商品市況展望 割愛版

平成21年11月8日記

 

 この週末6日に、米雇用統計の発表があった。それによると失業率は10.2%であり、9月の9.8%から更に悪化。83年4月以来の26年半ぶりの悪化である。

 結局、景気回復だと株価が上がったりしても、雇用なき経済回復だった事が一目瞭然である。

 

 ともかくそれを受けた為替市場は、リスク回避の円買い・ドル売りが進んで、1ドル=89円台への円高である。また原油も雇用情勢の悪化を受けて下落し、穀物もその影響で下落した。

 一方で金相場だけは上昇し、一時1100ドル台に乗せる史上最高値の更新である。リスク資産→安全資産への逃避が見られたわけだ。

 もっとも国内市場の週明け寄り付き換算価格では、円高なので金も10円安程度で上がらない。プラチナは68円安で、原油1,590円安、コーン440円安、大豆1,070円安などと全面安である。

 

 では株価はどうかと言えば、NYダウは一時9,930ドル台まで70ドルほど下げたが、終値は10,023ドルと17ドル高である。ナスダックも小幅高であり、CMEの日経平均だけが小幅安だ。

 日本株だけが上がらないのは、政治的に先が見えないのも大きいのだろうし、市場の構造的に今は増資圧力が強いのだから、株が希薄化する懸念が大きいためだろう。

 また円高とはいえ、ユーロ/ドルではドルも高い。株が下げずに商品だけが下げたのは、案外とこの辺の要因だろう。

 

 当方がこのところ考えている事だが、株価も商品も短期的には失業率や景気動向を映しての上下となるのは当然だとしても、あまり気にしない方が良いのかもしれない。

 なぜなら、根本的にグローバル化する世界においては、先進国の雇用が拡大したりはしないし、人件費=給料が上がる世の中にもならないと思うからである。だから幾ら批判をしても、自民党政権下でのサラリーマンの給料のアップは無理だったが、民主党政権下では仕事そのものが無くなる可能性の方が高いくらいだろう。

 

 何でそんな悲観的な見方を採るのかといえば、そもそも現代のオートメーション化した工場では人が少なくて済む。事務員だって、パソコン1台があれば昔の何人分もの働きをする。農業だって機械化が進んでいるからこそ爺ちゃん、婆ちゃんでも出来るわけで、雇用の受け皿なんかにはならない。

 とにかく世の中は、どんどん人が要らない様にと進んでいるわけだ。もちろん人間は、肉体的な労働から離れてもっと創造的な仕事を…という理想論が有るのはわかる。だがね、皆がみな独創的なわけはないでしょ!小学校時代の自分の周りを見渡せば、そんな事は誰でも分かる話だ。

 

 現代は、工場に機械を入れる代金よりも人件費の方が安い場合のみには雇用が増加する。日本の労働者の一月分の給料が仮に18万円だとした場合、中国は大体1.8万円だと言われている。ましてやカンボジアまで行ったら、何と8,000円だと言われている。それでもカンボジアの労働意欲は高いというし、いずれ彼らの国でもコストアップは避けられないだろうが、今はそれだけの開きがあるわけだ。

相場をやっている人なら良く判る話だが、商品の価格はアービト・ラージが働くから世界的に平準化に向かう。であれば、人件費だけ国際的な平準化が起きないと言えるだろうか?

 つまり中国が今より4.5倍の8万円に給料がアップしたら、いずれ後追いでカンボジアも10倍の8万円になるかもしれないが、日本は今の半分以下の8万円に下がって並ぶ。そうならない保障があろうか?

