商品市況展望 割愛版

平成21年8月30日記

 

 先週号でちょっとコメントしたのだが、NY株式市場でシティグループとAIGの株価が急騰している。この週末もダウは調整安したが、これらは下がっていない。

    シティグループ

http://finance.yahoo.com/q/bc?t=3m&c=&s=C

 週末現在では5ドル台であるが、100年に一度の危機と言われた昨秋からの暴落で、僅か1ドル以下まで下がったところからは5倍だ

    AIG

http://finance.yahoo.com/q/bc?t=3m&c=&s=AIG

 同じくAIGの株価は50ドル台まで回復で、安値のピーク時は7ドル以下まであったのだから7倍以上になっている

 

 もっとも金融危機が出る前には、シティは大体50ドル、AIGは1,500ドル近くしていたのだから、それぞれ50分の1、200分の1以下まで暴落してから戻っているわけだ。上がったとは言え、元に戻ったというわけではない。

 ただしゴールドマン・サックスは、ほぼ戻っている

    GS

http://finance.yahoo.com/q/bc?t=3m&c=&s=GS

 現在の株価は160ドル台であり、金融危機前の250ドル→50ドル以下まで下がったが、かなりの部分を回復している。

 しかし個人投資家がする投資という意味で考えるのならば、50ドルが160ドルになるよりも、1ドルが5ドルになる方がおいしいに決っている。使う金が少なくて5倍になったのだから…

 その他、モルガン・スタンレーにしろ、JPモルガンにしろ、バンカメにしろ、株価はすべて上昇している。そりゃ、ヘリコプターでカネをばら撒くような政策をしているのだから、上がるのも当たり前かもしれないが、儲けのチャンスはここにあったという事だ

 

 一方で商品相場は、インドの干ばつの影響を受けている砂糖相場が、およそ30年ぶりの価格高騰。これはファンダメンタルズに基づく上げかもしれないが、およそ30年ぶりの全米在庫水準となっている原油も70ドル台。

 実体経済で考えれば、そんなに高値があるのかな?という思いの方が強いわけだが、世の中の流れは「株価は上がる、原材料は上がる、製品は下がる、給料は下がる」という風に進んでいる。

 

 この流れがどこまで続くのか判らんが、民主党政権誕生は(このコメントを書いている時点では、まだ決定したわけではないけれども)人々のフラストレーションの高まりとも言えると思う。

 フラストレーションが高まれば、人はヒステリックになる。ヒステリックになれば、行動は極端になり、相場もまたそういう動きをするのだろうと思う。冷静に見極める事が出来れば、そこには金儲けのチャンスが転がっているだろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

8月24日

\18,700

330

\19,450

460

8月25日

\18,530

-170

\19,400

-50

8月26日

\18,530

0

\19,440

40

8月27日

\18,390

-140

\19,300

-140

8月28日

\18,500

110

\19,420

120

 

まずはコーンから…先週号においては『ファンダメンタルズ、インデックスファンドの規制などを考えれば、どうしても仕掛けは売りからとの見方になる。しかし弱材料は皆知っているし、何よりも原油など他商品が高く、インフレ懸念が払拭されない。となると、売られた場面は戻るので、引き付けての売りがベターか』とコメントした。

今週の相場展開は、19,000円台半ばで完全な硬直状態。

    東京コーン日足

…削除済み…

どう見ても24,740円(6/2)は今年の天井だろうし、21,100円(8/5)も2番天井である可能性は高いが、今週も下値は堅かった。

一目均衡表チャートでは雲の下での推移であり、今週の高値時点ではその下限に接近である。この辺を上値抵抗線として再び下げだせば、相場は崩れて行くと思う。

しかしこの期に及んでもまだ下げないで雲の中に入るようなら、18,000円(7/13)で底を打ったとの観測も広がるかもしれない。買いに転じる気は無いけれども、売り方針もしばらく封印だ。

 

なぜこんな事になっているのかと言えば、もちろん他商品高やインフレ懸念というのもあるだろうが、今年は作付けが遅かったのでまだ天候相場が続いているからだ。

今のところ天候は良好で、大豊作は確定的だと思われている。またインデックスファンドの手仕舞いという弱材料もある。それでも崩れないのは、やはり最後の最後までわからんじゃないか!という見方もあるからだろう。

仮にあなたが21,000円とか22,000円とかで買っていたとしたら、もうダメかもしれないと思ったって、最後の大どんでん返しを期待して、とりあえず収穫終了までは粘るでしょ!という事だ。

