商品市況展望 割愛版

平成20年4月20日記

 

 週末のNY原油がえらい事になっている。取引序盤はドル高や中国株の軟調による需要後退懸念で115ドル台から113ドル割れまで下落していた。しかしその後NY株の上昇が米景気後退懸念を和らげた事や、主要産油国であるナイジェリアの石油関連施設において爆発があったとのニュースが買い材料となった為に切り返し、本取引では116ドル後半まで上昇して終了である。更にその後の夜間取引では117ドルまで上がった

 今後の相場観については原油のコーナーで解説するが、為替も一時は104円台半ばまでの円安。国内換算では2,000円以上の急騰で週明けは始まりそうだ。

 

 シカゴ穀物相場は週末にはたいした動きではないが、ここ数年で安値から3倍にも上がっている事は事実であり、世界各地(特に途上国)で暴動に発展する騒ぎが伝えらている。暴動で死者も出ているのがエジプト、モーリタニア、コートジボワール、カメルーン、ハイチなどであり、バングラデシュやフィリピンでも騒ぎになっている。

 小麦・コーン・大豆が暴騰しているの他、コメも世界各地で急騰しており、世界の輸出国は自国の食料確保のために輸出を禁止する動きも出始めている。まさに『食料ナショナリズム』の勃発である。

 急騰の理由は複合的であり、悪天候による減産、人口増による消費の拡大、ファンド資金の流入、バイオ燃料への転化など様々であろうが、ともかく前々から言っているバイオ燃料の問題は『食料をエネルギーにするなんて冒涜であり、いずれとがめが来るだろう』としたものが現実化して来ているわけだ。

 

 食料自給率が40%を切る日本。今のところ高くなろうが途上国とは違い、金さえ出せば食べるものがなくなるという危機感は無い。しかしもしも禁輸になったら、幾らお金を出しても買うことは出来なくなる。そうなれば相場が高いだ、安いだとか言っている問題ではなくなるし、まさに国家存亡の危機である。これが杞憂に終れば良いが、ガソリンが25円安いだ、高いだ、健康保険料が1,000円や2,000円高くなったから姥捨て山だとか言っている場合ではないかも。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月14日

\64,180

-580

\64,260

-1140

4月15日

\64,860

680

\65,540

1280

4月16日

\65,480

620

\66,660

1120

4月17日

\66,000

520

\68,040

1380

4月18日

\66,250

250

\68,000

-40

 

 まずは原油から…週号においては『リセッションで原油需要が落ち込み始めている中での新高値更新は異常であるが、チャートは未だ買いを示唆している。明確に天井形成してからの売り方針を考えているため、目先は休むも相場であろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、内外ともまた連日新高値更新の上昇NY原油は週末18日にも急騰して116.88ドルまで記録している。更にその後の夜間取引では、117ドルも記録した。

東京原油も68,300円の高値まで記録して上場来最高値更新中。もしも週明けNY原油の採算どおりに上昇するならば、ついに7万円台の大台乗せが見られるかもしれない。

    NY原油日足(週末18日分は入っていません)

…削除済み…

週末18日も史上最高値更新となり、116.88ドルまで上昇。終値は116.69ドルと前日比1.83ドル高である。

この急騰の要因はナイジェリアでの石油関連施設での爆発も言われているわけだが、単なる事故でもあるいはテロでも、人為的なものなら突発事件は売りである。またシティグループの決算は悪かったが、想定よりは悪くないとNYダウが220ドル以上上がったのも需要低下を招かないとして買い材料とされたが、これもまたおかしな話であり、表面的な材料を見る限り長続きはしそうもない

相対力指数も70ポイントに届いたはずであり、そういう面からもここは一度売ってみたい。

 

ただし市場のコンセンサスは、何となくきりの良い120ドルに目標を置いているようだ。仮にここから売るにしても、その程度までは覚悟するか、あるいは損切りラインを事前に決めておくことが重要だ。

