商品市況展望

平成12年9月3日記

 

 50年という長い期間上場されていた『東京綿糸40単』が上場廃止になりましたね。昔はよくやったもんですが…

 上場商品も昔とは全く変わってしまった。ずいぶんと種類も増えましたしね。

しかし数ばかり増え過ぎて、立会いがずっと続いている状態では外務員にとっては忙しすぎて…

 ブロイラーだ、卵だ、国際生糸だ、NON-GMO大豆だ、etc…

何でも見ているわけにはいかないし、やらない勇気も必要だなあと感じるこの頃です。

 

 取引形態にしても同様。昔は板寄せ取引一本。

今はザラバ取引銘柄が増えましたね。(貴金属・石油製品など)立会時間中なら、いつでも取引が出きるのが便利。

でも一日中はり付いて見ていなければならない。全くゆったりする時間が無い。

 お客さんもインターネットだ、ホームトレードだと忙しい。

相場情報は確かに昔と比較すれば格段に増えた。手数料も安く上げられる。

しかしそれで儲かるかどうかは別の次元の話。

玉石混合の情報に振りまわされている人もいれば、手数料の安さで相場が儲かると勘違いしている人もいる。

 どんな形になろうとも、相場は相場であるということ。

オプションだ、デリバティブだと言ってみてもリスクの総量は変わらない。

これって物理科学の常識じゃない?

 

 

 

〔石油製品〕

 

今週のガソリンの値動き

 

10月限(当限)

前日比 

3月限(先限)

前日比 

8月28日

\30,440

170

\28,990

190

8月29日

\31,130

690

\29,670

680

8月30日

\31,750

620

\30,110

440

8月31日

\32,450

H700

\30,810

H700

9月1日

\31,000

-1450

\30,110

L700

 

今週の灯油の値動き

 

10月限(当限)

前日比 

3月限(先限)

前日比 

8月28日

\32,200

H900

\32,000

570

8月29日

\32,980

780

\31,990

-10

8月30日

\32,330

-650

\31,550

-440

8月31日

\32,330

0

\32,160

610

9月1日

\30,650

-1680

\31,260

-900

 

 やっと目先の天井を確認したでしょう。

 今回の上昇相場は、シンガポール市場と比較して割安だった灯油にまず買いが集まり暴騰。

その後にガソリンがもみ合い上放れで追随しました。

 しかし一足先に32000円台を達成していた灯油は、ガソリン買いに対するヘッジ売りを浴び上げもだえていたところ、

今度はガソリンもストップ高時の自己玉の8000枚あまりの大量売りを浴びて週末一転のストップ安。

 灯油とガソリンのサヤも先限3月限ベースで、8月21日新甫870円幅が一時は3000円幅以上に拡大。

それがまた1150円まで詰まってきております。

 

 ガソリン・灯油ともに3万円台を達成し、海外市場との割安をほぼ解消した状態では、

今後の価格はいよいよ原油価格に連動するか?

 なんせ今までは海外が高かろうが安かろうが、国内価格にはほとんど影響しなかったケースが多かったですからね。

 それゆえ目先は天井としても、原油価格が大きく下落を始めない限りまた上昇相場が開始される事となるでしょう。

その際はまた、冬場の需要期を迎える灯油が先導する展開になるでしょう。

 

 

 

〔貴金属〕

 

今週の白金の値動き

 

8月限(当限)

前日比

6月限(先限)

前日比

8月28日

\2,000

40

\1,849

18

 

10月限(当限)

 

8月限(先限)

 

8月29日

\1,951

7

\1,672

*

8月30日

\1,975

24

\1,867

15

8月31日

\1,975

0

\1,867

0

9月1日

\1,997

22

\1,900

33

 

 先週、再度の上昇相場がスタートするかも…とした白金ですが、納会は2000円での落ち。

先物も1900円を回復しました。

 まずまず予想通りに展開ですが、今回の相場はこれ以上大きな相場に発展するとは考えづらい。

先週の8月限納会前は若干の買い越しポジションを見せる商社もおりましたが、

結局はこの戻りですべて売り越しへと変化。

結論としては、1900円台は一度新規売りをしてみたい。

 

 

 

〔コーン〕

 

今週のコーンの値動き

 

11月限(当限)

前日比

9月限(先限)

前日比

8月28日

\10,090

90

\11,360

80

8月29日

\10,230

140

\11,490

130

8月30日

\10,430

200

\11,590

100

8月31日

\10,260

-170

\11,480

-110

9月1日

\10,260

0

\11,520

40

 

 米国中西部の乾燥気候、中国の旱魃だったか洪水だったかでの輸入国転落の状況(どっちだったかど忘れした)

