商品市況展望 割愛版

平成21年12月6日記

 

 週末の発表された米雇用統計は、やはり予想通りに改善を示していましたね。それを受けてドルは急騰。円安は一気に90円台まで進んでおります!

 そして商品市場は、ドルが対ユーロでも買い戻された影響で全面安。ゴールドは50ドル近く急落であり、原油も大きく下がっている。ただし大豆は換算で大きく上がっており、これもまた喜ばしい展開だな。

 

 それぞれ週末の終値(夜間取引は含まず)からの変動は、金31円安、プラチナ9円安、原油810円高、コーン50円安、大豆790円高など。大幅円安なのだから、まあこんなもんでしょ!という動きだが、おそらく円安はもうそんなに進まないはず。また円高・ドル安になった時に下がるのかといえば、おそらくドル安の影響でドル建て商品が上がり、また上昇トレンドに入るだろうと読む。

 

 ともかく米雇用統計は、予想以上の改善を示した…などとニュースには出ているが、失業率10.2%→10.0%になっただけ。相変らず10人に1人は失業中であり、これで良かったという理由がよくわからんな。

 NYダウの動きを見ても、10,516ドル台まで大きく上がったが、終値は10,388ドルまで128ドル値を消しての終了。ドバイショックは今のところ大した事がないとは思うが、だからと言って大きく景気が回復するとも思えん。

 

 ただし1万円を回復した日経平均は、シカゴでは10,200円台まで上がっているし、おそらく目先の底は入っている。民主党が頑張ってくれたおかげだとか、本当に実体経済も良くなるのだとかは一切思わないけれども、空売りの買戻し&日銀の金融緩和によって、もっと戻すだろう。そして高値飛び付き買いをしたところで、また下げに転じるのだろう。

 

 さて相場が読みどおりに進むのか?それは神のみぞ知る世界であるが、「商品相場はまだまだ上がるのだ!」とする向きも、「いや、近いうちに大暴落するだろう」とする向きも、おのれの信念である。信念なく、目先のニュースに惑わされては、必ず高値飛び付き買い、安値の叩き売りになってしまう。それは避けねばならない。

 問題はその自分の信念が曲がった場合だが、戦いを始める前から、敗戦の場合の撤退ポイントを考えておくしかあるまい。

 逆説の日本史の著者である井沢元彦氏によれば、日本人は言霊民族だから、不吉な事を言うとそれが実現するとして、なるたけそんな事は言わない、考えないというのだが、こと相場に関してはそういうわけにも行くまい。負けも含めて相場なのだし、負けても玉砕しない限りは、必ずチャンスは巡って来る

 高い、安いの相場観の信念よりも、正しい投資行動をしていれば最後は勝つ!という信念が大事なんじゃないかな

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

11月30日

\19,990

460

\20,900

490

12月1日

\20,020

30

\21,160

260

12月2日

\20,220

200

\21,240

80

12月3日

\20,070

-150

\21,210

-30

12月4日

\19,780

-290

\20,960

-250

 

まずはコーンから…先週号においては『応分の調整が出て、かつ週末は大幅円高+ドバイショックという怖い材料も出た。売るべき人は売ったはずであり、調整局面は終了したか、もしくは終了が近いとの見方である。押し目買い継続の相場である』とコメントした。

今週の相場展開は、21,310円(12/3)まで反騰したものの、週末は若干値を消して20,960円での終了。

    東京コーン日足

…削除済み…

チャートを見れば一目瞭然だが、7/13と9/7に記録した18,000円でW底、更に11/2と11/27に記録した20,410円でもW底を付けている。W&Wでかんぬきが掛かっているのだから、やはり相場は大きくは崩れまい。

すでに来年の天候相場では、作付面積が減少するだろう…との観測も出ているわけで、いずれは何らかの材料をきっかけに上昇相場に移るはずだ。ベースにドル不安からの相対的な商品価格の上昇というものがある限り、押し目買いに変化は無いだろう。

 

…中略…

 

