商品市況展望

平成13年10月28日記

 

 テロ事件発生以来の国際緊張を受けて、商品先物業界の出来高は、
過去最高ペースで推移した昨年同期実績を13.5%上回った。
東証一部上場企業である小林洋行など10社の株式公開企業は、
業績見通しを大幅に上方修正したという。
 景気後退と物価下落の悪循環が進むデフレスパイラル寸前の経済状況の下、
業績予想を下方修正する企業が大半の経済界において、
上昇局面以外では利益を得られない株式と違い、
売りから入っても利益を追求できる商品先物取引が見直されてきているのかもしれない。
 また、このところのネット取引のボリュームは、徐々に増加傾向となっている様である。
まだまだ全出来高の中では、ほんの数%に留まっていると見られるが、
個人委託者の出来高の中では10%に近くなってきているような気がする。
(正確なデータが無いので、よくわからんが…)
 ホームトレードの利点として何よりも大きいのは、委託手数料が安いという事である。
さらには、商品先物業界のトラブルの温床と言われる
外務員(営業マン)からの強引なセールスを受けず、
自己責任において取引を進められる事もよろしい事だろう。
おそらくこのホームページをご覧の皆様も、
ネット取引を行っている人が多数いらっしゃる事と思われる。
(と言うか、ネットで見ているのだからほとんどすべての人がそうかも。)
 商品先物取引を始めるきっかけとなったのは、
ほとんどすべての人が外務員(営業マン)からの勧誘であろう事は、容易に想像がつく。
最初に取引をスタートして、幸運にも儲けて取引を終了する人はわずかであろう。
損失を出した後に、リベンジで再度相場を研究した人が、
今度は相場で勝ってやろうとネット取引に参加するのではないかと思うが如何なものであろうか?
 ネット取引の手数料と比較すれば、
逆に割高な手数料がかかる我々コミッションとの取引にとって、
ネット取引はいわゆるライバル関係にあるとも言えるが、
自分の判断において売買に参加する個人投機家が増える事は喜ばしい事である。
だます、だまされたの低レベルな取引が無くなり、
相場と言うものは面白いものだと理解する人が増える事が何よりも喜ばしい。
それが取引人口の裾野を拡大させる事にも繋がるだろうし。
 結局は自分自身で相場を研究した上で、
手数料は多少高くてもアドバイスが欲しいとか、情報が欲しいとかで、
こちらに戻ってきてくれる人も多いでしょうからね!

 

〔石油製品〕

 

今週の原油の動き

 

12月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月22日

\15,000

-280

\15,040

240

10月23日

\15,170

170

\15,070

30

10月24日

\14,750

-420

\14,700

-370

10月25日

\14,950

200

\14,950

250

10月26日

\14,920

-30

\15,030

80

 

 まずは原油から…
テロ事件以降の世界的な景気悪化を受けて暴落を演じた原油相場は、
何とか価格を上昇させたいOPEC減産・減産の口先介入にも、
一向に価格回復の影は見えない。
当方の考え方は、OPCCだけの都合で減産行動は無理であるとの主張であったが、
なめているとそろそろやるかもしれない。
 ただしOPECが減産をしたとしても、
現在すでに100万バレル程度の供給過剰状態に陥っているとの見方もあり、
50万〜75万バレル程度の減産なら材料視されず、
100万バレルの減産ならその時点で一時的な上昇局面を演じるかもしれないが、
材料出尽くしとなるだろう。

 NY市場WTI価格は、現在22ドルを挟んだもみ合い局面入りとなっているが、
しばらくはこの水準で方向感を探る展開なのかもしれない。

 東京市場においても15,000円中心のもみ合い局面だが、
15,000円を中心に上下500円幅
円安動向の具合によっては上値16,000円辺り
の水準までの戻りを考えておけば良しか。

 週末現在の自己玉は売り12,652枚、買い2,534枚となっており、
相変わらず圧倒的な売り越しである。
これを見る限り、積極的に買おうという気は起こらん。

 主な取引員の片建ては
売り方豊1883枚、岡藤636枚、岡地346枚、山前333枚、三井F164枚など。
一方買い方は太陽ゼネ629枚、ユニコム415枚、丸紅344枚、東ゼネ237枚、三井物産135枚など。
豊の圧倒的な売りは変化ないが、特筆すべきなのは25日に岡地が途転売りへ、
丸紅・住商など商社が途転買いへとなった事。
梅田筋対大手商社の戦い勃発か?

 

今週のガソリンの値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

10月22日

\22,930

320

\23,750

*510

10月23日

\23,240

310

\23,600

-150

10月24日

\23,010

-230

\23,190

-410

10月25日

\23,050

40

\23,230

40

10月26日

\23,110

60

\23,390

160

 

 続いてガソリンです…
今週初めの5月限発会は、24,000円でのスタートとなり、
その後売り込まれたが23,000円割れを演じることなく週末には若干の反発に転じている。
6月後半〜8月末の24000円台〜26,000円台の約2,000円幅のもみ合い相場から水準を切り下げ、
再びもみ合い相場に入った様である。
三角持ち合いに入った3〜4月限がどちらに放れて行くのかが、目先の焦点か?
 週末現在の自己玉は売り26,879枚、買い13,269枚となっており、
先週末と比較してほとんど変わっていない。
 主な取引員の片建ては
売り方豊3486枚、三菱F1628枚、住商1055枚、三井F486枚など。
一方買い方はひまわり1765枚、岡地694枚、太平洋506枚、三井物産504枚、岡藤383枚など。
この図式も変化は無い。
 自己玉など内部要因を見る限り未だ売り方有利と思えるが、
チャートは底値を切り上げており、おいしい売り場はもうちょっと先か?

