商品市況展望 割愛版

平成20年3月23日記

 

 株安・不動産安から米国は金利を大幅に引下げていっているためドル安は止まらず、金融緩和でだぶついた投機マネーは商品市場に向かう。だから商品相場は現在、恒常的に買い相場なのだ!というのがつい最近までの当方の考え方であった。

 もちろんそんな中でも各商品にファンダメンタルズの違いがあるため、ファンダメンタルズの良好な商品は買い(特にコーンなど)、ファンダメンタルズではよくないと思われる商品はヘッジ売りか、少なくとも見送り(石油やコーヒーなど)と言うのが基本姿勢だった。

 

 しかし金融システム不安は商品市場にも大きな影響を与え始めて、ファンドの手仕舞い売りによる下落〜チャートの悪化〜値洗いが悪化するため更に投売りの悪循環に陥り始めた。

 もちろん超長期では、マネーはまた商品市場に流れ込んで急騰して行く展開は十分考えられる。しかし現状では、国内市場でも値洗いが悪化している買い玉の整理が先であろう。現在のストップ安は、一発来ればほぼ本証拠金が丸々飛んで行く状況だ。週に何発も来れば、とてもじゃないが維持できなくなってしまう。それゆえ、4月になればどうだとか、夏場には高くなるだろうとか言っていても意味が無い。まずはこの大暴落を乗り切らなければ、次の相場には臨めなくなってしまう。

 

 考えてみれば、この上昇相場の初期は安値覚えがあって簡単に買えなかったはず。それが高値圏に慣れてしまって、買っておきさえすれば儲かるというムードになってしまった。

現在は急落中の相場であるが、現状では高値覚えがあって、買い玉は我慢していればいずれ花が咲く、売るのは怖いとの状況だろう。

当方としても相場観の大転換は、買いでやられて売りでもやられる往復ビンタを食らうのではないか?と怖い。しかし怖がっていては、所詮は相場なぞ出来ない。勇気を振り絞って、現在の相場に対処せねばならない。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

3月17日

\62,280

-780

\61,790

-1130

3月18日

\61,040

-1240

\59,440

-2350

3月19日

\62,210

1170

\61,390

1950

3月21日

\61,130

-1080

\58,690

L2700

 

 まずは原油から…先週号においては『東京原油は63,920円にストップロスを置いての売りを継続。NY原油は104ドルにストップロスを引き上げての買いを継続。とは言っても実際は東京市場でしかトレードできないわけで、現状のストップロス売り玉を維持しつつ、NY原油が104ドルを割ったら東京市場をまた売る作戦しかないだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は111.80ドル(3/17)まで急騰した後に急落。翌18日はFRBによる利下げで戻したが、19日・20日と一転して暴落に転じ、相場は一気に98ドル台まで下落10%以上の下落である。

現在連休中のNY原油は101.84ドルで終了して、週明けの動向を待つ展開。

    NY原油日足

…削除済み…

17日以降の相場は凄まじい動きであるが、この高値圏での乱高下で相場は天井を打ったと考えたい。週末現在ではまだ100ドル台を維持しているものの、他銘柄の相場動向を考えたらこれで下げ終了とはとても思えぬ。日足チャートでは、少なくとも95ドル割れの一目均衡表の雲に掛かる辺りまではあると読む。

 

    NY原油週足

…削除済み…

 週足ベースではまだ上昇トレンドは維持している。しかし相対力指数は、すでに天井を形成した格好である。

 これで見た場合、80ドル辺りまでの下落はあって自然に見える。今のうちに売っておく相場であろう。

 

    東京原油日足

…削除済み…

東京原油は先週号でもコメントしたとおり、63,920円にストップロスを置いての売り方針として来た。NY原油の強さとは逆に、東京市場は弱い展開であることはずっと指摘して来ている。

そして今週は18日暴落、19日急騰、休み明けの21日暴落と忙しい展開であるが、いずれにせよストップロスに引っかかる事なく暴落に転じ、完全に三尊天井を完成させた。週末には58,690円まで下落であり、63,920円(2/27)の高値から5,230円(8.1%)の下落である。

