商品市況展望 割愛版

平成23年5月15日記

 

 先週8日に発行した週刊レポート縮小版より…

しかしこうして見てくると、4/11にほとんどの商品が天井を付けているのが良く分かる。

この4/11とは何の日であったのか?

 実はユーロ/円相場の円安ピークの日がこの日であり、震災からはちょうど1ヶ月目の日だったわけだ。

911以来、11日というのは鬼門だな。5月11日は来週の水曜日だ。

 そうコメントした。

 

 連休明けの6日に4日分の外電が入って大暴落した相場だったが、そこから11日まで反騰して12日にまた急落。やっぱり11日は鬼門だった

6月11日は土曜日だが、くれぐれもその前後の大地震と市場のメルトダウンには注意した方が良かろう

それにしても福島第2原発1号機は完全なメルトダウンなのに、いつの間にか「燃料の一部損傷」と言い換えられている。

被爆の基準も切り上げて、まるでそれで安全になったかの如き話。

これではまるで、敗戦を終戦と言い換えたら、何となく良かった事になったみたいなもんだ。言葉遊びなんぞどうでも良いが、現実は直視しないといけない。

ヨウ素がどうしたこうしたを騒がなくなったが、これは半減期が短いだからだろうけれども、今はセシウムの話題ばかり。でもきっと、次の何かも騒がれるんだろうし、神奈川の新茶からも放射性物質が検出されては、正直言って関東はすでに終わってる。「直ちに健康には被害が出ない」のは今までの公害や薬害エイズだって同じで、孫子の代にまで影響するんだろう。風評被害を騒ぐが、もう風評なんかじゃないはずだ。怖いし、仕方が無いから、みんな知らない振りをしているだけだ。

関東から、あるいは日本から逃げるところも無いんで、放射能なんぞ見ぬ振りをしているしかない部分もあるのだが、市場のリスクからは逃げる方法はあるので、注意は払った方が良いだろう

 

さてそんな中で、当方の「相場の大勢の見方」はかなり変化した。今までは何があっても買いの考え方で、通貨全体が弱いのだから商品相場は買い!との姿勢で臨んで来た。震災後の大暴落だって、一時的な円高で売られただけで、復興重要で戻すだろう…というのが基本スタンスだった。

4月11日までは、あるいはもうちょっと後の5月2日までは、その方針で大正解だったわけであるが、どうもおかしくなって来た感じがする。例えばNY原油は20ドル下げて10ドル上げた5/11の半値戻しから、また下げ始めたのを見てそう思うわけだ。

 

ハッキリ言います。もう商品相場は天井を打った!これからはどんどん下げて行く!とまでは断言しないけれども、その可能性も十分あると考える。少なくとも、とにかく黙って買っておけ!下げたら難平しろ!という方針はもう止めないといけない。

むしろこれからはそのスタンスを、戻り売り方針に傾ける事も考えている。ファンダメンタルズが良い穀物だって、貴金属だって同様にだ。

 

特に危険だと思っているのが6/11であり、続いて6月末のQE2の終了だ。QE3がスタートしたらまた買いなんだろうが、その間のタイムラグで急落する危険性は十分ある。

株式市場、特に日本経済は原発事故の後遺症(というか、現在進行形だが)で悪化するだろうし、それで円安が来るだろうとの考えは変わらない。しかし円安でも、それ以上にドルベースの商品価格が下げれば、国内商品市場も下げざるを得ないだろうというのが当方の考え方だ。

 

この相場観の大転換は、5/11以降の週末2日間での動きで結論を下したものだ。もちろん当たるかどうかは判らぬし、今はまだ突っ込みを買う作戦もありだろうとは思う。だが基本的には8月末辺りまで、戻り売り方針に転換する事を申し上げておく。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

5月2日

\30,550

-390

\28,140

-290

5月6日

\29,250

-1300

\27,070

-1070

5月9日

\28,750

-500

\27,060

-10

5月10日

\28,650

-100

\27,220

160

5月11日

\29,150

500

\27,620

400

5月12日

\28,000

-1150

\26,570

-1050

5月13日

\27,820

-180

\26,460

-110

まずはコーンから…

5/1号においては『大勢買い相場だとの考えに変化はないが、出来ればGW明けの安いところを買いたいので調整安を希望。だがあくまでも希望であり、相場観とはまた別の話であるが…』とコメントした。

