商品市況展望 割愛版

平成23年4月3日記

 

 週末のNY市場では、ドル/円相場が1ドル=84円台まで円安が進んでいる。

震災の後にはドル資産の換金売りで一時的に80円割れの大幅円高になるが(実際に76円台まで円高が進行)、終われば今回の地震被害は阪神の比ではない規模で、津波あり、原発事故あり、電力不足ありで、加速度的に円安が進むだろう…と予測したとおりの展開になりつつある。

 

 84円台に乗せたのは昨年12月以来の事だが、もっと長い目で相場を見た場合には昨年5月の円安時には94円台。

一昨年だと101円台であり、円相場は2007年の124円台から4年間掛けて、先の76円まで円高となっていたわけだ

 

 相場というものはどんな相場でも、天井を付けたら底を打つまで下がるものだし、底を付けたら天井を付けるまで上がるものである

もちろん道中に上げ下げの波はあるわけだが、トレンド自体は一度発生したらそうそう簡単に止まるものではない。

 それはあたかも、晴れの日もあれば曇りの日、雨の日もあって、時には太陽が見えずとも、それでもやっぱり太陽は必ず東から上がって西に沈むが如くだ。

太陽が見えないからといって、どこかに消えてるわけじゃない!

 よってドル/円相場が、今後も円安が進んで120円台になったとして一体何の不思議があろうか?そういう考え方なのである

 

 もちろん円安/ドル高が進んでゆけば、ドル建ての商品価格はさすがに下がるかもしれない。

例えば今、1,400ドル台を記録しているNY金などは、もしかしたら1,000ドル程度まで下がる事も有り得るかもしれない。

 ただしそれでも1ドル=120円ならば、国内金価格は3,858円と下がらないのだ。

それは以下の計算式による。

 1,000ドル×120円÷31.1035=3,858円

 

 さらにNY金価格が他の要因でこのまま高いとするならば、

 1,400ドル×120円÷31.1035=5,401円 となってしまう。

相場は、あるとか無いとか断言できるものじゃないゆえ、可能性は常に考えておかねばならない

 そういう想像力がないと、何かがあった時に死んでしまう。

「想定外です」なんていうのは、東電や原子力保安院に任せておけば良い。

 

 それにしても福島第一原発事故は、一体いつになれば目処が付くやら…。

どんどん放射能漏れが進んだら、福島県どころか関東や南東北も全滅だな。

 そうならないようにと信じているが、なったらなったでどっかに移住するしかないんだろう。

自主避難というのは、あくまでも自主で「国は面倒だから助けてあげないよ!」って意味だから、全く始末に終えない無責任さだ。

枝野は毎回「直ちに健康には影響が無い…」と言うばかりだが、そんなの真に受けたって、将来病気になった時に「直ちに…とは言ったが、安全であるとは言っていない」とまた言葉遊びをするだけだろう。

 

 ヘビースモーカーの当方なんぞは、直ちにじゃなければ放射能なんぞ大して怖くは無いんだが、子どもは別だからねえ…。大人はみんなそう思ってるでしょう?

 こんな大災害でも避難所の配給には整然と並び、助け合いをするのは日本人の美徳、モラルの高さで素晴しいとは思うものの、そろそろ本気で怒って、管を一発殴りに行くような元気のある奴が出てほしい。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

3月28日

\29,010

20

\26,240

210

3月29日

\28,370

-640

\25,810

-430

3月30日

\29,150

780

\26,390

580

3月31日

\28,690

-460

\26,150

-240

4月1日

\31,000

2310

\27,640

1490

まずはコーンから…

先週号においては『押し目買い継続の相場であろう。ただしファンドはまだ買っていないので、作付意向面積の発表がある月末まで急騰はないだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、上げたり下げたりしながら週末を迎え、その週末には作付意向面積及び四半期在庫報告での強材料を受け高騰。一気に27,000円台後半まで駆け上がった。

○東京コーン日足

…削除済み…

震災後の円高&信用収縮の投げで、22,740円(3/16)まで一気に5,000円下げた相場も、結局は往って来いの反騰となった週末である

週末の高値27,800円は、急落前の高値27,700円(3/7)をクリアするものであり、あとは28,090円(2/22)を残すのみ。

 

また当限5月と2番限の7月はすでに一代高値の更新で、3万円を完全に突破。全限一代高値の更新はもうあっても不思議じゃないどころか、先物だって円安を手掛かりに3万円を付けて一体何の不思議があろうか?というところ。

 