頼みの綱だったNY原油の下落は、結局は東京市場に先見性があったとしか言えぬし、後ろ盾を失った相場の下落には拍車が掛かるだろう。

今後58,000円の一目の雲を割り込んで行けば、なお下落に拍車が掛かることとなり、55,000円、53,000円と今年の安値をターゲットに下げて行く可能性は高い。

 

さてファンダメンタルズでは、全米石油在庫は増加が続いていた中で、NY原油が買われた材料はドル安のみであった事は明確な事実。ドバイ・オマーンの中東産原油よりも、およそ10ドルも上ザヤに買い上げられたのも、ファンドの力である。

しかしNY市場のファンドの状況は、…中略…

また国内内部要因では、…中略…

 

 なおゴールドマン・サックスは、3月11日には原油価格200ドル説を唱えたが、20日にはこの春にも商品市場からの資金流出で90ドルまで下落するとのコメント。つまりは専門家でも、どっちに行くか全く判らんという事だな…(笑)

 結論として当方の相場観は、NY原油も天井を打っただろう。東京市場の下げはこれから加速する可能性が高いと思われ、一気に53,000円まで下げても驚かぬ。売り方針である。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

3月17日

\75,360

-550

\74,610

-70

3月18日

\74,020

-1340

\71,960

-2650

3月19日

\77,260

3240

\72,980

1020

3月21日

\76,600

-660

\70,280

L2700

 

 続いてガソリンです…先週号においては『今週高値78,110円にストップロスを置いての売り方針と見るが、ストップロスまでの幅が大きいのでやりづらい。安値を売ってもリスクとリターンを勘案して採算に合わないため、基本的には様子見である。』とコメントした。

今週の相場展開は、急騰・急落を繰り返しながら、結局はNY原油の暴落の影響で週末はストップ安。70,280円までの下落は、すでに79,720円(2/21)から9,440円の下落(11.8%)となっている。先限引継ぎ足の換算ゆえ、実際はこうではないが。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

すでに一目均衡表の雲の下に出ており、相対力指数は36ポイント台。振り返って見れば79,720円(2/21)の高値時点ではジャスト70ポイントでの天井打ちであり、この下げ相場はまだ止まりそうもない。

ターゲットは当然68,730円(2/7)、67,110円(1/22)という事になり、週末のストップ安からなお3,000円の下落の可能性は高いだろう。まあその程度なら、たった一発分のストップ安で来てしまうわけであり、大勢ではそんなものじゃ済まない可能性も高い。

 

    東京ガソリン週足

…削除済み…

そこで週足で分析してみれば、67,110円を割り込むと8万円での三尊天井の完成。ターゲットは6万円割れでもおかしくない。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

4月限 発会値64,680円 高値78,450円 安値64,590円 現在値76,600円

5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値66,770円 現在値74,200円

6月限 発会値77,860円 高値79,950円 安値67,030円 現在値72,870円

7月限 発会値79,510円 高値80,300円 安値67,110円 現在値71,920円

8月限 発会値71,520円 高値79,720円 安値68,730円 現在値71,030円

9月限 発会値78,600円 高値79,060円 安値70,280円 現在値70,280円

 今週は先限だけ一代安値の更新9,000円下げたとはいえ、まだ先限以外は一代安値ではないわけだ。9,000円も下げたのだから戻るという見方もあろうが、これで見たらまだ大した下げではなく、下げ余地はあるとも言える。

 

国内内部要因では…中略…

 

今週のスポット価格は、126,000円台(税込み)で推移と変わらず。19日現在の輸入採算価格は75,300円となっており、前週比4,600円安である。

 3月15日時点のガソリン在庫は前週比6.4%増226.8万klと2週連続の増加。川下の需要は相変わらず低迷しているが、元売は暫定税率が期限切れになると見て買い入れ停止状態。

 結論として当方の相場観は、NY原油が天井を打ったと思われるため、ガソリン価格もなお下落する可能性が高いと見る。まずは67,000円台、ひどければ6万円まで下落しても驚かぬ。

 

 

今週の灯油の値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

3月17日

\75,230

-730

\73,840

-880

3月18日

\73,370

-1860

\71,140

L2700

3月19日

\76,060

2690

\73,150

2010

3月21日

\74,280

-1780

\70,450

L2700

 

