商品市況展望 割愛版

平成21年4月12日記

 

新発注システムの第7回目。

前回は5-1 Stop Order+Limit Order、5-2 Stop Order+Market Orderの解説を行ったが、今回はざっと流す。大体が、こんなに沢山の種類があったって、一般の人が使う注文はおそらく数種類だろう。

とどのつまり相場は、上がると思うなら買い!下がると思うなら売り!をすれば良いわけで、難しい事は担当の営業マンに聞くのが一番早い。判りやすく説明する能力のある者を担当に選べば手っ取り早い。

 

5-3 Stop Order+Market To Limit Order(SO+MTLO)

 Stop Orderのコンバート条件が成立すれば、Market To Limit Orderが発注される注文だ。

 つまり仮に金の4月限が2,990円の時に、3,000円以上になったらMarket To Limit Orderが発注される注文なら、反対側に板があればその分は成立、残りの分は同サイドの最良気配値よりも1ティック有利な値段でLimit Orderとして板に登録されるわけだ。

 

5-4 Stop Order+Best Limit Order(SO+BLO)

 Stop Orderのコンバート条件が成立すれば、Best Limit Orderが発注される注文だ。

 つまり仮に金の4月限が2,990円の時に、3,000円以上になったらBest Limit Orderが発注される注文なら、同サイドの最良気配値と同じ値段のLimit Orderとして板に登録されるわけだ。

 

 この2つの注文にしても、反対側に板が無ければStop Orderのコンバート条件が成立しても、必ずしも入るとは限らないわけだ。5-1 Stop Order+Limit Order、5-2 Stop Order+Market Orderと対して変る事はない。

 どうしても手仕舞いしたい場合は、Stop Order+Limit Orderで指値を甘くする他は無いわけである。板があるのならば、Stop Order+Market To Limit OrderStop Order+Best Limit Orderも有効であると思われるものの、大概ストップ・ロスを入れたいところは同じようなところになるものだ。

 また突発的な材料が出現して買い一色、売り一色になった場合は、どの注文を出しても大差なかろう。

 

 我々、外務員として一番怖いのは、顧客の勘定で足(アシ)が出る事だ。足とは預けてある証拠金以上の損失が発生する事であり、お金が全部無くなっても更に負債が残る事である。これが非常に困るわけだ。資金管理は、今以上に重要になるだろう。

 

 残りのStop Order+○○は、

5-5 Stop Order+Standard Combination Order+Limit Order
5-6 Stop Order+Standard Combination Order+Market Order

5-7 Stop Order+Standard Combination Order+Market To Limit Order

5-8 Stop Order+Standard Combination Order+Best Limit Order

 と4つあるわけだが、3つの複合系である。この真ん中のStandard Combination Order(スタンダード・コンビネーション・オーダー)というサラダみたいな注文はまだ解説していないので、次回はこれを解説する。

 

 

 

〔石油製品〕

 

4月第一週の原油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

3月30日

\28,160

-140

\31,020

-1950

3月31日

\28,120

-40

\30,940

-80

4月1日

\28,170

50

\30,480

-460

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月2日

\30,100

1190

\31,790

 

4月3日

\31,570

1470

\33,480

1690

 

今週の原油の値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月6日

\33,060

1490

\35,140

1660

4月7日

\32,090

-970

\34,150

-990

4月8日

\30,840

-1250

\32,840

-1310

4月9日

\32,200

1360

\34,430

1590

4月10日

\32,550

350

\34,950

520

 

まずは原油から…先週号の縮小版においてはチャートは押し目買いを示唆しており、いずれ60ドル台になるだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、50ドルを挟んだもみ合いの展開。

    NY原油日足

…削除済み…

現状では33ドル台から上昇して来た相場が、54ドル台まで20ドル強上がった後に、上値54ドル〜下値47ドルでのもみ合いに移っている。今はこの水準が居心地の良いところなのかもしれない。

 

現在の7ドル幅の上下が下に走るならば40ドルまで下がる事になるが、それだと雲の下に再び出る相場になる。ちょっとそういう可能性は薄そうだ。

となると上に走るパターンであるが、そうなると54ドル+7ドルなら61ドルが目標になる。また今まで上がって来た20ドルをオンするのならば、67ドル〜74ドルという値位置まで切り上がってもおかしくない。