 

 さて今週も一代の動きをアップすると…

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年11月

\19,620

10月16日

\24,370

6月3日

\14,860

12月9日

\18,500

2010年1月

\16,290

12月16日

\24,410

6月3日

\16,400

1月15日

\18,480

2010年3月

\18,390

2月16日

\24,520

6月3日

\17,610

2月18日

\18,880

2010年5月

\22,420

4月16日

\24,740

6月2日

\17,890

7月13日

\19,150

2010年7月

\22,620

6月16日

\22,860

6月16日

\18,000

7月13日

\19,220

2010年9月

\19,100

8月17日

\19,510

8月26日

\18,710

8月21日

\19,420

 先物9月限はまだ発会して僅かだが、今週は19,510円を記録だ。しかし上下でまだ800円の値動きしかなく、これでは動いていないのと同じだ。

 

    シカゴコーン日足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

週末28日のシカゴ市場は、新穀12月限で前日比0.25セント安の329セントと全く動いていない。

 

現在のところ天候は良好シルキングはすべて終わり、これから収穫までにはドウステージ中身が徐々に柔らかい固まりになって行く課程)→デントステージドウステージから約3週間後の時期で実が固くなる)と進んで行くわけだ。

8/23現在のドウステージ進捗率は、主要18州平均で57%デントステージ進捗率は、同9%となっている。このドウステージで懸念されるのは早霜であり、そうなるとコーンが固まらないソフトコーン状態になってしまう。ただしデントステージまで進んでしまえば、多少の天候悪化は全く関係なくなる

 

…中略…

 

結論として当方の相場観は、現在のところ天候は順調であり、買われる材料は無し。しかし他商品高の影響もあり、底堅い相場が続いているわけで、ここに早霜予想が出れば相場は一度舞い上がるだろう。そこが絶好の売り場になると考えるが、早霜予想が出るか出ないかまでは、当方の予測の範囲外だ。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

8月24日

\40,800

H1800

\41,700

1790

8月25日

\40,760

-40

\40,930

-770

8月26日

\41,380

620

\41,700

770

8月27日

\41,000

-380

\41,300

-400

8月28日

\40,830

-170

\41,430

130

 

続いて一般大豆です…先週号においては『基本的には売り相場であるとの見方なのだが、どうもあっさりと崩れないし、下げた後は戻す展開が続いている。売りは売りだが、戻った場面を売らないと苦労しそうな相場である』とコメントした。

今週の相場展開は、41,000円台でのもみ合い。

    東京一般大豆日足

…削除済み…

一目均衡表チャートでは、雲の中に入っての推移。完全にもみ合い相場に突入している。

7/13、8/21と安値を記録した日はコーンと全く同じで、6/12(コーンは6/2)、8/13(同8/5)と高値を記録する日はちょっと遅れる図式。

 

ともかく今年の天井は47,560円(6/12)で決まり、44,580円(8/13)はおそらく2番天井だろうと思っているわけだが、なかなか簡単には崩れないで戻ってしまう。他商品高の影響もあろうが、まだ天候相場期が続いているからというのもあるのだろう。

 

一代の推移は以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年10月

\35,390

10月16日

\51,700

7月2日

\29,920

12月18日

\40,830

2009年12月

\31,240

12月16日

\47,910

6月12日

\30,210

12月18日

\41,050

2010年2月

\36,300

2月16日

\47,690

6月12日

\33,620

3月4日

\41,320

2010年4月

\43,000

4月16日

\47,560

6月12日

\37,090

4月28日

\41,530

2010年6月

\44,720

6月16日

\45,280

6月18日

\37,510

7月13日

\41,520

2010年8月

\41,310

8月17日

\41,700

8月24日

\39,360

8月21日

\41,430

 発会してまだ2週間の8月限は大した動きは無く、またサヤは順ザヤへと変化中。10月限を受けて舞い上がらせると言った仕手も、今のところ大曲りだな。

 

    シカゴ大豆週足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

週末28日のシカゴ市場は、新穀11月限で前日比15セント高の1011セント。また10ドル台を回復だが、もっとも週末の夜間取引ですでに上がっていたので、東京市場換算では130円高だけ。

 

この週末も中国の買い付け11万トンが確認され、旧穀のタイト感は払拭されていない。また新穀もまだ天候相場が続いているので、下げ切れない展開が続いているわけだ。

 

