商品市況展望 割愛版

平成23年8月14日記

 

 コメ先物がついにスタートした

人気が出て来るようなら新たにコーナーを一つ設けようかと思うが、それは今後の推移を見てだ。

 

 さてスタートした相場の動きは、以下のとおり…

今週のコメの値動き

 

11月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月8日

\14,100

 

\14,100

 

8月9日

\16,950

2850

\15,870

1770

8月10日

\16,650

-300

\15,510

-360

8月11日

\16,820

170

\15,720

210

8月12日

\16,240

-580

\15,970

250

 

 こうやって見ると、9日に大暴騰したように見えるわけだが、実際には8日に値が付いていない。

だから買いで2,000円儲かった人など、実際には存在しないわけだ。

 

 なぜ8日に初値が付かなかったのかと言えば、取引所の出し値13,500円が安過ぎたため。

 これは千葉・茨城・栃木県産のコシヒカリの価格という事になるわけだが、実際の小売価格は東北で大冷害が起きて暴騰し、タイから緊急輸入した頃の価格まで昨年度産のコメは上がっているわけだ。

つまり古米の価格が急騰しているという事。

 

 もちろん当時のように、コメが取れなかったわけじゃない。

放射能汚染したかもしれない新米は危ないだろうから、むしろ古米に投機買いが入ったという事が真相だ。

 ちなみにタイ米が入った頃も売り惜しみかもしれないが、一時的には19,000円近くまで上がったはず。

 

 そう考えると、もしも8月限が上場していたら、大幅逆ザヤに買われた事は必至!

 それと比べると新米である11月限〜1月限の価格は、それにサヤ寄せして上昇するのか?それとも消費者が敬遠して売られるのか?という判断は難しいわけだが、ともかく8日の気配値は18,500円辺りまで上がってしまっていたわけだ。

 

 米相場は、投機的な乱高下を抑えるという目的のため、当初のCBは300円幅×2回に制限されて始まったわけで、13,500円+600円=14,100円まで上がっても売り物がゼロなら、当然価格は付かないわけだ

14,100円なんて、単なる想像上の価格である。

 本来のシステムであれば、9日は14,100円+800円=14,900円、10日は14,900円+1,000円=15,900円。

そして11日は15,900円+1,000円=16,900円と上がって行き、12日か週明け15日辺りに初値が付くはずだった。

 

 それを取引所は「柔軟に対応する」とかという特別措置で12日は出し値を一気に16,400円まで上げ、CBも500円幅×2回の1,000円に引き上げた。

そして初値は制限幅いっぱいの17,400円まで上がり、今度は一転して大暴落の2,000円安して15,400円も当日に出し、後の3日間はその範囲での動きとなったのである。

 

東京コメ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年11月

\17,400

8月9日

\17,730

8月10日

\16,080

8月11日

\16,240

2011年12月

\17,400

8月9日

\17,400

8月9日

\15,600

8月9日

\16,150

2012年1月

\17,280

8月9日

\17,400

8月9日

\15,400

8月9日

\15,970

 

 相場なのだから今後も材料が出て上下するのは当然だが、17,400円でスタート時に買った人は、1枚=6万円で2,000円安の20万円の値洗いマイナスを半日で喰らったのだから、まさにご愁傷様である。

 

 新装開店のパチンコ屋だって最初はお客に儲けさせるわけであり、13,500円の出し値はともかくとして、14,000円程度で買いが入って18,000円まで上昇し4,000円の利益が出たならば、その後また往って来いの急落となったとしても、投機家は納得しただろうが…。

 「売りから入れば儲かるじゃないか!どっちだって一緒だよ」と言うのは相場を良く知った人の話で、やはり素人は買いから入りたがるものだ。

それはそれで良い訳で、本来の先物取引のシステムというのは「買いの大衆対売りのヘッジャー」が基本構図なのだから、まずは買い屋に儲けさせるのが、人気上昇の一番なわけだ。

 

 13,500円の出し値を出したのだから、当然の如くマーケットメイクするものだと思っていた当方だが、それがいきなり高値で発会させての暴落では、ちょっと取引所行政として如何なものかと思うね。

外務員の立場としては…。

 