いずれは、そういう価格まで上昇するだろうという見方に変化は無い。

 

 この相場観はチャート分析に基づくもので、原油自体のファンダメンタルズは一切考慮していない。果たして今の相場が、ファンダメンタルズに基づいて動いているかどうかは疑問だし。

 なぜこの1年で140ドルになったり、30ドルになったりしたのかと考えても仕方ないし、そういう事は学者に任せたい。実際に原油の適正価格が幾らなのか?など本当は誰にも判らんわけだから…

 ある人は、景気後退で原油価格はまだ本格的な上昇はしないし、将来的にもエコカーの普及などで原油需要は落ちて行く、つまり原油価格は安くなるという。

 ある人は、景気は回復傾向で、特に中国の自動車販売は2年連続米国を抜いて、その需要が原油価格を押し上げるという。

 

 そういう相反する見方の中で相場のうねりは発生するわけだが、相場で取るのが目的ならば、とりあえず信じた方に仕掛けてみる。間違ったら早めに切る。それしかあるまい。

 

    東京原油日足

…削除済み…

直近の高値は35,270円(4/6)であるが、たまに2,000円〜3,000円程度の押しは入るものの、チャートは買いのまま。

現状では22,000円、23,000円はどう見ても底であり、押しても前回押し目を下回らずに上げて行く格好は、典型的な買い相場のパターンである。

 

雲の上に出てから17営業日であり、3万円以下は用済みであろう。どこで買うか?どこまで持つか?の判断だ。

 

なお10日のドバイ原油+オマーン原油は、…中略…

 

さてここからは相場観の話とは別になるが、GW明けの5/7から新売買発注システムになるのはご存知のとおり。

東京市場の原油相場は受渡しのシステムは無く、最終的にすべて反対売買による決済となるゆえ、買占め・売り崩しは起こらない。この新システムに過剰に反応する事は必要ないだろう。板が薄いのは今もそうだし、指値=LO注文を出せば大丈夫ではないかと思う。

 

ただし問題はサーキット・ブレイカー制度であり、2,400円幅動くと5分間の休憩を挟んで2倍の4,800円、3倍の7,200円とどんどん拡大し、自動的に5回分=12,000円まで動く事になる。滅多にあるとは思えないが、可能性はゼロではないゆえ、そこまで動いたらどうする?という覚悟は必要だ。それが上下に振れれば12,000円×2倍で24,000円、1枚=120万円幅の動きである。現在の価格帯では有り得ないだろうが、原油価格100ドル越えでは有り得る。

また中東戦争が勃発したりすればいきなり駆け上がり、その後大した事がなかったと暴落する…何て事は想像に難くない。

 

さらに手口は非公開になるため、ファンドや商社が大量に売り買いを出して来ても判らない。薄商いで夜間に大きく上下する可能性もあり、SO(ストップ・オーダー)を出しておくと全部喰われて、朝には何も無い事も有り得る。ファンドやディラーを喜ばせる必要は無いので、SOは出さない方が良いだろう。

目標の60ドル台に届かずとも、最終週には一度撤退し、GW明けからまた様子を見て参入する方が利口だろう。稼ぐのは月内である。
 

 結論として当方の相場観は、押し目買い継続である。60ドル台に向けての上昇相場との見方である。

 

 

4月第一週のガソリンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月30日

\43,610

-1540

\43,610

-1620

3月31日

\43,260

-350

\43,490

-120

4月1日

\42,830

-430

\42,810

-680

4月2日

\43,750

920

\44,070

1260

4月3日

\44,000

250

\44,850

780

 

今週のガソリンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月6日

\44,770

770

\46,250

1400

4月7日

\44,070

-700

\45,270

-980

4月8日

\42,630

-1440

\43,680

-1590

4月9日

\44,100

1470

\45,250

1570

4月10日

\44,330

230

\45,380

130

 

 続いてガソリンです…先週号の縮小版においては『48,000円台後半に向けての上昇相場。それが今の相場のリズムだ』とコメントした。

今週の相場展開は、46,390円(4/6)と年初来高値の更新となるものの、その後また3,000円ほどの調整を入れ、週末までにはまた高値圏に戻る展開となった。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