 なお一代の推移は以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年1月

\16,290

12月16日

\24,410

6月3日

\16,400

1月15日

\19,780

2010年3月

\18,390

2月16日

\24,520

6月3日

\17,560

9月7日

\20,200

2010年5月

\22,420

4月16日

\24,740

6月2日

\17,760

9月7日

\20,390

2010年7月

\22,620

6月16日

\22,860

6月16日

\17,800

9月7日

\20,540

2010年9月

\19,100

8月17日

\22,120

10月23日

\18,000

9月7日

\20,750

2010年11月

\20,590

10月16日

\22,350

11月17日

\20,410

11月2日

\20,960

 今週は、一代高値・安値ともに更新の限月は無し。

 

    シカゴコーン日足(週末4日分は入っていません)

…削除済み…

週末4日のシカゴ市場では、中心限月の3月限では前日比12.50セント安の388.50セント。K〜Dまで4ドル割れであり、これは若干頭の重い印象となった。

ただし週末の下げのほとんどは、大幅に反騰したドル高の影響があるわけで、ドルがこのまま上げ続けない限り、下げも限定的だろう。誰もドルが底入れしたなんて思っていないだろうし…

 

12/1現在のファンドのポジションは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、押し目買いの継続であろう。ただしすぐの急騰相場もまだ考えづらいだろうから、新春相場に向けた仕込みと考えるのが妥当だろう。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月30日

\49,510

1660

\42,240

1060

12月1日

\49,690

180

\42,650

410

12月2日

\48,720

-970

\42,920

270

12月3日

\48,400

-320

\42,700

-220

12月4日

\47,920

-480

\42,950

250

 

続いて一般大豆です…先週号においては『週末はわかり易く、誰もが恐怖する材料での下落だった。しかし当限は下げずに逆ザヤは拡大であり、売るべき人は売ってしまった相場であろう。よって調整は終ったか、あるいは終りが近いと見る。押し目買い方針の継続である』とコメントした。

今週の相場展開は、5日連続の陽線で細かく上昇し、週末には42,950円まで上昇

    東京一般大豆日足

…削除済み…

41,180円(11/27)→42,950円(12/4)まで1,770円の反騰である11/20に記録した43,000円を突破すれば、次のターゲットは8/13に記録した44,580円となる。

週末の大幅円安により、そしてシカゴ市場があまり下がらなかった事にもより、週明けはこの43,000円を突破して来そうだ。

 

ただしこのまま大暴騰となるには、時期尚早だろう。急伸した場面は利食いして、押した日に買い仕込むのがベターだろう。

本命は新春からの上昇相場であり、来年の天候相場だ。そのスタートが高いところから始まるより、低いところから始まった方がおいしいに決っている。だからまだ、エネルギーは放出してしまうよりも、溜め込んだ方が良い。

 

 なお一代の推移は以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\31,240

12月16日

\49,990

12月1日

\30,210

12月18日

\47,920

2010年2月

\36,300

2月16日

\47,690

6月12日

\33,620

3月4日

\46,450

2010年4月

\43,000

4月16日

\47,560

6月12日

\37,090

4月28日

\44,650

2010年6月

\44,720

6月16日

\45,280

6月18日

\37,510

7月13日

\42,700

2010年8月

\41,310

8月17日

\42,860

11月20日

\37,260

9月14日

\42,770

2010年10月

\40,720

10月16日

\43,000

11月20日

\39,720

11月2日

\42,950

 今週は15日に納会を迎える当限が一代高値の更新。もっとも週末に掛けては2,000円以上の下落となり、納会値を出し尽くした感もある。

…中略…

 

    シカゴ大豆日足(週末4日分は入っていません)

…削除済み…

週末4日のシカゴ大豆は、前日比4セント安の1043セント。コーンと比較すれば全然下げておらず、円安であるため換算では790円高になる。

 

上値の関門は1078.5ドルであり、それを突破すれば11ドル相場となるだろう。ただしそれ以上は、まだ困難だろう。

逆に下値の10ドル割れは無いだろう。下げてもあと、20セントがせいぜいか。

 