 

 つまりグローバリズムは、先進国にとってはパンドラの箱であり、安価な製品とともに、貧困も輸入する事になるわけだ

 民主党が言うアフガニスタンなどのテロ問題の原因は、貧困だと言うのもある一面では正しいかもしれない。そしてヒューマニズムの観点からいえば、アフガンの人も、北朝鮮の人も、アフリカの人も等しく裕福になる権利があり、そうなって世界が平和にならないといけない…というのも文句は付けられん。

 そりゃそうなんだが、皆がアメリカ人や日本人の生活になったら食料もエネルギーももたないわけで、平準化されたら自分らの生活水準も50年前に戻さないといけないかもしれない。

 正直、そりゃ嫌です。我がままと言われようが、何と言われようが、そこまで友愛する気にはならんのが、普通の人でしょ。

 

 老婆心ながら、この年末は事件に注意しましょう。不景気で年を越せないとやけになった人が増えると、事件って言うのは増えるからねえ…

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

11月2日

\19,540

-620

\20,530

-570

11月4日

\20,460

920

\21,530

H1000

11月5日

\20,350

-110

\21,640

110

11月6日

\20,210

-140

\21,410

-230

 

まずはコーンから…先週号においては『18,000円で底は入っている相場だろうから、大きな崩れにはならないとの見方である。しかし一方で豊作なのだから、22,000円で当面の天井を打っている事も十分考えられ、相場は逆張りの時期に入ったのではないかと想定している』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けに急落して20,410円(終値では20,530円)まで下落するものの、休み明けの4日にはストップ高まで上昇。その後21,640円(11/5)まで上昇し、週末は若干下げて終了した。

    東京コーン日足

…削除済み…

今週の安値20,410円(11/2)は先物の一代安値の更新だったが、やはり18,000円で底が入っている相場だけに、戻りも急だった。

ただし週末のシカゴ市場の換算で400円以上下げているように、22,000円で当面の天井を打っているため、さすがにいっぺんには上昇しない展開でもある。

予想通り、相場は逆張りにとなっている

 

これがずっと続くのなら、高い日は売り上がれば良い。安い日は買い下がれば良いわけだ。しかし相場は、何時かは思わぬ材料で急騰か、暴落になってどちらかに行くので難しいわけだ…(苦笑)

そのきっかけになるかもしれないのが外部要因であり、今のコーン相場は原油の動向、株式相場の動向、景気の動向、為替の動向など、外部要因の影響も大きい。

 

…中略…

 

そんな中での注目は、10日に出るUSDA需給報告であり、国内市場では11日(水)の相場が注目という事になる。今のところ、豊作は豊作である…という楽観論と、収穫遅れの懸念とが交錯している

事前予想では、インフォーマがイールド164.8Bu/Ac(前回164.7/USDA 164.2)、生産高130億6,900万Bu(前回13,127/USDA13,018)とし、FCストーンイールド164Bu(先月163.3)/Ac、生産量130億400万Bu.と予測。

…中略…

 

よって下に行っても、おそらく2万円割れ程度で止まるだろうし、上に抜けたら怖い事になるだろう。順当なら19,500円〜21,500円の相場であると考えるが、大相場は18,000円割れを目指すのではなく、24,000円を目指す事になるのではあるまいか?

 

 なお一代の推移は以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年1月

\16,290

12月16日

\24,410

6月3日

\16,400

1月15日

\20,210

2010年3月

\18,390

2月16日

\24,520

6月3日

\17,560

9月7日

\20,650

2010年5月

\22,420

4月16日

\24,740

6月2日

\17,760

9月7日

\20,920

2010年7月

\22,620

6月16日

\22,860

6月16日

\17,800

9月7日

\21,000

2010年9月

\19,100

8月17日

\22,120

10月23日

\18,000

9月7日

\21,240

2010年11月

\20,590

10月16日

\22,240

10月23日

\20,410

11月2日

\21,410

 

    シカゴコーン日足(週末6日分は入っていません)

…削除済み…

週末6日のシカゴ市場では、前日比9.50セント安の367.00セント。直近の高値は413.50セント(10/23)であり、安値は359.25セント(11/2)である。

 

週末に売られた原因は対ユーロでのドル高、原油の急落などが大きいが、コーン自体の材料としては、この週末にはドライな天候となり、収穫が進むのではないか?という弱材料が出たためだ。

何たって現在の収穫は、僅か4分の1しか進んでおらず、平年なら7割以上進んでいるのと比べれば、その遅れは異常だからだ当方は「豊作に売り無し」と言って来たが、ここまで遅れると「豊作ってホント?」という事態になりかねない。ただ逆にそれを材料視して買われて来たのなら、収穫進展ならば一度は下げるのだろうが…