 最後に灯油です…先週号においては『ガソリン買い・灯油売りの仕掛けを継続である。需要期を過ぎようとしている時期を考えれば、いかに内部要因主導とはいえ長くは続かないとの見方である。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末にはストップ安で70,450円まで下落。完全にWトップを完成したチャートであり、77,630円(3/12)からすでに7,180円(9.2%)の下げである。

    東京灯油日足

…削除済み…

 相対力指数は3段逆行を形成して天井打ちとなり、Wトップは72,830円(3/5)の安値を割り込んで完成。もうすぐ一目の雲に到達するが、相対力指数41.95ポイントはまだ下げ余地が大きいだろう。

 ターゲットは2月の安値65,000円台がまず考えられ、なお5,000円以上の下落の可能性は高いと見る。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

4月限 発会値62,690円 高値78,100円 安値62,490円 現在値74,280円

5月限 発会値69,680円 高値76,990円 安値63,540円 現在値72,130円

6月限 発会値72,500円 高値76,280円 安値63,540円 現在値70,720円

7月限 発会値74,840円 高値76,060円 安値63,480円 現在値69,860円

8月限 発会値68,500円 高値76,390円 安値65,450円 現在値69,490円

9月限 発会値76,140円 高値77,630円 安値70,450円 現在値70,450円

 8月限を除き、すべての限月は3/12に一代高値を記録。(8月限のみは2/21)今週は下げてきたとはいえ、先物が週末に一代安値を更新しただけ。これは相場が強いと言うよりは、下げ余地がまだたっぷりあると考えたい。

 

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

3月21日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

4月限

\76,600

 

\74,280

 

2,320

5月限

\74,200

-2,400

\72,130

-2,150

2,070

6月限

\72,870

-1,330

\70,720

-1,410

2,150

7月限

\71,920

-950

\69,860

-860

2,060

8月限

\71,030

-890

\69,490

-370

1,540

9月限

\70,280

-750

\70,450

960

-170

 ガソリン買い・灯油売りの鞘取りもまだ有効だとは思うが、当方としてはそれよりも今は単品での売りの方の妙味があると考える。

 

国内内部要因では…中略…

 

今週のスポット価格は78,000円台。また19日現在の輸入採算価格は87,500円前週比400円高。ガソリンのそれよりも1万2200円も高い。なぜなのかは当方もわからんが、いずれは急落するんじゃないかな?

3月15日時点での灯油在庫は、前週比0.2%増169.9万klと10週ぶりの増加。出荷量が36%以上の減少となったための増加であり、需要期明けが近いことが連想される

結論として当方の相場観は、7万円時代は終了し、チャートの悪化により下げは本格化するだろう。売り方針である。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月17日

\3,194

-22

\3,228

-10

3月18日

\3,139

-55

\3,168

-60

3月19日

\3,158

19

\3,167

-1

3月21日

\2,956

-202

\3,017

L150

 

金相場は、先週号においては『現状の東京市場の下落は調整安であり、3,100円台は買い場と見るが、一目の雲を抜けたらストップロスで損切り。逆に売りで考えたい人は、3,200円台を売って新高値更新ならストップロスの損切りが良いだろう。急騰・急落、どちらも有り得るゆえ。』とコメントした。

今週の相場展開は、円高で軟調な推移をしていたものが、今度はNY金の急落の影響で週末に大暴落150円安のストップ安でも、ほとんど売りが成立しない凄まじい下げとなった。

    東京金日足

…削除済み…

週末のストップ安で一目の雲の下に出ており、NY金の急激な下げ方を見ても、もはやこれは調整安のレベルではない。相場は3,322円(2/27と3/6)でWトップの天井を完成。週末安値3,017円までは305円(9.2%)の下げである。

先週号で微妙なニュアンスを伝えていたわけだが、凱歌は売り方に上がった模様。

こうなると今の商品市場は、ファンド・大衆ともにかなりの買い残を抱えているため、情け容赦ない下げ相場が到来するだろう。プラチナ相場を見よ!大豆相場を見よ!アラビカコーヒー相場を見よ!取組がいびつになってから下げ始めると、どうにもならぬ展開になる可能性は高い。何せ大衆筋は、買えば儲かると洗脳されてしまった感が強く、新規売りが出来ないのだから…

 

まずは2,911円(1/22)がターゲットであるが、加速が付いたら2,700円台、あるいは2,500円台と下げてゆく可能性は高い。値が付いたらすぐにでも売るべきだろう。