チャートでは押しても27,000円割れがせいぜいに見え、相対力指数はまだ61ポイント台と過熱していない押せば買いの相場は続きそうだ

  

一代の動きは以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年5月

\21,770

4月16日

\31,000

4月1日

\18,870

6月30日

\31,000

2011年7月

\20,850

6月16日

\30,900

4月1日

\19,080

6月30日

\30,780

2011年9月

\21,940

8月16日

\30,600

3月2日

\21,450

8月25日

\29,470

2011年11月

\23,280

10月18日

\27,890

3月2日

\21,890

3月16日

\27,520

2012年1月

\23,730

12月16日

\27,700

2月22日

\22,100

3月16日

\27,120

2012年3月

\26,850

2月16日

\28,090

2月22日

\22,740

3月16日

\27,640

 当限から2本が一代高値の更新である。

 

○シカゴコーン日足(3/31現在)

…削除済み…

週末の4/1のシカゴ市場は、前日比43.75セント高の736セントでの終了。前日の30セント高のリミットアップに続き、この日も一時は45セント高のリミットアップだ。

…中略…

 

なお31日の作付意向面積は、9217.8万Acと事前予想の9183.9万Acを超える弱材料。ただし同時に発表された四半期在庫は、65億2300万Buと事前予想の66億9000万Buを大きく下回った。

この四半期在庫の減少のインパクトが大きかったわけで、このままだと期末在庫率は4%まで落ち込むだろう。旧穀が買われるのも当然だ。

 

なおCFTC発表の3/29現在のポジションは、…中略…

 

オプションを含めた4/1現在のポジションでは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、シカゴはファンダメンタルズでの強材料出現で舞上がった。東京は円安もあり、なお高値余地はあるだろう。買い方針の継続である。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月28日

\48,100

200

\48,820

310

3月29日

\48,000

-100

\48,700

-120

3月30日

\47,900

-100

\49,710

1010

3月31日

\47,320

-580

\50,050

340

4月1日

\48,010

690

\51,320

1270

続いて一般大豆です…

先週号においては『底は入っている相場であり、押し目買いの継続であろう。しかし月末まではまだ上昇一本槍というわけにも行かないだろうから、小幅に利食いをかける方が得策かもしれない』とコメントした。

今週の相場展開は、断続的に上昇した相場が週末に噴き上がり、週末は51,000円台乗せ。高値は51,680円まであった

○東京大豆日足

…削除済み…

震災直後の下げで44,700円(3/17)まで6,000円以上も下げた相場は、下げる前の高値である50,900円(3/7)も超えた

残るは52,300円(2/10)の高値更新のみだが、相対力指数はまだ63ポイント台。当方は円安トレンドと見ているため、高値更新しても全く不思議ではないとの見方だ。

 

…中略…

 

その作付意向面積は、7660.9万Acと事前予想の7687万Acよりも少なかった。また四半期在庫は、12億4900万Buと事前予想の12億9900万Buとこれまた少なかった。

このままでは、期末在庫率は3%台まで落ち込むだろう。万が一、天候相場期にストレスがあれば、シカゴは史上最高値を軽々と突破して行くかもしれない。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年4月

\42,110

4月16日

\50,000

11月12日

\38,180

7月7日

\48,010

2011年6月

\39,970

6月16日

\51,260

2月17日

\37,910

7月7日

\49,700

2011年8月

\42,640

8月16日

\51,990

4月1日

\41,050

8月25日

\51,990

2011年10月

\45,200

10月18日

\52,440

2月7日

\44,880

10月20日

\52,160

2011年12月

\47,540

12月16日

\52,300

2月10日

\44,120

3月17日

\51,080

2012年2月

\51,280

2月16日

\52,000

2月18日

\44,700

3月17日

\51,320

 一代高値の更新はまだ8月限のみであるが、10月限以降も早晩一代高値を更新して何の不思議も無いだろう。

 

○シカゴ大豆日足(3/31現在)

…削除済み…

週末4/1のシカゴ市場は、前日比16.50セント安の1393.75セントでの終了

国内換算では15時半比320円安である。

 下げた要因は、中国の買い付けキャンセルの噂であるが、コーンと違って新穀も作付面積が増えないだろうという事で、新穀11月限も1389.25セントとほぼ同ザヤである。ここは5セントあまりしか下げておらず、週明けの東京も下げないだろう。

 もしも下がるようなら、そこは絶好の買い場になるのではあるまいか?