雲の上での推移は24営業日目調整安は何度も出るものの、その押し目は常に前回安値を下回らない格好であり、チャートパターンは強い

43,000円を大きく割り込むような下げとなれば悪化するが、まだそれは杞憂ではなかろうか?ストップ・ロスをその辺に設定し、押し目買いの継続が良かろう。

 

さて通常なら「限月別の一代推移」をここでアップするのだが、これが載っていた「デリバティブ新聞」が廃刊になってしまった。出来高低迷で商売にならなくなったのだろう。
 次回から調べて載せようとは思うが、手口も非公開になるし、今後の一般投機家の相場判断はチャートのみになってしまうのかもしれない。ホント役所の考える「一般投機家保護」っていうのは「ざる」である。ただただ契約書をぶ厚くして責任回避をするだけで、情報強者の商社・ファンドに有利なシステムにしてしまうのだから、当方から言わせれば「いじめ」である。

もっとも、そんな愚痴を言っても儲かるわけではないので、逆手に取った戦法を考えざるを得ないが。

 

国内内部要因では、…中略…

 

5月からはこの発表がなくなるため、どこが買っているか?売っているか?は判らなくなる。それが国際標準らしいが、参考ツールの一つが無くなるわけで、何らかの対応を考えねばならぬだろう。

もちろん「誰が買っていたって、誰が売っていたって関係ないじゃないか?」という意見もあるわけだが、確かに普通の相場の場合はそうだろう。しかし受渡しがある商品取引では、買占め・売り崩しが一番怖いわけだ。それが起きた時は、チャートもファンダメンタルズも関係なく相場は激しく動く。

そういう時のための防波堤として、手口が公開されていれば察知できるわけだが、蚊帳の外に居ては判らん。今後は、当方に情報が入れば警告する…とするしかあるまい。

 

なおガソリン・原油のサヤは、45,380円(ガソ10月限)−34,950円(原油9月限)=10,430円と縮小。

 

今週のスポット価格は、…中略…

 

しかし一方で4/4時点のガソリン在庫は前週比2.9%増の241.8万klと4週連続の増加。「高速道路料金値下げ」でも、それは2年間続くと駆け込み需要には繫がっていない。

先週は熱海まで高速を使ったが、全然渋滞していなかった。さすがにGWには消費が伸びるとの観測もあるが、さてどうなんだろう?

 

ともかくGW明けは外電も何日分も入るし、新売買発注システムになるし、サーキット・ブレイカー制度にもなる。2,400円幅を基準として、それを上回れば自動的に5回=上下24,000円の動きとなるわけで、ともかく月内に一度撤退だ。

特に先物は別にして、期近や中物限月は「成り行き注文」がないので「決済が出来ない」可能性もある。最後まで決済できないと、ガソリンを受渡ししないといけなくなるのだが、そんな事は一般投機家には不可能だ。だからサヤ取りだろうが何だろうが、先物以外に玉を持つのは厳禁である。必ず落とせ!後で泣きつかれても、責任は取れない。

 

 結論として当方の相場観は、43,000円を大きく割り込まない限り、押し目買いの上昇相場は続くだろう。しかしGW前には撤退した方が良いと思われるので、月内勝負である。タイムスケジュールを考えて、今後の相場に臨むべし。

 

 

4月第一週の灯油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月30日

\39,890

-1790

\41,320

-2010

3月31日

\39,690

-200

\41,150

-170

4月1日

\39,140

-550

\40,510

-640

4月2日

\40,550

1410

\41,990

1480

4月3日

\41,940

1390

\43,400

1410

 

今週の灯油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

4月6日

\43,550

1610

\45,130

1730

4月7日

\42,950

-600

\44,070

-1060

4月8日

\41,600

-1350

\42,870

-1200

4月9日

\43,530

1930

\44,670

1800

4月10日

\43,860

330

\45,150

480

 

最後に灯油です…先週号の縮小版においては『次の目標値は、押し目の倍返しなら47,000円どころである。しかし10月限は早ければ今月中にもガソリンよりも高くなると思われるため、ガソリンが大して上がらなくても上がる、ガソリンも上がるのなら急騰する、という事になるだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、週半ばに一度2,000円以上の急落を演じるものの、結局週末には45,700円まで上昇し、年初来高値を更新した。