遅れていた収穫は29日現在で96%まで進捗し、ほぼ完了である。ただし大豆の場合は、コーンよりもなお在庫率は低い。そして中国買いが控えている。

最近の相場は、どれに限らず中国が買うものは下がらない。共産党が一党独裁である中国は好きな国ではないが、そういう事と相場は別だ。中国買いには逆らえない。

 

結論として当方の相場観は、週明けには先物2本が一代高値を更新しそうだ。しかしここは冷静に急騰場面を利食いし、押し目を待って買う相場であろうと見る。基本は、押し目買い相場の継続である。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月30日

\3,252

6

\3,261

5

12月1日

\3,317

65

\3,326

65

12月2日

\3,399

82

\3,410

84

12月3日

\3,439

40

\3,452

42

12月4日

\3,413

-26

\3,423

-29

 

金相場は、先週号においては『ドバイショックの影響が収まるまでは、まだかなり荒い値動きが続きそうだ。ただし基本的に、急落場面を買う相場であろうと考える』とコメントした。

今週の相場展開は、ドバイショックの影響から3,183円(週明け11/30だが、実際は27日の夜間取引で記録)まで下げた時点から一気に回復し、またしても高値更新となる3,477円(12/3)まで上昇

    東京金日足

…削除済み…

3,188円→3,477円までの上昇は、4日間で289円幅。下げたのも3日で187円幅であったが、切り返しはもっと凄まじい展開だった。

また、今週も高値は木曜日であり、なんとこれで5週連続の事である。

 

さすがにここからの高値は、誰もが買いづらいだろう。だからと言って、下げトレンドに転換するかどうかは疑問であり、週末にドル高の影響で大幅に下落したNY金であるが、ドルがこのまま反騰して行くかも大いに疑問有り!

チャートでの下値抵抗線は3,370円であり、最大下げても3,300円はキープするか?それが5%押しで、10%押しなら3,130円となる。

結論から先に言えば、買い相場はまだ続くだろうし、押し目買いには変化は無いだろう。

 

だが最大10%の押しは347円であり、こういう相場ゆえ、それがあるとも無いとも言いづらいのが現状だ。ただし、売りで取ろうとする意識は当方にはまだ無いが…。買いづらい相場ゆえ、週明けが押し目底となってこのまま高い可能性も皆無ではなく、非常に判断に窮する。

よってこういう場合には、無責任だがあまり相場観は持たず、様子見するのが本当はベターなのだろう。これ以上、木曜日の法則がなお続くとも思えないしね…

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\2,445

12月19日

\3,467

12月3日

\2,319

1月15日

\3,413

2010年2月

\2,998

2月25日

\3,470

12月3日

\2,693

7月14日

\3,414

2010年4月

\2,871

4月27日

\3,469

12月3日

\2,692

7月14日

\3,417

2010年6月

\2,906

6月26日

\3,498

12月3日

\2,691

7月14日

\3,416

2010年8月

\2,871

8月27日

\3,475

12月3日

\2,840

9月1日

\3,419

2010年10月

\3,078

10月28日

\3,477

12月3日

\3,003

10月29日

\3,423

 今週も木曜日に、全限一代高値の更新である。

 

    NY金日足(週末4日分は入っていません)

…削除済み…

週末4日のNY金は、前日比48.8ドル安の1169.5ドルで終了安値は1147.4ドルまであり、前日の1,220ドル台から80ドルほどの大暴落だ

雇用統計の発表によって、ドルが対ユーロで反発した事が主因であり、90円台までの円安となっているため、東京市場の換算は先物31円安の3,392円である。

 

正直この下げは、あまり予想外ではない。1200ドルの相場なら、5%の下げでも60ドル、10%なら120ドルあるわけで、NY金の相対力指数はずっと80ポイントオーバーで東京市場より過熱していた。だから指数調整が出るのは当然だ。

 