 お前のお客さんにはどうしたかって? 14,000円なら買おうと思っていたけれども、17,400円じゃ当然…。

いや、それだけは言えません(笑)

 

 

 

〔穀物〕

 

今週のコーンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

7月限(先限)

前日比

8月8日

\28,030

720

\27,410

30

8月9日

\27,320

-710

\26,940

-470

8月10日

\27,800

480

\27,030

90

8月11日

\26,500

-1300

\26,850

-180

8月12日

\27,800

1300

\27,560

710

 

まずはコーンから…

先週号においては『もしも米農務省報告で単収・生産高の下方修正があっても織り込み済みだろう。戻り売り継続の相場と見る』とコメントした。

今週の相場展開は、コーン独自の材料よりも外部要因に振り回される展開が続いたが、週末は米農務省報告を受けて急騰して終了である。

○東京コーン日足

…削除済み…

米国債格付け引き下げの報により、大きく崩れたのは米国株式市場&ドル相場だけではなく、それがドイツやフランス国債格下げの懸念まで生み、元々ギリシャ・アイルランドのみならずスペイン・イタリアの経済懸念まで出ていた欧州市場の混乱にも拍車が掛かった週であった。

 

とにかく相場が28,150円(8/5)→26,410円(8/10)まで1,740円の下落となり、週末は米農務省報告を受けて上昇したわけだ。

米農務省報告の内容は後述するとして、結論から先に言えば「所詮は戻り売りだろう」というのが、当方の現在の見方。戻したって、どうせ投機資金の流出などという外部要因での下げ材料が出て、また売られるんだろうと見ている。

 

なお一代の動きは以下のとおり。

東京コーン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年9月

\21,940

8月16日

\31,400

4月11日

\21,450

8月25日

\27,800

2011年11月

\23,280

10月18日

\28,910

4月21日

\21,890

3月16日

\27,240

2012年1月

\23,730

12月16日

\28,410

4月11日

\22,100

3月16日

\26,770

2012年3月

\26,850

2月16日

\28,980

4月11日

\22,740

3月16日

\27,150

2012年5月

\27,970

4月18日

\29,360

4月21日

\24,960

7月1日

\27,340

2012年7月

\28,180

6月16日

\28,210

6月16日

\25,210

7月4日

\27,560

 

○シカゴコーン日足(8/11現在)

…削除済み…

8/12のシカゴ市場は9月限で0.75セント安の701.75セント新穀12月限は0.50セント高の710.50セントで終了。前日の米農務省報告を受けたリミットアップの動きを継続する事は出来なかった。

 

さて注目の米農務省報告の内容である。

単収を153.0Bu/Ac7月発表158.7)と大幅に引き下げ、生産高は129億1400万Bu(同134億7000万Bu)まで大幅下方修正。需要も引下げたが、期末在庫は7億1400万Bu(同8億7000万Bu)と引き下げ、期末在庫率は5.4%(同6.4%)まで低下させたわけである。

 

単収の事前予想平均は155.2Bu/Acであり、厳しい見方をしていたFCストーンでも153.2Bu/Acであったのだから、…中略…

相場材料は出たら終いでもある。順当なら逆張りであろう

 

8/7現在の主要18州のシルキングは、93%。…中略…

 

CFTC発表の8/9現在のファンドのポジションは、…中略…

 

オプションを含めた8/12現在のポジションでは、…中略…

 

結論として当方の相場観は、米農務省報告での大幅な単収低下によって、期末在庫率5.4%という厳しい結果が出たが、その割りに上昇幅は大きくない。外部要因によって相場は上には行きたがっていないものと考え、戻り売り中心の逆張りがベターであろうと見る。

 

 

今週の一般大豆の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月8日

\43,000

-500

\47,180

-590

8月9日

\42,800

-200

\46,070

-1110

8月10日

\42,800

0

\46,190

120

8月11日

\42,800

0

\46,330

140

8月12日

\42,950

150

\47,030

700

続いて一般大豆です…

先週号においては『戻り売り継続の相場であろう。米農務省報告での多少の単収低下は織り込み済みだろうし、言われるほど悪くはないんじゃないかと考えているゆえに』とコメントした。

今週の相場展開は、9日までは原油その他の商品とともに急落を続けたが、その後は一服。週末は米農務省報告での強気の材料を受け、反騰して終了である。

○東京大豆日足

…削除済み…

 45,510円(8/9)まで急落した相場は、一気に高値から4,000円ほど値を消した展開だ

 そこから1,500円ほど戻したのが週末であるが、さてどこまで戻せるか?

