商品市況展望 割愛版

平成23年6月26日記

 

コメ先物、試験上場へ 72年ぶりに復活

 民主党の農林水産部門会議は22日、コメの将来の価格を予想して取引する先物の上場を了承した。

これを受け、農林水産省は来月にも、東京穀物商品取引所と関西商品取引所への試験的な上場を認める見通しだ。

 江戸時代に大阪・堂島で誕生し、戦時の経済統制が実施されるまで約200年続いたコメの先物取引が1939年以来、72年ぶりに復活する

自由な市場でコメの指標価格を形成し透明性を高めるとともに、農家や流通業者が将来の価格変動リスクを回避できるようにする狙いだ。

 ただ、投機的な取引で価格が乱高下する懸念もあり、農水省は取引数量や値幅制限、取引停止などの規制を検討する

【共同通信】6/22

 

 本でしか見た事のないコメ相場が復活する。そりゃ業界人としては、何とか成功してもらいたいのは山々だ。

 ただし、まだ詳細は全くわからん。標準品を何で取引するのか?倍率は?証拠金は?値幅は?

 その辺は、追ってご報告する。

 

農林水産省は、1〜6ヶ月先の売買価格を事前に決めておくコメ先物取引の試験上場を認可する方向で調整に入った。

コメ先物取引を巡っては、東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所が今年3月に上場を申請しており、正式に認可されれば、コメ先物の上場は約70年ぶりとなる。2年刊の試験上場を経て、本格上場となる見通しだ。

 鹿野農相は24日の閣議後の記者会見で、「認可をしないという考え方に立つことは難しい」と語った。コメの先物取引が実現すれば、農家にとっては、田植え前に、収穫後の収入をある程度予想することができるため、作付け計画を立てやすくなる。

 ただ、先物取引の上場については生産者団体などが強く反対している。東日本大震災で食料の供給能力が低下している中で、大量の投機資金が流入すれば、コメ価格が乱高下する恐れがあるためだ。

【読売オンライン】6/24

 

 2年間の「間が刊」に誤植になっているのは些細な話だが、生産者団体の反対は毎度の事とはいえ困ったもんだ。

 「大量の投機資金が流入すれば、コメ価格が乱高下する」とのたまうが、さて大量の投機資金とやらが今に国内市場にあるのか?

 

 それはともかく、乱高下を恐れる心境っていうのは何なんだろう?相場というものは、乱高下してくれなければ困るものであり、へッジしたり、渡したり、受けたりが出来る当業者は、価格のうねりがあるからこそ玉を入れられるんだろうに…。投機=悪玉論なんぞ宗教と一緒で、そう思いたい人たちには何を言ってもダメなんだが。

 そもそも市場の何たるか、経済の何たるかを知らぬ人ばかりであり、結局は頭なんぞ使わず、楽して儲けたい人たちばかり増えた結果だな。

 

米の先物取引 不参加で決議  JAグループ

 JAグループは6月9日の全中理事会で「米の先物取引への不参加に関する決議」を採択した。

 米の先物取引については今年3月、東京穀物取引所と関西商品取引所が農水省に対して試験上場の認可申請を出しており、農水省は6月中にも判断を示す見込みとなっている。
 米の先物取引については平成17年に同様の申請が行われたが、農水省は「生産調整への参加を誘導している政策との整合性を保てない」との理由で不認可とした。
 決議では戸別所得補償制度が導入された現在でも、生産調整政策との整合性が保てないという理由は同じであることや、投機資金が世界の穀物価格高騰の要因として問題視されているなか、主食をマネーゲームの対象とすることは食料安保上の問題であることなどから、JAグループは「たとえ試験上場であっても断固として反対」とした。
 また、組合員の営農支援や地域のライフラインとしてのJAグループの役割やJA経営の健全性が求められているなか、「JA・連合会が投機資金によって相場が乱高下する先物取引に参加することになれば生産現場は大混乱し、地域では大きな不安・不信を招くことになる」と強調し、不参加を組織の総意として確認した。
 同日、鹿野農相にも不認可と判断するよう茂木会長が求めた。農相は「6月25日までに省として回答することになっている。よく検討していきたい」と述べるにとどめた。

(2011.06.14)

 

 反対派の急先鋒がJAなわけであるが、彼らは一体どこの国の人間なのかしらん?現物屋が参加しないと投機だけで相場が動く事になるわけで、資本主義社会に生きているんだから、そんな社会主義国家のような事を言っていたらダメだ。淀やの爪の垢でも煎じて飲め!