 

結論として当方の相場観は、来週は需給報告が注目であるが、それ前後の安い場面は買い場ではなかろうかと考える。18,000円は大底、22,000円は目先天井だが、将来的に抜けるとすれば大底を割り込むのではなく、目先天井を抜けて本当の天井を探しに行くと考えるゆえに…

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月2日

\44,760

-250

\40,450

-330

11月4日

\45,870

1110

\41,710

1260

11月5日

\46,540

670

\41,560

-150

11月6日

\45,910

-630

\41,090

-470

 

続いて一般大豆です…先週号においては『他商品に連れ安してしまった展開だが、そういう場面は買い場ではなかろうかとの見方である。怖い場合は、他商品を売ってヘッジするのか良かろうと考える』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けには39,720円(11/2)と急落して始まった相場であったが、その日のうちに40,450円まで回復。その後も上昇して41,780円(11/4)まで上昇するものの、週末は若干下落して終了する事となった。

    東京一般大豆日足

…削除済み…

基本的に大豆に関しては強気なのだが、どうもまだ上値が重い印象である。週末のシカゴ市場でも下げており、円高もあって来週明けの東京市場換算価格は1,000円以上安い。そのとおりなら、4万円ギリギリの価格でスタートする事になる。チャートでは再び雲の中に入る。

 

なかなかスッキリしない展開だが、いずれにせよ37,000円台で底は入っているだろうから、安い場面は買い仕込むのが良かろう

ましてや大幅逆ザヤであり、期近は内部要因からも、また収穫遅れで国内に渡し玉は間に合わないという情勢からも、下げ余地は少ないだろう。高い期近が下げないで、どうして先物だけ安値追いする事になろうか?それは無いだろう。

 

結論から先に言えば、4万円台からは1,000円幅の難平買い(ナンピン買い)がお奨めだ。大豆は麦ではないけれども、踏まれて強くなるだろう。

 

 なお一代の推移は以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\31,240

12月16日

\47,910

6月12日

\30,210

12月18日

\45,910

2010年2月

\36,300

2月16日

\47,690

6月12日

\33,620

3月4日

\44,140

2010年4月

\43,000

4月16日

\47,560

6月12日

\37,090

4月28日

\43,210

2010年6月

\44,720

6月16日

\45,280

6月18日

\37,510

7月13日

\41,410

2010年8月

\41,310

8月17日

\42,210

10月26日

\37,260

9月14日

\41,080

2010年10月

\40,720

10月16日

\42,230

10月26日

\39,720

11月2日

\41,090

 

    シカゴ大豆日足(週末6日分は入っていません)

…削除済み…

週末のシカゴ大豆は、前日比19.00セント安の948セント。3日連続安であり、ハッキリ言ってチャートの格好は良くない。三尊天井完成の格好である

これだけを見ると、ここからでも売らねばならぬのだが、果たしてどうだろう?最近はダマシの相場が多いわけで、そうやって投げさせておいて底になる相場ばっかりだからねえ…

 

…中略…

 

来週は10日(火)にUSDAの需給報告があるわけだが、FCストーンはイールドを44.1(先月43.4)、生産量33億7900万Buと予想。イールドの市場予想平均は42.7Bu/Acであり、10月のUSDAよりも0.3ポイントアップ。

弱材料と言えば弱材料だが、安いところはまた中国が買い付けているようだ。

 

結論として当方の相場観は、ハーベスト・プレッシャーからシカゴ相場も下落しており、チャートは悪化している。しかし底を打っている相場ゆえ、大きな下落は無いのではあるまいか?需給報告前後の安値は、仕込み場だと考える。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月2日

\3,031

-35

\3,039

-34

11月4日

\3,151

120

\3,158

119

11月5日

\3,163

12

\3,172

14

11月6日

\3,180

17

\3,189

17

 

金相場は、先週号においては『金余りと実体経済の悪化の綱引きだろう。基本は押し目買いだが、目先は乱高下が続く可能性が高く、逆張りの相場に入ったと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、祭日明けの4日に急騰し、翌日は3,211円(11/5)まで上昇。またしても年初来高値の更新となった。

