商品市況展望 割愛版
平成20年3月2日記
週末のNY市場では103円台まで大幅に円高が進み、NYダウは300ドル以上の急落である。商品は上げたもの、下げたものと両方あるが、基本的にドルは対ユーロで売られる展開が続いており、ドル建ての商品価格は明らかに上昇トレンドである。
ドル安・株安(+不動産安)・商品高は景気後退下のインフレ、すなわちスタグフレーションの懸念が高まるばかり… というか現実には、すでにそれに突入していると思われる。
世界的な著名投資家であるジム・ロジャースも言っている。ドルは暴落であり、ドル建て資産は持てない。米国は景気後退に突入しており、上がるのは穀物相場や貴金属相場であると。
さて今回はその為替相場のチャートをアップして見た。チャートは日本時間29日16時過ぎのものなので、まだ105円辺りが終値となっているが、すでにそれを割れて103円台突入である。
○
ドル・円相場週足
…削除済み…
昨年6月の124円台からは20円以上の円高であり、16%以上円高となっているわけだ。
この期間のチャートで見れば、2005年の101円台を目指している格好である。
○
ユーロ・ドル相場週足
…削除済み…
しかしこの円高・ドル安は、円が強いというよりはドルが弱過ぎる格好である。これは上記のユーロ・ドル相場のチャートを見れば一目瞭然。
この期間のチャートで見ても、2005年11月からずっとドル安は続いている。そして今週に入り、またドルは安値更新になっているわけだ。これでは米国市場で商品が上昇するのは当たり前である。
週末の日々雑感にも書いたが、カルパース(カリフォルニア州公務員退職年金基金)などの資金はその性格上、運用目標が消費者物価指数を5%上回る数字とされている。それは当然の事で、年金生活者がインフレで受取額が目減りして生活が困窮するのは困るわけだ。
となると普通のヘッジファンドなら、商品自体のファンダメンタルズから見て上がり過ぎと判断すれば空売りもするだろうが、年金基金などのインデックスファンドは、長期的な視点で買い参入を続けざるを得ない。そしてそれが更なる物価上昇に繫がろうとも、自分のところの資金がインフレで目減りするよりはマシなわけだ。
年金基金、政府系ファンドなどの資金も、まだまだこの商品市場に流れ込む状況は必至だろう。ドル安が止まらない限り、商品価格は下げようがない。
〔石油製品〕
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今週の原油の値動き |
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2月限(当限) |
前日比 |
7月限(先限) |
前日比 |
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2月25日 |
\61,060 |
490 |
\62,500 |
780 |
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2月26日 |
\61,000 |
-60 |
\62,710 |
210 |
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2月27日 |
\61,360 |
360 |
\63,780 |
1070 |
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2月28日 |
\60,970 |
-390 |
\62,330 |
-1450 |
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2月29日 |
\61,000 |
30 |
\62,370 |
40 |
まずは原油から…先週号においては『チャートは倍返しならNY原油115ドル、東京原油73,000円であるが、ファンダメンタルズからそこまでの上昇は考えづらい。敢えて仕掛けるなら、ここはストップロスを新高値更新に設定して売り方針である。週明けの高値は売り!である。』とコメントした。
今週の相場展開は、27日には63,920円と史上最高値を更新。NY原油があっさりと20日の高値100.86ドルを更新したためだが、そのNY原油は引けには下落したものの、週末に103ドル台まで上昇である。
○
NY原油日足(週末29日分は入っていません)
…削除済み…
NY原油は上げたり下げたりしながら、結局は103.05ドル(2/29)まで上昇である。
ファンダメンタルズでは、全米石油在庫統計の発表を見る限り、原油も増加・ガソリンも増加と良くはない。特にガソリン在庫は14年ぶりの高水準であり、高値を志向するものはない。もうすぐ始まるOPEC総会でも、現状の価格水準なら間違いなく据え置き以上のものにはならないだろう。
しかしチャートでは、ここ数ヶ月の85ドル〜100ドルの範囲での大きなもみ合いを上に抜けている。ダマシかもしれないが、敬意を表して方針通りなら損切りを敢行済みだ。
ファンダメンタルズでは上がる必要の無い原油価格の上昇は、結局ドル安が主因としか言えない。それがファンド資金の流入もあって上がっているわけだ。