 サブプライムローンの購入で大損したくせに、てめえの得意なコメにはカネを使えんとは、一体JAっていうのは何の団体だい?

 

 とにかくコメ上場が業界の追い風となってもらいたいのは山々だが、次のデータを見てもらえば、果たして「新規上場が業界の追い風になるのか?」という話だ。

 根本はちょっと違うのでは?

 

 

振興協会が業界データを公表

   振興協会が平成22年度末(平成23年3月31日現在)の業界データを公表しました。売買枚数がピークであった平成15年度末(平成16年3月31日現在)以降の主要データを表にしてお知らせします。



   平成17年(2005年)に再勧誘禁止が法制度化されました。しかし、業界データのピークはその2年前の平成15年度でした。商品取引員は平成16年度から徐々に法改正対応を行なっていたことが伺えます。

 しかし、対面取引を重視する営業体制になっていたため、再勧誘禁止が法制度された後も営業改革が思うように進まず、商品取引員経営に大きなダメージを与えたことが伺えます。そして、商品取引員が採った道は、リストラによる経営の規模縮小→経営の統廃合→営業所の統廃合(平成15年480箇所→平成22年91箇所。平成23年は未集計)でありました。

   委託者数に比べて他の3項目の減少率が非常に大きくなっています。特に手数料収入の減少は商品取引員の収益手段の90%を占めるものですから、規模縮小に拍車がかかったものと考えます。手数料収入が減少した要因の一つは手数料自由化です。また、ネット取引の普及も大きな要因と思われます。

   もう一つ気掛かりな問題は登録外務員の減少です。登録外務員一人当たりの委託者数は10名程度と言われていますから、登録外務員の減少は委託者数の減少につながっています。ただ、委託者数の減少率が少ないのは、廃業した商品取引員で取引していた委託者が、ネット取引に移行したものと考えられます。

 

 対面はダメで、ネットが主流になると言われたものだが、じゃあ何で売買高がこんなに激減するんだい?そういう事だ。

 取引に魅力が無ければ、わかり易くなければ、誰でも自由に参加できなければ、ファンドだって何だってやらなくなる。そういう事だ。

 

 そういう単純な理屈がわかっていないわけで、コメの上場もこの時代に国内農家を相手にする市場設計なんぞナンセンス。

 アジアではコメが主食であり、中国・タイ・インド・バングラデシュなどアジア全土を相手にする市場設計じゃなければ、どうせ絵に描いた餅だろう。

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

6月20日

\27,900

60

\27,440

120

6月21日

\27,950

50

\27,640

200

6月22日

\27,900

-50

\28,010

370

6月23日

\26,900

-1000

\27,040

-970

6月24日

\27,180

280

\27,230

190

 

まずはコーンから…

先週号においては『6/10で当面の天井を打っただろう。戻り売り一貫の相場観だが、投げが大きく出たら一時的には急反発するはず。そこが売り場だろう』とコメントした。

今週の相場展開は、20日の安値27,080円→28,190円(6/22)まで1,110円戻ったのもつかの間、23日には再び急落して週末は26,600円の安値まで記録

○東京コーン日足

…削除済み…

このところ『統計的に4月〜6月に穀物相場は天井を付ける事が多いのは事実であり、誰もが需給逼迫だと思っている時にこそ、天井を打つのではあるまいか?』とコメントして来ているわけだが、今週も戻った場面が絶好の売り場になった

 

おそらく7月は大きく値を消すだろう。確かにファンダメンタルズではまだ需給逼迫かもしれないが、今月末にはQE2が終了するし、今は作柄も順調で青田ほめの時期であろう。

ターゲットはズバリ3/16の22,740円だと考えており、なお5,000円近い下げ余地はあるとの見方だ

  

