商品市況展望 割愛版

平成20年5月25日記

 

『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』は誰でも知っている福沢諭吉の『学問のすすめ』の一文だ。皆知っているこの序文だが、案外とこれを人類平等を説いた本だと勘違いしている人が多いわけだが、実は違う。

 この有名な序文は、実際には『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり』であり、文末の言えりは『言われている』という言い回しである。

 

言われている…という文末にあるとおり、この言葉、誰が言ったのかと言えば第3代米大統領トマス・ジェファーソンである。諭吉はこれに対する反論のために上記の言葉を引用したわけであり、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり』と言うが、しかし実際は全くそうなっていない。富める者と貧しい者、位の高い者と低い者、支配する国と支配される国があるではないか。人間は平等という言葉はすばらしいが、所詮それは理想論である!とばっさり切り捨てたわけだ。

 

ではなぜ『学問のすすめ』というかであるが、確かに人間は生まれたばかりの赤ん坊のときは平等である。しかし成長にしたがって差が出るのは、学問の有無で人間の位に差が出るのだ。だから学問は大事なのだ!というわけだ。

なぜ欧米が強いのか?それは学問があるからだ。なぜアジア・アフリカは弱いのか?それは学問がないからだ。

肌の色など関係ない。なぜなら白人の国にも貧しい国があるからだ。そのような国は、アジア・アフリカと同じで学問がないから支配されるのだ。

ならば日本が欧米列強の支配を跳ね返すにはどうしたらよいか?幕末のペリー来航以来の圧倒的な武力を背景にした恫喝外交を見れば、このままでは日本も他のアジア・アフリカ諸国のようにいずれ植民地化される。その日本を守るためにはどうしたらよいのか?

答えは簡単だ。学問をすればよい。学問をして国民のレベルを上げ、学問によって国のレベルを上げる。それこそが国を強くする方法であり、わが日本の独立を守る方策である。

 

つまり『学問のすすめ』は祖国防衛論を説いたものであり、決して平等論を説いたものではないわけだ。そしてこれが後の「脱亜論や征韓論」に繫がってゆくわけだ。諭吉が言う学問も、いわゆる単なるお勉強の学問ではない。軍事を含めて、近代的な国家建設のための学問という事である。

補足をすれば、今の時代は植民地が悪とか言われているが、当時は誰もそんな考えなんかこれぽっちも持っていなかった。もちろん諭吉もそうだったろう。近代国家は植民地を支配する国、遅れた国家は植民地になる国という弱肉強食の世界だったわけだから。

またこの内容は、全く新しい考えを諭吉が説いたわけではなく、幕末からずっと言われていることをまとめただけのものだった。それを諭吉がわかりやすい文章にまとめたために、明治前半の大ベストセラーになったわけだ。
 大ベストセラーになったと言うことは、当時の日本国民の危機感が如実に現れていたとも考えられる。確かに今でも日本人は、『ハゲタカファンドが日本を襲う!日本はどうするべきか』なんていうような本は大好きだからねえ…全く内容は誤解を受けている福沢諭吉の学問のすすめだが、ある意味では日本人の精神は引き継がれているのだと思う。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月19日

\76,920

240

\77,960

620

5月20日

\77,190

270

\78,760

800

5月21日

\77,970

780

\81,110

2350

5月22日

\79,260

1290

\83,810

H2700

5月23日

\78,740

-520

\82,700

-1110

 

 まずは原油から…先週号においては『根本的な石油製品不足が解消しない限り、原油相場の高止まりは続きそうだ。相場はまだ押し目買いの範疇にいるものと想定する。』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油はまた大きく高値更新となり135ドル台まで上昇。

東京原油も83,810円(5/22)まで上昇であり、すでに今年の安値からでも3万円もの上昇となっている。

    NY原油日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

当方は『4月末の調整の倍返しならズバリ128ドル台となる』としてきたわけだが、もうすでに135ドル台。

上昇要因は毎日テレビ・新聞で騒いでいるから今さらコメントしないが、ゴールドマン・サックスが今年下半期の平均価格予想を141ドルとしたり150ドル説、200ドル説もあって、正直なところ聞き飽きたな…という状況。