    東京灯油日足

…削除済み…

雲の上での推移は14営業日目押しても前回安値は下回らない強い相場パターンが続いており、予定通りの上昇である

ただ唯一気になるのは、相対力指数が逆行のパターンを示し始めており、これが順行に転換しないと天井打ちになる事。来週は更に駆け上がるか?それとも目先は天井打ちになるか?の正念場だろう。

 

いずれにしたって月内には一度撤退で、新システム移行となるGW明けは、また始まってから考えるべきだ。
 何たって板の薄い市場では、例えば誰かが100枚のMO(マーケット・オーダー)の売りを出したとする。今なら特別気配になって徐々に下げて行くだけだが、今度のシステムでは反対側の買い注文を全部喰う事になる。例えば45,000円に10枚、44,000円までに50枚、リミット制限いっぱいのところまででやっと100枚あったとすれば、瞬間に全部成立して45,000円〜42,600円までの複数の約定値段が決定される。瞬間で2,400円安である。

この恐ろしさを知らずして、24時間化は便利だとか、様々な注文形態が出来るのは便利だとかと言う輩は、相場を知らぬ人である

だからくどくど言うが、一度撤退して様子見をしないといけない。下手すりゃやる人は居なくなるし、居なくなるという事は決済不能になる。人気は穀物相場に移るだろう

取引所やお偉いさんの言う甘言は信用してはならない。誰も一般投機家の事など考えておらず、国際標準など外資のためでしかない。外人にカネを貢いでどうなる?

 

さてガソリンとのサヤ関係であるが、週末現在では以下のとおり。

月日

4月10日(金)

 

 

 

 

限月

ガソリン

限月間サヤ

灯油

限月間サヤ

ガソリン−灯油

5月限

\44,330

 

\43,860

 

470

6月限

\45,390

1,060

\43,860

0

1,530

7月限

\45,770

380

\43,720

-140

2,050

8月限

\45,760

-10

\43,770

50

1,990

9月限

\45,680

-80

\44,330

560

1,350

10月限

\45,380

-300

\45,150

820

230

 …中略…

 

○ガソリン−灯油比差週足

…削除済み…

本来ならば今後11月限・12月限と出る度に逆転して行くのだろうが、何たってシステムの問題がある。手仕舞いできなきゃ、利益も絵に描いた餅だ。

 

9日現在の輸入採算価格は…中略…

 

 

4/4時点での灯油在庫は、…中略…

 

国内内部要因では…中略…

 

 結論として当方の相場観は、47,000円台目標であるが、ぼちぼち撤退を考えたい。どうせGW前には撤退しないといけないのだから。

 

 

 

〔貴金属〕

 

4月第一週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月30日

\2,873

-73

\2,883

-77

3月31日

\2,918

37

\2,918

35

4月1日

\2,922

4

\2,932

14

4月2日

\2,943

21

\2,949

17

4月3日

\2,919

-24

\2,928

-21

 

今週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月6日

\2,872

-47

\2,880

-48

4月7日

\2,845

-27

\2,846

-34

4月8日

\2,846

1

\2,851

5

4月9日

\2,843

-3

\2,855

4

4月10日

\2,853

10

\2,869

14

 

金相場は、先週号の縮小版においては『2,824円で調整は完了しているとの見方であるゆえ、いずれは上に抜けると思っているものの、現状では中立の見方に戻す。週明けの安値が底とならなければ売り転換する事も視野に入れておきたい』とコメントした。

今週の相場展開は、2,828円(4/7)まで一時下落し、抵抗線の2,824円寸前まで下落。その後は何とか踏み止まっている格好である。

    東京金日足

…削除済み…

現状では4/7以来、雲の中に入っての推移である。まだ「完全に崩れました!」という状況ではなく、2,900円台に再び乗せるようなら場味も変りそうだが、逆に更に弱含むと下に抜けそうだ。

また大暴落になって2,100円とか、2,200円とかまで下がるとも思えないが、それは相場である。絶対は無いわけで、現状では中立を維持した方が良さそうだ

 

    NY金日足

…削除済み…

こちらのチャートは更に弱く、4/5に雲の下に抜けて現在は5日目。今のところ865ドル(4/6)で止まっているが、抜けたら800ドルまで下がるケースも十分考えておく必要があるだろう。

もっともそこまで下がれば買い場になると思われ、仮に1ドル=100円でNYベース800ドルなら、国内換算価格は2,580円程度である。今から300円ほどの下げを大きいと見るか?大した事がないと見るか?は、その人の資力と相場観だな。