 

それにしても、作付面積も在庫も減るというのに、…中略…

 

なおCFTC発表の3/29現在のポジションは、…中略…

 

オプションを含めた4/1現在のポジションでは、…中略…

そうすると市場にはコーン買い・大豆売りの注文が出て来るわけで、それが大豆の頭を抑えている原因だろう。しかしいつまでもは続かないだろう。

 

結論として当方の相場観は、大豆の期末在庫は3%まで落ち込む可能性がある。一段と舞上がる前に、ともかく買っておく相場であろうと見る。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月28日

\3,745

8

\3,749

4

3月29日

\3,729

-16

\3,738

-11

3月30日

\3,785

56

\3,792

54

3月31日

\3,795

10

\3,802

10

4月1日

\3,849

54

\3,857

55

金相場は、先週号においては『押し目買い継続の相場であろう。出来れば3,600円台で買いたいが、果たしてそこまで押してくれるかどうかは判らない』とコメントした。

今週の相場展開は、29日にちょっと押しただけで3,700円割れは出ず、その後の円安による上昇で一気に新高値の更新3,864円の高値まであった

○東京金日足

…削除済み…

震災後の換金売りで300円近く下げた相場も、今週の上昇で新高値の更新である

理論的には、為替相場の1円の円安は国内金価格の40円以上の上昇要因となるのだから、為替が76円→84円まで8円変動すれば、320円の上昇となるのは自明の理だ。

 

チャートでは週末に上放れしたばかりであり、相対力指数もまだ64ポイント台上値余地はまだあると考えた方が良いだろう

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年4月

\3,500

4月27日

\3,852

4月1日

\3,246

8月2日

\3,849

2011年6月

\3,619

6月28日

\3,855

4月1日

\3,246

8月2日

\3,847

2011年8月

\3,365

8月27日

\3,854

4月1日

\3,338

8月31日

\3,847

2011年10月

\3,520

10月27日

\3,859

4月1日

\3,469

10月29日

\3,852

2011年12月

\3,719

12月24日

\3,861

4月1日

\3,479

1月31日

\3,854

2012年2月

\3,763

2月24日

\3,864

4月1日

\3,535

3月18日

\3,857

 今週は週末に全限一代高値の更新である。また夜間取引では先物が3,880円までの高値を付けており、更に高値は更新されている。

 

NY金日足(3/31現在)

…削除済み…

週末4/1のNY市場は、前日比10.8ドル安の1428.1ドル。ただし84円台へと円安になっているため、国内換算では15時30分比11円高である。

 

3/24には1448.6ドルとすでに史上最高値を更新しており、…中略…

 

円安は欧米が出口戦略を模索し始める中で、日本はどうしたって復興資金のために金融引き締めは出来ない。だから金利差から円安になるということだが、当方の予測する「電力不足からの日本売り」はまだ出ていないわけだ。

それが出ればもっと円安だろうし、一方で金価格も地政学的リスクやそもそもの通貨の不信任などを受けて下がらなかった場合には、wで上がる事態も有り得る。

冒頭では、1,400ドル×120円÷31.1035=5,401円という計算式も出したわけだが、為替をそこまで見ずとも金価格をGSの予測数値で計算すると…

1690ドル×100円÷31.1035=5,433円となる。

 

あくまでもこれは、…中略…

  

なおCFTC発表の3/29現在のポジションは…中略…

 

また週末現在のETF残高は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、円安と地政学的リスクは、金相場をなお高値に押し上げるだろう。現状はまだ上げ道中でしかあるまい。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

4月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

3月28日

\4,580

7

\4,570

-1

3月29日

\4,610

30

\4,606

36

3月30日

\4,686

76

\4,680

74

3月31日

\4,730

44

\4,738

58

4月1日

\4,767

37

\4,791

53

プラチナ相場は、先週号においては『押し目買いの相場であろう。4,700円台は一度売ってみたいが、逆に押した場面は買わなくてはいけない。下げても4,500円割れがせいぜいかもしれない』とコメントした。

今週の相場展開は、29日以降に円安もあって上げ続けた相場は、週末には高値で4,800円ジャストまで上昇

○東京プラチナ日足

…削除済み…

金相場が新高値更新となる中で、プラチナ相場も上がって来た。当方の相場観ではここは一回利食い場なのだが、新規で売るのは危なそうな感じもある。

 

金が高値更新する中で、プラチナはまだ5,000円までには200円ほどある。金よりも弱い理由は、やはり震災による株価への危惧や経済の停滞を懸念しているからであろうが、ここまで金が上がると逆に出遅れ感が台頭する可能性もある