    東京金日足

…削除済み…

3,003円(10/29)まで僅か3日で160円下げた相場が、あっという間に200円以上の急騰である。

何と言うか、本当に強い相場だとしか言いようが無い。

 

ともかく何度もコメントしているが、金相場上昇の根本原因が「米国の超低金利〜量的緩和政策を基調としたドルキャリートレード〜投機資金の流入」を柱としている以上、その出口戦略が明確にならない限りは、トレンドが転換する可能性は少ないわけだ

 

実際のところ、景気回復云々を言っても、週末の米雇用統計を見れば悪いのは一目瞭然。頑張っている企業も、結局は人件費のカットによるものであり、これでは良くて「雇用無き経済回復」であり、如何ともし難いわけだ。

それでも金余りは事実としてあるわけで、その一部分でも安全資産の金に向かうのは、今の経済情勢下では当たり前。

 

そりゃ天井を打たない相場は無いわけで、何時かは金相場の上昇も終焉を迎えるのは間違いないが、それが幾らなのかはまだ誰にも判らない。

商品価格が元々幾らなのか?というのは難しい話で、例えば原油が元々20ドルだと考えた場合には、昨年の高値は7倍の140ドルまで上がったわけだ。金にそれを当てはめれば、それが元々400ドルだったとしよう。原油と同様の上げになるならば、400ドル×7倍=2,800ドルである。

史上最高値を更新中とはいえ、まだ1100ドルの相場である。自分で書いても、笑っちゃう価格だな…。あるとか無いとか、真面目に言う気にもならん。

 

ただ相場って言うのは、その時の参加者が皆そうだと思えば、価格なんぞ幾らでも良いわけだ。

日本の地価総額がアメリカ全土を越えたり、チューリップの球根一つで家が買えたり…。歴史を振り返れば、何でも起きる!

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\2,445

12月19日

\3,200

11月5日

\2,319

1月15日

\3,180

2010年2月

\2,998

2月25日

\3,200

11月5日

\2,693

7月14日

\3,181

2010年4月

\2,871

4月27日

\3,204

11月5日

\2,692

7月14日

\3,183

2010年6月

\2,906

6月26日

\3,204

11月5日

\2,691

7月14日

\3,186

2010年8月

\2,871

8月27日

\3,209

11月5日

\2,840

9月1日

\3,186

2010年10月

\3,078

10月28日

\3,211

11月5日

\3,003

10月29日

\3,189

 今週も5日に全限一代高値の更新である。

 

    NY金日足(週末6日分は入っていません)

…削除済み…

週末6日のNY金は、前日比6.4ドル高の1095.7ドル。高値は1101.9ドルまで出ており、初の1,100ドル台乗せである。

 

今週はIMFの保有金の一部403.3トンの売却のうち、200トンがインド中央銀行に売却された事が明らかになった。市場はIMF保有金売却による供給緩和懸念が後退。さらにインドの追加購入や中国の購入観測も浮上している。

結局、ドル債よりも金が安全だと彼らも考えているのかもしれない…

 

なお11/3現在のNY市場のファンドの動向は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、内外ともにまた上に抜けてしまった展開である。国内市場は円高になっている時に仕込んでおいた方が無難と思われ、なお押し目買いの相場は続くだろうと予測する。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月2日

\3,837

-53

\3,834

-46

11月4日

\3,944

107

\3,942

108

11月5日

\3,938

-6

\3,949

7

11月6日

\3,964

26

\3,956

7

 

プラチナ相場は、先週号においては基本的には押し目買いの相場が続くと考えているが、やはり株価などの外部要因の影響を強く受けるだろう。株価の暴落が続けば、その限りではないので、慌てずに11月の状況を見ての判断が良いと思うとコメントした。

