商品市況展望 割愛版
平成20年5月18日記
長野聖火リレーでも大もめにもめたのでチベット問題は皆がだいぶ詳しくなったかもしれないが、トルキスタン問題はまだあまり知らない人が多いようだ。それはまたいずれコメントする事として、多くの人があまり良くわかっていないだろうと思われるダルフール問題を今回は紹介する。
スーダン西部にあるダルフール地方は、現在虐殺の真最中である。スーダンといってもアフリカのどこにあるのか良くわからん人が多いだろうが、東は紅海に面して北はエジプトに接する場所(地図ではエジプトの下)と言えば、何となくピンと来るのではあるまいか。
http://www.sudanembassy.jp/sudan_info.htm
ここは元々多くの民族が混在していた地域で、揉め事は昔からか続いていたのだが、この紛争のきっかけというか進行中なのは、スーダン政府軍とその支援を受けたアラブ系の民兵が非アラブ系の住人を大量虐殺している事である。
正直言っていろんなサイトを見たが、最初に手を出したのがどっちで、どっちが悪いなどは良くわからんわけで、一言で簡単に解説出来る問題ではないようだ。大体が個人の喧嘩だろうが、国同士の紛争などそんなものだろうが…
ともかく現在では、アラブ系による非アラブ系へのジェノサイド(民族浄化の大量虐殺)まで進んでしまっている。喧嘩相手を一人残らず皆殺しにすれば、喧嘩も無くなるだろうという理屈なわけだ。虐殺された数は、2003年以降の3年間で20万人になると言われている。今は2008年だから、当然もっともっと増加しているだろう。そしてこの継続中の紛争は、まだ全く解決の目処は立っていない。
なぜこの問題で中国が批判されるのかと言えば、実はこのスーダンには未開発の石油資源が大量に眠っているのだが、この利権確保のために武器を輸出。また軍事顧問団なども派遣して、このスーダン政府によるジェノサイドに加担しているとされているからである。
マスコミではダルフールのダの字もほとんど出ないわけで、この辺の事情は誰も知らない人が多いわけだ。
さて相場をやっていると、いろんなことに興味を持たなきゃいけないわけで、良い悪いは別にして戦争が起きたと言えば原油は上がるのかな?金はどうなる?という方向に行かざるを得ない。今回の中国での地震も、果たして相場に影響があるのかな?という風に考えるのが投機家だ。
しかし現在このダルフールばかりでなく、世界各地で紛争は常に起こっている。アフリカで何万人死のうが相場には影響なんてまずない。しかしアメリカやイギリスで1000人も死ぬような大事件が起きれば、それこそ相場は大きく動く。人命に貴賎などあるはずはないだろうが、相場も善悪には関係のない世界であり、そのように動くのは冷酷な事実だ。
全く因果な仕事だな!と思うわけであるが、だからこそ仕事を離れた場合には別の考え方もしたいと思うわけだ。
〔石油製品〕
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今週の原油の値動き |
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5月限(当限) |
前日比 |
10月限(先限) |
前日比 |
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5月12日 |
\77,110 |
840 |
\77,510 |
1730 |
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5月13日 |
\76,120 |
-990 |
\76,400 |
-1110 |
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5月14日 |
\77,590 |
1470 |
\78,700 |
2300 |
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5月15日 |
\77,070 |
-520 |
\78,370 |
-330 |
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5月16日 |
\76,680 |
-390 |
\77,340 |
-1030 |
まずは原油から…先週号においては『週明けの高値は売り場であろうと考える。ただし勇気と資金のある人で、ちゃんと踏みも出来る人に限るかな。ただし下げても、120ドル割れはすぐにないかもしれない。』とコメントした。
今週の相場展開は、週明けの上昇から翌13日は下落したものの、14日には再び急騰して78,770円(5/14)と史上最高値を更新。そこからは週末に掛けて若干下落して終了した。
NY原油は126.98ドル(5/13)まで上昇し、その後高値圏でのもみ合い。15日に日中に6ドルの上下であり、週末は高値で127.82ドル(5/16)まで記録してまた高値更新。
○
NY原油日足
…削除済み…
週末9日のNY原油は、前日比2.17ドル高の126.29ドルで終了。高値は127.82ドルまで出ており、また史上最高値の更新である。