 

チャートは目先底を打ったような格好であり、米農務省報告をきっかけに反騰に転じたのだから、しばらくはトレンド転換となってもおかしくはない。ただしそれも、外部要因にまた波乱が起きなければの条件付だが。

例えば大豆と関係のないところで、フランス国債の格付けが下がる…なんて事が起きれば、それはそれで大豆も影響を受けて下がるのだろうし。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京一般大豆一代の動き

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年8月

\42,640

8月16日

\52,500

4月4日

\41,050

8月25日

\42,950

2011年10月

\45,200

10月18日

\52,470

4月6日

\44,880

10月20日

\44,550

2011年12月

\47,540

12月16日

\52,520

4月11日

\44,120

3月17日

\47,000

2012年2月

\51,280

2月16日

\52,780

4月11日

\44,700

3月17日

\47,270

2012年4月

\50,170

4月18日

\51,180

4月21日

\45,690

8月9日

\47,180

2012年6月

\49,820

6月16日

\49,820

6月16日

\45,510

8月9日

\47,030

 

○シカゴ大豆日足(8/11現在)

…削除済み…

8/12のシカゴ市場は、9月限で3セント高の1327.75セント新穀11月限も3セント高の1334.75セント

農務省報告の前日は30セント高の大幅高となったわけだが、この日は小動きだった。

 

それでもチャートでは1282セント(8/9)と13ドル割れからの戻りであり、ここ半年続く13ドル割れは買い、14ドル台は売りの範囲の動きの中の一環であるため、戻るなら14ドル台の可能性は十分あろう

 

注目の米農務省報告である。

単収は41.4Bu/Ac7月発表43.4Bu/Ac)であり、生産高は30億5600万Bu(同32億2500万Bu)から大幅下方修正。需要も下げたが、期末在庫は1億5500万Bu(同1億7500万Bu)まで下がって、在庫率は4.9%(同5.4%)まで低下。ある意味この水準は、危機的レベルである。

 

アナリストの事前予想平均であった単収42.9Bu/Acのみならず、厳しい見方をしていたFCストーンの42.4Bu/Acすら下回ったわけで、買われるのは当然だ。当然だが、その割りに…中略…

今後も重要なのは、大豆独自の材料よりも、外部要因なのかもしれない。

 

なお8/7現在の開花進捗状況は87%…中略…

 

なおCFTC発表の8/9現在のファンドのポジションは、…中略…

 

オプションを含めた8/12現在のポジションでは、…中略…

 

ちなみに小麦は…中略…

 

結論として当方の相場観は、需給から考えれば、短期的には買いであろう。ただし外部要因が悪くならなければの条件付であるが。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月8日

\4,280

81

\4,288

83

8月9日

\4,340

60

\4,348

60

8月10日

\4,319

-21

\4,324

-24

8月11日

\4,400

81

\4,405

81

8月12日

\4,341

-59

\4,347

-58

 

金相場は、先週号においては『短期的には買われ過ぎだが、明確な反転の兆候はまだ見えず。利食い売りで急落した場面は、まだ突っ込み買いが有利だろうと判断する』とコメントした。

今週の相場展開は、各市場が急落する中で金のみが騰勢を強め、一時は4,481円(8/11)まで上昇。とにかく一日の振幅が100円では全く利かぬ状況であり、週末は一時高値から200円ほども突っ込む始末。

上記の価格表で前日比から判断すると大した事はないが、道中は凄まじい変動であった。

○東京金日足

…削除済み…

8月初めは4,000円割れもあったのだから、一気に500円の急騰だ。誰もが金は強いと思いつつも、相場を知っていれば買えない中で、「買えない相場は高い」を地で行く格好となったわけだ。

また突っ込み買い狙いも、下がるのは皆が寝ている時間であり、朝になれば戻る始末。

 

だが敢えてこの大相場と今のムードに異を唱えて当方の見方を明らかにするならば、4,481円(8/11)で天井を打ったと考える。仮に天井じゃなくても、今後は相対力指数の50ポイント辺りまでの大幅な調整があるだろうと…。