 

    NY金日足

…削除済み…

NY原油が高値を記録した同じ3/17に1033.9ドルまで上がったわけだが、東京市場休み中(NY市場3連休前)の下げは凄まじく、20日は安値904.7ドルまで記録。高値から129.2ドルの下げであり、率にして12.5%の下げである。

ちょうど一目の雲の上での反発であり、これで下げ終了も皆無とは言わないが、さて今のムードが果たしてそれを許してくれるか?まずは850ドル辺りまでの下げは仕方ないのでは。

…中略…

NY市場でのファンドのポジションは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、金は天井を打ったであろう。こうなると商品バブルは終了した可能性が高く、少なくとも今は買う人が不在になる可能性が高い。まずは売って考える相場であり、下げはこれから本格化するだろう。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月17日

\6,478

-240

\6,291

-278

3月18日

\6,125

-353

\5,991

L300

3月19日

\6,226

101

\6,045

54

3月21日

\5,915

-311

\5,745

L300

 

プラチナ相場は、先週号においては3/11までの大暴落〜その後の反発の弱さで天井を打っている相場との判断はせざるを得ないが、逆にここからの下値も乏しいと考える。急激な戻りは売って、突っ込みは買う、逆張り戦法が良いだろう。とコメントした。

今週の相場展開は、ストップ安を2回(実質はほぼ3回)となる暴落。週末には5,745円まで下げており、天井である7,427円(3/6)からの下げは1,682円(22.6%)に及んだ。

当方も結果的に、完全に下げ相場の怖さを軽視した格好であり、こうなると着地点はどこなのか想像を絶する。

    東京プラチナ日足

…削除済み…

週末のストップ安5,745円で、相場はついに一目の雲の中に突入。行き着くところまで行くのなら、上昇相場の起点である5,000円そこそこの価格まで往って来いの下落をしてしまうのかもしれない。

仮にそうだとまだ700円あまり下げることになるが、今のようなストップ安300円が当たり前になっている中では、2発とちょっとで到達するわけであり、最短で3日もあればOKだ。

 

ともかくチャートでは、ネックラインの6,839円(2/29)を割り込んで7,375円(2/22)と7,427円(3/6)でWトップを完成させた相場だけに、買っていないだけが救い。

先週号で6,251円がまず下値のターゲットとしたものの、あっさりとそれを突き抜けたのだからどうにもならぬ。買いは無いものの、売りもしていなかったのは若干悔やまれる。

もっとも悔やんでいても儲かるわけではないので、次にこのプラチナ相場のようになるのは何か?というのを探すのがベターだろう。そういう意味では、原油・金はこれに比べればまだ下げていない。

…中略…

 

    NYプラチナ日足

…削除済み…

これはNY市場でも同様であり、2308.8ドル(3/4)はどう見ても天井。すでに1800ドルそこそこまで下げている相場は、現状では2段下げ目。これでもすでに500ドル以上、22%の下げを演じている。

これでは戻っても、ダメ押しの3段下げも有り得る。そうして往って来いするなら、1600ドル割れまで下げてもおかしくない。

 

さて東京市場の内部要因では、…中略…

 

 

    東京パラジウム日足

…削除済み…

プラチナ同様に…というかプラチナ以上に下げているのがパラジウム。高値は2,076円(3/4)とプラチナよりも2日早く天井を打った相場は、今週も2回ストップ安を入れてあっという間に1,417円まで下落。先週号で底だろうとした1,612円も、単なる通過点でしかなかった。

下落幅は659円に及び、これはプラチナの1700円近い下げに比べれば小さいが、率で考えると31.7%とはるかに大きい。

もうすでに上昇トレンドの起点辺りまで下がってしまったわけであり、週足ベースで見ても下値余地は乏しい。
 
…中略…

 

結論として当方の相場観は、現状20%以上の下落を演じているプラチナ相場は、戻りがあっても3段下げ目に入って5,000円そこそこまでの下落は有り得るだろう。またパラジウム相場はすでに30%以上下げているために下値余地は乏しいと思われるが、内部要因が悪過ぎるのが難点となるだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

3月17日

\34,050

L1200

\36,460

L1200

3月18日

\32,850

L1200

\35,260

L1200

3月19日

\33,310

460

\34,620

-640

3月21日

\32,510

L800

\33,820

L800

 