NY市場のファンドの状況は、…中略…
○
東京原油日足
…削除済み…
今週高値の63,920円(2/27)は、63,780円(2/21)を更新して史上最高値である。
先週号でコメントしたとおり、『ストップロスを63,780円に設定しての売り』ならばすでに決済済み。もっとも国内市場は円高ですぐに62,000円台に反落するなど、NY市場とは温度差がある。
というのも100ドルを完全に上抜けたNY原油とは違い、中東産のドバイ・オマーン原油は94ドル台。ドル安で高騰するNY原油とは違い、実はそんなには上がっていないという現実もあるわけだ。
となると、どうしても手放しで原油相場を強気する気にはなれぬ。売り玉を踏まされはしたが、やはり狙いは腹いっぱいファンドが買った後の暴落を頭に描きたい。どこで売るかの相場だろうと考える。
国内内部要因では、…中略…
結論として当方の相場観は、チャート・ファンド動向は買いを示唆しているが、ファンダメンタルズからはいずれ天井を打つだろうとの見方。どこで売るかを見極める相場であろうと考える。
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今週のガソリンの値動き |
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3月限(当限) |
前日比 |
8月限(先限) |
前日比 |
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2月25日 |
\76,100 |
4320 |
\78,450 |
1030 |
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4月限(当限) |
前日比 |
9月限(先限) |
前日比 |
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2月26日 |
\76,590 |
-650 |
\77,310 |
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2月27日 |
\77,630 |
1040 |
\78,810 |
1500 |
|
2月28日 |
\76,520 |
-1110 |
\76,980 |
-1830 |
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2月29日 |
\77,060 |
540 |
\77,000 |
20 |
続いてガソリンです…先週号においては『ガソリン単独でならば、ストップロスを79,720円に設定しての売り方針。ともかくNY原油次第の動きであることは間違いのないところ。』とコメントした。
今週の相場展開は、NY原油の高値更新を受けて27日には79,060円まで上昇するものの、79,720円(2/21)は突破するに至らず。
○ 東京ガソリン日足
…削除済み…
原油の上昇、特にNY原油の上昇の割には新高値更新とはなっておらず、現状では頭の重い展開。相対力指数も70ポイントを記録した21日の高値から切り下げており、やはりこの相場はすでに天井を打っているのではあるまいか?
特に週末のNY原油の急騰を受けても、高値から1,000円以上下落して終わる姿などを見れば、そういう感覚となる。
NY原油はドル安で上がっているものの、ガソリン自体のファンダメンタルズを考えれば米国は14年ぶりの在庫増水準。そして国内も決して川下の需要が回復しているとは言えず、これで景気後退とでもなれば再び相場は下げに転じるのではあるまいか。
さて各限月別の推移を見てみると、
3月限 発会値56,700円 高値76,100円 安値56,650円 納会値76,100円
4月限 発会値64,680円 高値78,450円 安値64,590円 現在値77,060円
5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値66,770円 現在値77,430円
6月限 発会値77,860円 高値79,950円 安値67,030円 現在値77,560円
7月限 発会値79,510円 高値80,300円 安値67,110円 現在値77,290円
8月限 発会値71,520円 高値78,350円 安値68,730円 現在値77,290円
9月限 発会値78,600円 高値78,210円 安値76,670円 現在値77,000円
納会は一発で急騰となり、結局3月限は一代の高値で終了。また上記で21日の高値は抜けていないとしたが、実際は週末に8月限ベースで新高値を更新。もっともそこから1,000円以上下げたわけだが…
国内内部要因では、…中略…
今週のスポット価格は、…中略…
2月23日時点のガソリン在庫は前週比0.7%減の218.53万klと3週ぶりの減少。相変わらず需要の低迷は続いており、若干減少したとはいえ強材料とは特に受け止められていない。
結論として当方の相場観は、チャート・ファンダメンタルズの両面から考えても、よほどの原油高が到来しない限り高値追いは難しいだろう。相場トレンドは下向きに変化しているのでは?