大豆の開花期は終わり、8/23現在での着鞘進捗率は主要18週平均で85%とこれもほぼ完了。クロップコンディションは良い・非常に良いの合計は69%とこれも悪くない。

…中略…

 

結論として当方の相場観は、出るかどうかは判らぬが、早霜予想が出れば一度舞い上がり、そこが売り場になるのだろうと考える。現状の底堅い相場展開は、そうやって一度舞い上がった方が売りやすく、わかりやすい相場になるのだろうが。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月24日

\2,912

78

\2,918

78

8月25日

\2,860

-52

\2,866

-52

8月26日

\2,857

-3

\2,880

14

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

8月27日

\2,852

-23

\2,859

 

8月28日

\2,866

14

\2,871

12

 

金相場は、先週号においては『週明けの戻りはともかくとして、火曜日以降も大して下げないのであれば、またしても流れが変わって、調整は終了したのだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの上昇〜2,925円(8/25)まで記録。しかしその後はまた2,900円台を割り込み、方向感の無い展開となった。

    東京金日足

…削除済み…

現状の2,900円辺りは、居心地の良い水準なのかもしれない。3,000円台から上は利食い先行となろうし、何らかの大きな材料が出ないと定着は難しそうだ。逆にもし2,800円、2,700円と下がるのならみんな買いたいわけであり、だから底堅いわけである。

 

最近の金相場は基本的に、大きく下がった場面を買っておけば儲かる図式となっているわけだが、問題はその幅が幾らなのか?ということ。その判断が難しいわけだ。

 

一代の動きでは、以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年8月

\2,926

8月27日

\3,073

6月8日

\2,104

10月27日

\2,857

2009年10月

\2,375

10月29日

\3,065

6月8日

\2,176

11月13日

\2,866

2009年12月

\2,445

12月19日

\3,081

6月8日

\2,319

1月15日

\2,866

2010年2月

\2,998

2月25日

\3,083

6月8日

\2,693

7月14日

\2,869

2010年4月

\2,871

4月27日

\3,088

6月8日

\2,692

7月14日

\2,868

2010年6月

\2,906

6月26日

\3,005

8月10日

\2,691

7月14日

\2,870

2010年8月

\2,871

8月27日

\2,877

8月28日

\2,843

8月28日

\2,871

2009年8月限は、26日に2,857円で納会。27日に発会した2010年8月限は、まだ2日間しか経過していないため、これからだ。

 

    NY金週足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

週末28日のNY金は、前日比11.5ドル高の658.8ドル。高値964.6ドル、安値949.5ドルと振幅は大きい。国内換算ではすでに夜間取引で2,900円ジャストまで記録しているので、週明けはそんなに動きそうも無い。

 

ただし、この960ドルを突破したNY金のチャートは、悪い格好ではない。目先の関門は971.1ドルが控えるが、底堅めして上昇トレンドに入りそうな格好ではある。

 

8/25現在のNY市場のファンドの動向は、…中略…

8/21現在のSPDRのETF残高は、…中略…

また同日のリースレート…中略…

 

なお8/29付けの日経新聞・商品欄には『金ETF投資頭打ち』の見出しで、残高がピーク時から6%減少したとの記事が載っている。景気不安が後退しているため、金を売って株を買う動きが一部で出ているという

そうであれば、今までは商品(金)と株は同じように上がる時は上がる、下がる時は下がるという正比例の関係だったが、これからは教科書どおりに反比例の関係に戻るかもしれない。

 

…中略…

 

結論として当方の相場観は、調整が出れば買いたい人は多いだろうが、現状では高値圏に居るため利食いも入りやすい。基本は買いだが、逆張りの対処がベターか。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月24日

\3,836

115

\3,826

114

8月25日

\3,767

-69

\3,766

-60

8月26日

\3,759

-8

\3,774

8

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

8月27日

\3,720

-69

\3,719

 

8月28日

\3,754

34

\3,742

23

 

プラチナ相場は、先週号においては週明けはともかくとして、火曜日以降も大して下げないか、あるいは上昇するのであれば、調整は完了だろう。その場合は4,000円を目指して上がって行くと見るとコメントした。

今週の相場展開は、週明けは急騰して3,800円台に乗せるものの、翌日の火曜には反落して3,700円台に舞い戻った。そのため週後半は、もみ合いの展開で推移した。

    東京プラチナ日足

…削除済み…

火曜日以降も大して下げないか、あるいは上昇するのであれば、調整は完了だろう」としたものが、そうならなかったのだから、現状では若干右肩下がりのチャートである。

しかし下値も底堅く、雲の上での推移は、きっかけさえあればまた舞い上がる可能性は高い

 

