米農務省報告を受け、ストップ高で始まり終日張り付き!東京市場は連休のためもう一日分も影響するわけだが、なお高騰して入電する可能性が大。

週末現在のファンドのポジションは、…中略…

 

さてこの大暴騰のきっかけになった米農務省報告であるが、簡単に言えば需要拡大を見込んで在庫率を11.1%まで下方修正誰もが予測できなかったほどの在庫減少であり、まずは今年の作付面積の急増が実現されるまでは高騰を続ける可能性が高い。レーショニング(価格高騰による需要低下)が起きない限り、在庫は危機的な状況になるわけであり、天候相場も恐ろしいことになりそう。

高い限月ではすでに510セント台まで上がっているが、全限500セント台乗せどころか、最終的には史上最高値の更新となる554.50セント突破、更には史上初の6ドル台相場も有り得るだろう。

ともかく昨年から何度もコメントしてきたが、米ゴールドマン・サックスは今年のコーン相場は平均で5.30ドルになるとの強気な発表。ジム・ロジャースも、穀物相場が買いの本尊とずっと言い続けている。

まだまだ強気方針を堅持である!値頃感は無用で、まずは買ってから考える。下がったらなお買う。それがベターであろうし、原油に続いて価格革命が起きていると考えるのが妥当。

 

 

年末年始の一般大豆の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

12月25日

\63,790

H1400

\62,100

H1400

12月26日

\65,890

H2100

\62,820

720

12月27日

\67,480

1590

\63,000

180

12月28日

\68,200

720

\63,350

350

1月4日

\69,600

H1400

\63,840

490

 

今週の一般大豆の値動き

 

2月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

1月7日

\67,580

-2020

\61,850

-1990

1月8日

\67,330

-260

\63,550

1700

1月9日

\67,280

-50

\63,360

-190

1月10日

\65,880

L1400

\61,960

L1400

1月11日

\64,510

-1370

\63,540

1580

 

 一方の一般大豆NON大豆も、高値更新の展開は続いている。一般大豆は64,740円1/4)が高値、NON大豆は85,840円(1/9)が高値であるが、早晩新高値更新となるだろう。

 特に価格表でNON大豆の動きを見ればよく判るが、過去10営業日で先物のストップ高がストップ高7回、ストップ安2回である。毎日証拠金が倍になる動きである。

    東京一般大豆日足

…削除済み…

    東京NON大豆日足

…削除済み…

7万5千円どころでもみ合いした時点でも、相対力指数はすでに80ポイントを大きく超えて調整局面入りをしてもおかしくはなかったのだが、年末の踏み上げ相場で8万円台乗せ。その後も人気は衰えず85,000円台相場を示現し、週末はストップ安〜ストップ高の4200円動いた限月も。

○○が300枚の渡し物を用意したとの材料や、昨年まで買い方で数十億円の利を上げた○○の途転売り作戦などを材料に押す場面も、シカゴで暴騰ではどうにもならぬか。

一般大豆はNON大豆よりも売りを浴びやすい格好であったが、これは商社筋のつなぎ売りが、物の無いNON大豆よりも比較的物を集めやすい一般大豆に入るため。それでも今、一番買い遅れているのは商社ら当業者であり、過去の経験則から押すだろう、自分が売れば下がるだろうという悪癖から抜け切れていない情勢だろう

 玄人曲がりの相場は、大相場である。

 

    シカゴ大豆日足

…削除済み…

週末11日のシカゴ大豆3月限は、前日比38.50セント高の1298.75セントで終了。高値は1310.25セントまで出ており、今までの史上最高値は73年6月の12.90ドルゆえ、高値更新である。

週末現在のファンドのポジションは、…中略…

 

米ゴールドマン・サックスは、今年の大豆価格の平均を14.50ドルと予測。軽々と史上最高値を更新すると言っているわけだ。

ジム・ロジャースも言っている。来年の買い銘柄は穀物相場であると…。この13ドル台乗せでも、まだ天井ではないだろう。

 

なお米農務省発表では、在庫率5.85%とまた下方修正。しかしこれは事前予想通りで、週末の上げはコーンにつられたもの。ただしそれはともかくとして冷静に考えれば、5%台の在庫で作付面積も増加しない可能性があるわけで、危機的な状況に全く変化は無いわけだ。値頃で無い物を売るなどと言うのは、危険以外の何物でもない。

 

 結論として当方の相場観は、シカゴコーン6ドル、大豆15ドルは十分有り得るだろう。東京市場コーン4万円台は必至と考え、まずは買ってから考える相場。価格革命が起きている相場に値頃感は無用であろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

年末年始のゴムの値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

12月25日

292.6

8.1

308.9

6.9

12月26日

294.5

1.9

310.7

1.8

12月27日

294.5

0.1

310.2

-0.5

12月28日

294.2

-0.3

309.0

-1.2

1月4日

294.7

0.5

309.5

0.5

 

今週のゴムの値動き

 

1月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

1月7日

286.9

-7.8

301.5

L8.0

1月8日

290.0

3.1

304.5

3.0

1月9日

288.0

-2.0

300.0

-4.5

1月10日

283.5

-4.4

297.1

-2.9

1月11日

284.7

1.1

299.5

2.7

 