先週号においては『週末のシカゴ市場の下落は予想外であったものの、先週で穀物相場は底打ちか、あるいはそれに近い水準であろうと考える。外部要因で売られた場面は、冷静に買い向かう相場であろうと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、コーンは再び大きく値を消し週末には33,820円まで下落。円高や他商品の下落などファンダメンタルズは変わっていないため外部要因からの下落が主であるが、そうは言ってもすでに40,550円(3/6)の高値から6,730円も下落。率にして16.6%の下げ幅である。

    東京コーン週足

…削除済み…

今週は日足ではなく週足をアップしてみた。正直言って、大豆の暴落はともかくコーンの暴落には参った。まさか、まさかの展開であり、今週も結局はストップ安3回を含めて、高寄りしても毎日値を消す展開で終わった。

今週だけでも4,000円近い下落であり、1枚=6万円の本証拠金で20万円の動き。相場は付いた値段が相場であり、おかしいとか変だとか言っても仕方の無いことであるが、さすがに当方が買い主力商品と考えていたコーン相場の下落は痛い。

 

正直言ってここからの下落は内外とも大きくないと信じたいが、また月末の作付面積発表〜天候相場期入りで劇的に変わると思っているが、そう言っても一日1200円幅下げられたら買いだけでは持たぬ。

ファンダメンタルズが良いという事は、それを知っているファンドなどもそれだけ買っているということであり(実際は国内ではファンドは売りで、シカゴで買いだが、それを投げている最中)、投げ一巡しないと戻れまい

外部要因から下げた相場であるが、今は値洗い悪化から誰が投げなきゃいけないか?の内部要因の相場になっている。ファンダメンタルズは全くの無視である。

 

さて日足チャートでは40,430円(2/26)と40,550円(3/6)とでWトップを形成ネックライン38,300円(2/28)が目先の上値抵抗線になる。すでに33,000円台に入った相場の上値抵抗線が5,000円上の位置など笑い話のようなものだが、この期に及んでも最後は劇的に上昇相場に戻ると考えている。

相場が理論的に動き始めれば、戻るのはこのコーンからであろう。それまではともかく、このコーンの買い玉を助けるために、他のものをヘッジ売りして凌ぐしかあるまい

このコーンですら現在16.6%下げているわけである。さらに%を上げる可能性は高いが、それならそれ未満のものならもっと下がるだろうよ!というわけである。

 

…中略…

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月17日

\60,210

L1400

\63,300

L1400

3月18日

\58,110

L2100

\61,200

L2100

3月19日

\56,010

L2100

\59,100

L2100

3月21日

\53,910

L2100

\57,000

L2100

 

 

 

 

 

今週のnon大豆の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月17日

\73,810

-2110

\84,720

L3000

3月18日

\71,590

-2220

\81,720

L3000

3月19日

\72,840

1250

\79,020

-2700

3月21日

\69,840

L3000

\76,020

L3000

 

 次に一般大豆NON大豆である。

まずNON大豆は、先週号で『84,110円(3/13)まで下落した時点は、ちょうど一目の雲の中に入った場面。この日はここでカーギルなど当業者が大量買い。そのため安値から急激に戻り、翌日はストップ高であった。おそらくこの値が、押し目底じゃないかな?』としたのだが、今週の相場はほぼ毎日3,000円のストップ安の連続。

    東京NON大豆週足

…削除済み…

1週間で1万2,000円近くもまた下げて、何と76,000円そこそこまで下落。高値から2万4,000円以上下げ、下げ率は24%に及ぶ。

全く尋常な相場ではないが、週末は全く切れないような相場だったゆえ、買い方は生きた心地もしないであろう。どこで底を打つのか?当方にはさっぱり判らん。

 

 一方で一般大豆の暴落も、凄まじい。週末は57,000円での終了だが、バリバリのストップ安で手仕舞いさえ出来ない状況。

    東京一般大豆週足

…削除済み…

4週連続の陰線での下げは、77,730円(2/26)からあっという間に2万円以上の下落である。26.7%の下落はNON大豆以上である。

 

    シカゴ大豆日足

…削除済み…

連日50セント安のリミットダウンを入れて下げる相場は、ついに一目の雲の下にまで出てしまった

あまりに値動きが大きいため、当方はこの大豆は主力においては居ないものの、在庫率5%以下で需給逼迫の銘柄ゆえ、どうしても大衆筋は買いたくなる銘柄だったようだ。買いたいというお客さんには、南米産があるから判らんよ!とコメントしていたものの、当方だってまさかここまで下がるとは思わなんだ。

 

…中略…

 

 なおシカゴ3連休明けの市場は、東京時間の月曜日朝の夜間取引からスタートである。21日に中国が米国産大豆を11.3万トン買い付けたというニュースがあるが、さてこれが素直に買い材料になるのかどうか?