特に今週は、南アでインパラ・プラチナム社の賃上げ交渉決裂により、鉱山ストが発生。普通ならこれで舞い上がって不思議ではないのだが、何故か上がらなかったので、市場参加者は不思議な思いで見ていたはず…

相場では「強材料に反応しない相場は天井を打っている」という事もあるのだが、後で冷酒のように効いてくるのかもしれないし、来週の動きを見守りたい。

結論から先に言えば、トレンドを上に切ったらすぐに買う。逆に下値抵抗線を切るようなら、値頃感無用で一度売ってみる。買いの場合は中長期で、売りの場合は短期で、との方針だ。(トレンドと下値抵抗線は、チャートを参照)

 

さて今週も一代の動きをアップしてみると…

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年8月

\4,975

8月27日

\5,123

9月1日

\2,278

10月27日

\3,759

2009年10月

\2,590

10月29日

\4,030

6月8日

\2,276

12月12日

\3,754

2009年12月

\2,450

12月19日

\4,028

4月13日

\2,401

12月24日

\3,748

2010年2月

\3,230

2月25日

\4,035

6月8日

\3,200

7月9日

\3,751

2010年4月

\3,695

4月27日

\4,036

6月8日

\3,202

7月13日

\3,751

2010年6月

\3,719

6月26日

\3,952

8月7日

\3,227

7月13日

\3,749

2010年8月

\3,731

8月27日

\3,754

8月28日

\3,700

8月27日

\3,742

 2009年8月限は26日に納会。27日からスタートした2010年8月限は、まだ2日間の推移なので、動きはこれからだろう。

 

    白金−金比差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは3,742円(プラチナ)−2,871円(金)=871円。貴金属相場自体がもみ合いなので、全く動いていない。

 

結論として当方の相場観は、来週前半で上に抜けるか?下に抜けるか?に注目。動いた方に順張りで付くのを良しと考えたい。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月24日

195.4

5.2

204.8

10.8

8月25日

197.2

1.8

201.5

-3.3

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月26日

196.3

5.4

206.8

 

8月27日

194.3

-2.0

206.8

0.0

8月28日

201.0

6.7

210.9

4.1

 

先週号においては『チャートではここから上に行くか、下に行くかの正念場。本文中を参考に、動いた方に付くべし。またゴム自体の懸念は、中国製タイヤへのシセーフガードが発動されるか否かであろう』とコメントした。

今週の相場展開は、調整安を終了した相場が再び上昇を始め、週末には210円台を回復。なお夜間取引では、先物引継ぎ足だが8/14の高値を更新する214.2円まで記録している。

    東京ゴム日足

…削除済み…

今週も予想通りの動きだ。先週号で『この後190円台を割り込むようならまずは180円、それ以下と調整は深くなるだろうが、ここで下がらず200円を奪回するようなら、相場はまた押し目買いに転換するだろう』としたが、先週の安値である191.4円(8/19)を下回らずに上げたのだから、やはりこうなったか!という図式だ。

ファンドは順ザヤ相場を、先に先にと乗り換えて買っている。トレンドに乗っているから、それも利食いした後に枚数を増やして買っているようだ。高値から20円超押してからの上げゆえ、倍返しの230円台を狙っているのだろう。

 

ただし結論から先に言えば、この上昇は最後の上昇だろうと思っている。9月には中国製タイヤへのセーフガードが発動される可能性も高く、また米国の自動車買い替え支援制度はすでに終了しており、ファンダメンタルズでの後押しは無くなるだろう。

今度の上昇が何時まで続くのか?どこまで高値があるのか?の判断は難しいだろうが、9月中に天井を打つのではあるまいか。

 

今週も一代の動きをアップすると…

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年8月

134

2月24日

206.2

8月14日

127.8

3月3日

197.2

2009年9月

149

3月26日

204.7

8月14日

148

6月23日

201

2009年10月

159.2

4月24日

206.3

8月14日

149.1

6月24日

200

2009年11月

164

5月26日

209

8月14日

150

7月13日

202.1

2009年12月

154.5

6月25日

211.5

8月14日

152.2

7月13日

205.3

2010年1月

190

7月28日

214

8月14日

180.3

7月30日

208.1

2010年2月

202

8月26日

212.4

8月28日

200.5

8月26日

210.9

 前述のとおり、先物2月限は夜間取引で214.2円1月限が記録した高値を更新している。

 