新規では売りづらいわけだが、案外と単純に「金が新高値を取ったんだから、プラチナも5,015円の高値を更新するでしょ!」と考えた方が正解になるのかもしれない。

 

 いずれにしたって、4,200円台で底は打っている相場である。高いところまで思い切って買うか、押すまで待つかは別として、売り狙う相場ではないだろう。

 

一代の動きは以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年4月

\5,276

4月27日

\5,289

4月27日

\4,035

8月25日

\4,767

2011年6月

\4,582

6月28日

\4,959

2月16日

\4,030

8月25日

\4,770

2011年8月

\4,181

8月27日

\4,963

2月22日

\4,099

8月31日

\4,785

2011年10月

\4,495

10月27日

\4,980

2月16日

\4,224

3月17日

\4,793

2011年12月

\4,702

12月24日

\5,015

2月16日

\4,225

3月17日

\4,792

2012年2月

\4,817

2月24日

\4,950

3月7日

\4,232

3月17日

\4,791

今週も一代高値・安値ともに更新は無し。

 

週末4/1のNYプラチナは、…中略…

  

○白金−金価格差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、4,791円(プラチナ)−3,857円(金)=934円

 

震災前の1,151円(3/7)→705円(3/17)まで大きく詰まった後、ほぼその中間地点まで戻した

 

ここからは、どっちに行ってもおかしくない。詰まったらまたプラチナ買い・金売りの仕掛け場だろうが、しばし様子見である。

 

結論として当方の相場観は、金相場に対しては出遅れているが、それが経済情勢を映して適正なのか?割安だから買われるのか?は微妙だ。押したら買いたいが、しばし相場の行方を見守りたい。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

3月28日

424.7

-8.3

409.3

 

3月29日

429.3

4.6

417.2

7.9

3月30日

444.9

15.6

430.1

12.9

3月31日

447.0

2.1

432.2

2.1

4月1日

443.0

-4.0

427.4

-4.8

先週号においては『半値戻しを達成し、週末は陰線が入ったのだから、戻りもここまでだろう。446.9円、あるいは450円にストップロスを置いての売りが良いと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けは先物9月限の発会日で、436.0円で寄り付いた後に急落。結局、翌日までには392.7円まで43.3円の暴落を演じたわけだが、そのままは下げずにまた戻して来た。

○東京ゴム日足

…削除済み…

まだ446.9円もしくは450円は付けておらず、40円以上の急落は予想通りだったが、その後戻した姿を見るとまだ完全に崩れきっていない模様

こうなると535.7円(2/18)は天井だが、335.0円(3/15)も当面の底なのだろう392.7円も2番底かもしれない

 

タイ南部では洪水も起こり、生産に支障が起きそうである。国内では震災の影響で生産は落ちているはずだが、中国では相変わらず在庫が減少中だ。国内だけを見ていては、相場を見誤るかもしれない。

 

 よって結論から先に言えば、目先は乱高下すると見て、逆張り方針に転換だ

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年4月

342.0

10月26日

550.0

2月18日

323.6

11月1日

443.0

2010年5月

368.9

11月25日

551.0

2月18日

346.0

3月15日

444.0

2010年6月

416.9

12月22日

542.8

2月18日

340.4

3月15日

441.7

2010年7月

460.2

1月26日

535.7

2月18日

337.6

3月15日

435.3

2010年8月

493.3

2月23日

502.7

2月24日

335.0

3月15日

429.8

2010年9月

436.0

3月28日

442.7

3月31日

392.7

3月29日

427.4

 

当先のサヤは4月限443.0円〜9月限427.4円と15.6円の逆ザヤ。この程度の逆ザヤは、居心地の良い水準なのかもしれない。

 

週末現在の輸入採算価格は、…中略…

 

産地の集荷量は1日当たり約10トン〜40トン台となっており、また大幅に低下している。

特にタイ南部で起きた洪水の影響で、5万トンほどの供給遅れが報じられるなど、そういう意味では需給逼迫で産地は下げづらいだろう。

 

国内営業倉庫在庫は3/20現在で125トン減の7,693トン。2旬ぶりの増加である。

4/1現在の上海ゴム在庫は、…中略…

 

上海ゴム価格は28日・29日は下落したが、その後は戻り始めた。

 

 結論として当方の相場観は、535.7円(2/18)は天井だが、335.0円(3/15)も底なのだろう。もみ合いながらも、もう少し高い値段を付けるのではあるまいか。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