今年の安値85ドルからでもすでに50ドル上げているわけであり、一般的には需給関係から判断するとせいぜい70ドル程度が適正だとの声も大きいが、トレンドは崩れていないわけであり、崩れない限り逆説的に天井は打たないわけだ。

 

…中略…

 

この相場の根本問題は、ヘッジ・ファンドよりも政府系ファンドや年金基金などのインデックス・ファンドの買いであろう。つまり中東産油国もファンドを通じて買い入れ価格高騰させているわけだし、年金基金なども物価上昇となれば目減りするわけで、その分の補填として原油を買っているわけだ。

インデックス・ファンドは物価上昇率が仮に4%あるとすれば、それにプラスアルファするのが運用目標だ。ヘッジ・ファンドとは違いその運用期間も10年単位と長く、目先の上がり下がりは関係なく長期的に買い続ける。デフレになって物価上昇率がマイナスになったらさすがに止めるだろうが、そうでない限りはその性格上売りに廻ることは考えられない

 

今世界中で原油高・穀物高は批判の対象であり、政策の動向如何ではトレンドに変化が生じる可能性はある。しかし根本的に世の中に金利と言うものがあってお金はそれ自体で増殖して行くものである限り、儲かりそうなところに資金流入が起きるのもまた必然。

現状では買っていれば儲かる、売っていれば損をしている状況であり、批判はあろうが価格高騰は止まらないかもしれない。

 

    東京原油日足

…削除済み…

83,810円(5/22)まで記録した相場は、今週だけでも6,000円の急騰だ。1月の安値からはすでに3万円の上昇であり、1枚当り3万円×50倍=150万円也!

買い方のファンドが本格的に参入したのは、もみ合い上放れとなった4月半ばの64,000円台であるが、そこから一月で約2万円の上昇。1枚当り100万円の利益は、10枚で1000万円、100枚で1億円、1000枚で10億円である。

 

国内内部要因では、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、ファンドが売り転換しない限り、押し目買いのパターンに変化はないだろう。目先はここからの高値を買う気はないが、最大下げても5,000円程度と考え、どこかで買い狙う作戦が良いだろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月19日

\86,850

1360

\86,320

320

5月20日

\87,450

600

\86,810

490

5月21日

\88,500

1050

\89,330

2520

5月22日

\89,500

1000

\92,030

H2700

5月23日

\89,350

-150

\91,120

-910

 

 続いてガソリンです…先週号においては『ガソリン相場の予測は国際価格=シンガポール市場との比較での輸入採算価格を見る必要がある。これが下がらなければ、国内先物価格も下がらんだろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、92,030円(5/22)まで上昇。もちろん上場来最高値の更新であり、今週だけでも6,000円ほどの急騰である。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

5月初めの調整である77,540円(5/2)からでも、すでに1万4,000円以上の暴騰である。それが僅か20日間での出来事だ。

14,000円の値動きは1枚当り=70万円の動きであり、10枚も買っておいたら約150万円で700万円の儲けである。何と凄まじい値動きか!と思うわけだが、これこそ商品相場の醍醐味だろう。

 

さて各限月別の推移を見てみると、

6月限 発会値77,860円 高値91,390円 安値67,030円 納会値89,350円

7月限 発会値79,510円 高値92,000円 安値67,110円 現在値90,520円

8月限 発会値71,520円 高値92,000円 安値68,730円 現在値90,390円

9月限 発会値78,600円 高値91,940円 安値69,540円 現在値90,730円

10月限 発会値70,840円 高値91,840円 安値69,560円 現在値90,890円

11月限 発会値83,800円 高値92,030円 安値77,540円 現在値91,120円

 22日に全限一代高値の更新。ついに9万円台を大きく突破した。なお週末の納会値は寄り付きの89,350円であるが、その後は業者間の現物取引で88,400円まで下げて終っている。この動きは、我々一般投資家には関係ないものだ。

 

国内内部要因では…中略…

 

今週のスポット価格は、115,700円台(税込み)推移2,700円ほどの上昇22日現在の輸入採算価格は97,400円となっており、前週比4,500円高である。

92,000円台まで上昇してきたガソリン相場だが、それでもまだシンガポール市況をベースとした輸入採算からは5,000円ほど割安だ。国内スポット価格は税引きなら61,900円にしかならず、それから見れば3万円も高いわけであるが、今の市場は国内スポットではなく国際価格の市場なのだ。