なぜなら単純に、鬼門の11日が高値だったからだ。おそらく4,100円割れくらいまでは、押すんじゃないかと考える。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京金一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年8月

\3,365

8月27日

\4,474

8月11日

\3,338

8月31日

\4,341

2011年10月

\3,520

10月27日

\4,473

8月11日

\3,469

10月29日

\4,342

2011年12月

\3,719

12月24日

\4,475

8月11日

\3,479

1月31日

\4,342

2012年2月

\3,763

2月24日

\4,474

8月11日

\3,535

3月18日

\4,342

2012年4月

\3,970

4月26日

\4,478

8月11日

\3,828

5月9日

\4,344

2012年6月

\3,909

6月28日

\4,481

8月11日

\3,861

7月4日

\4,347

 11日に全限一代高値の更新である。他の商品は、大概9日まで一代安値の更新をしていた中での高騰だ。

 

NY金日足(8/12現在)

…削除済み…

8/12のNY市場は、前日比8.9ドル安の1742.6ドル前日は1800ドル台まで乗せて史上最高値を更新した後、長い陰線を引いて終わっていたわけだ。この日の陰線で、陰線は2本連続だ

 

相対力指数で85ポイント辺りまで上がった相場であり、…中略…

 

なおCFTC発表の8/9現在のファンドのポジションは、…中略…

 

また8/12現在のETF残高は、…中略…

 

ファンドもETFも利食いしていたなんて、ちょっと意外であった。つまり今週の上げは新規買いではなく、売り方の踏みだったという事だろう。

こうなると一度急落し、その後急騰して2番天井を付け、そこで本当の大天井を打つ!というシナリオも現実味を帯びて来るか。

 

結論として当方の相場観は、4,481円(8/11)で目先天井を打っただろう。ここから急落後に再度切り返し大天井を打ち、その後は大暴落するといシナリオを考えている。

 

 

今週のプラチナの値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月8日

\4,310

21

\4,335

15

8月9日

\4,265

-45

\4,289

-46

8月10日

\4,340

75

\4,368

79

8月11日

\4,405

65

\4,429

61

8月12日

\4,445

40

\4,473

44

プラチナ相場は、先週号においては『相場自体は戻り売りかもしれないが、金とのサヤには大注目である。ほとんどサヤがないなら、金を売ってプラチナを買う裁定取引に妙味が出るはずである』とコメントした。

今週の相場展開は、4,271円(8/9)まで下げてついに金よりも安くなり、08年のリーマン・ショックからの大暴落以来の逆転現象が発生。しかしその後はさすがに反騰に転じて200円ほど上昇。金とのサヤもプラスに戻った。

○東京プラチナ日足

…削除済み…

金があっという間にまた200円上がり都合500円の上昇となる中で、プラチナはまた安値更新で4,271円まで下落。

 

チャートではその後の3連続陽線立ちゆえ、さすがにこれで底を打っただろう。ただし外部要因によっては、戻りは売られる可能性も十分あるため、4,600円以上はまだ不安定ではないかと考えてもいる。

プラチナ単体で見た場合の相場観は以上だ。

 

一代の動きは以下のとおり。

東京プラチナ一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年8月

\4,181

8月27日

\4,963

2月22日

\4,099

8月31日

\4,445

2011年10月

\4,495

10月27日

\4,980

2月16日

\4,224

3月17日

\4,446

2011年12月

\4,702

12月24日

\5,015

2月16日

\4,225

3月17日

\4,455

2012年2月

\4,817

2月24日

\4,997

4月11日

\4,232

3月17日

\4,456

2012年4月

\4,826

4月26日

\4,921

5月6日

\4,272

8月9日

\4,471

2012年6月

\4,445

6月28日

\4,613

7月11日

\4,271

8月9日

\4,473

 

○白金−金価格差日足

…削除済み…

週末現在のサヤは、4,473円(プラチナ)−4,347円(金)=126円

 

上記のチャートは、おそらく定時刻でのサヤを計算して反映しているのだろう。最大に詰まったところが59円幅にしかなっていないが、実際には−80円幅以上になった場面もあった。

 