その後の相場展開は、6日に急落した相場が11日まで戻すものの、12日にまた急落。先物は26,020円の安値まで記録だ

○東京コーン日足

…削除済み…

29,360円(4/21)→26,020円(5/13)まで3,340円の下げである4/21に天井を打っているチャートだが、実際には4/11に多くの限月がトップを打っており、このコーンも4/11がキーポイントになっている

 

GWの下げは、買い方にとってもある意味期待どおりのものであったわけだが、9日はもっと突っ込むはずが下げ渋り、そのせいもあってか11日はミシシッピの洪水のニュースの割には全然上がらず

これはあまりよろしくないだろう…と考えていたら、12日から急落である。相場の流れは、非常に悪くなったとしか言いようがあるまい。

 

…中略…

  

一代の動きは以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年7月

\20,850

6月16日

\32,260

4月11日

\19,080

6月30日

\27,820

2011年9月

\21,940

8月16日

\31,400

4月11日

\21,450

8月25日

\25,620

2011年11月

\23,280

10月18日

\28,910

4月21日

\21,890

3月16日

\25,120

2012年1月

\23,730

12月16日

\28,410

4月11日

\22,100

3月16日

\25,470

2012年3月

\26,850

2月16日

\28,980

4月11日

\22,740

3月16日

\26,010

2012年5月

\27,970

4月18日

\29,360

4月21日

\26,020

5月13日

\26,460

 先物のみ、一代安値の更新である。

 

○シカゴコーン日足(5/12現在)

…削除済み…

5/13のシカゴ市場は7月限で1.50セント高の682セント新穀は逆に3.50セント安。換算では100円安程度か。

 

5/11に発表された米農務省報告では、期末在庫の増加が報告されてリミットダウンの下げ。新穀の作付が進展しましたと言っては売られ、やっぱり遅れていると言っては買われではあるが、ちょっと下げる時の方が大きい感じだ。

在庫は増加したとはいえ、未だ需給逼迫に変わりはないのであるが、そんな事より今相場は下げたがっているのだというのが、当方の見方だ

 

なお期末在庫の詳細だが、旧穀の在庫率は5.0%→5.4%に上方修正新穀は6.7%と発表された。

今年の生産量を135億Buと見積もっており、単収は158.7Bu/Acと昨年の152.8よりも大豊作と見込んだ数字から、期末在庫増加としているわけだが、正直言ってどうなるかなどは神のみぞ知る話。

天候相場期にストレスがあればあっという間に需給逼迫になるので、逆に言えばそれを怖がって売る人は少ないだろう。だから逆に売りなんじゃないか?というのが当方の見方なんだが、それを説明する事は難しい。

 

CFTC発表の5/10現在のポジションは、…中略…

 

オプションを含めた4/29現在のポジションでは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、ファンドの手仕舞い売りの流れから、一段安が有り得るとの判断である。戻り売り方針への大転換を、徐々に図る相場であろうと見る。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月2日

\48,500

-110

\50,040

-330

5月6日

\47,490

-1010

\47,760

-2280

5月9日

\47,500

10

\48,010

250

5月10日

\47,300

-200

\48,330

320

5月11日

\47,300

0

\48,500

170

5月12日

\47,800

500

\48,370

-130

5月13日

\47,500

-300

\48,370

0

続いて一般大豆です…

5/1号においては『コーン以上に頭の重い展開が続いているものの、ファンダメンタルズはコーンよりも強い。いつその見直しが入るかといえば、それは大豆の天候相場が始まってからだろう』とコメントした。

その後の相場展開は、6日に急落した後は僅かに戻したものの、全く動意を欠く展開に。上げもせず、下げもせずに48,000円台でのもみ合いが続いている。

○東京大豆日足

…削除済み…

 47,070円(5/9)まで下げた相場だが、その後は1,000円以上戻して完全に動きを失っている展開

 

シカゴが上がろうが下がろうが、国内市場は我関せずの展開であり、戻りも鈍けりゃ、下げも浅い展開だ。

この主因は、すでに買いたい人は買ってしまっており、またその中心は個人投資家であるという事。

取り組みは、商社売り対個人投資家買いが極端になっている。推定で個人の90%以上は買いだと思われるが、平均買値は51,000円程度と推測される。それが若干水に浸っているが、投げるほどの下げにもなっていないし、さらに買い上がるほどの状況にもなっていないため、相場は完全に硬直化しているのだ。