『4月末の調整の倍返しならズバリ128ドル台となる』としてきたわけだが、それに近いところまで来ている。
中国や欧州での強い供給不安による暖房油の急上昇や、ナイジェリアでのパイプライン爆破による原油生産への悪影響、対主要通貨でのドル軟化といった材料が好感されて買いが殺到。またゴールドマン・サックスが今年下半期の平均価格予想を141ドルとしたことも支援要因となった模様。
これでは早々簡単に天井を打ちそうもないな。チャートでも15日まではちょっと上げもだえた感もあったのだが、単なる指数調整に終った可能性が高い。
…中略…
先週もコメントしたとおり、全米石油在庫統計などを見る限り原油需給は逼迫していない。また景気後退懸念から需要の伸びも予測されていない。中国の4月の原油輸入が1年半ぶりに前年同月比減少したり、IEAが世界原油需要予想を2ヵ月連続で下方修正したりで、それが裏付けられている。
それでも現実に価格は上昇しているわけであり、それこそ今は原油不足ではなく製品不足なのだろう。灯油相場がその典型であり、灯油と名前は付いているものの実際はジェット燃料〜ディーゼルエンジン用の軽油に至るガソリン以外の石油製品と考えたほうが良く、この製品価格上昇が原油価格上昇に繫がっているものと思われる。
日本は原油輸入国ではあるが、石油製品は輸出国だ。国内で余った灯油ジェット燃料などに転化して輸出。今後はガソリンを米国にも輸出するわけだし。そして採算では国内石油製品が国際価格よりも安いわけだから、石油元売は国内市場の低迷から積極的に販売を進めるだろう。
原油の需給自体に問題はなくても、世界的に製品が不足している=精製処理能力がないという要因からの原油高であれば、日本にとってはビジネスチャンスではあるが、原油価格は容易に下がらぬという厄介な図式にならざるを得ない。
…中略…
○
東京原油日足
…削除済み…
78,770円(5/13)まで記録した相場だが、週末は77,340円での引け。週末のNY原油の上昇は換算で1,280円高となるため、77,340円+1,280円=78,620円と週明けはまた新高値に近づきそう。勢いがあれば、また高値更新の可能性は高い。
正直言って、今更ここから買えるか!という高値であるゆえ、本格的に買いたい気持ちはゼロだ。しかしまだ売りはもっと危険なのだろうと考える次第。乱高下はするだろうから、短期の逆張り以外は怖くて出来ない。
国内内部要因では、…中略…
結論として当方の相場観は、根本的な石油製品不足が解消しない限り、原油相場の高止まりは続きそうだ。相場はまだ押し目買いの範疇にいるものと想定する。
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今週のガソリンの値動き |
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6月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
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5月12日 |
\84,800 |
-700 |
\85,600 |
90 |
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5月13日 |
\84,930 |
130 |
\85,190 |
-410 |
|
5月14日 |
\86,610 |
1680 |
\87,470 |
2280 |
|
5月15日 |
\86,030 |
-580 |
\87,190 |
-280 |
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5月16日 |
\85,490 |
-540 |
\86,000 |
-1190 |
続いてガソリンです…先週号においては『僅か3日間で7,000円以上の急騰ゆえ調整は有り得る。しかし輸入採算から見ればまだ上昇の余地はある相場であり、原油価格の暴落がない限り9万円台に乗せても決して不思議ではないと考えておく必要はあるだろう。』とコメントした。
今週の相場展開は、13日には一時急落となったものの、87,480円(5/14)まで上昇。
○ 東京ガソリン日足
…削除済み…
83,860円(4/28)〜77,540円(5/2)までの6,320円の下げも崩れではなく、今となっては単なる調整だった事になる。
現状ではその押し目底の77,540円(5/2)〜87,480円(5/14)まで9,940円の上昇中。仮に倍返しまで上がるのなら、6,320円×2倍=12,640円となり、なお2,700円の上昇余地がある。そうなると9万円に乗せるということだ。
さて各限月別の推移を見てみると、
6月限 発会値77,860円 高値86,840円 安値67,030円 現在値85,490円
7月限 発会値79,510円 高値87,280円 安値67,110円 現在値85,970円