今週の相場展開は、金の急騰とともに上げた相場が4,001円(11/5)まで反騰。ただし金よりも上げ幅は小さく、その後は3,900円台半ばでの推移。

    東京プラチナ日足

…削除済み…

3,810円(10/29)まであっという間に260円下げた相場であったが、今週は200円弱の切り返し。

しかし金が新高値更新となる中で、プラチナは4,070円(10/23)の価格は突破しておらず、週末のNYプラチナも換算では70円ほど安い

 

…中略…

 

結論から先に言えば、もしも週明けに換算どおりに下がるようなら、そこはすかさず買い拾いたい。3,900円割れなら文句無しだろう。

 

またロンドン地金市場協会の年次総会でのトレーダーの予測は、1年後でドルベース1629.1ドルと示された。これは円換算では、1ドル=90円なら4,713円という価格になるわけで、かなり強気の見方だと言えよう。

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\2,450

12月19日

\4,068

10月23日

\2,401

12月24日

\3,964

2010年2月

\3,230

2月25日

\4,062

10月23日

\3,200

7月9日

\3,966

2010年4月

\3,695

4月27日

\4,066

10月23日

\3,202

7月13日

\3,954

2010年6月

\3,719

6月26日

\4,071

10月23日

\3,227

7月13日

\3,950

2010年8月

\3,731

8月27日

\4,070

10月23日

\3,592

9月3日

\3,957

2010年10月

\3,902

10月28日

\4,001

11月5日

\3,810

11月2日

\3,956

 先物のみ一代高値・安値ともに出した週だが、これはまだ発会から間もないからである。

 

    白金−金比差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、3,956円(プラチナ)−3,189円(金)=767円

現在のチャートでは雲の下に出た。また9月・10月のサヤを下回り、もみ合い下放れの格好である。

 

正直言えば、これは予測していない事態であり、意外感を持って受け止めている。しかしここはダマシになると見て、もうしばらく「プラチナ買い・金売り」の方針は継続だ。もちろん金が下がると思っているわけではないが…

ただ700円も割り込むようなら、その戦法は損切りしてでも一時撤退が良いだろう。どこかでロスカットを決めておかないと、本当に曲がった時に助からなくなるからねえ…

 

なお10/27現在のNY市場のファンドの動向は…中略…

 

結論として当方の相場観は、金に比べて出遅れている。経済への先行き不安感がプラチナ価格を抑えているのだろうが、金が上昇するならば、プラチナだけ下げる道理は無いとの見方である。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

11月2日

227.6

-6.4

224.3

-7.0

11月4日

230.8

3.2

228.4

4.1

11月5日

229

-1.8

227.8

-0.6

11月6日

228.5

-0.5

230.4

2.6

 

先週号においては『230円台はまだ買えない相場であろう。普通に考えれば220円割れまでの調整は不思議ではなく、深ければ200円辺りまで下げてもおかしくない。目先は売り方針に転換である』とコメントした。

今週の相場展開は、2日には220.8円の安値まで下落するものの、その後は戻って230円辺りでのもみ合いとなった。

    東京ゴム日足

…削除済み…

230円台は長続きしない相場展開となって来たが、まだ下値も限定的な動きでの推移である。

とりあえずチャートでは一度、基準線辺りまでの下落は自然であり、週末現在でその基準線は215.5円である

230円台は15円幅狙いでの売り推奨であり、ストップロスは新高値更新の235.7円オーバーに置くのがベストか。

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年11月

164

5月26日

237.8

10月23日

150

7月13日

228.5

2009年12月

154.5

6月25日

237.8

10月23日

152.2

7月13日

228.4

2010年1月

190

7月28日

236.2

10月23日

180.3

7月30日

228.8

2010年2月

202

8月26日

235.6

10月23日

189.2

9月15日

228.6

2010年3月

139.7

9月25日

235.7

10月23日

193.7

9月25日

229.1

2010年4月

228.8

10月27日

233.6

10月30日

220.8

11月2日

230.4

 

当先のサヤは11月限228.5円〜4月限230.4円と1.9円の順ザヤ。逆ザヤ相場は、通常のサヤに戻った格好である。

週末現在の輸入採算価格は、12月積みで230.8円東京市場の12月限は228.4円であるため、2.4円の下ザヤとなっている。通常は10円程度の下ザヤでありまだ買われ過ぎ