 

基本的に「通貨不安」は容易に解決しない問題と思われ、また株式市場もまだ下落する場面もあるだろう。そうなると金は再度買われるわけで、大手金融機関やアナリストも予想価格を上方修正し、弱気に見ているところは聞かない

為替の専門家である若林栄四氏の5000ドル説はオーバーとしても、大体が1,000ドル以上〜1,200ドル程度となっている。どこでまた、そういう買い人気が出るかという事だろう。

連休明けのNY金の動きに注目だな。

 

なおNY市場でのファンドポジションは、…中略…

 

また4/9現在のETF残高は…中略…

 

結論として当方の相場観は、2,824円を割り込むようなら、最大2,580円程度までの下落は有り得るだろう。しかしそれで金の相場が終ってしまったという事ではなく、下落場面は絶好の買い場であろうと考える。

 

 

4月第一週のプラチナの値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月30日

\3,516

-112

\3,505

-138

3月31日

\3,578

62

\3,580

75

4月1日

\3,575

-3

\3,588

8

4月2日

\3,637

62

\3,640

52

4月3日

\3,706

69

\3,738

98

 

今週のプラチナの値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月6日

\3,736

30

\3,755

17

4月7日

\3,755

19

\3,757

2

4月8日

\3,716

-39

\3,705

-52

4月9日

\3,860

144

\3,869

164

4月10日

\3,914

54

\3,928

59

 

プラチナ相場は、先週号の縮小版においては下手すりゃ4,000円までノンストップなのかもしれないが、今さら新たには買えない。3,300円台辺りまで調整してくれれば買う気にもなるが、様子見しかなかろうとコメントした。

今週の相場展開は、金に相反しての独歩高が続き、週末まで3,928円と年初来高値の更新。どうにも止まらない情勢だ。

○東京プラチナ日足

…削除済み…

ちょっと押すとすぐ倍返しで切り返し、ついに3,900円台に乗せて来た。「買えない相場は高い」という格言どおりの展開で、今週もまた200円ほど上昇して終ったわけだ。

売っているわけではないので仕方ないが、雲の上に出た2月からずっと買い続けていれば1,000円は上がっている。うまいふりして、途中で降りたら、相場って言うのは大きく取れないね。道中で売り線が出たわけではないゆえ、ずっと持っていれば良いだけなのにね。そういう事が出来れば、坂本会長のようになれるんだろうが…(苦笑)

 

    NYプラチナ日足

…削除済み…

NY市場でも、金は売り線に変化しているのに逆行し、プラチナは上昇に拍車が掛かって来ている。サイクル的にはそろそろ調整が入ってもおかしくない時期なので、それを待ちたい事には変りはないが…

 

なぜプラチナだけが独歩高なのかの原因であるが、「自動車産業の低迷が織り込み済みになり、大きく売られていた分を景気回復期待の台頭が挽回している。また各国の新車購入奨励策などが好感された」というくらいで、具体的に何という事は無い。ただし明確な強材料が無いので、相場がなかなか天井を打たないわけだ。

相場では「材料無しでの上昇が一番強い」わけで、「材料は出たら終い」である。この辺の感覚は、ある程度相場を実践した人にしか判らない感覚だな。大概、素人は材料で売り買いするから…

 

なお金とのサヤであるが、週末現在で3,928円(プラチナ)−2,869円(金)=1,059円

    白金−金比差週足

…削除済み…

昨年来、一時プラチナ価格が金を下回った時に、「それはおかしい」とプラチナ買い・金売りを推奨したわけだが、400円超で利食い推奨してしまった。実際はチャートを見ると、そこからがおいしいところだった。なかなか徹底できないもんだね。

 

なお国内内部要因であるが、…中略…

 

結論として当方の相場観は、非常に強い相場展開で上昇している相場だが、押し目が入らない相場は無い。焦れて高値飛び付き買いにならないように、我慢して待つのが良いだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

4月第一週のコーンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

3月30日

\20,420

-280

\20,740

-170

3月31日

\20,640

220

\21,050

310

4月1日

\21,000

360

\21,520

470

4月2日

\20,710

-290

\21,490

-30

4月3日

\20,720

10

\21,530

40

 