8月限 発会値71,520円 高値87,210円 安値68,730円 現在値85,700円
9月限 発会値78,600円 高値87,040円 安値69,540円 現在値85,800円
10月限
発会値70,840円 高値87,110円 安値69,560円 現在値85,740円
11月限
発会値83,800円 高値87,480円 安値77,540円 現在値86,000円
14日に全限一代高値の更新。この2日間伸び悩んでいるので天井の可能性も皆無ではないが、NY原油高を受けて週明けは急騰するだろうし、その可能性は薄いだろう。
国内内部要因では、…中略…
今週のスポット価格は、113,000円台(税込み)で推移と6,000円ほどの下落。15日現在の輸入採算価格は92,900円となっており、前週比1,600円高である。
問題はこれなのだ。国内スポット価格113,000円台は、税抜きだと59,000円台にしかならない。明らかに輸入採算の93,000円近い価格からは割安であり、これでは輸出に廻せば元売は大儲けである。
国内先物市場の価格は85,000円台なわけで、輸入採算からはまだ8,000円ほど安い。しかしスポット価格からは26,000円も高いわけで、これだとスポット買い・先物ヘッジ売りも解消しないだろう。どっちと比べるかでヘッジ戦略は全然変わるわけだろうが、如何に国内ガソリン価格が安いかわかる。
以前であれば、スポット価格に比べて高過ぎる先物は急落していただろう。逆に輸入採算に向けて上がるということは、この市場が完全に国際化した事を意味する。
…中略…
結論として当方の相場観は、ガソリン相場の予測は国際価格=シンガポール市場との比較での輸入採算価格を見る必要がある。これが下がらなければ、国内先物価格も下がらんだろう。
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今週の灯油の値動き |
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6月限(当限) |
前日比 |
11月限(先限) |
前日比 |
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5月12日 |
\97,180 |
2810 |
\96,580 |
H2700 |
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5月13日 |
\96,300 |
-850 |
\96,180 |
-400 |
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5月14日 |
\99,630 |
3300 |
\98,880 |
H2700 |
|
5月15日 |
\99,500 |
-130 |
\99,990 |
1110 |
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5月16日 |
\99,240 |
-260 |
\99,530 |
-460 |
最後に灯油です…先週号においては『灯油価格は10万円を突破する可能性が高いだろう。ガソリンとのサヤもまだまだ開くであろうし、異常だと思っていたものが実は合理的であったわけであり、間違いを知ったからにはすぐに方針転換をせざるを得ないだろう。』とコメントした。
今週の相場展開は、週末に100,050円まで上昇。ついに10万円台乗せであり、史上最高値を連日更新している状況だ。
なお16日のNY原油はなお高値更新しているゆえ、週明けも一段高は必至の情勢だ。
○ 東京灯油日足
…削除済み…
まだ懲りもせず、ガソリン買い・灯油売りを仕掛けたい向きが多いというか、実際にそういう手口がたまに出て来る。もちろん相場ゆえ、そのポジションが当たる場合もあるだろうが、当方も以前考えていたように『夏場に使わない灯油がガソリンよりも高いのはおかしい』というのは全くの間違いだ。
灯油と名前は付いているものの、日本市場でもNY市場でもディーゼルエンジン用の軽油やジェット燃料は上場されていないため、この灯油相場がそれらも網羅してヘッジに使われているわけだ。A重油〜ジェット燃料まで、ガソリン以外のものは全部灯油というカテゴリーに入っていると思った方が妥当だ。
欧州はガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンの車が主流であり、中国はトラック需要が旺盛で、これは全部軽油である。この価格高騰が灯油という名の市場を押し上げているわけである。
もちろん短期的にはさすがに買われ過ぎは明らかであるため、下げる場面も当然あるだろう。中国の買い付けが一巡する事態になれば、急落もまた有り得る。
しかし完全に需給逼迫が解消されない限り、下げても単なる押し目であろう。また原油が高いから灯油が高いのではなく、この灯油価格上昇が原油高に繫がっているという裏側も理解する必要があるだろう。
さて今週も各限月別の推移を記すと、
6月限 発会値72,500円 高値99,780円 安値63,540円 現在値94,370円