 

仮に国際価格に税金分53,800円をオンしたら、151,200円がガソリン価格となり、リッター151円という事になる。それに輸送コスト・利益などをオンしたらリッター170円は簡単に超えるだろう。

ただそれでもミネラルウォーターの方がもっと高いわけだから、あれこれと心配したってしょうがない。将来的にリッター200円のガソリンも覚悟しておいたほうが良いかもしれないな。

 

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、乱高下はあろうが国際市況に比べれば現状でもまだ割安であり、基本的に押し目買いの展開は変わらないだろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月19日

\100,110

870

\100,300

770

5月20日

\99,490

-620

\99,880

-420

5月21日

\101,600

2110

\102,580

H2700

5月22日

\105,220

3620

\105,280

H2700

5月23日

\105,250

30

\107,980

H2700

 

 最後に灯油です…先週号においては『10万円台乗せを果たしたが、それでもまだ国際価格からは割安である。またガソリンとのサヤも、なお拡大の余地があるだろう。原油高の主因は、この製品高の影響が大であると思われる。』とコメントした。

今週の相場展開は、21日から3連発のストップ高も含んで107,980円(5/23)まで大暴騰。今週だけでも8,000円の急騰である。特に週末は原油・ガソリンが下落する中でもストップ高を記録であり、ちょっと買われ過ぎであるとは思うものの、灯油相場の異常な強さの一面を見た思い。

    東京灯油日足

…削除済み…

ともかくこのところ何度もコメントしているとおり、『灯油相場は灯油だと思わない方が良い』わけだ。季節要因を考えたガソリン買い・灯油売りの仕掛けは厳禁である。

大雑把に4月以降からでも4万円の急騰(1枚で200万円の動き)を演じているわけで、そりゃこれだけの相場ゆえ下げた場合も10%の調整でも大きい。上げ幅の10%で4,000円、価格の10%ならば1万円は優にあるわけで、そういう下げが来れば天井だ!と売りたくなる人も増えるだろう。

しかし基本的に、世界的な灯油・軽油の製品不足が解消しない限り、また国際価格との割安が是正されない限り、この相場が崩れるとは思えない。現在の原油高は原油の需給に問題があるというよりも、製油所不足の問題ではなかろうかと考えるわけで、原油が高いから灯油が上がるのではなく、灯油が上がるから原油が上がるのだと考えている次第。

 

さて今週も各限月別の推移を記すと、

6月限 発会値72,500円 高値105,300円 安値63,540円 納会値105,250円

7月限 発会値74,840円 高値107,200円 安値63,480円 現在値107,200円

8月限 発会値68,500円 高値107,280円 安値65,450円 現在値107,280円

9月限 発会値76,140円 高値107,490円 安値69,890円 現在値107,490円

10月限 発会値73,000円 高値107,930円 安値72,350円 現在値107,930円

11月限 発会値90,800円 高値107,980円 安値85,520円 現在値107,980円

今週も全限一代高値更新。週末までの連続ストップ高で、全限10万円台を軽く突破である。

  

なおガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

5月23日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

6月限

\88,400

 

\105,220

 

-16,820

7月限

\90,520

2,120

\107,200

1,980

-16,680

8月限

\90,390

-130

\107,280

80

-16,890

9月限

\90,730

340

\107,490

210

-16,760

10月限

\90,890

160

\107,930

440

-17,040

11月限

\91,120

230

\107,980

50

-16,860

 週末に納会した6月限は、業者間取引も終了した前引け時点の価格を表示してある。いずれにしろ、すでに価格差は−17,000円ほどだ。

 

今週のスポット価格は101,000円台5,000円高。また22日現在の輸入採算価格は11万8,100円前週比5,500円高

シンガポール市況をベースとした輸入採算価格から見れば、この期に及んでもまだ1万円は割安である。

またこの輸入採算価格から算出したガソリンとのサヤも118,100円−97,400円=20,700円あるわけで、また先週から1,000円幅の拡大である。まだ17,000円台のサヤでは3,000円不足しているわけで、灯油の買われ過ぎとは言えない

 

…中略…

 

また国内内部要因では…中略…

 