なお産地の集荷状況は、1日当り70トン〜170トン台と回復傾向。

国内営業倉庫在庫は10/20現在で823トン減4,195トン。15旬連続の減少であり、このペースならいずれ国内からゴムが消える?
 もっとも11/6現在の上海ゴム在庫は、3,784トン増の12万697トンとさらに増加。年初来の在庫をどんどん更新している。

そんな中で、上海価格はやや弱めのもみ合い継続中である。

以上を考えると、まだ調整局面は続くと見るのが自然。

 

…中略…

 

 結論として当方の相場観は、目先は売り方針である。新高値更新ならストップロスであろうが、少なくとも今は15円程度の下げが先ではなかろうかと見る。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

11月2日

\42,800

-1600

\43,670

 

11月4日

\44,150

1350

\44,970

1300

11月5日

\44,350

200

\45,210

240

11月6日

\44,740

390

\45,480

270

 

まずは原油から…先週号においては株式市場+対ユーロでのドル相場の動き次第ではあろうが、目先は天井打ちした可能性が高いか。仮にまだ上げ相場が続いているとしても、10/26の高値から一月程度の調整の日柄は必要と思われ、目先は戻り売りで4万円を目指すと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は76.55ドル(11/3)まで下落するものの、その後は戻って80ドル台にタッチ。しかし週末6日は、米雇用統計の悪化を受けて再び77ドル前後まで下落した。

また東京市場は、週明けに43,020円(既存の3月限だと42,770円)まで下げたが、そこからは大きく戻し、45,900円(11/5)まで上昇。もっとも週明けは、また大きく下がって始まりそうだが…

 

    NY原油日足(週末6日分は入っていません)

…削除済み…

週末6日のNY原油は、前日比2.19ドル安の77.43ドルでの終了。安値は76.71ドルまで出たが、11/3の安値は割り込んでいない。逆に高値も80.34ドルまであり、上下幅3.63ドルと大きい。

チャートでは82ドルを突破してしまえば、また90ドルに向かって上げそうである。一方で76ドルを割り込むと、なお下げ余地が出て来るという格好である。

 

…中略…

 

    東京原油日足

…削除済み…

東京市場も、46,810円(10/26)→43,020円(11/2)まで3,790円幅の下落を演じたが、そこからは45,900円(11/5)まで2,880円幅の戻し

換算では週明けに1,600円ほど下げるわけで、乱高下模様だ。

 

結果的に今週初めが安値で、そこから大きく戻してしまった相場であるが、やはり目先46,000円は買えない。調整が出て4万円程度までは下がってもらいたいところだ。

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年11月

\39,220

6月1日

\45,800

10月23日

\34,750

7月13日

\44,740

2009年12月

\43,080

7月1日

\46,030

8月10日

\34,830

7月14日

\44,560

2010年1月

\43,780

8月3日

\46,350

8月10日

\36,350

9月28日

\44,700

2010年2月

\40,940

9月1日

\46,530

10月26日

\36,550

9月28日

\44,990

2010年3月

\39,470

10月1日

\46,810

10月26日

\39,110

10月2日

\45,280

2010年4月

\43,020

11月2日

\45,900

11月5日

\43,020

11月2日

\45,480

 

11/3現在のNY市場でのファンドポジションは、…中略…

 

また11/6現在の中東産原油は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、大勢では上昇トレンドがまだ継続しているかもしれないが、目先は調整安が先だとの見方である。買いやすい価格が出るまで待つか、短期的には戻り売りでの対処が良いだろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月2日

\47,200

-1610

\52,240

-1990

11月4日

\48,110

910

\52,920

680

11月5日

\48,090

-20

\52,810

-110

11月6日

\48,520

430

\53,280

470

 

 続いてガソリンです…先週号においては『58,000円近い価格で、目先天井は打っただろう。次の上昇相場がやって来るまでは多少の時間が掛かると思われ、当面は戻り売りで5万円割れを目指すと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けには51,800円(11/2)まで下落するものの、祝日明けからは戻って54,000円台を一時回復。もっとも週明けは、NY原油安と円高で、また下げそうではあるが。