 

今週の灯油の値動き

 

12月限(当限)

前日比

5月限(先限)

前日比

10月22日

\25,280

20

\21,640

*280

10月23日

\25,250

-30

\21,260

-380

10月24日

\24,990

-260

\21,050

-210

10月25日

\24,900

-90

\21,190

140

10月26日

\25,100

200

\21,300

110

 

 最後に灯油です…
需要期限月の代表である1月限は、
テロ発生時の31,000円台から25,000円台へと6,000円ほどの大暴落を演じている。
僅か1ヶ月ほどで1枚当り60万の値動きは、まさに相場の醍醐味である。
 先物チャートは、21,000円台での下値もみ合い相場に移行した様に見える。
4月限は21,000円割れから三角持ち合い入りへ。
22,000円をクリアできるか?それとも、再度21,000円を割り込む事となるのか?
目先的に底入れとなるか、底抜けとなるかのポイントではないか。
 週末現在の自己玉は売り15,249枚、買い7,738枚となっており、売り越し状態に変化はない。

 主な取引員の片建ては
売り方三菱F1404枚、岡藤585枚、三井物産522枚、住商342枚、岡地271枚、小林洋行264枚など。
一方買い方は三井F761枚、伊藤忠614枚、ひまわり603枚、豊360枚、太陽ゼネ351枚、伊藤忠F336枚など。
ガソリン同様に三菱Fの売り、ひまわりの買いが目に付く。
特筆すべきは25日の岡地の大量売り、豊も今週は買い玉を大幅に減らした。
週末は伊藤忠が当限を94枚買いといった所か。
 所詮は戻り売り、最終的には2万円割れも有り得るとの考え方は変わらんが、
自説にこだわるつもりは毛頭ない。
『理路整然と曲がる』より、臨機応変においしい場面を仕掛けるのがモットーである。
毎週相場コメントを書いていると、ついつい自分が評論家気分になってしまうが、
当方はアナリストではなく外務員であるゆえに、実践で勝たねば意味のない話であるのだから…

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

10月限(当限)

前日比

8月限(先限)

前日比

10月22日

\1,701

1

\1,525

-7

10月23日

\1,706

5

\1,524

-1

10月24日

\1,730

24

\1,530

6

10月25日

\1,682

-48

\1,519

-11

10月26日

\1,661

-21

\1,549

30

 

 プラチナ相場は、未だ自己玉の買い越し状態が続いている。
週末の10月限納会は軟調だったが、自己玉売り越しの10月限が納会し、
現在は売り38,463枚、買い43,921枚となってる。
週明けの新甫2002年10月限がどのような動きをするか?
自己玉は買い越しでスタートか、それとも売り越しとなるか?
それが一つのポイントであろう。
 外部環境は、世界的な景況感の低下から大きく買われる材料は無いと考えられている。
7月〜8月の暴落の後、もみ合い局面での戻り天井は、
8月24日1,703円、9月17日1,694円、10月15日1,636円と下値を切り下げてきている。
このところ1,500円台で推移している相場が、1,636円を突破して行く事ができるのか?

 大勢的には下げトレンドの渦中のもみ合いかも知れないが、自己玉の推移は慎重に見守りたい。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

10月22日

\12,280

50

\12,370

50

10月23日

\12,680

H400

\12,690

320

10月24日

\13,080

H400

\12,940

250

10月25日

\13,110

30

\12,910

-30

10月26日

\13,180

70

\12,960

50

 

 今年の天井である7月17日15,220円から3ヶ月間下げ続けた相場は、
10月18日12,120円ではたして大底を打ったのか?
3,100円幅の下げは、一つの相場の波動としては十分に下げたと考えられなくも無い。
 とりあえず12,120円を今年の大底と考えた場合に、
あるいは単なる一過性の目先の底でも底値とした場合には、
3分の1戻しで13,150円半値戻しで13,670円となるが…
今回の上昇局面では、ほぼその3分の1戻しの水準まで買われたと考えることができる。
 特に買い材料が出たわけでもない中で、
当限からの急騰での順ザヤ〜同ザヤ〜逆ザヤへと変化しながらの急騰は、
一度は調整局面を迎えると考えるのが自然。
しかし相場は、誰にでも判る材料での上昇は『材料出たら終い』となるが、
今回のような内部要因主導の相場は恐いものがある。
 仮に調整局面入りをしたとして、
12,500円を割り込まずに再度の上昇波動に入った場合は、
12,120円は底値確認と言う事になろう。
逆に割り込んだ場合は、単なる一過性の戻りであったと考えて良いのではないか。
 当方にとっては考えづらいが、問題はこのまま上昇して行った場合である。
すぐに13,100円を突破した場合は、売り玉の手仕舞いも視野に入れる必要があるだろう。
 25日現在の自己玉は売り56,505枚、買い30,252枚となっており、
自己玉は依然売り越しのまま大きな変化は無い。
 手口のポイントは、11月限〜3月限辺りの期近限月の商社筋の動きか。
たかだか1節ごとの30枚〜50枚程度の大手商社の売買は、
それに玄人筋や地場筋の膨大な提灯が付き変動幅を大きくする。
例え何万枚もの出来高があったとしても、
それよりも期近の商社筋・仕手筋の5枚、10枚の商いの方が
相場を左右する事があるのだと覚えておいたほうが良いかもしれない