なお一代の動きは以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年9月

\21,940

8月16日

\31,400

4月11日

\21,450

8月25日

\27,180

2011年11月

\23,280

10月18日

\28,910

4月21日

\21,890

3月16日

\25,180

2012年1月

\23,730

12月16日

\28,410

4月11日

\22,100

3月16日

\25,950

2012年3月

\26,850

2月16日

\28,980

4月11日

\22,740

3月16日

\26,400

2012年5月

\27,970

4月18日

\29,360

4月21日

\26,020

5月13日

\26,890

2012年7月

\28,180

6月16日

\28,210

6月16日

\26,600

6月24日

\27,230

 26,600円は夜間で出た価格で、その後は27,000円台には戻した。ただしシカゴはまた安いね。

 

○シカゴコーン日足(6/23現在)

…削除済み…

6/24のシカゴ市場は7月限で10.25セント安の670セント新穀12月限は14セント安の632セントである。国内換算では630円安だ。

 

チャートでは6/10の799.75セントで天井を打った相場であり、6/23には安値で640セントまで下落

6/23は長い下ヒゲだったわけだが、週末に戻り切れなかったわけで、まだ底打ちではなかろう。

 

6/19現在の主要18州の発芽率は…中略…

 

CFTC発表の6/21現在のファンドのポジションは、…中略…

 

オプションを含めた6/24現在のポジションでは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、天井を打った相場であり、戻り売り一貫であろう。また目先は大した戻りすら出ずに下げる可能性もあるわけで、まずは売っておいて考える相場であろう。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

6月20日

\46,200

0

\48,480

-310

6月21日

\46,200

0

\48,700

220

6月22日

\46,000

-200

\48,760

60

6月23日

\45,500

-500

\48,580

-180

6月24日

\45,300

-200

\48,370

-210

続いて一般大豆です…

先週号においては『青田ほめで一段安となるだろう。まずは47,000円を目指し、一度戻しても44,000円台突入は避けられないと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、コーンに比べると戻りも甘いし、下げも甘い展開が続いていたが、週末には安値で47,560円まで示現

○東京大豆日足

…削除済み…

 チャートでは完全に戻り売りの格好であり、まずは47,070円(5/9)がターゲットであり、次は44,700円(3/17)がターゲットであろう。

 

 元々、コーンに比べるとファンドの買い残が少なく、よって投げるべき玉も少ないから下げも甘いのだろうが、他の穀物商品が上に行けないのなら、この大豆だって上には行けないはず。となると相場は、自然に下がらざるを得ないだろう。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年8月

\42,640

8月16日

\52,500

4月4日

\41,050

8月25日

\45,300

2011年10月

\45,200

10月18日

\52,470

4月6日

\44,880

10月20日

\47,490

2011年12月

\47,540

12月16日

\52,520

4月11日

\44,120

3月17日

\49,100

2012年2月

\51,280

2月16日

\52,780

4月11日

\44,700

3月17日

\49,090

2012年4月

\50,170

4月18日

\51,180

4月21日

\47,070

5月9日

\48,610

2012年6月

\49,820

6月16日

\49,820

6月16日

\47,560

6月24日

\48,370

  

○シカゴ大豆日足(6/23現在)

…削除済み…

6/24のシカゴ市場は、期近7月限で2.50セント高の1320.25セント。新穀11月限は8セント安の1309.25セント国内換算では520円安

 

シカゴはこの半年、ずっと13ドル割れ〜14ドル台でのもみ合いであり、現在はその下値のラインにいる。

ゆえに戻るかもしれないが、今度こそ下に抜ける可能性だって否定できない。なぜなら在庫率5.8%は皆の周知の事実であるが、QE2明けの投機市場の動きはまだ誰にも予想が付かないからだ

 

6/19現在の進捗率は…中略…

 

CFTC発表の6/21現在のファンドのポジションは、…中略…

 

オプションを含めた6/24現在のポジションでは、…中略…

 

ちなみに、小麦は約5万5,100枚のショートまで売りが積み上がっている。今週も小麦のチャートをアップしてみるが、完全に底抜け状態である。

○シカゴ小麦日足(6/24現在)

…削除済み…

 