なお12/1現在のNY市場のファンドの動向は、…中略…

12/4現在のSPDRのETF残高は、…中略…

また同日のリースレートは、…中略…

 

何より忘れてならないのは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、なお乱高下がありそうなので正直手を出したくないが、大勢上げ相場の押し目買いに変化があるわけではない。急落場面は、買い拾う相場であろう。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

12月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

11月30日

\4,039

32

\4,019

18

12月1日

\4,111

72

\4,098

79

12月2日

\4,195

84

\4,175

77

12月3日

\4,255

60

\4,234

59

12月4日

\4,232

-23

\4,209

-25

 

プラチナ相場は、先週号においては金が下げトレンドに入らない限り、プラチナも高いとは思うものの、円高&株安は悪影響を与えそう。よって、反騰した場面では買い玉を撤退し、しばらく様子見をしたいと考えるとコメントした。

今週の相場展開は、ドバイショックの影響から3,940円(週明け11/30だが、実際は27日の夜間取引で記録)まで下げた時点から、金相場の上昇とともに一気に回復し、高値更新となる4,264円(12/3)まで上昇

    東京プラチナ日足

…削除済み…

3,940円(11/30)→4,264円(12/3)までの急騰は、僅か4日間で324円幅前週の下げ幅259円より大きい

これは円高ではなく、円安なったこと。株安ではなく、株高になった事などが、金と同様にプラチナが買われた要因だろう。

 

もっとも週末は高値から若干値を消し、安値では4,174円まで90円の下落とはなった。大幅円安は、逆から見ればドル高なのでNYプラチナは下がり、週明けはまた下がるかもしれない。

しかしそれでも、僅か100円、200円の下げを狙って売るのは危険だろう。先週号では様子見するとしたが、それは買い玉を利食いする事であり、売りポジションを持つ事ではない。

チャートを見れば7月以来、右肩上がりに下値も切り上がっており、最大下げても4,000円飛び台程度であろうと考えるのが無難で、それ以下の売り玉を保有する向きは、そこで損切りか両建てが良かろう。場合によっては、4,100円台から買い下がっても可だろう。

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

\2,450

12月19日

\4,282

12月3日

\2,401

12月24日

\4,232

2010年2月

\3,230

2月25日

\4,259

12月3日

\3,200

7月9日

\4,204

2010年4月

\3,695

4月27日

\4,254

12月3日

\3,202

7月13日

\4,208

2010年6月

\3,719

6月26日

\4,259

12月3日

\3,227

7月13日

\4,204

2010年8月

\3,731

8月27日

\4,260

12月3日

\3,592

9月3日

\4,207

2010年10月

\3,902

10月28日

\4,264

12月3日

\3,810

11月2日

\4,209

 12/3には全限一代高値の更新である。

 

なお週末のNYプラチナは、…中略…

 Jマッセイ社の今後6ヵ月の現物予想価格である1280〜1550ドルが妥当なものと考えた場合は、さすがに12/2の高値は警戒しないといけない。しかし1,400ドル台前半まで下がれば、もう買う事も頭に入れないといけない。

 もっとも東京市場は、それに為替がオンされるので、予測が難しいのだか。

 

    東京プラチナ−金価格差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、4,209円(プラチナ)−3,423円(金)=786円。若干拡大であり、700円は割れない展開が続いている。

 

なお12/1現在のNY市場のファンドの動向は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、金相場の押し目買いが続く限り、プラチナ相場の単独の下げは無いだろう。また現状では調整安があったとしても、4,000円を割り込むのも困難と見る。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

11月30日

235.7

2.4

247.0

5.8

12月1日

238.5

2.8

249.3

2.3

12月2日

244.4

5.9

255.6

6.3

12月3日

249.4

5

260.7

5.1

12月4日

250.0

0.6

262.5

1.8

 

先週号においては『ゴム自体には天候不順という強材料も出現。ただし東京市場は円高という懸念もあり、ドバイショックの影響も完全に払拭されるまでは高値乱高下か。引き続きファンドの動向に注目である』とコメントした。