それ以上の大相場に発展する(150ドルとか200ドルとかの)可能性も相場であるゆえ皆無ではないが、もしもそうなるためには中東での大戦争とかの特殊な材料が無ければ無理だろう。今はオリンピック聖火リレーの騒ぎで影は薄いが、イラン対米国の開戦をまことしやかに予測する向きもあるわけであり、そうなった場合はすぐに途転買いしないといけない。まあそこまで考えたら、相場なんて常に怖くて張る事は出来ないけれども…(笑)

 

    東京原油日足

…削除済み…

週末には高値で68,300円まで記録したわけだが、前述のとおり週末のNY原油の急騰によって、場合によっては7万円相場が週明けに見られるかもしれない。

チャートを見てもらえば判るが、直近の安値58,350円(3/24)で底打ち〜W底形成からの上昇は、現状で約1万円の上昇。現時点で相対力指数もまだ68ポイントであるが、週明け急騰すれば70ポイントに届く。

結論から先に言えば、一度はここで売ってみたい。まだ上げ道中であり、明確な天井形成となったチャートではないものの、週明けに急騰で始まる相場はそこで終了するケースも多いわけだ。

 

唯一不安があるとすれば、オマーン+ドバイ原油の平均価格も107ドル台まで上昇しており、決して投機のNY原油だけが高いわけではないということ。本当に原油が不足しているなんて事が、あるのかしらん?

 

NY市場のファンドの状況は、…中略…

 また国内内部要因では、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、週明け7万円に乗せる相場になるかもしれないが、この辺は目先天井の場面ではあるまいか?ここは一度売ってみたいところ。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月14日

\77,240

-880

\76,170

-1160

4月15日

\78,200

960

\77,520

1350

4月16日

\78,390

190

\78,610

1090

4月17日

\78,830

440

\79,630

1020

4月18日

\79,320

490

\79,940

310

 

 続いてガソリンです…先週号においては『目先は押し目買いに分があるだろう。75,000円を割り込まない限り売りトレンドには変化しないため、一度は8万円台を記録する公算は高いと見る。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けこそ急落したものの、その後は連日の高値追い。週末には高値で80,410円まで記録し、原油・灯油に遅れて昨年12/27に記録した先限上場来高値を更新することとなった。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

69,540円(3/24)で底打ち〜W底完成後に上昇してきた相場は、今週ついに新高値の更新

8万円台の達成感から引けまでには多少値を下げたが、週末のNY市場高騰によって週明けはまた急騰であろう。おそらく82,000円前後になると思われる。

灯油に比べればサヤの関係からまだまだ割安と言えなくも無いが、出遅れていた相対力指数でも70ポイントに限りなく接近するか、乗せてくるだろう。さすがにここから上は、一度売ってみたい気はする。

最近の相場の習性として、週明けに急落から始めればその後は高く、逆に急騰から始まればその後は安いケースも多いわけだ。怖いがピンポイントで売ってみる価値はあるかもしれない。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

5月限 発会値73,050円 高値79,880円 安値66,770円 現在値79,320円

6月限 発会値77,860円 高値80,450円 安値67,030円 現在値80,450円

7月限 発会値79,510円 高値80,750円 安値67,110円 現在値80,600円

8月限 発会値71,520円 高値81,100円 安値68,730円 現在値80,790円

9月限 発会値78,600円 高値80,780円 安値69,540円 現在値80,500円

10月限 発会値70,840円 高値80,410円 安値69,560円 現在値79,940円

 週末に当限を除く全限月が一代高値の更新である。順当ならば、週明けに更に全限高値更新となる事だろう。

 

 国内内部要因では、…中略…

 

今週のスポット価格は、107,000円台(税込み)推移5,000円ほどの下落17日現在の輸入採算価格は84,500円となっており、前週比2,500円高である。

原油高を映して上昇する輸入採算は、週末のNY原油の高騰で一段高であろう。しかしスポット価格が上がらないのは、暫定税率騒動ですでに溜め込みが終了しているものと考えられるためだ。