ともかくこれで2008年12月以来の逆転となったわけで、この日は皆に金売り・プラチナ買いを推奨した。

それでも仕掛ける人半分、…中略…

 

ただしこういうサヤは、当方はなるたけ単純に考えるようにしている。ゴールドカードとプラチナカード。どっちが格上かは一般常識で、プラチナが金よりも安いのが恒常化すればおかしいでしょ!と。

…中略…

 

結論として当方の相場観は、プラチナが金よりも安くなるのは、パニック発生時だけである。投機はそのパニックに逆向かいするのが常道であり、今後もサヤ詰まりがあれば仕掛けるべきだろう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月8日

366.0

-6.5

370.5

-8.9

8月9日

349.8

-16.2

355.5

-15.0

8月10日

352.0

2.2

359.0

3.5

8月11日

353.5

1.5

364.0

5.0

8月12日

357.4

3.9

363.5

-0.5

 

先週号においては『戻り売りに分がある相場だろうが、基本的には逆張りの展開が続きそうだ』とコメントした。

今週の相場展開は、週明けから2日間は急落して348.0円の安値まで記録。その後は戻して、360円台を回復する事となった。

○東京ゴム日足

…削除済み…

直近の高値396.5円(7/27)→348.0円(8/9)までの下げ幅は48.5円50円近い値動きは小さくはないが、それでも今年5月までの動きと比べれば下値もみ合いしているような格好だ。

上に行っても400円は壁。しかし崩れても350円以下は長く続かない格好である

 

おそらく当面は、このような動きなのだろうと思われる。世界的な株価急落で下げた後だけに、不安心理が多少でも後退すれば、むしろ戻りやすいかもしれない。

だから、逆張りでの対処がベターなのだろうそれでも30円も動けば1枚当り15万円の動きなのだから、それはそれで良いではないかという事。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京ゴム一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2010年8月

493.3

2月23日

502.7

2月24日

335.0

3月15日

357.4

2010年9月

436.0

3月28日

481.9

4月11日

345.1

8月9日

360.7

2010年10月

413.0

4月25日

413.6

4月25日

346.2

8月9日

361.2

2011年11月

388.9

5月26日

394.9

6月1日

344.6

6月28日

362.0

2011年12月

353.0

6月27日

394.0

7月27日

343.1

6月28日

362.5

2012年1月

383.8

7月26日

396.5

7月27日

348.0

8月9日

363.5

 先物以外に2本が一代安値の更新である。

 

当先のサヤは8月限357.4円〜1月限363.5円と6.1円の順ザヤ。サヤは順ザヤのままの推移が予測される。

 

週末現在の輸入採算価格は、…中略…

 

産地の集荷量は1日当たり約40トン〜70トン台となっており、減少である。価格が大きく下げたので、現物が出なくなったのだろう。

 

国内営業倉庫在庫は7/20現在で188トン減の6,160トン。僅かに減少である。

 

8/5現在の上海ゴム在庫は、…中略…

 

上海ゴム価格は、9日に大暴落して3万1000元台まで下がったが、その後は急反騰して3万4000元台を回復。動きは株式・原油市場と同じものであった。

 

 結論として当方の相場観は、大勢では戻り売り中心の逆張りだと考えるが、目先は戻りやすい相場になると見る。

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の値動き

 

8月限(当限)

前日比

1月限(先限)

前日比

8月8日

\50,290

-110

\49,850

-220

8月9日

\48,400

-1890

\47,750

-2100

8月10日

\49,600

1200

\48,470

720

8月11日

\49,940

340

\49,090

620

8月12日

\50,140

200

\49,340

250

 

まずは原油から…

先週号においては『週末の大暴落で底抜けした相場だが、今の相場はこういう場面は買い場になる。その証拠にすでに夜間で急騰しているが、やはりひびの入った相場だ。戻り売り中心の逆張り対処がベターだろう』とコメントした。

今週の相場展開は、NY原油は更に大きく値を消して75.71ドル(8/9)までの急落。その後は87ドル台まで戻り、週末は85.38ドルでの終了

 

東京原油も、さらに大きく値を消して46,190円(8/9)まで記録。年初来安値の更新である。その後は3,000円ほど戻し、49,000円台で週を終えた。

 

