用語の解説

自己玉(じこぎょく)

 自己玉と言っても、自分の玉の事ではありません。関西じゃ相手のことを『自分ナあ』と言いますが…
 商品取引会社が皆さんの注文を受けて出したものは『委託玉』といいますが、
それに対して商品取引会社自体が自分のお金で出す注文を『自己玉』といいます。
『委託玉』と『自己玉』の会員別の枚数は取引所より毎日必ず発表されます。
 市場では売りと買いの注文が一致しなければ価格は決まらないわけで
(買いが多ければストップ高比例配分、売りが多ければストップ安比例配分になってしまいますから)、
様様な注文(一般投機家・商社・ファンドなど)が集中しても、その売り買いの総数は必ず一致します。
 その中で『自己玉』と言うのは、なぜか一般投機家の売り買いの『委託玉』と反対のポジションになっていることが多いのです。
それはなぜって…この世界には昔からいわれている格言があります。
『大衆投機家…それは消え去るためにある。』
 非情な言い方だが、大衆投機家が一時的に儲かったとしてもいずれは損をするだろうとプロの市場参加者は考えているわけで、
自己玉のポジションを知るという事はプロの実際のポジションを知るという事なのです。
 自己玉のポジションが買い越しならば、委託玉は売り越しになっている。
そんな相場は上昇する。
まあ必ず自己玉が儲かるといったものではありませんが、参考にしておいたほうがいいのは確かですよ。


手口を読む

 相場は誰が動かしているのでしょう?
商社?ファンド?仕手筋?
それとも一般投機家?
そのどれもが正しいとも言えるし、
だれにも相場操縦は不可能とも言えます。(いいかげんでごめんなさい)
 本来、商品相場の値動きは需給によるものがそのほとんどを占めます。
でも例えば世界中で生産されている穀物の生産高や在庫量をはたした誰が正確に把握できるというのでしょう?
米国農務省の発表による穀物生産高○○○トンなんて言ったって見てきたような話だけ!
米国農務省=USODAは日本語読みは『うそだ!』なーんてね。
 ただひとつ確実な事は、
市場参加者の誰が買っているのか、誰が売っているのかを知る事は
100%正確ではないにしても可能である事。
 取引所ではすべての会員の売り買いの手口を(今日何枚買ったか、売ったか)発表しております。
毎日の手口を統計としてとっていく事によって、
そのポジションが当たっているのか、苦しいのかがわかります。
ばくちの鉄則は『水に落ちた犬は叩け!』
相場の鉄則は『曲がり屋に向かえ!』です。
厳しい世界ですねえ。


枚(まい)

 先物取引では(商品だけでなく株の先物や金融商品の先物でも)売買単位を1枚、2枚と数えます。
なぜそうなのかは、残念ながら私は知りません。
株もなぜ1株、2株と数えるんでしょうね。知っている方教えてください。
 商品先物の場合は1枚が最低取引単位です。注文は1枚から出せます。
でも1枚づつでは採算が合わないからといって断る会社もあるでしょうが…
 1枚の対する証拠金は、
最高額東京ガソリンの1枚=9万円から、
最低額は中部ガソリンの1枚=1万8千円まで
1枚といってもそれぞれ違います。
証拠金というものは大体、総約定代金(もし現物を引き取ったらという代金)の5%くらいに設定されております。
ですから先物取引では、例えば50万円の証拠金取引で大体1000万円の品物を売り買い出来るわけです。
仮に1000万円の品物が2000万円に値上がりしたら、なんと50万円で1000万円の儲け!
 それを面白いと思う人が取引に参加しますし、逆に危ないなあと思う人は毛嫌いするんでしょうね。


限月(げんげつ)

 先物取引を知らない人が一番最初に疑問に思う事。
新聞を見ると株は値段がひとつなのに、商品はなぜ月毎に違う価格がたくさん並んでいるのかな?
 例えば2000年の12月限といえば、その月に受け渡しを行うという事なのです。
大概はその月の月末近くに納会日がありますが、商品によっては納会日は前月という場合もあります。 
 もしあなたがその12月限を買っていたのなら、
その12月限の納会日が来るまでに売り決済するか、あるいは買った価格で品物を受け取るわけです。(現受け)
 逆にもしあなたが12月限を売っていた場合は、
その納会日が来るまでに買い戻して決済するか、あるいは売った価格で品物を渡さなければなりません。(品渡し)
 限月ごとに価格が違うのは、
それぞれの商品で需要期・不需要期があることや金利の問題など様々な要因が重なるからです。
 しかし限月ごとの価格が違っても、
例えばあなたが買ったのが12月限であれば12月限の価格でしか決済は出来ません。
11月限の価格のほうが高いから11月限で決済する、なんてことは出来ません。
 例えばとうもろこしという商品は6つの限月がありますが、
そのすべてが株で言えば違う銘柄なんだくらいに思っていたほうがいいかも…


 鞘(さや)