昨年最終号においては『目先はファンド買いが続く限り、高値追いとなりそうだ。しかしなお来年に向けての大相場なのかどうかは疑問であり、当方としては新規仕掛けの予定は無し。』とコメントした。

その後の相場展開は、年末12/27に313.3円と11/7に記録した312.2円を更新。しかし年明け原は下落に転じ、300円台を大きく割り込んだ後急騰〜急落を繰り返す乱高下の展開である。

    東京ゴム日足

…削除済み…

312.2円11/7)から261.6円(12/4)の下げ幅は50.6円。そこから313.3円(12/27)までの上げは51.7円と往って来いしたわけだが、そこから20円下げて10円上げるもみ合いの展開。

ハッキリ言って、また高値から50円ほど下げてしまうのか?それともせいぜい半値押しの280円台後半で止まってまた上げだすのか?は良く判らん。ファンドがどうするのかだろうし、原油の調整安と貴金属の急騰の間で揺れ動いているようにも見える。

一昨年の2006年にも324円まで上昇した後一転して185円まで139円も暴落し、今回何度目かの300円台乗せであるが、この商品は案外と他の商品とは一線を画して動くケースも多い。それゆえ現状では、判断に窮するわけだ。

 

 当先のサヤは1月限287.7円〜6月限299.5円と14.8円の順ザヤ。大きくサヤ滑りが気になるサヤ状態ではないが、特に買わねばならぬ鞘にも見えない。

週末現在の輸入採算価格は、2月積みで298.1円東京市場の2月限は285.0円であるため、13.1円の下ザヤとなっている。10円内外が適正なサヤであり、若干国内は割安である。もっとも産地での原料供給は順調であり、ファンダメンタルズからは上がらなくてもおかしくない状況。

国内営業倉庫在庫は12月31日現在で60トン減の10,366トン。1万トン以上で、在庫不安はない。

以上3点では、やや弱気。

 

週末現在の取り組みでは、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、現状での方向感は不明であり、しばらくは様子見で良いだろう。他に大きく動いている相場もあることだし、無理にゴムを仕掛ける気にはならない。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

年末年始のアラビカの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

12月25日

\21,750

490

\25,190

410

12月26日

\22,550

H800

\25,490

300

12月27日

\21,430

-1120

\24,660

-830

12月28日

\20,960

-470

\24,200

-460

1月4日

\20,650

-310

\24,280

80

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

3月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

1月7日

\20,140

-510

\23,690

-590

1月8日

\19,960

-180

\23,750

60

1月9日

\20,150

190

\24,430

680

1月10日

\20,100

-50

\24,420

-10

1月11日

\20,300

200

\24,530

110

 

昨年最終号においては『春までにはまた絶好の売り場が到来するだろう。それまでシステム上の問題もあり、じっと見ているのが良かろうとの判断である。』とコメントした。

その後の相場展開は、年末は26日に25,490円まで急騰であったが、その後暴落で年明け8日には23,410円まで2,000円強の下落。しかしそれ以上の暴落とはならず、また24,000円台半ばまで戻っての展開となっている。

    東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

2001年の僅か8,850円から上昇を開始した相場は、結果的に昨年には25,830円まで上昇した。

しかし大幅順ザヤ恒常的なサヤ滑りが起きる銘柄であり、またそれ以外でも2,000円、3,000円程度の急落は何度も起きている。ここ数年は需要期の冬場に上昇し、春先には天井を付けて下落に転じることも多く、さて2008年もそうなるのかな?といった情勢。

 

ともかく絶対無くてはならぬ原油や穀物のような側面はコーヒーには無く、単なる嗜好品である。それゆえ何が何でも買わなきゃいけないものではないわけであり、それが今の判りにくい汚いチャートを形成しているものと思われる。

しかし逆に言えばもしも大相場なった場合は、押さえつけるものが無いと言えるわけだ。しかし他商品がすべて上がっているからコーヒーもという材料だけではちょっと弱いか。やはりコーヒー自体のファンダメンタルズの後押しが無ければ、原油や大豆のようにはならんだろう。

…中略…

 

    NYコーヒー日足

…削除済み…

週末21日のNY市場は、前日比0.35セント高の136.30セントで終了。140セント台に乗せてくると相場が上に走りそうな気配もあるが、さてどうなるか?

ファンドのポジションは、…中略…

 

しかし国内内部要因に目を向けると、…中略…

 

なお話は変わるが、コーヒー相場よりも粗糖相場の方が、内外とも強そうではある。特にNY市場ではファンドが22万0700枚も買い越しており、市場最高水準を更新中

ただしこのコーヒーも粗糖も同じだが、東穀取は不完全なザラバシステムに移行している。正直言って、注文が入ったかどうかすらすぐに判らぬ不良システムであり、これが改善されるまで当方はやる気なしである。

 

 結論として当方の相場観は、不完全なシステム売買ゆえ、相場観云々は別にしてまだ取引する気にはならない。敢えてやるならアラビカは売り狙い。買うなら粗糖だ。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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