結論として当方の相場観は、天候が悪化すれば…との期待感がまだ残っているうちに、売っておく方が良いだろう。相場は天井を打っているのだから、妙な期待感は持たぬ方がマシだ。戻り売りである。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

6月20日

\3,967

11

\3,972

8

6月21日

\3,976

9

\3,987

15

6月22日

\3,991

15

\3,997

10

6月23日

\3,999

8

\4,003

6

6月24日

\3,944

-55

\3,946

-57

 

金相場は、先週号においては『まだ逆張りのもみ合い相場が続くと見るが、基調はさほど弱くない。押し目買い中心に考えておくのがベターだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、再び4,000円台までじりじりと上がった相場が、週末に一気に値を消して3,900円台前半へと舞い戻った。

○東京金日足

…削除済み…

ちょっと下げづらい相場展開だったからか、再び今週は4,000円台を回復。ただしNY原油安などを受けて、さすがに週末は下落

なお夜間取引でも続落し、安値3,883円と久々の3,900円割れ2日間で120円の下落である。

 

3,828円(5/9)のネックラインを割り込めば三尊天井となると、前々からコメントはしていたが、なおここから60円崩れるかどうか?

正直言って判断は難しいが、4,000円では既定の方針に従えば売っていたわけであろうし、その判断は皆さんに任せる。

 

ただし当方は、感覚的にはQE2明けの動向を見てから判断したいところであり、今はまだ買戻しはともかくとして、新規には買わなくても良いのではないか?との見方だ。4,000円に再び舞い戻って買いチャンスを逃したならば、そこでまた売れば良いだけの話であるし。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\3,619

6月28日

\4,088

5月6日

\3,246

8月2日

\3,944

2011年8月

\3,365

8月27日

\4,083

5月2日

\3,338

8月31日

\3,938

2011年10月

\3,520

10月27日

\4,093

5月6日

\3,469

10月29日

\3,939

2011年12月

\3,719

12月24日

\4,096

5月6日

\3,479

1月31日

\3,940

2012年2月

\3,763

2月24日

\4,100

5月6日

\3,535

3月18日

\3,943

2012年4月

\3,970

4月26日

\4,103

5月6日

\3,828

5月9日

\3,946

 

NY金日足(6/23現在)

…削除済み…

6/24のNY市場は19.6ドル安の1500.9ドル国内換算56円安だ。

チャートでは、ここで止まらないと崩れる格好だ。一目均衡表の雲で支えられか、相対力指数の50ポイント割れで反発できるかの瀬戸際。週明けも崩れるようなら、下に抜けても不思議ではないだろう。

 

なおCFTC発表の6/21現在のファンドのポジションは、…中略…

 

また6/24現在のETF残高は、…中略…

 

結論として当方の相場観は、週末から崩れ始めた相場であるが、QE2明けの動向を見ないと押し目買いなのか、調整が深いのかの判断が付かぬ。しばし様子見である。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

6月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

6月20日

\4,536

-49

\4,572

-50

6月21日

\4,504

-32

\4,559

-13

6月22日

\4,522

18

\4,573

14

6月23日

\4,560

-62

\4,512

-61

6月24日

\4,415

-45

\4,476

-36

プラチナ相場は、先週号においては『もみ合い下放れのような格好になっているが、ここからの安値は買い下がりが良いだろう。金が下げないのに、プラチナだけ底抜けする可能性は薄いと考えるゆえに』とコメントした。

今週の相場展開は、崩れ始めた相場が下げ止まらず、金が戻していても下がる、金が下がると同時下がるという展開で、一気に4,400円台に突入

○東京プラチナ日足

…削除済み…

6/1の4,851円4,424円(6/24)まで427円の下落であり、夜間取引ではなか下落して4,391円(都合460円の下落)まで下げている

相対力指数は30ポイント割れであり、これは底抜けパターンだ。先週号までは、逆向かいの買いを考えていたが、どうもそれは失敗だった模様。すでに買い玉は投げた。

 

このところはNY原油&北海原油のサヤ、コーンと小麦のサヤなど、通常では起こりえないサヤが見られる情勢だ。おそらく誰かが、妙な仕掛けをしているんだろう。

そんな中で金&プラチナも、サヤは縮小の一途であり、一部では同ザヤまで詰まるだろうとの観測まで出始めている。そんな馬鹿なと言っても、相場には上り坂、下り坂のほかに、まさか(魔坂)というやつがあるわけで、魔坂の坂に遭遇したら一目散に逃げ出すしかない。