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今週の灯油の値動き |
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3月限(当限) |
前日比 |
8月限(先限) |
前日比 |
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2月25日 |
\79,000 |
1920 |
\74,920 |
920 |
|
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4月限(当限) |
前日比 |
9月限(先限) |
前日比 |
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2月26日 |
\74,970 |
-680 |
\75,630 |
|
|
2月27日 |
\75,920 |
950 |
\76,690 |
1060 |
|
2月28日 |
\74,530 |
-1390 |
\74,970 |
-1720 |
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2月29日 |
\75,100 |
570 |
\75,310 |
340 |
最後に灯油です…先週号においては『怖いのは需給逼迫感からの踏み上げ相場であるが、季節的には高値更新を続けるのは難しいだろうとの判断である。よって天井圏との判断で、売り狙いが妥当だろうと考える。』とコメントした。
今週の相場展開は、原油高を受けて27日には77,080円と新高値更新。しかしこのところは陰線が続いており、週末も高値からは1,000円以上の下落となっている。
○ 東京灯油日足
…削除済み…
21日に不需要期の8月限で上場来最高値更新した相場は、在庫溜め込み限月の9月限でまた高値更新。もっともどんどん高値を追ってゆく雰囲気ではないが…
さて今週も各限月別の推移を記すと、
3月限 発会値58,500円 高値79,950円 安値58,030円 納会値79,000円
4月限 発会値62,690円 高値76,420円 安値62,490円 現在値75,100円
5月限 発会値69,680円 高値75,700円 安値63,540円 現在値74,440円
6月限 発会値72,500円 高値75,720円 安値63,540円 現在値73,960円
7月限 発会値74,840円 高値75,900円 安値63,480円 現在値73,530円
8月限 発会値68,500円 高値76,390円 安値65,450円 現在値73,810円
9月限 発会値76,140円 高値77,080円 安値74,370円 現在値75,310円
今週は27日に9月限が一代高値の更新であるが、今までの先物であった8月限は抜けてはいない。
完全に天井を付けましたよ!とまで言える状況ではないが、やはり狙いは売りであり、この高値圏を買い進む気にはならんところ。
なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。
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月日 |
2月29日(金) |
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限月 |
ガソリン |
限月間サヤ |
灯油 |
限月間サヤ |
ガソリン−灯油 |
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4月限 |
\77,060 |
|
\75,100 |
|
1,960 |
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5月限 |
\77,430 |
370 |
\74,440 |
-660 |
2,990 |
|
6月限 |
\77,560 |
130 |
\73,960 |
-480 |
3,600 |
|
7月限 |
\77,290 |
-270 |
\73,530 |
-430 |
3,760 |
|
8月限 |
\77,290 |
0 |
\73,810 |
280 |
3,480 |
|
9月限 |
\77,000 |
-290 |
\75,310 |
1,500 |
1,690 |
なお週明けに納会した3月限は、ガソリン76,100円、灯油79,000円とマイナス2,900円のサヤで終了。だいぶ詰まって終了した。
現状ではすべての限月でガソリンの方が高いわけだが、灯油は不需要期に入るのだから当たり前。しかしその割には開いて来ないわけであり、そういう狙いの玉があまり入らないから…としか言えない。
国内内部要因では、…中略…
今週のスポット価格は…中略…