 

相場が格言どおりに寂しい方に出るとすれば、今の取り組みでは上には行かぬ。何の材料があっての事かはわからぬが、ともかく一度下に行って大衆の投げが出て、取り組みが軽くなってからじゃないと上がらないだろう。

3/17の安値44,700円を割れる辺りまで下がらないと、そういう投げが出ないかもしれないので、逆に言えばそこまで下がる可能性もある

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\39,970

6月16日

\51,260

2月17日

\37,910

7月7日

\47,500

2011年8月

\42,640

8月16日

\52,500

4月4日

\41,050

8月25日

\47,390

2011年10月

\45,200

10月18日

\52,470

4月6日

\44,880

10月20日

\47,600

2011年12月

\47,540

12月16日

\52,520

4月11日

\44,120

3月17日

\48,380

2012年2月

\51,280

2月16日

\52,780

4月11日

\44,700

3月17日

\48,550

2012年4月

\50,170

4月18日

\51,180

4月21日

\47,070

5月9日

\48,370

  

○シカゴ大豆日足(5/12現在)

…削除済み…

5/13のシカゴ市場は中心限月の7月限で13.25セント安の1329.50セント。新穀は15.50セント安で、国内換算では500円強安い

 

シカゴも基本的には13ドル〜14ドルでのもみ合いであるが、ファンダメンタルズが良い割には全く力が無い印象だ。

そのファンダメンタルズだが、5/11に発表された米農務省報告では、旧穀の在庫率は4.2%→5.1%に上方修正新穀は4.8%と発表されており、明らかにコーン以上に需給は逼迫している。

 

だが今は、商品全体のリスク回避ムードに引きずられているわけで、天候相場期に一度買われるかもしれないとしても、継続性があるかどうかは疑問だ。

…中略…

 

なおCFTC発表の5/10現在のポジションは、…中略…

 

オプションを含めた5/13現在のポジションでは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、上に行かない相場は逆に下げて、大衆の買い玉の整理に向かう可能性が高いだろう。皆が投げたくなるところ(3/17の安値更新)辺りまでの下落を予想する。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月2日

\4,075

58

\4,087

58

5月6日

\3,852

-223

\3,863

-224

5月9日

\3,889

37

\3,903

40

5月10日

\3,904

15

\3,916

13

5月11日

\3,957

53

\3,971

55

5月12日

\3,897

-90

\3,910

-61

5月13日

\3,907

10

\3,924

14

金相場は、5/1号においては『押し目買いに押し目無しで高騰中。大勢ではまだまだ高いと思うが、さすがに週明けは一部利食いが良いのではと考える』とコメントした。

その後の相場展開は、4,103円(日付は5/6だが、実際は5/2の夜間取引)まで上昇したものの、GW最後の5/6に4日分の外電を受けて大暴落。3,828円(5/9)まで一気に275円値を消す展開となった。その後はまた3,900円台後半まで戻すものの、4,000円には届かずもみ合いである。

○東京金日足

…削除済み…

連休中日までは新高値の更新であったが、やはり危惧したとおりの展開である。そして275円の大暴落の後は、150円ほど戻して、また若干値を消す展開だ。

 

明確にNY金も崩れ始めたとまでは言えないかもしれないし、ドル高ならば円安になるので東京市場にはまだ期待感は残っているだろう。通貨はどれも弱いもの競争である情勢も変化はない。

だから市場にはまだ、急落したら拾っておけ!というムードもあるわけだが、相場は利食いしてナンボ、古今東西に天井を打たぬ相場は無いのも事実。どんな神話でも、終わればただの与太話だ。そうやって人類は歴史を刻んで来ている。

そういう意味では、そろそろ4,000円を達成した金相場も、神話が崩れる時期が近いのかもしれない。安い頃には、たったの900円しかしなかったわけなのだから…。

 

為替は将来的に120円にはなると考えているのは変わらない。しかし仮にNY金が今の半分の750ドルまで下がったなら…

750ドル×120円÷31.1035円=2,893円である。

暴落する時は簡単に半分になるのが相場なので、今はまだそれが必ずあるとは言わないが、心の片隅に置いておきたい。

 