結論として当方の相場観は、10万7,000円台まで今週も大暴騰した相場であるが、調整安はあって1日・2日の指数調整であろう。まだ国際価格からは1万円以上割安であり、内部要因からもまだ相場は強いと言わざるを得ない。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月19日

\3,046

81

\3,064

75

5月20日

\3,030

-15

\3,052

-12

5月21日

\3,074

44

\3,090

38

5月22日

\3,080

6

\3,101

11

5月23日

\3,080

0

\3,105

4

 

金相場は、先週号においては『目先は底打ちとなっただろうと考える。押しても2,950円までと考え、まずはどこまで戻るかを期待しながら買い玉を仕込む場面であろう。』とコメントした。

今週の相場展開は、3,121円(5/22)まで上昇となり、3,100円台を回復。

    東京金日足

…削除済み…

チャートでは一目均衡表の雲の上に出だしており、相対力指数も60ポイント台回復。小さなW底は形成済みであり、これから3,141円を突破したら大きなW底も完成する姿

ズバリこの格好から判断する限り、2,800円台で底打ち完了である。どの程度のスケールの相場になるかの判断までは出来ないが、原油価格が急騰している中において、金価格もひょっとしたら3,300円台で天井を打ったとするのは間違いかもしれない。

まずは買って考える。3,000円どころのマド埋めの下げがあったならば、難平買いも考えるというのが戦略だろう。もちろん原油価格が暴落にでも転じればまた考え方も変えねばならぬだろうが、そこまで心配していたら結局は何も出来ない。

 

    NY金日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

NY金も1033.9ドル(3/17)は天井であるとの見方まではまだ変えないが、850ドル台でW底形成の格好である。次のターゲットは950ドル台であり、現状ではまだ一目均衡表の雲がかさになっているものの、これを抜けてくるようなら完全にチャートパターンも変化する。

…中略…

 

結論として当方の相場観は、週明けから買いに出る相場であろう。下げて100円程度と思われ、それがあったら難平買いである。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月19日

\7,217

202

\7,003

253

5月20日

\7,205

-12

\6,966

-37

5月21日

\7,245

40

\7,018

52

5月22日

\7,331

86

\7,053

35

5月23日

\7,296

-35

\7,083

30

 

プラチナ相場は、先週号においてはチャートは買いを示唆している。あとはJマッセイ社の需給報告が注目であり、それ次第で青天井か?あるいは戻りいっぱいかの判断となるだろう。とコメントした。

今週の相場展開は、週明けに7,000円台に返り咲いた後、7,168円(5/22)まで記録。7,000円台を固める展開で推移している。

    東京白金日足

…削除済み…

NY市場でETNの上場認可がなされたことが様変わりのきっかけとなり、チャートは完全に押し目買いを示唆。7,427円(3/6)は大天井ではなかった可能性が高まってきている。

この7,427円を記録した時点でのNYプラチナは2308ドルであるが、JM社は今回の需給報告で今後半年間の価格予想を1775ドル〜2500ドルとかなり広いレンジで予測していたものの、最近の商品相場全体の上昇基調を考えた場合2500ドルも出るのだろう。そうであれば8,000円台まで上がるということであり、たまにドカンと下がるプラチナ相場であるが、そこは買い場という事になるだろう。

 

    NYプラチナ日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

1835ドル(5/2)まで下落していた相場が、反騰を開始して2200ドルに接近。週末は若干安く、国内換算では100円以上の下落となる見込みだが、案外とそこは買い場になる可能性が高い。

 

…中略…

 

ともかく07年の需給報告は14.9トンの供給不足であるが、今後もサッカーWカップの開催国となる南アの電力不足は深刻。建設ラッシュでビルやホテルが建ち、黒人の生活水準もアップしている中で、発電所をどんどん作らない限りは電力不足の解消など望むべきもない。おそらく今後も、定期的に鉱山の操業停止が起きるだろう。

となると価格低下は望むべきもないわけだが、予想価格帯は1775ドル〜2500ドルとあまりにレンジが広すぎで子供でも言えるような予測。これを為替105円として国内換算だと、およそ6,000円〜8,500円と2,500円の幅である。

 

さて東京市場の内部要因である。…中略…

 