    東京ガソリン日足

…削除済み…

57,870円(10/27)→51,800円(11/2)までの下げ幅は6,070円原油より大きく下げ、そこからの戻りは原油よりも重い格好である

原油には国際投機資金が大量に入るだろうが、製品はあくまでも需要と供給の関係が大きく反映されるため、特に国内需要の冷え込みを考えた場合、おのずとサヤは詰まる図式になっているわけだ。

 

さて一代の推移は以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\43,870

5月26日

\53,250

6月12日

\40,820

7月13日

\48,520

2010年1月

\49,110

6月26日

\51,790

8月10日

\40,930

7月13日

\49,310

2010年2月

\48,590

7月27日

\52,490

8月10日

\42,880

9月28日

\49,850

2010年3月

\48,920

8月26日

\53,200

10月27日

\43,120

9月28日

\50,290

2010年4月

\44,630

9月28日

\57,490

10月27日

\44,600

9月28日

\52,890

2010年5月

\56,620

10月26日

\57,870

10月27日

\51,800

11月2日

\53,280

 予想通り、3月限と4月限のサヤはまた詰まった。ただし2,000円以下にはならないのではないか?

 

なおガソリン・原油のサヤは、…中略…

 

今週のスポット価格は、1…中略…

 

10/31時点でのガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、原油価格に対する割安はこれ以上大きくは詰まらないだろうが、需要は落ち込んでおり戻りにも限界があるだろう。当面は戻り売り継続の相場と見る。

 

 

今週の灯油の値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月2日

\50,920

-1400

\50,770

-1500

11月4日

\51,950

1030

\51,640

870

11月5日

\51,950

0

\51,470

-170

11月6日

\52,400

450

\51,890

420

 

最後に灯油です…先週号においては『54,000円台で目先の天井は打っており、ひとまず5万円割れを目指すのではあるまいか?戻り売り方針である』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けには49,920円(11/2)まで大きく下げたが、その後は戻して53,110円(11/5)まで一時的に跳ね上がった。もっとも53,000円台は長続きせず、すぐに52,000円も割り込み、週明けはNY原油安と円高でまた下落しそうだ。

    東京灯油日足

…削除済み…

ガソリンに比べてヒゲが長いのは、それだけ流動性が低い事の証拠。だから大きく突っ込んだり、跳ね上がったりするわけだが、基本的な考えとしては原油・ガソリン同様に戻り売りであろう

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\45,320

5月26日

\55,140

6月12日

\42,300

7月13日

\52,400

2010年1月

\52,910

6月26日

\54,450

8月10日

\42,570

7月14日

\52,910

2010年2月

\50,790

7月27日

\54,770

10月27日

\44,760

9月29日

\53,180

2010年3月

\49,430

8月26日

\54,460

10月27日

\43,830

9月28日

\52,910

2010年4月

\43,500

9月28日

\54,640

10月19日

\42,950

9月28日

\52,220

2010年5月

\53,470

10月26日

\53,950

10月27日

\49,920

11月2日

\51,890

 先週号で5万円割れを目指すとしたが、ホントあっさりと出てしまった。

 

11/5現在の輸入採算価格は…中略…

 

10/31時点の灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、原油・ガソリン同様に戻り売りの相場であろう。しかし3品の中では、一番戻る可能性があるのも灯油だろう。現状の原油とのクラックでは元売の生産意欲が高まるはずも無く、万が一需要期で在庫が逼迫したら…の条件付ではあるが。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週は為替3種のチャートをアップ。

    ドル/円相場日足

…削除済み…

週末のNY市場では、再び89円台まで円高進んでいる。チャートでは一目均衡表の雲に沿う形での下落であり、典型的な戻り売り相場である。

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

11月第1週は乱高下であるが、週週末のNY市場では133円台の円高となっている。

また雲の中に入って来たということだ。

 

    ユーロ/ドル日足

…削除済み…

対ユーロでは逆にドル高に反転しており、週末のNY市場でもそうなっている。ただ限界は近そうだが…

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

        メールアドレス info@higenaka.com

 

戻る