…中略…

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\3,619

6月28日

\4,088

5月6日

\3,246

8月2日

\3,907

2011年8月

\3,365

8月27日

\4,083

5月2日

\3,338

8月31日

\3,907

2011年10月

\3,520

10月27日

\4,093

5月6日

\3,469

10月29日

\3,918

2011年12月

\3,719

12月24日

\4,096

5月6日

\3,479

1月31日

\3,918

2012年2月

\3,763

2月24日

\4,100

5月6日

\3,535

3月18日

\3,922

2012年4月

\3,970

4月26日

\4,103

5月6日

\3,828

5月9日

\3,924

 

NY金日足(5/12現在)

…削除済み…

5/13のNY市場は13.2ドル安の1493.6ドル。高値1516.4ドル、安値1482.0ドルと上下34.4ドル幅と大きく、東京市場換算では37円安である。

 

チャートでは5/2の1577.4ドルが相対力指数80ポイント超えの天井であり、今の50ポイント割れ前後で止まるのならまた上だが、止まらないと下げは予想以上に深くなりそうだ

 

なおCFTC発表の5/10現在のポジションは、…中略…

 

また5/13現在のETF残高は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、通貨全体が弱いために上がる可能性と、ドル高で急落する可能性はほぼ5分5分だろう。すぐにという意味ではないが、今後ここから400円上がっても驚かないが、逆に400円下げても驚かぬ。ともかく強気一辺倒はもう終いだ。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

5月2日

\4,825

50

\4,863

47

5月6日

\4,667

-158

\4,697

-166

5月9日

\4,669

2

\4,688

-9

5月10日

\4,653

-16

\4,687

-1

5月11日

\4,681

28

\4,727

40

5月12日

\4,613

-63

\4,653

-74

5月13日

\4,601

-17

\4,632

-21

プラチナ相場は、5/1号においては『押し目買い継続の相場であろう。金と比較してもたついているが、いずれ出遅れが材料視される事になるだろう』とコメントした。

その後の相場展開は、6日(実際には2日の夜間)までは上がっていたものの、その後暴落。GW明けは横ばいし、12日からまた下げ始めて4,593円(5/13)と4,600円も割り込んだ

○東京プラチナ日足

…削除済み…

まだ4,232円(3/17)は底となっているが、4,708円(4/20)の2番底は完全に割り込んだ。それも5/6の下げ一発で。

そこからは反発したものの、再び安値を切って来たのだから、これは全くよろしくないの一言。全く買える相場ではなくなったと見るしかあるまい。

 

銀は先の暴落で3/17の安値までトライしており、パラジウムもそれに近い。となるとプラチナも、金と比較して出遅れていると言うよりも、それらの後追いをする可能性も十分ある。

おかしいと思ったものを放置は出来ぬ。今までの相場観から、180度転換だ。

 

なお週末5/13のNYプラチナは、…中略…

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\4,582

6月28日

\4,959

2月16日

\4,030

8月25日

\4,601

2011年8月

\4,181

8月27日

\4,963

2月22日

\4,099

8月31日

\4,596

2011年10月

\4,495

10月27日

\4,980

2月16日

\4,224

3月17日

\4,619

2011年12月

\4,702

12月24日

\5,015

2月16日

\4,225

3月17日

\4,612

2012年2月

\4,817

2月24日

\4,997

4月11日

\4,232

3月17日

\4,620

2012年4月

\4,826

4月26日

\4,921

5月6日

\4,593

5月13日

\4,632

 

○白金−金価格差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、4,632円(プラチナ)−3,924円(金)=708円

 

785円(4/20)まで詰まって底打ちか?」とした今までの観測はとうに崩れており、3/17の705円に急接近だ曲がった相場は、まずは手仕舞いしてから次を考えるしかあるまい

 

結論として当方の相場観は、2番底と考えていた4,708円をあっさり割れて安値追いする状況では、再び上昇して5,000円を目指すよりも、むしろ3/17の安値4,232円に向かう可能性が大きいのではあるまいか? 戻り売り方針に転換である。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月2日

427.0

-12.0

386.8

-2.3

5月6日

403.0

-24.0

361.1

-25.7

5月9日

410.0

7.0

367.6

6.5

5月10日

414.0

4.0

377.5

9.9

5月11日

414.0

0.0

383.2

5.7

5月12日

396.0

-18.0

362.2

-21.0

5月13日

403.3

7.3

371.5

9.3

5/1号においては『今は売りが売りを呼んでいる相場展開だが、ファンダメンタルズからは下げ過ぎの気がする。突っ込みは買い対処が良いのではなかろうか』とコメントした。