 

なお週末6/24のNYプラチナは、…中略…

 

先にJM(ジョンソン・マッセイ)社は向こう6ヵ月間の価格予想を1750〜2000ドルとし、GFMS(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ)は1675〜1925ドルと予想

週末のNY市場の安値は1675.5ドルでGFMSの予想下限価格に到達したわけである。

…中略…

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\4,582

6月28日

\4,959

2月16日

\4,030

8月25日

\4,415

2011年8月

\4,181

8月27日

\4,963

2月22日

\4,099

8月31日

\4,440

2011年10月

\4,495

10月27日

\4,980

2月16日

\4,224

3月17日

\4,446

2011年12月

\4,702

12月24日

\5,015

2月16日

\4,225

3月17日

\4,453

2012年2月

\4,817

2月24日

\4,997

4月11日

\4,232

3月17日

\4,466

2012年4月

\4,826

4月26日

\4,921

5月6日

\4,424

6月24日

\4,476

 先物のみ夜間取引で3,931円とさらに一代安値の更新である。

 

○白金−金価格差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、4,476円(プラチナ)−3,946円(金)=530円。一時は400円台も出ている。

先週号で『最大で400円程度までのサヤ詰まりは覚悟しながら』とコメントしたが、あっという間にそれが出ている。

  

結論として当方の相場観は、GFMSの予想下限価格帯まで下げた相場であり、大きな目で見れば買い場なのかもしれないが、QE2がもうすぐ終了という事で7月入りした相場を見てみたいところ。しばし様子見である。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月20日

405.0

-1.0

377.9

-1.9

6月21日

400.7

-4.3

377.6

-0.3

6月22日

393.0

-7.7

364.7

-12.9

6月23日

377.9

-15.1

360.4

-4.3

6月24日

378.0

0.1

363.0

2.6

 

先週号においては『もみ合いながら、緩やかに下落するトレンドだろう。逆に急落した場面はその分を切返して、また緩やかに下げる相場であろうと見る』とコメントした。

今週の相場展開は、22日の急落など基調を弱め、週末には355.5円(6/24)まで下落。さすがにそこからは多少戻って終了した。

○東京ゴム日足

…削除済み…

先週号で「おそらく自然に、また徐々に値を消す相場なのだろう」とコメントしたわけだが、また20円強の下落である。

当先のサヤも詰り気味であり、今後もまだ戻り売り相場は続きそうだ。さすがに1週間で100円も上下するような展開は考えづらく、相変わらず徐々に値を消す展開を予測する。

 

チャートでの関門は、5/6の353.2円、及び3/15の335円である。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年6月

416.9

12月22日

542.8

2月18日

340.4

3月15日

378.0

2010年7月

460.2

1月26日

535.7

2月18日

337.6

3月15日

378.0

2010年8月

493.3

2月23日

502.7

2月24日

335.0

3月15日

377.6

2010年9月

436.0

3月28日

481.9

4月11日

358.7

5月6日

375.4

2010年10月

413.0

4月25日

413.6

4月25日

353.2

5月6日

368.9

2011年11月

388.9

5月26日

394.9

6月1日

355.5

6月24日

363.0

 

当先のサヤは6月限378.0円〜11月限363.0円と15.0円の逆ザヤ。逆ザヤ幅はだいぶ縮小した。なお週明けは12月限が発会する。

 

週末現在の輸入採算価格は、…中略…

 

産地の集荷量は1日当たり約50トン〜70トン台となっており、低位安定。しかし以前のように、100トン台の集荷量になる事はあるんだろうか?という感じは続いている。

 

国内営業倉庫在庫は5/31現在で280トン減の7,691トン。3旬連続の減少である。

6/17現在の上海ゴム在庫は、…中略…

 

 

上海ゴム価格は、22日・23日に大きく下げて戻りいっぱいとなった感じ。

 

 結論として当方の相場観は、今後も戻りは売られ、徐々に値位置を切り下げる展開を予測する。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