今週の相場展開は、237.0円(11/30付けだが、実際は前週の夜間取引で記録した価格)→263.8円(12/4)と週末まで急騰。12/7付けとなる夜間取引では、264.7円と更に上がっている。

    東京ゴム日足

…削除済み…

237.0円→264.7円までの上げ幅は27.7円にも及ぶ。前週にドバイショックで15.6円下がった分の、倍返しにも到達しようかという勢いだ。

 

これは為替が円安に振れた事、株価が底入れの動きとなって来た事、ゴールドの上昇が止まらない事、そして何よりもゴム自体に天候不順という材料が出た事など、複合的に強材料が出たのも大きい。

高くなればファンドは買い増す。ひょっとしたら仕手相場じゃないかしらん?という中国買いも勢いは増す。そして何よりも、ドバイショックで買い方の一部は降ろされて、船は軽くなってしまった。これじゃ、止まらんわな!

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年12月

154.5

6月25日

250

12月4日

152.2

7月13日

250

2010年1月

190

7月28日

254

12月4日

180.3

7月30日

252.3

2010年2月

202

8月26日

256.3

12月4日

189.2

9月15日

254.2

2010年3月

139.7

9月25日

257.2

12月4日

193.7

9月25日

256.2

2010年4月

228.8

10月27日

260.7

12月4日

220.8

11月2日

259.7

2010年5月

248.5

11月25日

263.8

12月4日

239.7

11月27日

262.5

 週末まで全限一代高値更新を果たしており、夜間取引でもなお高いゆえ12/7の更新は決定済み。

 

当先のサヤは12月限250.0円〜5月限262.5円と12.5円の順ザヤ。順ザヤ幅拡大であるが、ファンド買いでのサヤ開きはサヤ滑り懸念よりも、先高感が出るだろう。

週末現在の輸入採算価格は、12月積みで259.2円東京市場の12月限は252.3円であるため、6.9円の下ザヤとなっている。通常は10円程度の下ザヤであり若干買われ過ぎ。しかし産地も上昇して来ているわけで、スパイラルな上昇となっている。

産地の集荷状況は1日当たり約60トン〜130トンと低調。大雨・洪水によって、タイ・マレーシア・インドネシアの主要3カ国の今年の生産高は6.7%の減少見込み

国内営業倉庫在庫は11/20現在で819トン増4,721トン。18旬ぶりに増加となり、やっと減少に歯止めが掛かった。
 また12/4現在の上海ゴム在庫は、7,545トン減の11万7,093トンと2週連続の減少。国内在庫が多少増加しても、これでは弱材料になるとは思えない。

 

 結論として当方の相場観は、非常に強い相場展開である。押し目買いの継続であり、適度な押しを入れながらの上昇ならば、300円も夢ではないかも。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

11月30日

\43,690

180

\42,650

940

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

12月1日

\43,350

1450

\44,290

 

12月2日

\43,720

370

\44,730

440

12月3日

\43,520

-200

\44,650

-80

12月4日

\43,440

-80

\44,640

-10

 

まずは原油から…先週号においては週末のNY市場では下落に歯止めが掛かり、急落からもみ合いの範囲まで戻した。崩壊はまぬがれた格好だが、トレンドはまだ発生していないので、引き続き静観する』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は相変らずもみ合い相場の継続。週末のNY市場でもドル安の影響で下げはしたが、終値は75.47ドルともみ合いの範囲内。

だが東京市場は円安となったため、ドバイショックの影響で下げた40,850円(11/30)からは大きく切り返し、週末には45,080円(12/4)まで大きく上昇

    NY原油日足(週末4日分は入っていません)

…削除済み…

週末4日のNY原油は、前日比0.99ドル安の75.47ドルでの終了。高値77.90ドル、安値は74.85ドルと上下3ドル以上の乱高下で、相変らず振幅は大きい。もっとも75ドル〜80ドルの範囲のもみ合いを離れておらず、高原相場の様相である。

 