7月限 発会値74,840円 高値99,330円 安値63,480円 現在値93,440円
8月限 発会値68,500円 高値99,340円 安値65,450円 現在値92,850円
9月限 発会値76,140円 高値99,430円 安値69,890円 現在値93,140円
10月限
発会値73,000円 高値99,770円 安値72,350円 現在値93,390円
11月限
発会値90,800円 高値100,200円 安値85,520円 現在値93,880円
今週も全限一代高値更新。ついに先物は10万円台乗せである。
なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。
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月日 |
5月16日(金) |
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限月 |
ガソリン |
限月間サヤ |
灯油 |
限月間サヤ |
ガソリン−灯油 |
|
6月限 |
\85,490 |
|
\99,240 |
|
-13,750 |
|
7月限 |
\85,970 |
480 |
\99,190 |
-50 |
-13,220 |
|
8月限 |
\85,700 |
-270 |
\99,060 |
-130 |
-13,360 |
|
9月限 |
\85,800 |
100 |
\99,150 |
90 |
-13,350 |
|
10月限 |
\85,740 |
-60 |
\99,560 |
410 |
-13,820 |
|
11月限 |
\86,000 |
260 |
\99,530 |
-30 |
-13,530 |
ちなみに昨年同日のものもアップしてみると、如何に違うか判るだろう。
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月日 |
5月16日(水) |
|
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限月 |
ガソリン |
限月間サヤ |
灯油 |
限月間サヤ |
ガソリン−灯油 |
|
6月限 |
\65,070 |
|
\60,470 |
|
4,600 |
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7月限 |
\64,700 |
-370 |
\60,580 |
110 |
4,120 |
|
8月限 |
\64,890 |
190 |
\61,220 |
640 |
3,670 |
|
9月限 |
\64,300 |
-590 |
\62,350 |
1,130 |
1,950 |
|
10月限 |
\63,790 |
-510 |
\63,630 |
1,280 |
160 |
|
11月限 |
\63,890 |
100 |
\65,140 |
1,510 |
-1,250 |
今年からは、もう季節要因など関係のないもの=灯油と名は付いているが灯油ではないと考えた方が、間違わなくて良いだろう。
今後見なければいけないのはシンガポール市場での輸入採算である。これとパラレルに動くのが東京灯油価格なのだ!と考えねばならない。
今週のスポット価格は96,000円台と5,000円高。また15日現在の輸入採算価格は11万2,600円と前週比6,800円高。
先物市場が10万円に乗せたとはいえ、シンガポール市況をベースとした輸入採算価格は11万円台も軽々と突破している。これに接近するならば、なお1万円の上昇があってもおかしくないわけだ。
またガソリンとのサヤは112,600円−92,900円=19,700円あるわけで、まだ13,000円台のサヤでは灯油の買われ過ぎとは言えない。
今後参考にせねばならぬのは過去の経験則ではなく、今の国際価格がどうなっているかだ。
…中略…
また国内内部要因では、…中略…
結論として当方の相場観は、10万円台乗せを果たしたが、それでもまだ国際価格からは割安である。またガソリンとのサヤも、なお拡大の余地があるだろう。原油高の主因は、この製品高の影響が大であると思われる。
〔貴金属〕
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今週の金の値動き |
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6月限(当限) |
前日比 |
4月限(先限) |
前日比 |
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5月12日 |
\2,945 |
-3 |
\2,959 |
-5 |
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5月13日 |
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