その後の相場展開は、他商品・特に原油の大幅安を受けて6日に大暴落し、その後は反発したものの12日にまた暴落

○東京ゴム日足

…削除済み…

200円の大暴落の後、押しを入れながら150円近く上げ、また道中にもみ合いを入れながらも130円ほど下げて来たのが、今の相場である

 

在庫がどんどん減っていた上海市場で…中略…

 

今のところ直近の安値は353.2円(5/6)であるが、このまま335.0円(3/15)を割り込まないようなら戻りもあろう。また意地の悪い相場ゆえ、案外と割れたら急反騰も有り得るのかもしれない。

しかしチャートでは、535.7円(2/16)の大天井は確定であり、481.9円(4/11)の2番天井も確定で、それをトップとする三尊天井も形成済み。もしも335円を割るようなら、200円幅の下落で280円台を目指す事も十分考えられる。

いずれにせよ、三尊天井のネックラインである392.7円は、かなりの上値抵抗になるであろう。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年5月

368.9

11月25日

551.0

2月18日

346.0

3月15日

403.3

2010年6月

416.9

12月22日

542.8

2月18日

340.4

3月15日

405.4

2010年7月

460.2

1月26日

535.7

2月18日

337.6

3月15日

401.5

2010年8月

493.3

2月23日

502.7

2月24日

335.0

3月15日

390.0

2010年9月

436.0

3月28日

481.9

4月11日

358.7

5月6日

380.5

2010年10月

413.0

4月25日

413.6

4月25日

353.2

5月6日

371.5

 

当先のサヤは5月限403.3円〜10月限371.5円と31.8円の逆ザヤ。逆ザヤ幅は縮小であり、先物だけ異様に売られているというわけではない。

 

週末現在の輸入採算価格は、…中略…

 

産地の集荷量は1日当たり約10トン〜30トン台となっており、全然物が出て来ない状況。ただしそれが材料視されている感じは全く無い。

 

国内営業倉庫在庫は4/20現在で8トン減の7,526トン。ほとんど変わらない。

4/29現在の上海ゴム在庫は前週比1,775トン減の12,942トンまた減っている

 

しかし上海ゴム価格は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、戻しても390円辺りが限界であろう。震災後の安値更新どころか、300円を大きく割れて行く可能性も否定できず、戻り売りの方針である。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

5月限(当限)

前日比

10月限(先限)

前日比

5月2日

\60,940

-500

\59,860

 

5月6日

\54,410

-6530

\52,680

-7180

5月9日

\54,150

-260

\52,550

-130

5月10日

\55,450

1300

\54,140

1590

5月11日

\57,000

1550

\55,980

1840

5月12日

\54,910

-2090

\53,230

-2750

5月13日

\55,400

490

\53,830

600

まずは原油から…

5/1号においては『6万円に以下は買い場であろう。あとは円安反転し、相場が舞上がるのを待つだけだろう』とコメントした。

その後の相場展開は、NY原油は東京市場のGW中に大暴落。114.83ドル(5/2)→94.63ドル(5/6)までの20ドルの下げであり、その後11日までに半値戻しを入れ、また値を消す展開となった。

 

また東京原油は、連休前の6万円から大暴落で、5/9には安値で49,980円と6万円割れどころか、5万円すら割り込んだ。その後11日までに56,040円と半値戻しを入れたが、12日にはまた値を消した

 

NY原油日足(5/12現在)

…削除済み…

5/13のNY原油は、前日比0.68ドル高の99.65ドルでの終了。高値100.70ドル、安値97.09ドルと振幅は3.61ドルと相変わらず大きく、このところは夜間取引でも2ドルは簡単に動く。

これは上に行っても、下に行っても、手仕舞い売りの原油市場からの資金流出が続いているためだと思われ、あまり歓迎すべき状況ではないと思われる。

 

ともかく東京市場の休み中に一気に20ドル下げ、10ドル戻り、5/11が鬼門となってまた急落〜乱高下なわけである。

チャートでは105ドル台がWトップのネックラインで、抵抗線となる

…中略…

 

なお5/10現在のファンドのポジションは、…中略…

 