今週のコーンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

4月6日

\21,000

280

\22,310

780

4月7日

\20,880

-120

\22,250

-60

4月8日

\20,620

-260

\21,380

-870

4月9日

\21,050

430

\22,040

660

4月10日

\21,070

20

\22,030

-10

 

先週号の縮小版においては『常に前回押し目を下回らないで上昇しているだけに、このパターンが崩れないと天井打ちとはならないとコメントした。

今週の相場展開は、コーンは年初来高値の更新で22,310円(4/6)まで上昇8日には21,380円まで急落するものの、その後再び22,000円台を回復して終了である。

    東京コーン日足

…削除済み…

チャートでは2月末に完全に雲の上に出てから、32営業日を経過。3,000円ほど上昇している。

チャートパターンは、常に前回押し目を下回らないで上昇しているだけに、このパターンが崩れないと天井打ちとはならない30度の角度で上昇している展開でもあり、急角度での上昇という過熱感が無いために踏むに踏めない相場でもあろう。

 

    シカゴコーン日足

…削除済み…

こちらも3月半ばに雲の上に出てから、19営業日を経過。4/9米農務省需給報告は、やや強気寄りとは言え事前予想の範囲内で、3連休前の利食いで下落。

 

さて天候相場期序盤戦に突入した相場だが、現状のコーンを取り巻く現状を整理してみよう。

1、          作付面積は8500万Ac(前年は8600万Ac)となっており、これが実現されれば供給に不安は無い。

2、          米国の期末在庫は14%超世界在庫は17%超あるわけで、そちらの不安も全く無い。

3、          問題は需要面であり、特にエタノール需要がどうなるか?しかしガソリンへの混合比率を10%→15%に高める法案は先送りになりそうな気配。

4、          作付け前の天候はウェットであり、今後作付け遅れや洪水が懸念される。ファンダメンタルズでは唯一の強材料であるが、もっともそうなった昨年でも、結果的には大豊作となった。

5、          実際の強材料としては、年金資金などがまた穀物市場に入り始めているらしい。

 

 結局、上がる理由はさしてないわけで、「天候相場のプレミアム」を買いに行っているわけだ。そして年金資金の流入もあり、チャートは買いになっている。だから売り方は、多くは売りづらい。でも材料が買いではないので、踏むにも踏めない。

 つまり今はチャートで買いであるが、天候相場期間中には天井を打つ。打ったら本格的に売りで取れば良い。それまでは押し目を買って、市場人気に逆らうな!という事だ。

 

 

4月第一週の一般大豆の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月30日

\36,900

-110

\36,760

-1190

3月31日

\36,990

90

\37,380

620

4月1日

\39,100

2110

\39,160

1780

4月2日

\39,490

390

\39,700

540

4月3日

\40,400

910

\40,000

300

 

今週の一般大豆の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

4月6日

\42,000

1600

\41,740

1740

4月7日

\41,520

-480

\41,400

-340

4月8日

\41,300

-220

\39,850

-1550

4月9日

\42,680

1380

\41,360

1510

4月10日

\42,560

-120

\41,370

10

 

一般大豆である。今週は週明けに41,740円(4/6)まで上昇し、年初来高値を更新。その後8日には4万円割れまで2,000円ほど急落するが、週末に掛けては引き戻した。

    一般大豆日足

…削除済み…

雲の上に出て18営業日を経過。たまに急落するのでチャートは汚い格好になるわけだが、現状では明らかにコーンよりも上昇余地があるように見える

 

    シカゴ大豆日足

…削除済み…

こちらは雲の上に出て7営業日目。3連休前の需給報告では急騰したが、その後は利食い売りで上昇幅を消した。連休明けに買い上げられるかどうかに注目だ。

 

さて天候相場期序盤戦に突入した相場だが、現状の大豆を取り巻く現状をコーン同様に整理してみよう。

1、       作付面積は7600万Ac(前年は7570万Ac)と微増であり、今年は8000万Acほどまで増大するのでは?という事前予想から大きく乖離している。

2、       もっとも農地全体で756万Acの減少予測(単に決めていないだけかもしれない)で、今後その分が大豆に廻るかもしれない。

3、       さらに現在のウェットな天候でコーンが減れば、大豆の作付面積は増加するかもしれない。

4、       昨年の生産高は、単収が39.6で29億5900万Bu。ただし一昨年は単収41.7であり、今年豊作ならばこの作付面積でも31億Buを突破してもおかしくない。