当先のサヤ08年6月限7,296円〜09年4月限7,083円まで213円の逆ザヤであり、これも買い有利なサヤ状態。250円以上逆ザヤが開いたポイントで買っておくと、大体がすぐに儲かるケースが多い。サヤは要チェックだ。

 

    東京パラジウム日足

…削除済み…

 こちらも1,365円(5/2)で底打ちである。このまま徐々にだが、上昇して行く相場であろうと考える。

結論として当方の相場観は、プラチナ相場は最終的に8,000円台になるだろう。7,000円割れは買い仕込む価値があり、あとは資金配分だけの問題であろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

5月19日

\36,550

30

\40,710

-590

5月20日

\36,780

230

\40,650

-60

5月21日

\36,720

-60

\40,350

-300

5月22日

\37,280

560

\41,120

770

5月23日

\36,480

L800

\40,840

-280

 

先週号においては『コーンは基本方針は買いであるが、調整安局面が到来するとすればこのタイミングしかないだろう。出来るだけ安いところで買いたいが、果たして下がってくれるか? 大豆はチャートはまだ買いのままであるが、大きな目では天井を打っている相場ゆえ、引きつけての売り狙いである。』とコメントした。

今週の相場展開は、コーンは42,000円(5/12)まで上場来高値の更新を果たした後、4万円はまだ割り込まないものの調整局面入り

    東京コーン日足

…削除済み…

3月は40,550円(3/6)〜32,870円(3/24)まで7,680円も暴落する調整を入れたわけだが、現在の調整局面はまだ2,000円にも満たない一度高値の買い玉を投げさせられる下げの到来を期待しているのだが、果てしてどうなるかが問題だ。

 

現状では作付けは例年に比べて遅れながらも、ほぼ完了となるはずだ。次は発芽の問題となるわけだが、種まきは雨が悪影響を与えたわけだが、発芽には恵みの雨になる。問題は気温であるが、それも現在は悪くない。

当方としては発芽〜生育期の天候は順調に推移するだろうと考えており、それは今年の天候がポスト・ラ・ニーニャ型の天候であるゆえだ。この特徴は春〜初夏までは降雨量が多く、夏場は逆に少なく干ばつの懸念が高まるものとなる。

ゆえに一番の問題は7月以降の干ばつであり、シルキングの時期の高温障害も懸念される。だからその頃にはまた急騰の可能性が高いと考えているのだが、今はその前の青田ほめの時期ではないかと思うわけだ。

穀物価格急騰に世間の批判は強く、米国のエタノール生産に関しても批判は大きい。だからこそ、一時的にでも下落するなら今しかないと考えるわけだ。

 下がれば下がるほど、リスクの低下した買い玉を持てるわけであり、それこそが当方の希望なわけである。

 

    シカゴコーン日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

週末23日のシカゴコーンは、旧穀中心限月7月限で4セント高の599.75セント。国内換算では円高なので70円ほど安い状態であるが、ともかくこのところは6ドルを挟んだもみ合いである。

なお天候相場は作付進捗率から発芽率に注目は移るだろうが、前回は26%(前年同期59%、平年56%)からメモリアルデー明けにどうなっているかだ。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月19日

\64,890

-410

\67,200

-590

5月20日

\64,400

-490

\66,520

-680

5月21日

\64,800

400

\66,790

270

5月22日

\66,390

1590

\68,340

1550

5月23日

\66,800

410

\68,800

460

 

 

 

 

 

今週のnon大豆の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月19日

\69,510

-170

\86,370

310

5月20日

\68,860

-650

\85,800

-570

5月21日

\69,370

510

\85,680

-120

5月22日

\71,370

H2000

\87,680

H2000

5月23日

\71,650

280

\90,070

2390

 

次に一般大豆NON大豆である。

まずNON大豆であるが、週末2日間でまた急騰して9万円台乗せ

    東京NON大豆日足

…削除済み…

72,700円(5/2)の安値からは、あっという間に2万円近い上昇だ。当先のサヤも2万円近く、一般大豆とのサヤも2万円以上だ。

10万円で天井は打っている相場と考えてはいるが、完全におもちゃにされているような相場である。

 

    東京一般大豆日足

…削除済み…

一般大豆も68,840円(5/14)まで急反騰した後、今週はもみ合いながら週末は68,800円での終了雲の上での推移は買い相場を示唆。

…中略…

 