など、やっと強材料が出始めました。

ここで上がらなければどこで上がるといった気持ちの買い方が多い様ですが、まだまだ時期が早いでしょう。

 相場はシカゴの反騰にもたった400円程度しか上昇を見せず、

何よりもべったり売っている商社・地場筋がまったく買い戻そうという気配さえも見せない。

はしゃいで買ったら、また因果玉を作る事になりそう。

 

 

 

〔ゴム〕

 

今週のゴムの値動き

 

9月限(当限)

前日比 

2月限(先限)

前日比 

8月28日

82.6

2.6

95.5

*

8月29日

79.7

-2.9

90.3

-5.2

8月30日

75.5

-4.2

84.4

-5.9

8月31日

69.5

L6.0

80.1

-4.3

9月1日

67.1

-2.4

81.3

1.2

 

 仕手相場特有の急騰、急落を繰り返しておりますが、

なんか周りを見ていますと皆ボロボロになっているようです。

自己玉ですら90円台の高値で大幅売り越しをスクエアにさせられ、

80円そこそこでまた大幅売り越しへと変化するなど、決して当っていない。

一般投資家はいわんや…の状態?

 こんな相場を『底から天井まで』取りきろうとするからおかしくなる。

本当にわかりやすいところのみを仕掛け、判らなくなったらすべて手仕舞いする、これが最良でしょう。

29日の96.2円の『鬼より恐い一文新値』の日は、絶好の売り場だったはず。

そこから10円も下げたら手仕舞いして、あとは知らんとしておけば良いだけの事。

 あえて週末の手口を考えて見るならば、

商社筋は産地との比較で東京市場は割安へと変化したため売り玉の利食いに専念。

一般は前回の急落後の戻りを見ているため、2匹目のどじょう狙いで買いオペ。

ノボル筋はサンワードより大幅売り越しへ。穀物筋も売り乗せ。どうなる事やら…

 

 ここでインターネット取引で本当に儲けている人たちの手口を公開!

岡地・サンワード・山前などの仕手機関店で煽りまくる。

その時に反対のポジションの建て玉を一般投資家のふりをして、場違いの店のネットではめ込む。

十分に建て玉がたまったら、反対の煽り玉を機関店で振ってネットの玉をゆうゆう利食いする。

氷山は見えてる部分よりも水面下が大きいということを忘れない様に…

 

 

 

〔アラビカコーヒー〕

 

今週のアラビカコーヒーの動き

 

9月限(当限)

前日比 

7月限(先限)

前日比

8月28日

\12,410

-120

\14,490

110

8月29日

\12,530

120

\14,350

-140

8月30日

\12,530

0

\14,170

-180

8月31日

\11,930

L600

\13,570

L600

9月1日

\11,880

-50

\13,560

-10

 

 あれよあれよと言う間にズルッと下げて、またも新安値更新。

いかに梅田筋とはいえ、現物を受けることが不可能なコーヒーでは商社筋に軍配が上がると言う事か。

 この価格帯からの新規売りにはさすがに抵抗があるため(単なる値頃観ですが)

どこかで買い出動したいが、まだ時期尚早か。

取り組みがほぐれていないですからねえ。NY市場も大きく上がる材料は無さそうですし…

 

 

 

〔粗糖〕

 

今週の粗糖の動き

 

11月限(当限)

前日比 

9月限(先限)

前日比

8月28日

\26,050

H1000

\24,560

H1000

8月29日

\26,090

40

\24,750

190

8月30日

\25,400

-690

\24,380

-370

8月31日

\25,480

80

\24,500

120

9月1日

\24,400

-1080

\24,300

-200

 

 先週の月曜日はストップ高の急騰でしたが、所詮は一過性の戻りに過ぎずまた反落相場を強いられた週でした。

 しかしNY市場が10セント台を維持している限り、23000円台を割りこむような相場の出現は考えづらい。

東京市場での穀物メジャー・カーギルの建て玉は売り越しからスクエアに。(おそらく現在は若干の買い越しか)

 NY市場が10セント台を維持している状況が続いている限り、逆張りの対処。

10セントを割りこむようならすぐに途転売りへ。

最悪9セント割れで国内は22000円割れへ。

逆に11セント台に乗せるようなら大相場へ。

国内3万円の風林さんの説が現実のものへ…

 あれこれ考え悩むよりも、じっと待ちましょう。

 

 

 


 

 このレポートは、私が個人的な判断で書いたものです。

内容の責任はすべて私に帰するものですが、取引に対する利益を保証するものでは在りません。

(当たり前ですが念のため)

 

 

 

 

        岡地株式会社 営業第一部 コモディティアドバイザー

                       中田幸一郎

        TEL:03−5643−8509 直通

        メールアドレス aag73520@pop02.odn.ne.jp

 

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