3月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

3月28日

\56,050

50

\56,680

270

3月29日

\55,900

-150

\55,320

-360

3月30日

\56,000

100

\56,410

1090

3月31日

\56,060

60

\56,770

360

 

4月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

4月1日

\58,350

1220

\57,950

 

まずは原油から…

先週号においては『押し目買い継続の相場であろう。相場はいずれNY原油150ドル、東京原油8万円の相場になっても驚かない』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は108ドル台まで上昇し、年初来高値の更新4/1の高値は108.47ドルである。

 

また東京原油も、週末には9月限が発会して58,000円台を記録し、震災前の高値を軽々突破。年初来高値の更新である。なお夜間取引では、59,000円台を記録している限月もある。

 

NY原油日足(3/31現在)

…削除済み…

週末4/1は、前日比1.22ドル高の107.94ドルでの終了だが、高値は108.47ドルまであった。東京市場の換算では、15時半比1,130円高である。

 

結局は何のことも無く、高値更新となって来たわけだ。…中略…

 

とにかく原油は、地政学的リスクもあり、原発問題ありで、下げづらいのは当然の理屈である

週末のNY原油は、米雇用統計で失業率が8.8%に低下した事を強材料に買われたが、実際のところそういうのは些細なデータだろう。

 

福島原発の事故で目先は火力発電に頼るしかないのは、日本だけの話ではない。エコだという電気自動車だって、結局は原発で電気が作れなければ、絵に描いた餅かもしれない。

そうやって原油は上がる、エタノール需要拡大でコーンが上がる…何ていうのは、当然想像できる話だ。

 

なお3/29現在のファンドのポジションは、…中略…

 

○東京原油日足

…削除済み…

震災前の高値から6,000円以上下げた相場は、週末に新高値の更新である。夜間取引ではなお上昇しており、先物だけではなく全限一代高値の更新でもある。

 

やっと震災も落ち着いて(というか、ホントは被災者も原発も全然落ち着いてはいないが)、国内の電力需要をまかなうには原油需要増大が避けられないのでは?という事を、皆が冷静に考え始めたのだろう

4月・5月は電力需要の少ない月だが、夏場になってクーラーを使う時期になり、その時に計画停電とやらが頻発するようなら、それこそ皆暑い中で頭に血が上り、原油価格も更に熱をおびる…という事も想像している。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年3月

\43,040

10月1日

\58,000

3月7日

\40,740

10月20日

\56,060

2011年4月

\41,580

11月1日

\58,700

4月1日

\41,340

11月1日

\58,350

2011年5月

\44,090

12月1日

\58,650

4月1日

\53,890

12月1日

\58,270

2011年6月

\47,330

1月4日

\58,550

4月1日

\46,300

1月5日

\58,260

2011年7月

\50,400

2月1日

\58,430

4月1日

\49,530

2月9日

\58,140

2011年8月

\54,680

3月1日

\58,430

4月1日

\51,100

3月17日

\58,060

2011年9月

\58,210

4月1日

\58,360

4月1日

\57,990

4月1日

\57,950

 夜間取引では、更に高値を更新中。

 

結論として当方の相場観は、押し目買い方針の継続である。最終的には08年の高値である95,000円台を目指すと思っているゆえに。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月28日

\68,350

200

\66,190

 

3月29日

\67,640

-710

\65,530

-660

3月30日

\68,280

640

\66,460

930

3月31日

\69,090

810

\67,450

990

4月1日

\69,920

830

\68,670

1220

続いてガソリンです…先週号においては『とりあえずは落ち着いた動きとなったが、7万円が天井というよりも、目先は61,000円台で底を打ったと考えるのが妥当だろう。押し目買いの継続である』とコメントした。

今週の相場展開は、円安の進行&原油高でまた上昇に転じ、週末には高値で69,000円台半ばまで記録。夜間取引でも続伸しており、先物以外は7万円台を回復している。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

70,740円(3/8)→61,790円(3/16)まで8,950円暴落した相場は、これで下げ幅のほとんどを回復する事となった

原油相場がすでに年初来高値を更新しているのだから、ガソリン相場だって70,740円を突破するのが自然だろう。

 

 仮に8,950円の倍返しだったら70,740円+8,950円=79,690円となるわけだが、08年の高値は10万4,000円なのだから、8万円近い相場なんぞあっても全然不思議ではない。

 

いずれにしたって結論から先に言えば、61,000円台で底は打っている。しかも原油高&円安なのだから、相場の押し目買いは続くだろう。

 