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

10月限(当限)

前日比

3月限(先限)

前日比

10月22日

56.7

0.3

65.8

0.2

10月23日

56.9

0.2

65.5

-0.3

10月24日

57.2

0.3

65.7

0.2

10月25日

59.5

2.3

67.0

1.3

 

11月限(当限)

前日比

4月限(先限)

前日比

10月26日

65.1

3.1

68.9

*1.9

 

 先週号において、W底型のチャートパターンを形成しつつあり、
値頃上でも日柄上でもそろそろ反発の時期かと思われるとした。
25日納会日、26日4月限発会日において、思わぬ急騰相場の出現である。
思わぬと言っては失礼だが、底入れかと考えても値幅が小さ過ぎるのが問題としていたものであり、
それがそこそこの上昇幅を記録した事は喜ばしい…
とは言っても、ゴムの曲がりやの当方は買ってないけどね。
 危惧していた当先の順ザヤ幅も、週末の当限の上昇でだいぶ詰まってきている。
ただし、このまま本格的な上昇相場へ移行して行くのかは大いに疑問である。
実需の本格的な回復が無ければ、この上昇相場も一過性の可能性も否定できないからである。

 25日現在の自己玉は売り25,587枚、買い6,804枚となっており、
ゴムは自己玉もたまに曲がる銘柄とは言え、圧倒的な売り越しは買い方にとってハンデ。

 週末の急騰のきっかけとなった岡藤の大量買い(丸紅)に対して、岡地のシッパーは大量売り。
戻ってくれたのでやれやれの売りだろうが…
 今後実需の後押しが無い中で、相場がさらに上値追いするためには、
さらに商社筋の買いが続く事が前提条件となろう。
当方としては、遠くから市場を眺める事に撤したい。

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

11月限(当限)

前日比 

9月限(先限)

前日比 

10月22日

\9,020

50

\9,020

170

10月23日

\9,130

110

\9,200

180

10月24日

\9,730

H600

\9,350

150

10月25日

\10,220

490

\9,680

330

10月26日

\10,330

110

\9,490

-190

 

 当限が11月限という端境期の相場に対する仕掛けが、
あっという間に期近からの急騰相場を生んだ。
短期間の当限の2,000円高は、
恒常的に順ザヤ相場のコーヒー相場を1,000円ほどの逆鞘に持っていった。
 売り方にとっては、あらびっくりか(アラビカ)コーヒー!
ロスした(ロブスタ)コーヒー!とでも呼んであげたいくらいである。
 買い材料が何も無い状況の中での急騰劇は、
売り安心感の出ている中で、多分に作為的なものであった。
薄商いの当限11月限〜3月限を吊り上げながら、先物を大量に売る戦略は見事。
しかし、週末の前場2節でほぼ終了したと思われる。
 今度は、やっぱりコーヒーは余り物だった!
という展開になるのではないかと予測する。

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

1月限(当限)

前日比

11月限(先限)

前日比

10月22日

\20,970

580

\19,090

440

10月23日

\20,930

-40

\18,990

-100

10月24日

\20,900

-30

\19,180

190

10月25日

\21,700

800

\19,940

760

10月26日

\21,390

-310

\19,620

-320

 

 コーン・コーヒー・ゴムと同様に、
安値に売り込まれた粗糖相場もW底型チャートパターンによって急騰した週であった。
コーヒー相場と同様に、週末は下落して終わっているが…
 取組高・出来高の低迷する中で、
今週は外資系商社の買い・国内大手商社の売りの図式である。
目先的にはどちらに軍配が上がるかは、ようわからん。
 10月10日の18,190円は、
目先的に底かも知れぬが、大きな目で見て下げトレンドはまだ終了したとは考えづらい。
所詮は、再度下抜けするのではと考えているが、
国内市場の薄商いの中ではポイントを探しづらく、
NY市場の動向に左右される事となるだろう。
 そのNY市場だが、10月25日の6.95セントは戻りいっぱいの水準ではないか?
6.50セントを割り込んでくれば、再度下げに加速がつくのではないかと考えている。
逆に7セント台へ上昇するようならば、ポジションを消しておく事を推奨する。
(基本的に売り方の考え方なもんで…)

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス aag73520@pop02.odn.ne.jp

 

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