当先のサヤは9月限201.0円〜1月限210.9円と9.9円の順ザヤ。現状のようにファンドによる上昇相場の場合は、サヤの拡大は強材料になる。

週末現在の輸入採算価格は、9月積みで207.0円東京市場の9月限は201.0円であるため、6.0円の下ザヤとなっている。通常は10円程度の下ザヤであり若干買われ過ぎである

産地の集荷は一日当たり60トン〜140トン。

国内営業倉庫在庫は8月10日現在で380トン減7,449トン。7旬連続の減少であり、かなりの低水準だ。
 だが8/28現在の上海ゴム在庫は、7,577トン増の82,517トン。8週連続の増加であり、年初来の水準を更新中。

なお上海ゴム価格は19000元台に上昇。ただし東京の214円に当る8/14の高値には届いていない。

以上を考えると、ゴムの現物は中国にあるという事。

 

なお産地情勢であるが、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、ファンド買いが続く限り、相場はなお高値追いするだろう。しかしこの上昇が最後の上昇局面であると思われるため、9月中には天井を打つだろうと見る。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月24日

\43,100

500

\44,620

1500

8月25日

\42,900

-200

\43,530

-1090

8月26日

\42,660

-240

\42,720

-810

8月27日

\42,590

-70

\42,050

-670

8月28日

\42,740

150

\42,810

760

 

まずは原油から…先週号においては今年の高値更新を果たしたNY原油は、チャートでは88ドルを目指す上昇トレンドである。実体経済がそこまでの高値を許容するかどうかわからぬが、東京市場も年初来高値更新を果たす可能性は大であろう』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は8/25に75ドルジャストまで上昇。しかしそこからは反落して、70ドルを割れるかどうかという水準まで下落した事によって、国内市場は高値更新ならずの調整局面入りとなった。

    NY原油週足(週末28日分は入っていません)

…削除済み…

週末28日のNY原油は、前日比0.25ドル高の72.74ドルで終了。年初来高値である75ドルからは上に走らず反落したが、まだ崩れたと言う相場でもない。仮に70ドルを割り込んだとしてもそれは同じで、崩れたと言うなら65ドルも下回らないとそうは言えないだろう。

ただし先週コメントした88ドル目標も、上に走れなかった事で現実味が薄くなったのは事実。穀物市場に対するCFTCのインデックスファンド規制問題は、いずれ原油や金などの市場にも適用されるのではないか?という懸念が、高ければ利食いを先行させようという思惑に繫がっているものと思われる。

 

こういう状態では、おそらく何らかの大きな材料が出るまでは、逆張り相場だな。高けりゃ売り、安けりゃ買いの戦法だが、そういうトレンドが出ない相場はどうせ大して儲からん。積極的な仕掛けはせず、様子見が良いだろう。

 

    東京原油日足

…削除済み…

東京原油は、週明けに上昇したが45,000円台目前から反落46,350円(8/10)の高値にチャレンジできず、42,000円まで値を消す展開となった。

更に下げるとWトップのようなチャート線形になるが、最近の相場はそういう場面がダマシで買い場になったりするので、仮にWトップが完成したからと言って安値は売りたくない。チャートでは41,400円を割り込むと、Wトップの完成となる。

 

なお一代の動きは以下のとおり…

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年8月

\25,750

3月3日

\44,500

8月7日

\25,270

3月3日

\42,740

2009年9月

\31,140

4月2日

\44,400

8月14日

\29,850

2月28日

\41,920

2009年10月

\36,130

5月7日

\44,810

8月14日

\33,500

5月18日

\42,140

2009年11月

\39,220

6月1日

\45,590

8月10日

\34,750

7月13日

\42,350

2009年12月

\43,080

7月1日

\46,030

8月10日

\34,830

7月14日

\42,540

2010年1月

\43,780

8月3日

\46,350

8月10日

\41,400

8月18日

\42,810

 

28日のドバイ原油+オマーン原油は、…中略…

 

また8/25現在のNY市場でのファンドポジションは、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、目先は逆張り相場に突入しただろう。トレンドが出ないと儲からないので、しばし様子見が妥当だろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月24日

\52,020

720

\51,060

1740

8月25日

\51,460

-560

\50,110

-950

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

8月26日

\49,610

-780

\49,690

 

8月27日

\48,840

-770

\48,800

-890

8月28日

\49,180

340

\49,180

380

 