○東京原油日足

…削除済み…

GW中に気を付けるのは当然の事だが、5/1号ではまだ強気で書いていたためにポジションを消し損ねた人が居たとしたら、ちょっと申し訳ない事をした

もっとも6万円で買いがあったとしても、5万円で難平したら、5/11には両落ち出来たわけである。難平していなくても、半値戻しの11日には売り建てが常道だ。

今後の相場がまたどうなるかは神のみぞ知る話だが、仮に大暴落を喰らっても打つ手はあると言う話だ。

 

しかし、その神のみぞ知る原油相場だが、凡人の当方の相場観は12日の半値戻しからの下げを見て180度転換。

それは63,000円が天井で、6万円も壁になり、下値はもう一度5万円割れをトライ〜下手すれば44,000円割れを目指すという、戻り売りの相場観に大転換である。震災後の暴落でも変わらなかった相場観だが、今回は豹変である。QE2の終了が、今度は原油相場を押し下げると見ている。

 

震災後の電力不足による原油消費量増加予測も、今は安い天然ガスへのシフトになるだろうと悲観的な見方である。そもそもガソリン需要なども、これからどんどん落ち込むだろうと考えているし…。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年5月

\44,090

12月1日

\63,870

4月11日

\53,890

12月1日

\55,400

2011年6月

\47,330

1月4日

\63,660

4月11日

\46,300

1月5日

\54,630

2011年7月

\50,400

2月1日

\63,610

4月11日

\49,530

2月9日

\54,370

2011年8月

\54,680

3月1日

\63,680

4月11日

\50,480

5月9日

\54,180

2011年9月

\58,210

4月1日

\63,580

4月11日

\50,130

5月9日

\54,040

2011年10月

\60,480

5月2日

\60,480

5月2日

\49,980

5月9日

\53,830

 

結論として当方の相場観は、GW最後の6日の大暴落と、その後の反発から5/11に戻り天井を打った事により、相場観を180度転換する。戻り売りで、年初来安値の更新を目指すと見る。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月2日

\71,500

300

\70,920

50

5月6日

\66,320

-5180

\64,550

-6370

5月9日

\66,120

-200

\64,200

-350

5月10日

\67,510

1390

\65,570

1370

5月11日

\69,320

1810

\67,880

2310

5月12日

\67,700

-1620

\65,260

-2620

5月13日

\67,550

-150

\64,920

-340

続いてガソリンです…5/1号においては『7万円以下は買い場だろうとの見方である。いずれ原油価格の高騰に反応し、新高値更新となるだろう。その材料としては、円安反転が一番現実味があるか』とコメントした。

その後の相場展開は、実質的なGW明けの6日に大暴落した市場は、9日分となるその日の夜間取引で62,160円まで記録。もちろんその突込みを拾えば5,000円は優に取れたわけだが、鬼門の11日を経て12日に再び急落

○東京ガソリン日足

…削除済み…

GW明けには、一気に8,000円の下げとなったわけだGWでポジション整理を行っていた人が多いだろうから、この下げはそんなに被害は無いと思われるものの、CB制度の怖さをまた見せ付けられた格好だ。

1回の制限幅2,400円の3発分以上の値動きとなったわけだが、銀相場に至っては制限幅の12発分が来たのだから、それに比べればまだマシ?

 

いずれにせよ結論から先に言えば、原油相場に対する相場観が180度転換したのだから、このガソリン相場も7万円台で天井打ち。今後は戻り売りを主力に考える相場に変更である。

 

…中略…

 

 一代の推移は、以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\56,000

11月26日

\73,500

4月11日

\55,400

11月29日

\67,550

2011年7月

\60,170

12月27日

\74,120

4月11日

\59,440

1月5日

\67,160

2011年8月

\60,150

1月26日

\74,320

4月11日

\60,120

1月26日

\66,930

2011年9月

\68,770

2月28日

\74,200

4月11日

\61,790

3月16日

\68,180

2011年10月

\66,450

3月28日

\73,870

4月11日

\62,440

5月9日

\65,350

2011年11月

\68,710

4月26日

\71,580

5月6日

\62,160

5月9日

\64,920

 

ガソリン・原油のサヤは、64,920円(ガソ11月限)−53,830円(原油9月限)=11,090円

理論的には適正なサヤだが、売られ始めると1万円以下に詰まるかも。

 

5/13現在の業者間転売価格は、…中略…

 