問題は、何時もみ合いを放れるのか?放れるとしたら、どっちなのか?であろうが、チャートではまだ雲の上での推移であるため、常識的には50ドルを目指すよりは、90ドルを目指すか。

もっとも、決め付けて相場を張る事は出来ないが…

 

    東京原油日足

…削除済み…

NY原油がもみ合っている中で、東京市場は為替相場を映した展開だ。つまり円高ならば下落する、円安ならば上昇するという図式だ。

84円台まで円高となった先週末は、一気に4万円台までの下落。そして88円台までの円安に向いた今週末は、45,000円に戻したわけだ。

 

週末のNY市場では90円台までの円安となっているのだから、換算では800円以上また上がる。ただし円安がこれ以上進まないのなら、これ以上の上昇にも限界があろう

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2009年11月

\39,220

6月1日

\45,800

10月23日

\34,750

7月13日

\43,690

2009年12月

\43,080

7月1日

\46,030

8月10日

\34,830

7月14日

\43,440

2010年1月

\43,780

8月3日

\46,350

8月10日

\36,350

9月28日

\43,680

2010年2月

\40,940

9月1日

\46,530

10月26日

\36,550

9月28日

\43,810

2010年3月

\39,470

10月1日

\46,810

10月26日

\39,110

10月2日

\44,180

2010年4月

\43,020

11月2日

\45,900

11月5日

\40,850

11月30日

\44,370

2010年5月

\43,290

12月1日

\45,080

12月4日

\43,290

12月1日

\44,640

 11月限は30日に納会。先物は出たばかりだが、上下2,000円ほどの動きだ。なお夜間取引では、5月限は46,000円と一代高値を更に更新。4月限は45,730円が出ているが、ぎりぎり一代高値は更新していない。

 

12/1現在のNY市場でのファンドポジションは、…中略…

 

また12/4現在の中東産原油は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、NY原油はまだもみ合いの域を脱しておらず、東京市場の急騰は為替の円安を反映したもの。つまり東京原油は為替次第の展開であり、90円以上の円安は難しいと考えるゆえ、ここからの上値は困難か。

 しかし、もみ合いのNY原油が抜けるとすれば上だと考えられるため、それだと円高も関係なくなる。その点には注意が必要だろう。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

11月30日

\46,960

720

\50,010

870

12月1日

\48,160

1200

\51,550

1540

12月2日

\49,130

970

\53,100

1550

12月3日

\49,300

170

\53,330

230

12月4日

\48,680

-620

\52,940

-390

 

 続いてガソリンです…先週号においては『一気に2段下げに突入して暴落したが、週末のNY市場の動きを見る限りドバイショックは一時的だったか。そうであれば48,000円までの下げで底打ちであろう』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの48,130円(11/30付けだが、実際には先週の夜間取引での価格)から反騰に転じた相場が、週末には高値で53,460円(12/4)まで急騰。その後も夜間取引で、54,220円の高値まで示現している。

    東京ガソリン

…削除済み…

先週末の下げは、チャートでは雲の下に抜けており、完全に相場は崩れたのか?と思わせるものだった。しかし最近の相場は、2段下げで終るケースが多いわけで、それを指摘したわけだ

案の定、ドバイショックの影響は軽微となり、また国内市場は大幅に円安が進んだ事もあって、相場は「往って来い」の戻りである。

 

結論から先に言えば、天井を付けての下げとならない限りは、もう5万円割れも無いだろう。せいぜい下げても52,000円台であり、逆に5万円割れして下がるような相場なら、天井を打っているのだから3万円まで下がるだろう。正直、そんな相場が来るとは思えず、つまりは下がらんという事だ。

 

さて一代の推移は以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年1月

\49,110

6月26日

\51,790

8月10日

\40,930

7月13日

\48,680

2010年2月

\48,590

7月27日

\52,490

8月10日

\42,880

9月28日

\48,880

2010年3月

\48,920

8月26日

\53,200

10月27日

\43,120

9月28日

\49,050

2010年4月

\44,630

9月28日

\57,490

10月27日

\44,600

9月28日

\52,170

2010年5月

\56,620

10月26日

\57,870

10月27日

\48,050

11月30日

\52,640

2010年6月

\51,650

11月26日

\53,460

12月4日

\48,130

11月30日

\52,940

 夜間取引では前述のとおり、先物は54,220円まで記録

 

ガソリン・原油のサヤは、52,640円(ガソ5月限)−44,370円(原油4月限)=8,270円。サヤは拡大に転じており、このパターンはひょっとして1万円突破程度まで進むのでは?