 4月12日時点のガソリン在庫は前週比1.3%減228.7万klと2週連続の減少。生産量が落ちて在庫は微減だが、出荷量も暫定税率失効で増加した反動で落ちている。

 暫定税率がまた復活するのかどうかは判らんが、米国は別として欧州に比べれば日本のガソリンはかなり安い。誰でも買うものは安い方が良いわけだが、それで財源が不足して混乱が起きるのもまた困る。何でも反対の民主党もどうかと思っている人が大半だろう。もっとも自民党もただ税率を元に戻すだけでは、相変わらず無駄遣いが直らないのでは?と国民は不安なわけで、リッター25円高かろうが安かろうが、その税金を何に使ってくれるのかが大事なのだが…国土交通省役人のタクシー代じゃしょうがない。

 結論として当方の相場観は、週明けに急騰すれば目先天井と見て、一度は売ってみたいところである。ただし原油相場が天井を打たない限り、大暴落は無いと考えておく必要はあるだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月14日

\81,110

-780

\81,820

-1610

4月15日

\82,400

1290

\83,290

1470

4月16日

\83,370

970

\84,300

1010

4月17日

\84,000

630

\85,010

710

4月18日

\83,600

-400

\84,830

-180

 

 最後に灯油です…先週号においては『ファンダメンタルズとは全く乖離している博打相場。内部要因からはまだ上がる可能性が大であるが、売り方が総踏みすれば天井打ち〜暴落になる。値頃では売らず、そのタイミングを図るべし。』とコメントした。

今週の相場展開は、また連日の高値更新で85,200円(4/17)まで上昇。週末は伸び悩んだが、NY原油の急騰を受けて週明けにまた高値更新であろう取組状態もまだ変化が見られない状態である。

    東京灯油日足

…削除済み…

今さら買える相場でもなかろうから、当方もどこかで売りは狙っている。相場である限り、上がったものはいずれ下がる場面もあるわけだし、下がったものはいずれ上がる場面は必ずあるわけだ。上がりっぱなし、下がりっぱなしの相場など絶対に無いのだから…

しかし週明けには、更に一段高で87,000円台も有り得る。前述のとおり原油・ガソリンはピンポイントで売りを考えているわけであるが、それなら一番上がっている灯油を売り!と行きたいところであるが、皆がそう考えたら相場は逆に行く。輸入採算は10万円にも近づこうとしている中で、安易な値頃感だけでは売りづらい。それでも週明け急騰だったら、一度は売ってみたいけれども。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

5月限 発会値69,680円 高値84,370円 安値63,540円 現在値83,600円

6月限 発会値72,500円 高値84,330円 安値63,540円 現在値83,840円

7月限 発会値74,840円 高値83,800円 安値63,480円 現在値83,230円

8月限 発会値68,500円 高値83,700円 安値65,450円 現在値83,230円

9月限 発会値76,140円 高値84,450円 安値69,890円 現在値83,920円

10月限 発会値73,000円 高値85,200円 安値72,350円 現在値84,830円

 今週も全限一代高値更新10月限は17日に高値、その他の限月は週末に高値更新である。週明けは、なお全限高値更新の可能性は大。

  

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

4月18日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

5月限

\79,320

 

\83,600

 

-4,280

6月限

\80,450

1,130

\83,840

240

-3,390

7月限

\80,600

150

\83,230

-610

-2,630

8月限

\80,790

190

\83,230

0

-2,440

9月限

\80,500

-290

\83,920

690

-3,420

10月限

\79,940

-560

\84,830

910

-4,890

 先物10月限は、10日に記録した−6,560円からはさすがに詰まった。その他の限月も週末にはさすがに詰まった。

 しかし灯油が下がったわけではなく、ガソリンが上がったから詰まったわけであり、ガソリンを買っていた方がマシだというだけの話。またそもそも詰まったとはいえ、夏場の限月で灯油の方が高いという異常な状況は変わらない。

 

 さてこの異常なサヤを演出する国内内部要因では、…中略…

 

今週のスポット価格は80,000円台1,000円ほどの下落。また17日現在の輸入採算価格は97,400円前週比1,500円高

スポット価格は引き合いが無いので下落であるが、輸入採算は原油高を受けて10万円にも近づこうかという上昇。何でガソリンよりもこれほど高いのか明確な理由は聞いたことも無いが、ともかくガソリンの輸入採算84,500円よりも12,900円も高いわけだ。

4月12日時点での灯油在庫は、前週比3.2%減181.6万klと2週ぶりの減少。生産量は減少しているが、アジアの需要が強く在庫減少という。そのアジアってどこ?