5/7現在のガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、73,000円台で天井を打った相場であろう。戻りは7万円どころか、68,000円も難しいと思われ、再び相場は安値にトライすると予測する。

 

 

今週の灯油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

5月2日

\73,290

-20

\74,930

-10

5月6日

\66,060

-7210

\67,240

-7690

5月9日

\65,790

-290

\66,870

-370

5月10日

\66,670

880

\67,800

930

5月11日

\68,540

1870

\69,890

2090

5月12日

\66,520

-2020

\67,540

-2350

5月13日

\66,600

80

\67,910

370

最後に灯油です…5/1号においては『需要は低下して、在庫は過剰である。それで期近から売られれば、良い買い場になるだろう。先物の75,000円以下は、長期的に見て買い場との判断である』とコメントした。

その後の相場展開は、実質的なGW明けの6日に75,000円台から一気の大暴落。7万円割れどころか、64,690円(5/9)までの突っ込みは1万円以上に及んだ。その後は急反騰して5,000円以上戻したが、鬼門の11日を過ぎてまた急落である。

○東京灯油日足

…削除済み…

79,530円(4/11)まで上昇の後、75,000円前後でもみ合っていたが、ちょっとですまない大暴落こうなるとやはり、4/11の高値は天井と見るのが妥当だろう

 

結論から先に言えば、今後は戻り売りを主体に考えるべき相場に変化であり、戻りはあっても75,000円どころか、5/12を戻り天井だと考えれば、7万円回復も厳しいかもしれない。

 

 今後、需要期限月の1月きりが発会する時期が来て、それが安ければ買い目も出て来るかもしれないが、今はまだ売りしか考える必要が無いだろう。

 

 なお一代の推移は、以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\55,940

11月26日

\77,830

4月11日

\55,260

11月29日

\66,600

2011年7月

\59,620

12月27日

\78,300

4月11日

\58,610

1月5日

\66,580

2011年8月

\59,900

1月26日

\78,760

4月11日

\59,850

1月26日

\66,850

2011年9月

\69,000

2月28日

\79,000

4月11日

\64,040

5月9日

\67,240

2011年10月

\71,490

3月28日

\79,530

4月11日

\64,230

5月9日

\67,580

2011年11月

\74,310

4月26日

\75,470

4月28日

\64,690

5月9日

\67,910

 

5/13現在の業者間転売価格は、…中略…

 

5/7現在の灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、79,000円台で天井を打った相場であろう。戻りは75,000円どころか、7万円がせいぜいと思われ、再び相場は安値にトライすると予測する。

 

 

 

〔その他〕

 

  今週は為替のチャートを1種類とNY砂糖・銅のチャートをアップ。

    ユーロ/ドル相場日足

…削除済み…

ドル/円相場は80円〜81円台で膠着しているため、今週はアップしない。だがユーロ/円相場なら、連休前の121円台→114円台へと7円の円高が進行だ

 

となると当然、このユーロ/ドル相場も、ユーロ安/ドル高が進行しているわけだ。1.494ドル(5/4)→1.412(5/12)まで急速にドルが買い戻されている。

別にドルが強くなったわけでもあるまいが、ともかくこれで商品市場も急落になったのは事実。

 

    NY銅日足

…削除済み…

 銅相場は、昔から景気先行指数であると言われている。これを見ると、2月に天井を打ち、4/11にも戻り高値を付けていたものが、今は下に抜け始めている事が良くわかる。

 他商品の参考として、考えておく方が良いのかもしれない。

 

    NY砂糖日足

…削除済み…

もっと明確に大崩れしてしまっているのが砂糖相場である。すでに36セントまで上がったものが、20セントまで44%も下がっている

そりゃ砂糖には砂糖の材料があるんだろうが、ちょっと前までは大変だ!大変だ!と騒いでいた事も記憶に新しい。

例えば110ドルの原油が44%下がったら、これは60ドルまで下がる

例えば1500ドルの金が44%下がったら、840ドルまで下がってしまうわけだ

あるいは780セントのコーンが44%下がったら、440セントになるわけだ

 

もちろん、そうなると言っているのではない。相場と言うものは、そういう可能性も必ず頭の片隅に置いておく必要があると言う事だ。

ちなみに東京市場でも、ゴムは高値からすでに37%は下げた。これの天井が2/18だ。NY砂糖は2/2で、前述の銅は2/14だ。ね、おかしくないでしょ!

 

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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