…中略…

 

今週のスポット価格は、…中略…

 

11/28時点でのガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、先週号でもコメントしたとおり、48,000円で底は入っている。底は入っているのだから、5万円割れはないし、52,000円も難しいかも。押し目買い相場である。

 

 

今週の灯油の値動き

 

11月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

11月30日

\50,240

1100

\48,580

1150

12月1日

\51,620

1380

\50,170

1590

12月2日

\52,050

430

\50,800

630

12月3日

\51,560

-490

\50,960

160

12月4日

\50,960

-600

\50,600

-360

 

最後に灯油です…先週号においては『チャートパターンでは戻しても5万円は困難で、43,000円程度まで下がってもおかしくないと見えるのだが、それも原油・ガソリン相場の動き次第か。灯油だけ独歩安とはならぬだろうから…』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けの46,690円(11/30付けだが、実際には先週の夜間取引での価格)から反騰に転じた相場が、51,470円(12/3)まで急反騰。週末は幾らか下げたが、その後の夜間取引で51,660円の高値まで示現している。

    東京灯油日足

…削除済み…

46,690円(11/30)→51,470円(12/3)までの上昇幅は、4,780円に及んでおり、ガソリンの反騰と遜色はない。やはり灯油だけの独歩安は困難だったようで、手前に需要期、先物に不需要期が建つ逆ザヤも、相場動向に大きな影響を与えるほどではなかった。

 

なお一代の推移は以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年1月

\52,910

6月26日

\54,450

8月10日

\42,570

7月14日

\50,960

2010年2月

\50,790

7月27日

\54,770

10月27日

\44,760

9月29日

\51,200

2010年3月

\49,430

8月26日

\54,460

10月27日

\43,830

9月28日

\51,030

2010年4月

\43,500

9月28日

\54,640

10月19日

\42,950

9月28日

\50,490

2010年5月

\53,470

10月26日

\53,950

10月27日

\46,400

11月30日

\50,190

2010年6月

\49,000

11月26日

\51,470

12月3日

\46,690

11月30日

\50,600

 先物は前述のとおりに夜間取引で51,660円まで記録しており、逆ザヤ幅はほぼ同ザヤへとこの1週間で大きく変化である。

 

12/3現在の輸入採算価格は…中略…

 

11/28時点の灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、順ザヤに移行して行く相場とは思えないが、原油・ガソリン相場の反騰とともに大きく戻した展開である。今後もこの影響を受けざるを得ないが、3品の中では相対的には弱くなるだろう。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週も、為替相場のチャートをアップ。

    ドル/円相場日足

…削除済み…

11/27には84円台突入の大幅円高到来。その時点での相対力指数の22ポイント台はさすがに行き過ぎであり、反騰に転じた。

日銀が金融緩和に踏み切った影響と、週末の米雇用統計を受けて90円台まで週末は円安となっているが、これで相対力指数は50ポイントに到達しただろう。

見方は様々あると思うが、当方はここからはドルの売り上がりが良しと見る。

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

週末のユーロ/円相場は、134円台までの円安となっている。ドル/円と同じ動きであり、チャートでは両方とも雲の下限に到達したところだ。

 

    ユーロ/ドル相場日足

…削除済み…

週末のユーロ/ドル相場は、ドルが対ユーロでも買われて1.48ドル台。2週間ぶりのドル高水準で、チャートでは雲の上限にくっつく辺りだ。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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