結論として当方の相場観は、週明け急騰すれば一度売っては見たいが、仮にその後下げたからといっても取り組み内容、輸入採算高が変わらなければ、なお天井を確認したとまでは言えないだろう。売りは短期、基本は売り方総踏みまで高いと見るのが妥当であろう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月14日

\2,976

-49

\3,005

-49

4月15日

\3,028

52

\3,049

44

4月16日

\3,035

8

\3,064

15

4月17日

\3,102

66

\3,131

67

4月18日

\3,108

6

\3,133

2

 

金相場は、先週号においては『W底完成で2,880円は当面の底値であろう。しかし高値も3,300円台は天井だと考えているため、当面は突っ込み買い・吹き値売りの逆張りの展開と考える。』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けこそ下落して一時3,000円割れとなったが、その後は原油相場の高騰とともに連日上昇。週末は高値で3,141円まで値を切り上げる事となった。

    東京金日足

…削除済み…

先週で3,065円を突破してW底は完成となり、2,880円(4/1)は底値となった。そして今週週明けにもう一度3,000円を一瞬割れたが、その後また戻って来た事で逆三尊底の格好となった。

 

ただし週末のNY市場では大幅にドル高・円安が進んだために、NY金は急落東京換算では72円安となり、原油の急騰とは全く逆の展開になる見込み。

さて高騰した原油の相場が正しいのか?それとも急落した金の相場が実勢を映しているのか?

目先ドル安のトレンドは転換するだろうと18日の前場の概況でもコメントしたが、それはそのとおりになった。そしてドル安が止まれば、ドルベースでの商品価格も抑えられるだろうとのコメントも正解となった。だが原油は高騰だしねえ…

 

では今後の方針はと言えば、為替の動向・NY金の動向は確かに不透明であるかもしれないが、また他商品の(特に原油との逆相関)は精神分裂症のような動きではあるが、ズバリ東京市場では逆三尊を形成したわけだから押し目買い週明けの急落は、逆向かいの買いで考えてみたいところ。

 

    NY金日足(週末18日分は入っていません)

…削除済み…

週末18日のNY金は、前日比27.7ドル安の急落で915.2ドル。為替は104円64銭まであって、終りは103円74銭と1円26銭の円安である。

この日は950ドル近いところから、一時は907ドル台まで一気に下落し、その後に戻って上記の価格となった。

 

ただし前日に高値で956.2ドル955.2ドル(3/27)の上値抵抗線は抜けており、抜けたところが売りとはなったものの、これは押し目である可能性は高い再び900ドルを割り込んで行くようなら、東京が円安で下げ渋ろうが一度投げなければならないだろうが、ここは強気で見ておきたい。

 

NY市場でのファンドのポジションは、…中略…

 

ただし将来的(来年くらい?)には、いずれ原油価格も今の半値、金価格も今の半値くらいまで下がる可能性の方が大きいと当方は思ってはいる。商品相場の高騰は、先物市場での買い方には喜ばしい事ではあろうが、大半の人々にとって百害あって一利なしであろうゆえ、いずれ何らかの規制や打開策が打ち出されることになるだろう。

…中略…

 

結論として当方の相場観は、2,880円で底入れしている相場だけに、週明けの急落場面は買い場となるだろう。3,300円台は難しくても、3,200円どころまで上昇をしても不思議ではないと考える。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月14日

\6,312

-269

\6,160

L300

4月15日

\6,497

185

\6,320

160

4月16日

\6,433

-64

\6,310

-10

4月17日

\6,715

282

\6,604

294

4月18日

\6,758

43

\6,660

56

 

プラチナ相場は、先週号においてはプラチナは上昇力に陰りが出てきたようだ。目先は戻りいっぱいの可能性を考え、6,615円にストップロスを置いて軽く売ってみたいところである。