6月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

6月20日

\54,970

-180

\53,220

-980

6月21日

\54,900

-70

\53,440

220

6月22日

\54,500

-400

\53,000

-440

6月23日

\55,000

500

\53,940

940

6月24日

\54,600

-400

\52,600

-1340

まずは原油から…

先週号においては『目先は突っ込み買い、その後はまた戻り売りの相場であろう。ポジションは長期に持たず、利が乗った玉は食ってしまうのがベターな相場でもあろう』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は23日にIEAによる石油戦略備蓄の在庫放出の報で急落。一時は、一気に90ドルを割り込んだ。

 

また東京原油も、戻りは売られながら推移してきた相場が、週末は急落して一時51,000円台前半まで下落。先週の戻り高値からは、一気に5,000円以上の下げを演じる事となった。

 

NY原油日足(6/23現在)

…削除済み…

6/24のNY原油は、前日比0.14ドル高の91.16ドルでの終了。この日も安値は89.82ドルまであり、高値は92.34ドルと上下2.52ドルの変動。国内換算では15時半比460円安であるが、夜間取引では51,010円(1,590円安)まで出ていた

 

チャートでは95ドルを割れてすでに下放れしていたわけで、IEA(国際エネルギー機関)の6000万バレル戦略備蓄在庫放出の報が、前日までの戻りで95ドルを再度記録したところで出たのが、完全な冷や水になった模様。

普通の展開であれば、次は85ドルがターゲットである。今年1月〜2月の水準がそれだ。

 

なお6/21現在のファンドのポジションは、…中略…

 

○東京原油日足

…削除済み…

6/15には56,970円と11月限は一代高値の更新そして今週末は51,210円の安値まであったわけで、夜間では51,010円の安値まで記録と、一転して一代安値の更新中

 

週末のロンドンブレントは2.14ドル安の105.12ドルドバイ原油は1.16ドル安の100.97ドル。それぞれまだNY原油よりも13.96ドル、9.81ドルと上ザヤにいるわけだが、それでもピークからは大きく縮小した

今回のIEAの戦略備蓄放出は、混乱しているリビア情勢に対処するためのものであり、となるとダイレクトに影響するのが欧州向けの原油であろう。サヤの縮小も当然だ。

 

…中略…

 

やはり流れは、NY原油が85ドル台を目指す中で、ロンドンやドバイもなお下がるのならば、5万円割れを目指す展開になるのは道理だろうまずターゲットは、5/9の49,980円ではあるまいか?

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年6月

\47,330

1月4日

\63,660

4月11日

\46,300

1月5日

\54,600

2011年7月

\50,400

2月1日

\63,610

4月11日

\49,530

2月9日

\52,530

2011年8月

\54,680

3月1日

\63,680

4月11日

\50,480

5月9日

\52,420

2011年9月

\58,210

4月1日

\63,580

4月11日

\50,130

5月9日

\52,500

2011年10月

\60,480

5月2日

\60,480

5月2日

\49,980

5月9日

\52,580

2011年11月

\56,450

6月1日

\56,970

6月15日

\51,210

6月24日

\52,600

 夜間で11月限は51,010円まで記録している。

 

結論として当方の相場観は、戻り売り相場は続くだろうと見る。まずは5万円を割れ、最終的には46,000円台を目指すのではなかろうかと見る。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

6月20日

\70,340

-760

\63,520

-1500

6月21日

\70,330

-10

\63,980

460

6月22日

\69,210

-1120

\63,560

-420

6月23日

\69,780

570

\64,170

610

6月24日

\68,840

-940

\63,090

-1080

続いてガソリンです…先週号においては『大勢戻り売り方針に変化はないものの、週末からの急落によって目先は突っ込み買いを狙うところ。戻ったらまた売りであろう』とコメントした。

今週の相場展開は、週明け暴落して反発、また下げて反発だったが、週末もまた2,000円の大暴落後に1,000円戻しという動きであった。ただいずれにせよ、相場は底割れの方向に向かっている

○東京ガソリン日足

…削除済み…

67,720円(6/15)→62,000円(6/24)までの下げ幅は5,720円に及び、5/9の安値も割り込んだ

なお夜間取引では61,400円とさらに安値更新しており、11月限も一代安値の更新である。

 