5、       だが現状の米国期末在庫は、また下方修正されて5.5%の需給逼迫

6、       もっとも世界在庫では17%超とむしろ供給過剰

 

 さて以上の事から考えた場合、今はチャートとインデックス・ファンドの資金流入+天候プレミアムでどこまで買い上げるか?という事だ。

 最終的には天候相場期のうちに天井を打って暴落するのだろうが、「山高ければ谷深し」の山を作るのが先というわけだろう。

 冷静に考えればGW前は買い戦略、その後は売り場探しという事なのだろうが、証拠金の安い銘柄でもあり、東工取の新システムを嫌っての資金流入もあるだろうから、ある程度の大きな山が出来るかもしれない。

 

結論として当方の相場観は、天候相場期中に天井は打つと思うが、目先の相場はまだ上に行きたがっている。GW前までは押し目買い継続、その後は天井探しが良しと見る。

 

 

 

〔ゴム〕

 

4月第一週のゴムの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

3月30日

144.4

-3.3

150.7

-3.5

3月31日

148.0

3.6

153.6

2.9

4月1日

150.0

2.0

153.8

0.2

4月2日

152.6

2.6

158.1

4.3

4月3日

157.7

5.1

163.8

5.7

 

今週のゴムの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月6日

163.5

5.8

169.9

6.1

4月7日

169.5

6.0

174.7

4.8

4月8日

164.1

-5.4

167.7

-7.0

4月9日

170.0

5.9

174.7

7.0

4月10日

170.1

0.1

174.3

-0.4

 

先週号の縮小版においては『高値飛び付き買いは嫌な思いもするだろうが、目標値はズバリ倍返しの184.8円だ』とコメントした。

今週の相場展開は、週末には高値で178.0円まで上昇。目標値に王手が掛かる値位置まで来た。

    東京ゴム日足

…削除済み…

8日に7円安を演じたり、道中急激な押しを入れるものの、結局は高値追いする情勢。チャートでは雲の上に出て15営業日を経過

ビック3の問題はもはや材料にはなっておらず、中国の新車販売台数が過去最高になった事や、ドイツ・日本の新車購入支援策も材料視されている。

 

 当先のサヤは4月限170.1円〜9月限174.3円と4.2円の順ザヤ。順ザヤ拡大で大きく買われているわけではなく、期近から堅調な相場展開は弱くない。

週末現在の輸入採算価格は、5月積みで178.6円東京市場の5月限は173.0円であるため、5.6円の下ザヤとなっている。通常は10円程度の下ザヤであり若干買われ過ぎ。だが内外とも歩調を合わせて上がっている情勢では、東京市場だけ過熱感があるとは言えない。

なおタイの集荷状況だが、数トン〜20トン程度と減産期の影響が大きい。減産期明けは通常なら5月。

国内営業倉庫在庫は3月20日現在で348トン増10,434トン。4/3現在の上海在庫は185トン減の56,488トン。

上海相場も年初来高値の更新中だ。

以上3点では、まだ強い相場である。

 

週末現在の取り組みは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、今すぐ調整が入っても10円程度の押しだろう。すぐに入らなければ184.8円目標であり、それでも止まらないと青天井だろう。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週も幾つかのチャートをアップ。

    ドル/円相場日足

…削除済み…

101.43円(4/6)まで円安が進行した後は、100円を挟んだもみ合い中。さらに円安が進行するならば、99円→93円まで円高になった倍返しで105円台が目標になる。

逆に101円が天井の可能性も皆無ではない。それは指数の逆行が出ているから。

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

137.38円(4/6)まで円安となった相場だが、ドル/円同様に指数の逆行も出ている。ただし3段逆行というのもある…

 

    ユーロ/ドル日足

…削除済み…

結局は雲の上には出ていない。つまりドル高・ユーロ安のトレンド転換にはなっていないという事だ。NY金が伸び悩んでいるのは、このためだろう

 

    大豆−コーン比差日足

…削除済み…

大豆が上がればコーンも上がる、大豆が下がればコーンも下がるのは当然だが、金とプラチナ、ガソリンと灯油のようにこれも結構変動はある。

一見して白金−金比差チャートに似ていないか?これを見ると、まだ大豆買い・コーン売りが良さそうに見えるのだが、さて?

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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