NY原油日足(8/11現在)

…削除済み…

週末8/12のNY市場は、前日比0.34ドル安の85.38ドルで終了。高値87.37ドル、安値は84.02ドルであり、相変わらず振幅は大きい。

 

チャートでは100.62ドル(7/26)→75.71ドル(8/9)までで24.91ドルの下げであり、25%の下落を演じた後、87.37ドルまで11.66ドルの戻りを入れたわけだ。

下げ幅の半値戻しは88ドル程度であり、3分の2戻しなら92ドル近辺。戻り売りするならその辺まで待つのが常道だろうし、買いで見るならそこまでの間を考えるべきか。

再び100ドル相場になるのか?もっと下げて60ドル相場があるのか?については、今後の欧米を含めた経済情勢次第だろう。今の相場、決め付けて考えるとろくな事がない。

 

なお8/9現在のファンドのポジションは…中略…

 

○東京原油日足

…削除済み…

58,330円(7/11)→46,190円(8/9)までの下げ幅は12,140円に及ぶ。週末に掛けては、そこからは4,000円弱戻したわけだ。

 

材料は違ってもチャートパターンはGW明けの急落に似ており、そうであればその後の動きも似てくるのではあるまいか?

つまり4/11天井=7/11天井、5/9底=8/9底であり、3日戻して急落して2番底〜戻りに入るというパターンが、今回も踏襲されるかもしれない。

 

 なお一代の動きは以下のとおり。

東京原油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年8月

\54,680

3月1日

\63,680

4月11日

\48,000

8月9日

\50,140

2011年9月

\58,210

4月1日

\63,580

4月11日

\46,010

8月10日

\49,260

2011年10月

\60,480

5月2日

\60,480

5月2日

\46,100

8月9日

\49,350

2011年11月

\56,450

6月1日

\58,130

7月11日

\46,160

8月9日

\49,360

2011年12月

\54,250

7月1日

\58,330

7月11日

\46,210

8月9日

\49,350

2012年1月

\54,590

8月1日

\55,780

8月2日

\46,190

8月9日

\49,340

 

結論として当方の相場観は、46,000円で底を打っただろう。戻りは売られるだろうが、今後は押し目買いの対処で。

 

 

今週のガソリンの値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月8日

\65,330

-510

\59,550

-510

8月9日

\63,450

-1880

\57,580

-1970

8月10日

\64,410

960

\58,390

810

8月11日

\65,070

660

\58,990

600

8月12日

\65,290

220

\59,410

420

続いてガソリンです…先週号においては『6万円割れは目先底だった可能性は高いが、戻りはまた売られるだろう。64,000円まで戻して、そこからまた下がる相場かも。もちろんその間にも上下はあるだろうが』とコメントした。

今週の相場展開は、6万円割れが底どころか、そこから更に急落した相場が55,800円(8/9)まで暴落。しかし週末に掛けては戻し、安値からは4,000円ほど切り返した。

○東京ガソリン日足

…削除済み…

68,700円(7/11)→55,800円(8/9)までの下げ幅は12,900円に及び、あっという間に先週の安値からでも4,000円の大暴落。しかしその分だけは、戻して終了したわけだ。

 

この下げに関して詳しい説明は不要だろう。米国債格付け引下げの材料から株式市場は大きく売られ、原油も75ドル台までの大暴落と来ては、ガソリンにも投売りが殺到するのは当然の話。

年初来安値を大きく更新し、相対力指数も20ポイント辺りまで低下したわけだ

 

もっとも戻したのだから、さすがに今週前半の下げは行き過ぎだったのだろう。この55,000円台は底と見て、今後は押し目買いを狙うべきだろう。

 

結局のところ、4/11天井→5/9底→もみ合いの押し目買いと進んできた相場だが、3ヶ月経過して全く同じパターンを描いたという事だ。

7/11天井→8/9底ならば、これはまさに全く同じである。

 

 一代の推移は、以下のとおり。

東京ガソリン一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年9月

\68,770

2月28日

\74,200

4月11日

\61,600

8月9日

\65,280

2011年10月

\66,450

3月28日

\73,870

4月11日

\57,700

8月9日

\62,490

2011年11月

\68,710

4月26日

\71,580

5月6日

\56,020

8月9日

\59,910

2011年12月

\66,150

5月26日

\68,600

7月11日

\55,780

8月9日

\59,470

2012年1月

\61,260

6月27日

\68,700

7月11日

\55,620

8月9日

\59,290

2012年2月

\66,600

7月26日

\66,800

7月27日

\55,800

8月9日

\59,410

 