 続いてガソリンです…先週号においては『実需に不安があっても、大元の原油価格が高騰すればガソリンも上がらざるを得ない。ファンダメンタルズが悪いので、買いづらい(むしろ売りたくなる)状況が続くと、逆に踏み上げ相場にならないと天井を打たない可能性もあるだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けに上昇して51,000円台まで上がるものの、新高値更新はならず反落。49,000円どころまで反落し、相場はもみ合いに入った気配。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

NY原油が75ドルから反落したため、東京ガソリンも連れて下がった図式。チャートは右肩下がりで重く、Wトップ形成も懸念されるが、まだ雲の上での推移でもある

上昇相場は完全に終了しました…という格好でもなく、かと言って上昇の勢いは現在止まっている状況だ。

 

さて一代の動きでは…

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年9月

\38,510

2月26日

\53,330

6月12日

\35,970

3月3日

\51,460

2009年10月

\44,160

3月26日

\52,910

6月12日

\37,240

4月28日

\49,180

2009年11月

\40,290

4月27日

\53,000

6月12日

\36,850

4月28日

\48,860

2009年12月

\43,870

5月26日

\53,250

6月12日

\40,820

7月13日

\48,590

2010年1月

\49,110

6月26日

\51,790

8月10日

\40,930

7月13日

\48,610

2010年2月

\48,590

7月27日

\52,490

8月10日

\46,230

7月30日

\48,800

2010年3月

\48,920

8月26日

\50,080

8月27日

\48,550

8月28日

\49,180

 26日に発会したばかりの3月限以外は、一代の高値・安値とも更新は無し。

 

ガソリン・原油のサヤは、48,800円(ガソ2月限)−42,810円(原油1月限)=5,990円。相変らずガソリンは割安だ。

 

今週のスポット価格は、…中略…

 

8/22時点でのガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、NY原油上昇の勢いが止まったために、高値更新の事態は遠退いた。チャートは下値模索にも見えるが、切り返せば一発で変わるため、上に行くか下に行くかは原油次第だろう。

 

 

今週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月24日

\48,730

1730

\52,600

1590

8月25日

\48,250

-480

\51,530

-1070

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

8月26日

\48,190

-510

\50,090

 

8月27日

\47,280

-910

\49,310

-780

8月28日

\47,890

610

\49,790

480

 

最後に灯油です…先週号においては『原油・ガソリンと同じような値動きとなるだろう。しかし先物2本が需要期限月なので、原油が急騰となれば灯油は上がりやすいかもしれない』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けは上昇して52,000円台まで上がるものの、その後は反落。そして26日から発会した3月限は需要期明け限月なので、あっさりと5万円を割り込んだ

    東京灯油日足

…削除済み…

先週号で『今年の高値である55,140円(6/12)、先日の高値である54,760円(8/10)は、年初来高値を更新しているNY原油の動向を見る限り、突破するのだろう』としたが、今週伸び悩んだ事によって、その可能性はかなり低くなってしまった

今後よほどNY原油が急騰しない限り、53,000円〜54,000円程度はともかくとして、55,000円突破は厳しいかもしれない。もちろん中物へ移行した1月限・2月限辺りなら可能性もあろうが、3月限では難しいと考えざるを得ない。

 

なお一代の動きは以下である。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年9月

\36,700

2月26日

\51,460

6月12日

\32,220

3月3日

\48,250

2009年10月

\42,900

3月26日

\52,700

6月12日

\37,190

4月28日

\47,890

2009年11月

\40,390

4月27日

\53,910

6月12日

\38,180

4月28日

\48,490

2009年12月

\45,320

5月26日

\55,140

6月12日

\42,300

7月13日

\49,360

2010年1月

\52,910

6月26日

\54,450

8月10日

\42,570

7月14日

\49,840

2010年2月

\50,790

7月27日

\54,760

8月10日

\48,150

7月30日

\50,080

2010年3月

\49,430

8月26日

\50,420

8月26日

\48,430

8月26日

\49,790

 26日に発会したばかりの3月限は、当日に発会から1,000円高と1,000円安を記録。まあ、動くのはこれからだが…

 

27日現在の輸入採算価格は…中略…

 

8/22現在の灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、原油高騰による新高値必至と考えた先週だったが、現状ではその可能性がかなり低くなった。原油相場次第で予断は許さぬが、どちらかと言えば戻り売り有利か。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週は為替2種だけアップ。夜はゆっくりと、選挙速報でも見ましょ!

    ドル/円日足

…削除済み…

    ユーロ/ドル日足

…削除済み…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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