 完全にIEAの備蓄放出が冷や水となった格好であり、相場は底割れしたとみて良いだろう。

 すでに震災後の3/16の安値61,790円も割り込んでおり(逆ザヤなので先限引継ぎ足ではという事だが)、次のターゲットは6万円だろう。

 

 もちろんそこまで下げれば、大勢ではまた買い場という可能性もあるわけだが、今は時期が悪い。QE2後の投機資金の流れは不透明だし、高速道路1,000円のもすでに廃止で、国内需要の伸びも期待出来そうもないゆえに。

 

 一代の推移は、以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年7月

\60,170

12月27日

\74,120

4月11日

\59,440

1月5日

\68,840

2011年8月

\60,150

1月26日

\74,320

4月11日

\60,120

1月26日

\67,130

2011年9月

\68,770

2月28日

\74,200

4月11日

\61,790

3月16日

\66,210

2011年10月

\66,450

3月28日

\73,870

4月11日

\62,440

5月9日

\64,420

2011年11月

\68,710

4月26日

\71,580

5月6日

\62,160

5月9日

\63,350

2011年12月

\66,150

5月26日

\67,720

6月15日

\62,000

6月24日

\63,090

 夜間ではすでに先物2本が一代安値の更新。なお週明けは2012年1月限が発会する。おそらくまた若干逆ザヤか…。

 

ガソリン・原油のサヤは、63,090円(ガソ12月限)−52,600円(原油11月限)=10,490円

 

6/24現在の業者間転売価格は、…中略…

 

6/18現在のガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、底割れしてしまった相場であり、目指すは年初来安値であろう。道中に値ごろで戻ったとしても、QE2明けの世界経済がどうなるか判らないと大きくは上がれまい。

 

 

今週の灯油の値動き

 

7月限(当限)

前日比

12月限(先限)

前日比

6月20日

\65,310

-1200

\67,680

-1490

6月21日

\65,300

-10

\67,640

-40

6月22日

\64,220

-1080

\66,830

-810

6月23日

\64,740

520

\67,450

620

6月24日

\63,100

-1640

\65,970

-1480

最後に灯油です…先週号においては『突っ込みは利食いして、戻ったらまた売りである。ただし途転買いまでするのは原油かガソリンにして、需給の悪い灯油は買いまではしない方針である』とコメントした。

今週の相場展開は、断続的に下げた相場は23日には少し戻ったが、週末にはまた急落して65,210円まで記録

○東京灯油日足

…削除済み…

64,690円(5/9)→71,920円(6/15)まで7,230円上がった相場も、下げる時にはあっという間。往って来いの下げである。

 

 なお一代の推移は、以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年7月

\59,620

12月27日

\78,300

4月11日

\58,610

1月5日

\63,100

2011年8月

\59,900

1月26日

\78,760

4月11日

\59,850

1月26日

\63,390

2011年9月

\69,000

2月28日

\79,000

4月11日

\63,660

6月24日

\64,140

2011年10月

\71,490

3月28日

\79,530

4月11日

\64,230

5月9日

\64,800

2011年11月

\74,310

4月26日

\75,470

4月28日

\64,620

6月24日

\65,470

2011年12月

\69,830

5月26日

\71,920

6月15日

\65,210

6月24日

\65,970

 夜間取引ではなお下落しているため、7月きりが納会して期近に廻った8月きりを除き、全限が一代安値の更新だ

 ただし、週明けに発会するのは1月限という需要期限月であるため、さすがにこれが安く始まるのは必至ゆえ、安いところでは売りたくない。しばらくは撤退して、様子を見るのが良いだろう。

 

6/24現在の業者間転売価格は、…中略…

 

6/18現在の灯油在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、週明けから最大需要期限月の1月限が発会するため、どうせ一代安値の更新で売りはすべてプラスなのだから、利食いして撤退。しばらくは手出し無用だ。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週は為替のチャートを2種アップ。全然動いていないので、解説は無しだ。

 

    ドル/円相場日足

…削除済み…

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

 

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

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                       中田幸一郎

 

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