ガソリン・原油のサヤは、59,410円(ガソ2月限)−49,340円(原油1月限)=10,070円

 

8/12現在の業者間転売価格は、…中略…

 

8/6現在のガソリン在庫は、…中略…

 

 結論として当方の相場観は、さすがに55,000円台は底だろうと見る。戻りは売られながら、2番底形成後には緩やかな上昇トレンドに入るものと想定する。

 

 

今週の灯油の値動き

 

9月限(当限)

前日比

2月限(先限)

前日比

8月8日

\60,530

-570

\63,670

-380

8月9日

\58,570

-1960

\61,840

-1830

8月10日

\59,060

490

\62,420

580

8月11日

\59,520

460

\62,870

450

8月12日

\59,720

200

\63,280

410

最後に灯油です…先週号においては『週末はさすがに下げ過ぎたので一度戻る可能性は高いが、戻りはまた売られるだろう。戻り売り主体の逆張りで』とコメントした。

今週の相場展開は、一段安した相場が60,180円(8/9)まで記録。その後は3,000円ほど戻して週を終えた。

○東京灯油日足

…削除済み…

72,530円(7/11)→60,180円(8/9)までの下げは12,350円に及んだ。株価急落、原油相場暴落の影響である。

 

このチャートパターンは、GW前後の動きと全く同じであり、天井は4/11と3ヵ月後の7/11だ。底は5/9と8/9(まだ確定ではないが)と同じであれば、全く鏡に映したかのようなチャートを描く事となる。

 

米国同時多発テロ9/11、東日本大震災3/11も11日が符号であり、オカルト的な話ではないが、相場にもそういう事はあっても不思議じゃないだろう。

 

 なお一代の推移は、以下のとおり。

東京灯油一代の動き

 

 

 

 

 

 

 

始値

 

高値

 

安値

 

現在値

2011年9月

\69,000

2月28日

\79,000

4月11日

\57,200

8月9日

\59,720

2011年10月

\71,490

3月28日

\79,530

4月11日

\58,200

8月9日

\61,030

2011年11月

\74,310

4月26日

\75,470

4月28日

\59,440

8月9日

\62,130

2011年12月

\69,830

5月26日

\72,110

7月11日

\60,330

8月9日

\63,160

2012年1月

\65,090

6月27日

\72,530

7月11日

\60,510

8月9日

\63,420

2012年2月

\69,790

7月26日

\69,840

7月26日

\60,180

8月9日

\63,280

 週末は、全限一代安値の更新である。

 

8/12現在の業者間転売価格は、…中略…

 

8/6現在の灯油在庫は、2…中略…

 

 結論として当方の相場観は、さすがに6万円台は底だろう。GW前後とチャートパターンが同じであれば、ここからは緩やかな上昇トレンドに入るはず。

 

 

 

〔その他〕

 

 今週も為替のチャートを3種アップ。

○ドル/円相場日足

…削除済み…

米債務上限引き上げ法案が解決(?)しても、政府・日銀が為替介入を実施しても、80円台に戻した円安は一瞬の事だった

今度は米国債格付け引下げと欧州経済不安の再燃で、株価急落〜円高の流れにまた戻ったわけである。

 

介入もやらないよりはマシだったのだろうが、どうすれば円高が阻止出来るのか誰もわからんのだろう。相場なのだから、行き過ぎれば自然に反転はするだろうが。

 

    ユーロ/円相場日足

…削除済み…

ユーロ/円相場も、介入前の水準よりも円高になっている。欧州車は安く買えて良いのだろうが、そもそも収入がいっぱいないとベンツは買えないしね…(笑)

 

    ユーロ/ドル相場日足

…削除済み…

ユーロ/ドル相場は、相変わらず横ばい。順番に弱い材料が米国、欧州と出て来るので、こういう姿になっているわけだ。

 

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        ひげの中ちゃん相場情報

                       中田幸一郎

 

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