 

 結論として当方の相場観は、いずれはコーンを中心にまた上昇相場に入るだろうとは思うものの、現状では売り圧力が強く、相場はまだ整理売りに押される展開が考えられる。ヘッジ売りで凌ぐしかないだろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

3月17日

275.9

-3.3

288.9

-3.6

3月18日

268.6

-7.3

282.4

-6.5

3月19日

269.7

1.1

282.0

-0.4

3月21日

260.8

-8.9

274.1

-7.9

 

先週号においては『283.1円で底を打ったか?それとも下抜けるのか?の判断は、2〜3日後にハッキリするだろう。そのハッキリした方向に付くのが良しと考える。』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には商品市場全面安の中で266.1円まで下落。一気に下放れした格好であるが、全商品がストップ安を記録する中でそうならず、朝の狼狽売りのあとは戻して引けたところが、底入れの可能性も残す展開であった。

    東京ゴム日足

…削除済み…

一目の雲の下に出た相場は、コーン買いのヘッジにもなると考えて売りを入れていたが、週末の前場までストップ安になるはずと売り乗せた。しかしストップまで下がらん相場に、後場から全部買い戻し作戦。終わってみれば274.1円の高値引けであり、建て玉ゼロで週明けを待つ展開。

産地は減産期であり、あまり下げていない。ファンドの売りを商社が買戻しで応じていた。などの要因から全銘柄がストップ安を記録する中、ゴムだけは踏み止まったわけだ。

戻してもまた売りになるかもしれないが、素直にストップ安が付かないのだから目先底かもしれず、こういう場合は臨機応変な対応が必要だろう。

いずれにせよ324.3円(2/26)の高値からは、58.2円の下落率にして17.9%と大きく下げたことには間違いない。

 

 当先のサヤは3月限260.8円〜7月限274.1円と13.3円の順ザヤ。サヤは先週末と変わらず。

週末現在の輸入採算価格は、4月積みで277.3円東京市場の4月限は263.0円であるため、14.3円の下ザヤとなっている。10円内外が適正なサヤであり、若干売られ過ぎ。

国内営業倉庫在庫は2月29日現在で81トン減12,304トン

以上3点では、ほぼ中立。

 

週末現在の取り組みでは…中略…

 

結論として当方の相場観は、全銘柄が下落している中でゴムだけが上がるわけには行かないだろうが、週末にこの銘柄だけストップ安を付けなかったのは強み。売りだとしても、戻りを待ってからが良いか。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

3月17日

\20,990

L1200

\24,200

 

3月18日

\19,790

L1200

\23,000

L1200

3月19日

\19,580

-210

\22,450

-550

3月21日

\18,380

L1200

\21,250

L1200

 

    アラビカコーヒー週足

…削除済み…

今回は週足をアップしてみたが、凄まじい下げなのが一目瞭然。週足ベースですら、一気に一目の雲の下に出てしまったのだから…まさにバブル崩壊という格好だ。

30,700円(2/26)〜週末21,250円までの下げは、9,450円幅率にして30.8%となっている。

 

この相場の厄介なところは、当限18,380円〜先限21,250円順ザヤが2,870円あるところ。相場の暴落+サヤ滑りでは、買い方に浮上の目はゼロである。

先週もコメントしたが、東京市場のアラビカコーヒーは未だかつて2万円を越えて納会したことは一度もないのだ。

つまりこの商品は、どこで買うかの相場ではなく、何時売るかだけを考える商品である。突っ込み過ぎたら買戻しはOK。しかし戻りは、また売ってじっとしておけば良い。

 

なお内部要因では、…中略…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

        メールアドレス info@higenaka.com

 

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