 このホームページではさやという漢字は難しいので、通常カタカナ表記にしておりますが、
先物売買の真髄はこのサヤにあります。
簡単に言えば価格差というのがこの『サヤ』のこと。
 同じ商品の限月間のサヤ、現物とのサヤ、他市場とのサヤ、
あるいは同じような商品(例えばガソリンと灯油、金と白金、大豆とコーンなど)の価格差
なども広範囲でサヤといえるかもしれません。
 鞘取りとは『割高を売って、割安を買う』この一言に尽きます。
よく英語で「デリバディブ」だとか「アービトラージ」だとかいいますが、
とどのつまりはサヤを使った鞘取りでしかないでしょ。
 ただしサヤについての解説は、分厚い本1冊分にもなりますからここではこの程度で…


バイカイ

 売り・買い同枚数を市場で成立させること。証券市場では『クロス商い』なんていうのかな?
 バイカイにもいくつかの種類があります。
一般的なのは板寄せ取引において委託者どうしや委託者対自己玉で、値段が決まった後に同枚数を成立させる事。
例えばAという店で100枚の買い注文と150枚の売り注文があったとしたら、
市場には50枚の売り注文のみを出して残りの100枚はバイカイ付け出しにする、なんて方法がとられる事があります。
 しかしこの方法は、価格形成が不透明になるとの事から評判は良くないですが…
特に『ノミ屋』と呼ばれる一部の取引員では、もっぱらこの方法ばかりとっている場合があり、
さらに1枚残らずすべて枚数を合わせるという事が行われている場合もありますから、本当に困ったもんです。

 ストップ制限に張り付いた場合には、店内に買いたい人、売りたい人がいた場合は店内バイカイを振ることがあります。
ストップ高時に『俺は売る』なんて人がいた場合は、それこそ買いたい人はいっぱいいるわけで、
そんな貴重な注文は店内の人にあげた方がいいでしょうから…
でもストップ高に張り付いていたのに、翌日は急落なんてことも良くあるのですが、それは恨みっこ無し。

 また同一委託者が、自分で売り買いを同枚数出してバイカイを行う事もあります。
例えば利益の乗っている買い玉を、売り手仕舞いと買い新規をする…『利抜きバイカイ』なんて言うのもありますね。
ポジションはそのままで、証拠金を増やしたい場合なんかに使います。

 また複数の取引員を使っている場合に、A社で売りB社で買いを入れる場合もバイカイですね。
私が注目しているのは(また商品市況展望にて解説したりするのは)商社・仕手筋のこのパターンのバイカイの事です。
 さらに梅田筋などは、先物限月の発会時にいきなり大量の売り買いを同枚数新規で建てる戦法を採ったりもしております。
相場が上に行ったらまず買い玉を利食い、その後に下に行ったら売り玉を利食う。
アメリカなんかじゃ良く使う人もいるそうですが…


仕手筋(してすじ)

 買占めをしたり、資金力に物を言わせ強引に売り崩したりする大手投機家のことですが、
最近は『買占め』『売り崩し』なんてことはまあありません。
 商社(大豆市場の三菱)やファンド(市場崩壊直前まで行ったパラジウム市場は記憶に新しい)の方が性質が悪い。
 ですから○○筋と言っても、ほとんどプロの大手有力投機家のことだと思ってよろしい。
大体に『買占め』といったって小型の株式ならともかく、商品の買占めはほとんど不可能に近い。
かつてハント兄弟が銀の買占めをしたときには、数兆円の資金を使っても失敗したというエピソードがあるくらい…
 株は全部買ったらなくなるけど、商品は作ればまたできるのよ!
商品先物市場は株式市場と比較するとえらく小さく見えるらしく、
何年かごとに例えば『小豆の仕手戦』なんて事が起きるが、100億円使おうが結局最後は失敗するねえ。
 このところの仕手筋は、大体は鞘取り戦法が主力でしょう。
ですが、買占めとまでは行かなくても、納会での現受け敢行なんかはしますね。

 ところで○○筋と言うのは、どうしてなんでしょう。その由来が判る方はご一報を!
 現在○○筋と呼ばれる人たちは何人かいますが、推定10万枚もの建て玉を保有する梅田筋、
ゴムの買い方近江筋、当りやのノボル筋辺りが有名どころ?
しかしお金だけたくさんあって5000枚くらいの建て玉をしても、
所詮小金持ちの道楽ならば仕手筋とは言われずに、場違い筋と呼ばれます。
 現役の方々は差し障りがあるのであまり書けませんが、
私が新人の頃にはたった10万円から40億円を稼いだ桑名筋こと板崎さんや、
200億円以上の資力があるといわれ生糸市場で伊藤忠商事と伝説的な仕手戦を演じた静岡筋こと栗田さんなどいましたね。
もう栗田氏は故人となりましたが…
 これから相場を始めて、仕手戦までして歴史に自分の名前を刻みたいという人がいましたら、是非お声をかけてください!御協力いたしますよ。