 一代の推移は、以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年5月

\53,610

10月26日

\75,000

3月14日

\51,720

11月1日

\69,920

2011年6月

\56,000

11月26日

\72,570

3月14日

\55,400

11月29日

\69,740

2011年7月

\60,170

12月27日

\71,060

3月8日

\59,440

1月5日

\69,390

2011年8月

\60,150

1月26日

\71,050

3月8日

\60,120

1月26日

\69,300

2011年9月

\68,770

2月28日

\70,740

3月8日

\61,790

3月16日

\69,070

2011年10月

\66,450

3月28日

\69,460

4月1日

\64,850

3月29日

\68,670

 

ガソリン・原油のサヤは、68,670円(ガソ10月限)−57,950円(原油9月限)=10,720円

これでは、ガソリンは割安ではなかろうか?

 

今週の業者間転売価格は…中略…

 

ガソリン在庫は、…中略…

 

なお首都圏のガソリン不足も解消したようだが、買えなかったからガソリンが高いとか、買えるようになったからガソリンが安くなるとかは無いだろう。

なぜなら買えないなら需要は落ちる、買えるのなら需要が増加するという側面だってあるわけで、そういう考え方からすれば大元の原油価格の値動きの方が大事だという事だ。

 

 結論として当方の相場観は、押し目買いの相場は続くだろう。まずは8万円を目指している相場だと考える。

 

 

今週の灯油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

3月28日

\70,100

180

\71,030

 

3月29日

\69,320

-780

\70,360

-670

3月30日

\70,300

980

\71,460

1100

3月31日

\71,180

880

\72,290

830

4月1日

\72,540

1360

\73,850

1560

最後に灯油です…

先週号においては『押し目買い継続の相場であろう。押し目を拾って、新高値の更新を目指すのが良いと思われる』とコメントした。

今週の相場展開は、30日から上げ始めた相場が週末に急騰。31日にはすでに年初来高値を更新していたのだが、1日には高値で74,540円まで記録である。

なお夜間取引では74,990円と75,000円台目前まで上昇している。

○東京灯油日足

…削除済み…

震災前の高値である72,100円(3/11)を軽々と突破して来た格好だ6,000円近い下げも、今となっては単なる押し目だったという格好だ。

 

仮に倍返しの上げならば、72,100円+5,870円=77,970円が目標値になる。相対力指数は69ポイント台まで上がっているので、このままあっさりとそこまで駆け上がるかどうかには疑問があるが、やはり押したら買うべきだろう。

 

震災当初は、「灯油を買うのは被災者のためにも控えよう」というスタンスだったが、もうここからは政府が責任を持って被災者に灯油は届けるべきで、我々庶民が遠慮する必要は無いだろう。

 

 なお一代の推移は、以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年5月

\52,450

10月26日

\73,800

3月14日

\51,400

11月1日

\72,540

2011年6月

\55,940

11月26日

\73,200

3月14日

\55,260

11月29日

\72,650

2011年7月

\59,620

12月27日

\73,730

4月1日

\58,610

1月5日

\72,990

2011年8月

\59,900

1月26日

\73,740

4月1日

\59,850

1月26日

\73,200

2011年9月

\69,000

2月28日

\74,060

4月1日

\66,230

3月17日

\73,450

2011年10月

\71,490

3月28日

\74,540

4月1日

\70,060

3月29日

\73,850

 

今週の業者間転売価格は…中略…

 

灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、一気に新高値更新をして来た相場であり、利食いも良し。買い玉維持も良しだが、いずれにせよ押し目買いであろう。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週も為替3種のチャートをアップ。なおドル/円だけは、今回月足でアップしてみた。

○ドル/円相場月足

…削除済み…

84円台まで円安になって来た相場だが、84円台は昨年12月以来の円安水準だ。

ただし冒頭でもコメントしたとおり、76円台まで円高になった起点は07年の124円からなのである

サマーズではないが、日本はこれから貧乏になるのだろうと思う。だから円高にはもうならず、長期的な円安がスタートしているのだと考える。

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

対ユーロでも118円台まで円安が進んでいる。円が大きく売られ始めた証拠だ。

 

    ユーロ/ドル相場日足

…削除済み…

こちらはドル安トレンドのままである。

先週末は地区連銀総裁の出口戦略発言でドル高に、今週末は米雇用統計の数字が良かったので多少のドル高はあるかもしれないが、それでトレンドが変わるかどうかまでは定かではない。

 

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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