    シカゴ大豆日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

 週末23日は、前日比43.25セント高の1368セント。確かに急騰ではあるものの、所詮はもみ合いの展開。1586.5セント(3/3)はどう見ても天井で、今は1106.5セント(4/1)を底として、12ドル台〜14ドルまでの間でのもみ合いである。

 

    シカゴ小麦日足(週末23日分は入っていません)

…削除済み…

この完全に天井を打っているチャートを見れば、現在上がっている上がっていると騒がれ、川下では実際にパスタなど大幅に値上がりしているのは事実ではあるが、相場としては終っている事が実感できるはず。

そう遠くない将来に、大豆価格もこのようになるだろうと考えるわけだ。

 

 結論として当方の相場観は、大勢では買いだと考えるコーン相場だが、下がるとすれば今のタイミングしかないと考える。大豆は現状ではかなり強い展開であるが、逆に大勢では所詮天井を打っている相場との見方である。コーンとは逆に売り場探しである。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月19日

316.3

-2.1

314.8

-3.2

5月20日

316.3

0.0

317.6

2.8

5月21日

315.3

-1.0

316.9

-0.7

5月22日

317.2

2.7

319.6

2.7

5月23日

325.9

8.7

330.0

10.4

 

先週号においては『値頃では利食い場が到来したと考えるが、サヤが順ザヤに変化しない限り新規売りは難しいだろう。今はまだ押し目買い有利のパターンである。』とコメントした。

今週の相場展開は、310円台でのもみ合いが続いていたが、週末に一気に高騰して330円台乗せ。ここ数年の多感である320円台を更新する急騰となった。

    東京ゴム日足

…削除済み…

320円台乗せで相対力指数は73ポイント台。そこからもみ合って指数調整をした後、週末は高値更新で買い殺到。一気に330円台乗せで相対力指数は77ポイント台まで来ている。

このチャートは踏み上げ相場になるパターンだ。踏みが出ると一度は大きく下がるだろうが、適当に下がればなお大相場になる可能性は高い。

 

ここで新情報であるが、…中略…

 

 当先のサヤは5月限325.9円〜10月限330.0円と4.1円の順ザヤ。相場は先高期待から若干の順ザヤに変化であるが、まだサヤ滑りを懸念するようなものではない。どんどん拡大して20円も付けば別だが、これをもって売りとは言えぬだろう。 

週末現在の輸入採算価格は、6月積みで328.2円東京市場の6月限は326.3円であるため、1.9円の下ザヤとなっている。10円内外が適正なサヤであり、これは買われ過ぎ。産地の天候も回復して生産は増加しているというが、それ以上に引き合いが強く価格下落は起きていない。

国内営業倉庫在庫は5月10日現在で134トン減11,791トン。最近中国の在庫が急減しているようで、問題はそちらかもしれない。

以上3点では、やや強気。

 

週末現在の取り組みでは、…中略…

 

おそらく買い方は、売り方が全滅するまで手を緩めるとは思えない。高値に走れば乱高下はしようが、上場来最高値388.9円(80/2/13)の更新は十分に有り得る

結論として当方の相場観は、押し目買い継続で380円台目標であろう。ただし高値圏にいることと、仕手戦特有の荒い値動きは覚悟して臨むべきだろう。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

5月19日

\20,400

0

\24,290

 

5月20日

\20,450

50

\23,940

-350

5月21日

\20,600

150

\23,980

40

5月22日

\20,910

310

\24,520

540

5月23日

\20,400

-510

\23,650

-870

 

    東京アラビカコーヒー日足

…削除済み…

24,550円(5/22)まで上昇した相場だが、NYコーヒーは140セントまで上昇したあとに息切れして急落。国内市場も週末はストップ安限月を含む急落である。

先週16日の5月限納会は19,520円での終了。結局はそういうことなのだ。チャートで2万円が底に見えようが、たまに3万円までの急騰を見せようが、このコーヒー相場は納会値で2万円を出した事すらないわけだ。

夏場は欧州でも需要が落ちる時期であり、9月末くらいまでは売りっぱなしで何の問題もないだろう。たまにぴょこっと飛び出せば、もぐら叩きの様に売っておけばOK。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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