2月23時点での灯油在庫は、前週比10.3%減の232.8万klと7週連続の減少。寒波の影響で在庫の取り崩しは進んでいるが、所詮はもうすぐ需要期明けだから逼迫感はないとも言われる。逆に逼迫しているとの意見もあるが、所詮は時間との戦いか。
結論として当方の相場観は、まだ完全に崩れた格好になっているわけではないが、季節要因から考えても高値を買い進むほどの相場とは考えづらい。方針としては売り狙いであり、買うなら他の銘柄の方がマシとの見方である。
〔貴金属〕
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今週の金の値動き |
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2月限(当限) |
前日比 |
12月限(先限) |
前日比 |
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2月25日 |
\3,267 |
23 |
\3,291 |
18 |
|
2月26日 |
\3,250 |
-17 |
\3,240 |
-51 |
|
|
4月限(当限) |
前日比 |
2月限(先限) |
前日比 |
|
2月27日 |
\3,291 |
62 |
\3,319 |
|
|
2月28日 |
\3,264 |
-27 |
\3,297 |
-22 |
|
2月29日 |
\3,271 |
7 |
\3,291 |
-6 |
金相場は、先週号においては『押し目買い方針の継続である。下げても3,100円台がせいぜいと考え、目先は3,400円台があるだろうとの見方である。』とコメントした。
今週の相場展開は、27日には3,322円まで上昇。もちろんこのところの高値更新であるが、NY金は史上最高値をどんどん更新中。しかし国内相場は、円高との綱引きで急騰というほどではない展開だ。
○
東京金日足
…削除済み…
2,911円(1/18)は底、3,053円(2/6)は2番底との判断をずっとして来ているが、現状ではすでに3,300円台と順調に来ている。
なお今週は2月限納会日の26日に一度大きく下げたわけだが、それでも3,200円割れもなく、なかなか思うような押し目買いの場面の到来が無い状況。円高で一度下げてくれたら買いやすいのであるが…
ただしこのところずっとコメントしているように『根本にドル安とインフレ懸念がある状況の中で、いずれは3,400円に向けて上昇を開始する。』との判断に変わりはない。
それこそ本格的なインフレあるいはスタグフレーションが到来したら、4,000円、5,000円と上がっていっても不思議ではないわけであり、上昇トレンドが終わるのはまだまだ先であろう。相場だから、たまには急落もあるのは当然だが。
○
NY金日足(週末29日分は入っていません)
…削除済み…
NY金は29日に978.5ドルまで上昇であり、もちろん史上最高値の更新。弱材料になるかと思われたIMFの金売却の話も、当のIMFはその計画に否定的な意見を出して終了。こうなると一度は1,000ドルを付けないと気が済まないのかもしれないし、そこで達成感が出るかどうかを見極めたい。
ただし東京市場は、ここからあまりに強気になってもいけないだろう。仮にNY金が1,000ドルとしても円高が進んでいたら、1,000ドル×102円÷31.1035=3,279円(当限ベース)と今とほとんど変わらないのだから。
1,000ドル突破から今のプラチナ相場のように上昇に加速が付くなら別だが、今の値位置から買っても大きな利を狙えるかどうかは判らん。もちろん新規売りをする気も無いが…
なおNY市場のファンドの動向は、…中略…
結論として当方の相場観は、根本にインフレ懸念とドル安がある限り上昇トレンドは変りようが無いので押し目買いだが、現状では1,000ドルを付けたとしても大した利益は見込めない。よって高値は買わず、押し目を待つべきだろう。
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今週のプラチナの値動き |
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2月限(当限) |
前日比 |
12月限(先限) |
前日比 |
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2月25日 |
\7,445 |
-40 |
\7,189 |
9 |
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2月26日 |
\7,435 |
-10 |
\7,065 |
-124 |
|
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4月限(当限) |
前日比 |
2月限(先限) |
前日比 |
|
2月27日 |
\7,435 |
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